現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

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前々々回の戦闘の疑問になるべく答えるつもりで書いた……はず。


もっと仮面ライダーである事を自覚したい

 

 ほむらを助けに行って、デシアゴーレムやクロノスに変身できる謎のレガシーライダー(?)と闘った後。

 ボルテックス戦でもそうだったけど、あの時はよく多勢の味方をつけて闘えたなって、今更ながら変に思ったな。被害を出しにくくする点としては良かったけど、やっぱりリンチ感が……

 

 んで、その翌日には、俺とひとりはいつも通りSTARRYで新曲作りに勤しんで、終わった後は時間が余ったからトレーニングして……という風にいつも通り過ごしていたんだが。

 そのトレーニング終わりに、カフェ『G』のマスターから連絡が入って………………

 

 さらにその翌日の放課後にて。俺達は今。

 

「……こちらは貴様等の仲間を襲ったというのに、敵である私達に見舞いに来るとはな」

「そりゃ入院したと聞いちまったら、さすがに心配するだろ……」

 

 一昨日まで敵のレガシーライダーだった、ローグの変身者である巍道という男と、クイズの変身者であるテックという女のいる病院へ、ひとり・善逸・ほむらの4人で見舞いに来たところだ。

 ちなみにあの時あの場にいた、笠寺先輩と雪泉先輩は、部活があったため来なかったようだ。……いや、笠寺先輩は可能性あるだろうけど、雪泉先輩は部活が休みでも来てくれるかどうか……

 

 レガシーライダーは本来、どれだけ強力な必殺技を受けても死ぬ事はない……というのが、ウィックスの談義によるものだ。

 だが、本当に死なないのかどうかは、ウィックスが目視した事による見解によるもの。だから実際には死人が出ている可能性もある。そう考えると、あの時聞いた事は真に受けていいものじゃないなと、改めて思わされる。

 

 その証拠となるのが、今の俺の視界にある光景……クロノスに倒され、様々な箇所で包帯を巻きながら入院している、巍道とテックの姿だ。

 クロノスが本物じゃないからなのかは知らないが、絶版……所謂『死』にならなかっただけまだマシとはいえ、入院必須になる程のレベルのダメージは受けてしまうんだな。

 まぁ昭和ライダーみたいな改造人間じゃない仮面ライダーだから、分からなくもないが……アレ? 改造人間でも、入院はせずとも大怪我はするはずなんじゃ……? THE FIRSTやアマゾンズなどのリメイク版昭和ライダーも、マスク越しに血を出しちゃう事あったし。

 

 まぁ何はともあれ、入院せざるを得ない怪我をしたというのなら、敵でも心配してしまうものだ。デセオ・ウォーズで入院した人なんて初めてだし、多少はね?

 もちろん、マスターから受け取ったものとはいえ、フルーツの詰め合わせが入っているバスケットも持って来ている。お見舞いにフルーツの詰め合わせ、ベタだけど定番でいいね。

 

「……本気でディスクを奪おうとした敵の事を、そんなものを持って来てまで心配するだなんて、馬鹿みたいね」

「そんな言い方はないだろ、事実とはいえさぁ。フルーツ、いらないのか? 好きなものがなかったりとか?」

「………………バナナが欲しい」

「言えたじゃねェかツンデレ女」

「……誰がツンデレよ」

「お前じゃい」

 

 正直な事をすぐには言わないし、本当に嫌なら『帰れ』だの『来るな』だのと言うところなのに、それを言わないって事は、つまりそういう事やろがい。素直に『2人だけなのは寂しかった』とか言えやこのツンデレが。

 

「いや……あの会話から、ただフルーツが食べたいかどうかで間が空いただけで、ツンデレかどうかを決めるのってなんかおかしくない?」

「………………確かに」

「急に自分の発言に自信を無くすな」

 

 善逸に続いてツッコまないでくれよ巍道君。お前なら心の中で『何言ってんだこいつ』って思っていて口には出さない系かと思っていたのに……

 

「えっと……ほっほら、人にはそれぞれの見方があるじゃないですか。だから浩司君にも、何がツンデレ(?)なのかの見方というのが……」

「いや、無理にフォローしなくていいからなひとり? 逆に申し訳なくなるから」

「………………はい」

 

 ひとり、とあるアニメの1000年以上も生きた魔法使いがやるような、しょぼしょぼ顔になって落ち込んでしまった。申し訳ないけど、可愛い。しょぼしょぼ顔の女の子は誰でも『可愛い』と感じるはずだ。多分。

 でも、やっぱりこの反応はアレだったな。ひとりを落ち込ませてしまったんだし。後で何かスイーツでも買ってあげて、機嫌を直してもらおうかな。

 そんな事を考えている中、ほむらが巍道のいるベッドへと近づき、フルーツの入ったバスケットを近くの机の上に置いた。

 

「巍道 因蛇羅。貴方は何か食べるかしら? 必要なら皮剥きやるわよ?」

「……適当に用意しろ。勝手に食うから。……いや、何故貴様も私達に優しくする? この中で1番、私達に対する被害を多く受けたのは貴様だろう? 貴様の仲間が助太刀しなければ、ディスクを奪われる可能性は高かったというのに」

 

 林檎を剥こうとするほむらに、巍道が待ったをかけてきた。

 1番の被害者が何故優しくしようとする。そちらが乱入してきたからとはいえ、自分達は本気でお前のディスクを奪い取ろうとしていたのだぞ。目だけでもそう言っているように見えていた。

 

「デセオ・ウォーズに参加している者は、皆が皆、参加する事になった理由や事情を持っているんですもの。余程救い用のないような性格の奴じゃなければ、闘いが終わった後にあーだこーだ嫌味を言う必要なんてないでしょ。それに……」

 

 巍道のベッドの隣にあった椅子に座り、林檎の皮を剥き始めるほむら。そして、彼女は何を思ったのか、突然悲壮感のある表情を浮かべ……

 

「……今の貴方達みたいな人の事を考えていると、()()姿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()()()()()()……そんな人達を放っておけないし、そういった辛い現状の人をこれ以上、嫌な思いなんてさせたくないわ」

 

 そう語っているほむらの身体は、何かに怯えている事を隠しているかのように、小さく震えていた。

 そういえばほむら、1年前にロビンと芽衣に助けられて、それからディスクを手に入れレガシーライダーになったんだっけか。経緯までは知らんけど。

 んで。さっきの話を聞くに、俺達と出会うまでに、何度か挫折などの辛い経験をしてきたっぽいようだ。

 今の巍道達みたいに……いや、それ以上の状態となって入院したライダーに、何か思う事があるから、優しくしないわけにはいかない……って感じなのか? 自分が2人に狙われたというのに……

 

「……思ったよりも随分とお人好しなのね、貴方」

「それで通い漬けのカフェのマスターに心配されてしまったのだけど」

 

 まぁ心配されていなかったら、俺達はほむらの居場所が分かるGPSを渡されていなかったと思うけどね。

 そんな事を思っている中、巍道がそっぽを向き、呟いた。

 

「……フンッ。心配される程の行動をしてきた事を自覚しているというのなら、それを自粛しておく事だな。それでもし貴様に何かあれば、仲の良い者達がどう思うか分からぬぞ」

「えっお前思ったよりも結構良い事言うじゃん。なんだかんだ言って、お前も敵であったほむらの事を心配してくれてる……」

 

 あっなんかピクリと動いているように見えた。図星だな、明らかに図星しているヤツの反応だな、これ。

 

「これぐらい言わないと、後味が悪いと思っただけだ」

「うわお、お前もツンデレだったのか。Wツンデレ、同盟が結ばれてたわけだ」

「「誰がツンデレだ(よ)」」

「息合ってるじゃん」

 

 お前らもう付き合っちゃえよ。冷たい感じがする・クール・そしてツンデレ……こんなにもキャラが合っているのならさぁ。

 そう思っていると、ほむらが林檎を切り終わり、立ち上がったのが確認できたため、俺は2人に背を向けた。長居しても鬱陶しく思われるだろうから、長居する時間も最初はなるべく短くがいいと思うし。

 

「それじゃあ、次いつになるかは分からないけど、また来るからな。分かっているとは思うが、安静にしておけ……というか退院した後も争奪戦に関わらず大人しくしとけよ」

「何故私達がこの状態から動こうとしたりする前提なのよ……」

「いや、ただの念のため」

「なんだそれは……」

 

 いやぶっちゃけ、お前ら願いを叶えるためのディスクを奪われて、実質脱落したんだろ? しかもクロノスの乱入・とんでも効果で突然の脱落、といった形で。

 だったら、再び参加するために手段を選ばない行動とかされたら、ドミネイト型のデシアゴーレムにされる恐れもあってたまったもんじゃない。だから大人しくしてもらいたいのさ。

 

「ま、そういう事。また入院する羽目か死ぬ羽目になりたくなかったら、浩司の言う通り大人しくしていてよね」

「えらく辛辣じゃないかね善逸君?」

「えっと……おっおふたりともお大事に‼︎」

「……また来るわ」

 

 それぞれが巍道とテックに労い(1人はそうには聞こえない)の言葉を送り、俺達はそのまま2人のいる病室を後にしていった。

 エレベーターに乗ろうとした時には、切られた林檎の一切れに齧りつく音が、2回も続け様に聞こえてきた気がした。

 

 

 

 

 

 

 そして病院前で解散した後、俺とひとりは……

 

「仮面ライダーの力に慣れる特訓がしたい、だって?」

「あぁ、このままじゃダメだと思っている。だからそういう系の特訓をつけてくれ」

「わっ私からもお願いします……‼︎」

 

 病院の近くにあったトレーニングジムにて、優一に、ウィックスとミスレア……それぞれの力に慣れるための特訓に付き合ってほしいと頼んでいるところだ。

 クロノスが乱入した事で確信したんだ。このままじゃ、必ず何処かの闘いで苦戦を強いられ、ウィックスのディスクが奪われる可能性がある。だからこそ、それぞれのライダーの能力を完全にマスターする必要がある……そう思ったんだ。

 ひとりも似たような気持ちのようだ。彼女もミスレアの能力を完全に把握して、ディスクを奪われないようにする……そのために、俺と同じ特訓をしたいとの事だ。俺達カップルで同じ事を考えているのって、やっぱりカップルだからかな? ……なんか嬉しい。

 

「自主練に積極的なのは良い事だ。だけど、お前達はジムで筋トレしているのだろう? それだけでも充分かと……」

「いや、正直それだけじゃいけないと思っている。現に、スパイダーとの再戦でも、ウィックスの身体から炎みたいな熱気を出せるって事を、あの闘いの時まで知らなかったし」

「私も……ミスレアさんの事を、まだ全部は知らないんじゃないのかな、と思っていまして……」

 

 そんな事を言っていたら、突然としてウィックスの慌て荒げた声を発してきた。

 

『まっ待て浩司君‼︎ それは私がその時まで伝えるのを忘れていただけであって……』

「相棒枠が自分の能力を相方に伝えていないのもどうかと思うぞ」

『ウグッ……たっ確かに……』

『うん、それアタシにも言える事だね。相棒ポジションとしてしっかりしなきゃだよね。反省してる……』

 

 ウィックスが自分の説明不足だと伝えれば、優一が何故それを今まで教えてあげなかったのだと正論をぶっ放した。これにはウィックスも言い淀んでしまう。ホントなんで今まで俺に教えてくれなかったんだよ。

 そしてそれは、ミスレアにもフレンドリーファイアしていた。だが彼女の場合、自身の至らぬ点をウィックスよりも理解しているため、まだマシな方だと思う。

 

「それでも……仮に把握できたとしても、今の俺達では……」

「扱いきれない可能性がある、と?」

「あぁ。大体俺達のトレーニングは、俺達自身を鍛えているだけであって、ライダーの力を慣らしているわけじゃあ……」

 

 少しでも生身でトルーパーと闘える程の実力がほしいから、あのトレーニングは続けているんだけどね。いつまでもライダーの力ばかり頼るのも良くないし、変身できる隙がいつまでもあるとは思えないし。

 まぁそれはそれとして、大事なのはライダーの力に慣れるためにどうすればいいのか、だ。何か良い案はないかね優一君? レガシーライダーの先輩として何か教えてくれよ〜。

 

「……1つ聞きたい。お前達は何故そこまでして、強くなろうと必死なんだ?」

 

 何故って? クロノスの一件もそうだけど……

 

「もっと仮面ライダーとしての自覚を持ちたいから、じゃダメか?」

「私は……もっと『自分は仮面ライダーだ』と、胸を張って言えるような勇気がほしいんです……‼︎」

 

 俺達レガシーライダーは、人間を脅かすデシアゴーレムと似た力を持っている。その力に溺れ、人間らしさを失ってしまう可能性……それを避けながら、『自分がどう在るべきなのか』……それも知っていきたいんだ。

 

 それに……他の主役ライダーみたいに、戦いが進むにつれ、その強大な力を持つ者だからこそ、背負わなければならない世界の危機や、他者の命の重さに直面する事だってある。

 『今を懸命に生きる人々の命』の熱量と尊さに触れ、その重みを知る場面だって何度かあるはずだ。デセオ・ウォーズだって、それは例外ではない。実際、巍道もテックもあの闘いで死んでしまったかもしれない。命は決して……重くない。

 

 俺は自分自身を、この世界の主役ライダーだとは思っていない。そんな夢物語がそう簡単に起きているとも思っていない。ひとりももちろんそう思っている……というか、自虐心がある彼女の事だから、自分が主役だとは絶対思ってないだろうな。多分。

 だけど、仮面ライダーになった時点で、自分が変身して戦うという行為が、世界の行く末や人々の命運を左右するんだって事は頭の中では理解している。

 だからこそ、それをもっと自覚するためにも、まずはそれぞれがライダーの力に慣れる必要がある……そう判断したって訳だ。

 

「………………分かった。お前達がやりたいような特訓の仕方、それを知っている人に協力を申し込んでみる。それまで待っていてくれるか?」

「本当か⁉︎ ありがとうなホント‼︎ マジ助かる‼︎」

 

 すぐにとはいかなかったものの、その特訓ができるように協力してくれるようだ。話を分かってくれたのか優一……‼︎ やはり持つべきなのは信頼できる存在(とも)だな‼︎

 

「いやちょっと待てよ? 連絡を入れてみる者の中には、()()2()()もいるんだよな? あの2人には()()()()まだ伝えてないから、どう説明したらいいものか……」

 

 ん? なんか優一がボソボソと小声で何かを呟き始めたぞ? 一体何を考えているってんだ? 気になるけど、聞いてみるべきなのか……?

 

「あっあの……どうかしましたか?」

 

 あっひとりが聞いちまった。

 

「……いや、なんでもない。宛のある人達に片っ端から聞いてみるから、今は待っていてくれ」

「はっはい……」

 

 なんでもないって言うな、絶対なんかある反応だったぞお前。

 

 

 

 この時、俺達はまだ知らなかった。この俺の頼み事から、俺達の運命が大きく変わり始めていく事に……

 




これでクロノス初登場回の気になる点、少しは解消できたかな……?
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