現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
時は雷虎が愚痴を吐く事になる少し前までに遡る。
雷虎がいた位置から離れていたところで、勇樹ことクウガ(リ・マジネーション)と雪泉ことメテオが、ロビンことリープに半ば強制的に共闘しながら、トルーパーの軍勢と巍道ことローグと交戦していた。
半ば強制的に共闘した形でだが、リープの陣営は3人。トルーパー達の人数は15人。対してローグはたった1人。人数的に明らかにローグの方が不利……の、はずだった。
「数の多さからの三つ巴は、かえって都合が良いものとなったな」
余裕のある様子でそう呟くローグは、突如として軽く身体を右側に傾けた。そのコンマの差で、トルーパーが突き出してきた槍がローグを素通りし……否、素通りさせられた。
「後ろから攻撃してくる事も利用できるから……ってかい?」
だがそれを、リープは難なくリープカリバーアローの
「いいや……一瞬でも俺から気を逸らした奴から倒しやすいから、だ。フンッ‼︎」
「グハッ……⁉︎」
その隙を狙ってか、ローグが右拳をリープの腹部に突きつけ、彼を後退りさせる。さらに回し蹴りをしてリープカリバーアローを蹴り飛ばし、武器をはたき落とされた事に気を取られたリープにもう一度回し蹴りを……
「とりゃあ‼︎」
「クッ⁉︎」
しようとしたところで、クウガ(リ・マジネーション)(以降リマジクウガ)が駆け上がりながらの跳び蹴りを行い、胸部に蹴りを入れられたローグはそのまま近くのドラム缶の近くまで吹っ飛ばされた。
「フゥッ……ほら、落とし物だぜ」
着地してから1つ溜息をつくと、クウガ(リ・マジネーション)改めリマジクウガは右手に持っていた何かを、リープに向けて投げ渡した。
それは、先程ローグによってはたき落とされたリープカリバーアローだった。それにリープは面を喰らったかのような反応になるが、思わず反射神経で投げ渡されたそれをキャッチした。
だが、リープは素直に喜ぶ事はできなかった。出会ったばかりのライダーから手を貸してもらっている事自体、都合が良すぎるのではないかと、リマジクウガを警戒しているからだ。
だからこそ、問わずにはいられなかった。
「……アンタ。他のライダーもそうだけどさ、何故そうまてして俺達の事を手助けするんだ? 俺達、明らかに初対面だよな? 願いを叶えようと手段を選ばない輩もたくさんいる中で、初対面のライダーに何の躊躇いもなく助けるなんて、普通できないはずだよね?」
「あぁ……」
リープがそう問いかければ、リマジクウガはやっぱりそれを聞いてくるのか、みたいな反応で頭をポリポリと掻く。
するとふとローグの方に視線を向け、すぐに起き上がってこちらへと向かって来ないかを確認する。ローグは既に襲い掛かってきた複数ものトルーパーの相手をしており、こちらへとすぐに向かって来る事はない事を確信させる。
今なら余裕で理由を話せる……そう確信したのか、リマジクウガはリープの質問に答え始める。
「ウチの仲間がお前達の事を一切攻撃してなくて、それに理由があると思ったから」
「いやそれはアンタの仲間が言った事でしょ? どっちかというと、アンタら個人個人の理由を聞きたいんだけど」
「俺、別に他の人達がどう思っているのかまでは知らねェよ?」
リープが問いかけているのは、ウィザードの仲間である者1人1人がどう思っているのか……というものであった。
仲間が何か理由があって攻撃していないから、なんてのはウィックスが語ったからであり、リマジクウガ含めウィザードの仲間である他のライダーがどう思っているのかは不明となっている。それがリープの疑惑に拍車をかけているのだ。
そっちの方か〜、とリマジクウガが呟けば、また頭を掻く。そして何を思ったのか、再び口を開く。
「うーん……浩司の意見に合わせてやっているのも、俺の本音みたいなものなんだけどなぁ……他に理由があるとしたら、そうだな……」
ローグがこちらへと吹っ飛ばしたトルーパーの1体を、振り返りながらの重いパンチで顔面を中心に殴り飛ばしてから、三度口を開く。
「お前達が悪い奴じゃないかもしれないという、俺の勘だよ」
「………………は?」
こいつは一体何を言っているんだ? 悪い奴じゃないと思った? 勘? そんな理由もあって自分達を助けているのかこいつは? リープはリマジクウガが何を考えているのか、余計に分からなくなり困惑してしまった。
それに付け足すように、リマジクウガがまた口を開く。それもはっきりと説明するような口で。
「もしもお前達が本当に悪い奴だったら、俺達が加勢する前から、4vs1になってソロとなってしまったほむほむ……あっ、あの赤い宝石の魔法使いなライダーの変身者の名前な? そいつを4人がかりで倒そうとしていたはずだったし。それと、不意打ちとか何かしらのやり方で、もっとほむほむにダメージを与えられたと思うし」
「……それは勘というよりは、来た時の俺達の行動からの判断しての、って感じなんじゃないの?」
「どっちも同じだろ」
もしも加勢しに到着する前に、自分達がウィザードに対して卑劣な事をしていたとしたどうするんだ。リープがそう問いかけようとしたところで、リマジクウガは近くに転がっていた太めの鉄パイプを拾い上げた。
「超変身‼︎」
するとリマジクウガの宝玉のような瞳は、突如として、真紅から深淵なる紫色へと光を変えたのだった。
それに呼応するように、しなやかだった肉体は瞬時にして重厚な銀の甲冑に覆われ、下地の漆黒は高貴な紫へと染め上げられていく。
さらに鉄パイプは、神秘の波動を帯びて紫に縁取られた白銀の長大な剛剣──タイタンソードへと姿を変わっていった。
邪悪なるものあらば鋼の鎧を身に付け、地割れの如く邪悪を切り裂く戦士あり。
タイタンフォーム。大地を司る巨人の力を持った、リマジクウガもといクウガの戦闘形態の1つである。
「俺も、お前達を助ける理由を話した浩司みたいに、変な奴だと思われたり、お前達に馬鹿にされたりするかもしれない。けど、俺自身はそれでいい。そうでもしないと、本当の人間性が失われてしまうんでね」
「………………人間性、か……」
呟いた言葉は、金属のぶつかり合う音や、物を殴り蹴り飛ばしたりしている音などが飛び交うこの戦場に、溶けるように消えていった。
馬鹿げている、と一蹴するのは簡単だった。しかし、仮面越しにまっすぐ自分を見つめている目の前の男を見てしまえば、それが本気であることなど嫌でも伝わってきている模様。
リープはそんな顔も言葉もまっすぐなリマジクウガを見て、そして俯きながら思わず溜息を漏らした。
「私が
そこに数体ものトルーパーを殴り飛ばしたローグが現れ、リマジクウガに向けて跳び蹴りを仕掛けた。
それはリマジクウガの胴体に直撃し、鈍い音を響かせたため、リープはハッと今起きた現状に気づき、思わず顔を上げリマジクウガの事をまっすぐと見つめた。
だが。
「いやいや、いつ来るのかとかを、尻目で見ながらちゃんと確認していたんだぜ?」
リマジクウガは怯まなかった。寧ろ微動だにせず、その場に立ったままタイタンソードを握りしめている手の力を強めた。
「……‼︎」
「言っとくけど、このタイタンフォームは、お前の防御時のそのゼリー部分みたいに防御力が高いぜ? オラァッ‼︎」
タイタンソードを力強く、斜め右上に大きく振り上げたリマジクウガ。その斬撃をモロに左肩まで受けたローグは、思わずその場で横転してしまった。
ローグの全身を覆う装甲──クロコダイラタンアーマーは、内部がヴァリアブルゼリーで満たされており普段は柔らかく動きやすいが、攻撃を受けた瞬間に硬化し、徹甲弾を受け止める程に防御力を飛躍的に高めることができる。
ちなみにヒビの入った部分が白いのは、この特性で装甲強化フレームへと変化したためだそう。決して模様として刻まれているからではなく、きちんとした理由があってこそなのだ。
この性質により、格闘攻撃はほとんど通用しないようになっている。ほとんどは……だが。
タイタンフォームが巨人の力を彷彿としているためが故か、はたまた大地を司る力がローグの防御力を貫通する力があったからなのか……その怪力による斬撃は、ローグの装甲を貫通していたのだ。
「ガハッ……‼︎」
遅れて痛みを受けた事によって、濁った息を溢したローグ。その場で仰向けに倒れ、斬られた辺りに受けた痛みを抑える。
「ッ……‼︎ まさか防御力を無視するのではなく、力を込めた1発でゴリ押しするとは……」
リマジクウガが、ローグにとって想定していなかった事態を引き起こした。その事実がリマジクウガの危険性に対する見方を変えたのか、ローグは彼を鋭く睨みつけた。
「ライダーや変身者によっては、スペックを超えていたりする奴だっているからな。こういう結果になってもおかしくはな───うおっ危ねっ」
突然として、リマジクウガが軽く体を左に捻らせた。すると彼を通り過ぎるかのように、3体ものトルーパーが吹っ飛ばされており、そのまま木箱や鉄骨などにぶつかった。
タイタンフォームは強靭な攻撃力と頑丈な防御力を引き換えに、スピードが遅くなるというデメリットがあるため、即座に判断・行動に移して二次被害を避けられたのは幸運だっただろうか。
「すみません。そちらの闘いの邪魔をするつもりではなかったのですが、変な吹っ飛ばし方をしてしまったようで……」
そう語りながらも、リマジクウガ達へと迫って来ていたトルーパーの1体の顔面をパンチで攻撃していたのは、彼の仲間で先輩である雪泉ことメテオであった。
彼女は複数ものトルーパーの相手を自ら買って出ており、トルーパー達の相手をする事で、リマジクウガ達に攻撃する方の数を大幅に減らし、ローグとの闘いに集中しやすくなるようにしていたようだ。
「大丈夫ッスよ先輩。それよりもあいつらすぐには動けないようなんで、倒すなら今のうちじゃないですか?」
「それもそうですね……では」
リマジクウガから許しをもらった事を確認した後、メテオは左前腕の方に手を触れ始めた。そこには、その左前腕を覆うように装着されている何かがあった。
それは、星空を思わせる深みのある紺青色をベースに、各所に配された金色のライン、そして全体を引き締め夜空を表す黒の3色で、宇宙や近未来のテクノロジーを彷彿とさせるガントレット──メテオギャラクシーである。
『SYSTEM ALL GREEN!!』
メテオギャラクシーのシステムが起動したのに合わせ、メテオは縦に3本並んだ透明感のある青色のレバーの内の、右側のレバーをスライドさせた。
『SATURN READY?』
新たな音声が出てすぐ、メテオギャラクシーの左側にある、親指の形に合わせた黒い円形のフラットなパネルに、その親指でタッチした。
『OK!! SATURN!!』
すると星雲や銀河の渦を凝縮したような、キラキラとした宇宙のミニチュアのようなディテールが施されている、天体の部分から何かが発生・出現した。
それは、見た目は土星そのもの。それがその環状の衛星を象り、球体とリング状のものが合成されたエネルギー体──サターンソーサリーとなって出現したのだ。
「スゥッ……」
左脚を前に出し、前屈状態となりながら構えるメテオ。そして複数のトルーパーに向けて狙いを定めれば……
「ハァッ‼︎」
彼等を仰ぐように左腕を横薙ぎき振えば、サターンソーサリーはフリスビーを投げるように飛んでいく。それはトルーパー達の前に偶然立っていたローグを素通りし、トルーパー達の方へと飛んでいく。
トルーパー達はそれぞれが武器を盾代わりにしたりして、防御態勢を整えたりして迎え撃とうとするが、サターンソーサリーの刃は円形ながらも鋭く、切れ味が強い。次々と装甲を抉られ、刃が次々と彼等の体に直接刃が当たっていく。
8体ものトルーパーに刃を深く当てながら、一周してメテオのメテオギャラクシーの元へと戻り、ホログラムとなって消滅していった時には、そのトルーパー全ての斬られた跡に、激しい火花が発生していた。やがて全員の体が持たなくなったのか、次々と爆発して消滅していった。
「どうもッス雪泉先輩‼︎ ちょっと場がスッキリしたから助かった‼︎」
「いいえ、力になれたのならよかったです(率直に褒められた……悪い気がしませんね……)」
リマジクウガに感謝の言葉を送られたメテオ。表面では冷静さを装っているが、内心では好意のある異性に褒められた事を素直に喜んでいるようだ。一瞬だけとはいえ、両手を後ろに組んで少しモジモジとしていたのがその証拠だ。
「他の事に目をくれずに余所事している場合か?」
『スペシャルアタック、プリパレーション!!』
ローグの声が聞こえてきたのに続き、彼のドライバーから必殺技の発動準備が行われる事を伝える音声が発生した。
その方向へと見れば、ローグの周囲には、既に様々なポーズを取っているローグの立体映像と、彼が必殺技らしきものを決めている場面が映し出されている映像が投影されていた。
だが、それに戸惑ったりするリマジクウガではなかった。
「いいや? そうじゃなかったら、今さっきこうして話してなかったぜ? 超変身‼︎」
ローグの方へと向き直したリマジクウガの双眸が、鮮烈な翡翠色へと瞬く。
身を包む装甲は風を思わせる鮮やかな緑へと染まり、右肩から腕にかけて非対称な金の装飾が気高く浮かび上がる。先程の重厚な姿から一転、研ぎ澄まされた静謐な空気を纏う『緑の射手』へと変貌を遂げていた。
手にしているタイタンソードも、古代の力が込められた翡翠の弩《いしゆみ》──ペガサスボウガンへと姿を変え、ただ一点の標的のみを冷徹に見据えた。
邪悪なるものあらば、その姿を彼方より知りて、疾風の如く邪悪を射抜く戦士あり。
ペガサスフォーム。感覚を研ぎ澄ます自然界の天馬を彷彿とさせる、リマジクウガもといクウガのもう1つの戦闘形態である。
『スペシャルアタック、プリパレーション!!』
フォームチェンジを遂げたリマジクウガは、すかさずドライバーの両側にあるボタンを両方押し、同じく必殺技の態勢を整えていく。
さすればローグと同じように、様々なポーズを取っているペガサスフォームのリマジクウガの立体映像と、必殺技らしき行動をしている場面の映像が映し出された。
「これでケリをつけようぜ」
「……ペガサスフォームは、本来の力同様ならば、制限時間が設けられている。時間切れになって我が公利の礎になってしまっても、文句は言うまいな?」
リマジクウガの言葉に、予想と質問で返すローグ。その問いにリマジクウガは言葉では答えず、代わりに行動で示す。お互いに、ドライバーを両側とも力強く押し込んだ。
『『スペシャルアタック、オーケー!!』』
『クラックアップフィニッシュ!!』
2つのドライバーが同じ動作をし、それぞれの周囲を回っていた映像が全て、それぞれのライダーと重なり合って弾けた。
それに合わせ、リマジクウガがペガサスボウガンの機構を引き絞ると、ペガサスフォームのリマジクウガに秘められた膨大なエネルギーが、その切っ先へと収束していく。
対するローグは前屈みの状態となれば、両脚に赤紫の鋭い鰐の牙の形状となっているエネルギーが纏わりついた。
そしてローグは跳躍し、回転しながらリマジクウガに向けて急降下していく。
「くたばれ……‼︎」
「くたばらねーよ。勝つのは俺達だ‼︎」
迫ってくる、全てを喰らいつくさんとするローグの回転蹴り。それを跳ね返す……寧ろ対抗しそのまま倒すべく、リマジクウガはボウガンの引き金を引く───
『PAUSE』
刹那、突如として時間は停止した───
>一瞬だけとはいえ、両手を後ろに組んで少しモジモジとしていたのがその証拠だ。
本家メテオ「さ、寒気が……⁉︎」
ん? 次話への区切り方が前回と一緒だって?
………………気にするな‼︎(某魔王風)