現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

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1つの戦闘に6話も使っちゃったよ……


混戦は突如として終了した

 

 ほむらと謎の2人組のライダーの援護に行ったら、予想外の展開からとんでもない結末となっていた。

 

 最初は実質的な8vs2の戦闘になるのかと思った(思い返してもやっぱり卑怯だよなそれ)が、そこに復活したデシアゴーレム・スパイダーとトルーパー軍団が乱入。

 そこから二手ならぬ四手に分かれ、謎の2人組のライダーの手助けを(半ばこちら側が勝手に)しながら、それぞれの相手をする事になったはずなんだが……

 

 突然として、瞬きもしない内にトルーパー軍団は全滅。雷虎になっていたはずの善逸はやられタイクーンのディスクを奪われ、ローグも気づかぬ内にやられていた。

 そいつらを倒したのは、新たな乱入者で、黒いレガシーライダーバックルを巻いた、仮面ライダークロノスだった。

 そいつは何故かブチギレたスパイダーに対し、まるで静かながらも無邪気な子供の如く、狂った笑い声を上げながらボコボコにしていった。可愛らしい女性の声をしていたのに末恐ろしい。

 そこに、同盟のローグを倒された事を実は怒っていたクイズも、クロノスを倒そうと動いた。だが、肝心の問題も全て答えられて強制ダメージは与えられず、最終的にクリティカルクルセイドでスパイダーごと倒されてしまった。

 

 と、ここまでが今起きている現状だ。

 ……はっきり言わせてもらってもいい? なんでエグゼイドのラスボスライダーが出て来てんねん。

 いや、なんとなくそうなるんだろうなとは思っていたよ? いろんなライダーの能力が、この世界でディスクとなって散乱しているんだから。実際、中ボスだけど劇場版ライダーであるレイに変身したライダーもいたわけだし。

 けど俺、ライダーになってまだ1ヶ月弱ぞ? ひとりはそれよりも1週間程遅れてライダーになったんだぞ? それなのにさぁ、まさか早い段階でラスボスライダーに出会うとは思わないじゃん? どうすんのこれ?

 しかもよく見たら、レガシーライダーバックルの色が、いつものヤツと全然違うじゃん。黒いじゃん。オリジンドライバーなら何かしら本家の姿と異なる部分があるはずだけど、それもないじゃん。警戒せざるを得ないじゃん。

 ホントどうする……? 俺、まだウィックスの力を完全に使いこなせていないはずだぞ? それにエグゼイド系統以外で、クロノスの能力『ポーズ』に対抗する方法なんて知らないんだぞ? いくら実質8vs1という状況でも、奴に勝てるのかどうか……

 

 そんな中、クロノスは転がり落ちたクイズのディスクを拾い上げ、俺達の方に視線を向けてきた。まっまさか、次は俺達が獲物だとでも言いたいのか……⁉︎

 

「ッ、みんな構えろ‼︎」

 

 俺は思わずみんなに指示を出しながら、スプレードモードのウィックスガンソードを取り出して構えた。一体どのタイミングでポーズを使ってくるというのか……

 

「アラアラ、随分と警戒なされていますのね。ここまでの流れを見れば、当然と言っちゃあ当然でしょうけど」

 

 こいつ、あまりにも余裕ぶった様子で俺達を煽っているな……‼︎ それなのに、油断しているような様子は微塵たりともないようだが。ラスボスライダーの威厳云々とかに関係なく、常に俺達を見回している様子から、そう確信づいている。

 

「ですが、ご安心くださいませ」

 

PAUSE

 

RESTART

 

 不吉な音声が聞こえたかと思えば、クロノスは俺達の目の前からいなくなっており、代わりに廃工場の出入り口を出た辺りに立っていた。

 

「ま、また私達の知らない内に移動していたの……⁉︎」

「いつの間に……‼︎」

 

 みんなの声でハッと我に返り、思わず自分の体を手探りしたり、周囲を確認したりする。痛みは一切感じず、何かしらいつもと違った感覚も一切感じない。他のライダー達も、何らかの影響を受けていないようだ。

 そして俺達の方へと振り向き、クロノスは告げた。

 

「今回はここら辺で退却いたしますわ。欲張ってはいけない状態に遭っておりますので、今のワタクシは。それが、先程のお方が出したクイズの答えの理由ですの」

 

 退却……だと? 俺達はお前の力に圧巻されているというのにか? なんでそんなにも余裕だというのに、俺達以上のチート能力を持っているというのに、敢えて俺達は倒さないでいくんだ?

 

「またさらに何か奪ってくるよりかはマシだけどさ……それって、ここにいる全員を舐めているって事かい?」

「アラアラ、まさか」

 

 緑の仮面ライダーが睨むように問いかけると、クロノスは余裕のある笑い声を漏らしてきた。

 その余裕さを見せてくるも、いつでも迎え撃つ準備ができていると言わんばかりの、冷酷な眼差しが仮面越しに向けられているような気がして、思わず背筋が凍ったのを確信した。

 

「貴方達の闘いを見て、確信しておりますのよ? 場数を多く踏んでいて、下手して油断すれば苦戦する事がある……そう感じる程に。内2人はまだ参加したばかりのようで、他の方々のように経験は少ないようですが……ライダーの能力は侮れない、そう感じております」

「「ッ⁉︎」」

「だからこそ、今の状態で闘ってはならない。奪ったものが奪われ返される可能性は、避ける必要がある……そう判断いたしましたの。この意味、お分かりで?」

 

 こいつ……思ったよりも俺達の大抵の事を判断・把握していたのか‼︎ こいつ本人の現状がどうかは知らないが、もしこのまま俺達と長期戦になったら、こいつとしては都合の悪い事になる。そう確信して、退却の道を選んだって事か。

 だが長期戦になる可能性は、あくまでこいつ自身の予想なわけで、そうはならない可能性もあるけど、最悪を避けるべく敢えて見逃そうって考えに至ったのか。どうりで冷静なわけだ……

 

「それでも迎え撃つのなら受けて立ちますが……その時はすぐに終わらせて、貴方達のディスクを頂戴いたしますわ。……お話がすぎましたわね。それでは、ごきげんよう」

 

 そう告げながら、クロノスは俺達を見る目も送らず、前を向きながら歩いて去っていった。

 そいつが見えなくなるまで、俺以外のライダー達も、クロノスを攻撃する事はできなかった模様。転生者達は仮面ライダーの知識があるから分かるが、それ以外はあの威圧感で、攻撃したくてもできなかったようだ。

 ……苦い結果にはなったが、最悪な脅威は去ったって事か。俺は思わずその場で座り込み、変身を解除した。それほどまでに、恐怖などの負の感情で足が竦んで動けなかったんだな。

 

「……やっぱり、あのままあいつと闘おうとしたら、俺達は負けていたのかもな」

 

 気がつけば、俺は徐にそう呟いていた。そうなる程に、やっぱり俺は未熟なんだなと、改めてそう実感せざるを得なかった。分かっていたはずなのに、他のライダー達と比べたら当たり前の事なのに。クロノスと出会った事で、改めてそれを認識するようになったみたいだ。

 ……もっと強くならないと。ウィックスの力を完全に使い慣れるようにないと。けど、今にも焦りそうで怖いな。……仮面ライダーって、やっぱり難しいものなんだな。

 

 そう考えている中、他のライダー達もとりあえず闘いが終わった事を確信したのか、変身を解除していった。もちろん、見知らぬ姿をした2人組のライダーも。

 

「何とも言えない結果にはなったけど、助けてくれた事には感謝するわ。ありがとう」

「この恩はいつか必ず返させてもらうよ。借りっぱなしは後味が悪いからな。それじゃ」

 

 その2人のライダーだった者──ロビンと芽衣はそう言って、俺達の元を去って行こうとする。まぁ俺達が勝手に味方になったものだから、善逸みたいに誰かが説得する事で仲間に、なんて事にはならないとは思ってはいたけどな。

 

「まっ待って‼︎」

「「ん?」」

 

 と思っていたら、何故かほむらが2人に呼びかけた。えっ何故に? 2人は『何か用なの?』って感じだけど……

 

「ロビンさん‼︎ 芽衣さん‼︎ 私の事、覚えてますか⁉︎ 私です‼︎ 半年以上前、貴方達に助けてもらった、暁美ほむらです‼︎」

「1年前? ………………あぁ、そういえば長い黒髪の子を助けたんだったっけか。三つ編みで眼鏡してたけど」

「そういえば、聞き覚えのある声がしたとは思ったけど……まさか貴方、あの時の……?」

 

 えっ? ちょっ待てい。待て待て待て。マジで? お前ら出会った事あるの? しかもほむらも昔は本家同様に眼鏡三つ編みで、2人に助けられてから変わったって事?

 だから俺達が助けに来る前から、2人の援護をしようとしていたというのか……?

 

「他に何を言えばいいのか分からないのですが、せめてこれだけは……‼︎ あの時はついでか偶然なのかもしれませんが、助けていただき、ありがとうございました‼︎ 私、あの時の恩を忘れず、みんなを助けるために、叶えたい願いも持ってライダーをやっているんです‼︎ だっだから、いつかその……」

 

 ここでほむらは口籠もりをしてしまった。

 おそらく、これからも出会った時はまた共闘しよう……みたいな事を言おうとしたんだろう。だけど、2人にも事情があるのだろうという考えもあってか、思わず言い淀んでしまった……って感じか。

 そんな中、ロビンが罰が悪そうな表情で頭を掻き、口を開いた。

 

「あぁ……悪い。俺達、人助けも考慮して闘い続けているわけじゃないんだよ。実際助けていた場面が多々あったみたいなだけで。感謝されるのは悪い気はしないけどさ」

「そ、そうかもしれないとは、思ってはいましたが……」

 

 2人が正義のために仮面ライダーとして活動していない。その可能性が高い事は、ほむらも頭の中では分かってはいたようだ。だが実際にその事を本人が口にした事で、複雑な感情を抱くようになった様子だ。

 無理もない。自分を変わるきっかけを作ってくれた人が、助けてもらった本人が思う程に良い奴ではないと分かると、どう受け止めればいいのか分からなくなるものだよな。

 レガシーライダーには、様々な理由を持ってデセオ・ウォーズに参加している奴はわんさかいるんだ。勝手に勘違いしてしまい、勝手に落胆してしまう……なんて事も珍しくないはずだ、きっと。

 

 何も言い返せずにいるほむらが俯いていると、芽衣が振り向き、口を開いた。

 

「けど、これだけは言わせて。私達の力になりたい……そう言ってくれた事には、今となっては感謝しているわ」

「………………‼︎」

 

 その言葉にほむらが顔を上げれば、芽衣は微笑みを浮かべていた。それも作り笑いではなく、隠し事のない、純粋な。多少はほむらの事を認めてくれている……その可能性があるのだろう。

 ふとその隣を見れば、ロビンも愛想笑いとは違う微笑みを浮かべていた。彼も彼で、ほむらに……いや、もしかすると俺達に対して良い印象を少しでも持ってくれたのだろう。

 

「また何処かで会いましょう。そこのお仲間さん達も……ね」

「いつかまたな。今度は今日よりも成長しておきなよ」

「……はい‼︎ またいつか‼︎」

 

 再会を約束し、2人は今度こそ去って行った。

 善逸みたいに仲間になる事はなかった。けど、俺達は去って行く2人を止めなかった。ほむら達の事を認めたような感じを見せているし、再会を約束してあげていた。それも俺達に対しても。

 あぁいう系の奴は、約束を破るなどの裏切りをしない……はず。だったらそれを信じてあげて、改めて仲間になってくれる機会を必ず掴んでみせる。今はそれでいい、それでいいんだ。

 ……突然のクロノスの出現で、頭の整理をする時間を作る必要がある……っていう理由もあるからだけど。

 

 というか、あの黒いレガシーライダーバックルで変身したクロノスは、一体何者だったんだ……?

 

 

 

 

 

 

 コッ……コッ……と、薄暗い地下にある、シンジケートの基地の長い廊下を歩く者が1人。深緑色の装甲が蛍光灯の光を軽く反射し、腰のマントが僅かに吹いている風で静かに靡く。

 その者は、仮面ライダークロノス。先程までウィックス達の闘いに割り込み、タイクーン・ローグ・クイズのディスクを手に入れあの場を去って行ったはずの、謎の戦士であった。

 そんな彼の元に1人の男性が歩み寄って来た。

 

「おぉ‼︎ 帰って来たのか、吾輩の良き理解者の1人よ‼︎ どうであったか? 吾輩が()()()()()()()()()()1()()()? 身体に異常はなかったであるか?」

 

 肥満体の巨体を灰色のラボコートで包み込んでおり、厚いレンズの眼鏡が鼻梁にずり落ちている、白髪と口髭の科学者──シンジケートの幹部の1人・ウィリンネスであった。

 どうやらウィリンネスは、クロノスに何かしらの実験で作り上げた発明品──否、レガシーディスクらしきものを渡し、それの実践を頼んだようだ。それもディスクという事は、つまり……

 クロノスは彼の質問に対し、フフッと静かに笑い声を上げれば、バックルのディスクを引き抜き変身を解除した。

 

 装甲が解除され、クロノスの代わりに姿を見せたのは、1人の女性。

 黒髪を左右非対称のツインテールに括り、赤と黒を基調としたドレスを着用。右目は赤黒くなっているのに反し、左目は何故か金色の時計の文字盤となっており、針までしっかりと動いていた。普通の人間では決してあり得ないものとなっているようだ。

 

 その女性は、醜さのある見た目の男性が目の前にいるのにもかかわらず、軽く笑い声を上げながら微笑みを浮かべながら、口を開いた。

 

「えぇ、身体に異常は全くありませんわ。ここに戻って来るまで変身したままでいましたが、何のトラブルも故障もありませんでした。念のためあの場から切り上げたとはいえ、ですの」

「ウムッハッハッハッハッハッハッ‼︎ そうであったか‼︎ やはり()()()()()()()()()()()()()()()()()からが故の成功、であるのだろうな‼︎」

 

 どうやらクロノスのディスクは、他のレガシーディスク同様に元からあったものではなかったようだ。つまり、デシアディスク同様、ウィリンネスによって作り上げられたものだったようだ。

 だが、デシアディスクはデシアゴーレムを生み出すために作られたものである。そのディスクでレガシーディスクと似た性質、そして仮面ライダーへ変身するアイテムになるはずがないのだが……

 しかし実際、ウィリンネスはそれを開発してしまった。それを女性が試し、何も問題もなく成功してしまった。これはあまりにも、シンジケートと敵対する者達としては不利な状況が生まれる事だろう。

 

 実験の成功を喜ぶウィリンネスだったが、笑い声が治ったかと思えば、突然顰めっ面になった。

 

「しかし……デシアゴーレム達をも倒すのはさすがにどうかと思うのであるがな。せっかく彼奴を復活してやったというのに、なんて余計な事をしてくれた事やら……」

「フフッ。逆にあの場で彼を倒さなければ、シンジケートと何かしら繋がりがあると察知され、ワタクシの正体がいずれバレる可能性があったので、そこのところあしからず」

 

 倒され復活したデシアゴーレムのディスクも、ウィリンネスが開発……というよりは修復したものだった。それをいとも容易く組織の者に破壊される……それが彼としては気に食わなかったようだ。

 クロノスだった女性が一応という程度での謝罪をするも、ウィリンネスはぷいっとそっぽを向き内心不機嫌である事を表した。

 

「フンッ、あぁなってしまったものは仕方あるまい。その代わりだが、貴様には吾輩の新たに開発する予定のディスク……それの実験台に何回かなってもらうぞ」

「アラアラ、ワタクシの身体であんな事やこんな事、そんな事もですの?」

「吾輩の話を聞いてたか? ディスク開発の実験を手伝えと言っておるのだぞ?」

「冗談ですのよ。これは失敬」

 

 さらに揶揄いを見せる女性を、ウィリンネスはギロリと眼鏡越しに睨みつける。自分の実験を組織の者に阻害される事が、それほどまでに不満だったのだろう。

 それでも尚、女性は不敵な笑みをウィリンネスに見せる。まるで彼の反応を楽しんでいるかのように。

 

「まぁ良い……早速()()()()()()()()()()()2()()()()の製作に取り掛かる。貴様も早速手伝え、()()よ」

「えぇ、もちろんですわ。次はどんなライダーがワタクシ達のものをなるのでしょうね……きひっ」

 

 口髭を摩りながら振り向き、自室となる実験室へと歩くウィリンネスの後を、女性──時崎 狂三は鼻歌交じりについて行く。

 狂気じみた微笑みを、ウィリンネスに見られぬように浮かべながら……

 




採用キャラを簡潔に紹介


時崎 狂三
変身ライダー:???、クロノス
 シンジケートの1人
 常に「~ですわ」等のゆったりとしたお嬢様口調で喋るが、所謂壊れたヤンデレ気質の人物であり、いろいろな意味で危ない言動が多い
 興奮した時は「きひひひひ」と狂気的に笑う事が多い
 血や殺戮を好んでいる訳ではないが、殺すと決めた相手には一切の躊躇も容赦もしない
 とある行動をした事を機に、とある人物に目を付けられている上に、善良な市民と勘違いされたまま捜査に連れ回される羽目になるのだが、それはまた別の話……
 
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