現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

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実際に味方側がライダーにリンチされる場面は出てたけどね(ウィックスの初戦で)


今度は俺らがライダーリンチされる番か……

 

「ついにこの日がやってきたんだな……」

「はっはい。今でも緊張して、意識が飛びそう……」

「そのまま融解とかやめてくれよ……はい、スポーツドリンク」

「あっありがとうございます……」

 

 俺とひとりがそれぞれのライダーの力に慣れ、もっと仮面ライダーとして自覚しながらもっと強くなるために、特訓をお願いしてから僅か2日が経った。

 あの時は優一が何やらボソボソと呟いていたから、途中でやめるんじゃないのかと不安になってしまったけど、出来そうだと連絡が入った時は安心したよホント。

 しかし、一体何を思ってボソボソと呟いていたんだ? 俺達自身に対する不安か? それとも相談しようとしていた者に対する不安か? ってどれも人に対する不安の事じゃねェか。もっと考察のレパートリーとかさぁ(セルフツッコミ)。

 

 まぁそれはそれとして。特訓ができるとなれば、何故あの時優一がボソボソ呟いたのかなんて、そんな事を考える必要はない。特訓さえできればそれでOKだからな‼︎ ……多分。

 ってなわけで、優一に『特訓の内容が決まったから、東京都立円迎寺大学に来てくれ』と言われたので、そこへ2人へ向かっているところだ。ちなみに今はそこへと繋がっている野原の道を歩いている。

 

「しかし……俺達の方からお願いしておいてなんだが、ライダーの力に慣れるための特訓の内容は一体何なんだろうな? 命に関わるものだったら、もしも失敗してしまったら、後先の事も含めて考えれば元も子もないんだが……」

「うえっ⁉︎」

 

 あっヤベッ失言しちゃったか? ひとりが身構えちまったか?

 ……なんか嫌な予感がする。

 

「たっ多分大丈夫じゃないですかねっいくら命に関わる闘いと言っても特訓でも下手したら死ぬようなものはさすがにないですよっだってそれを続けていざ実戦となったら特訓中の影響で成果が出ないって可能性もありますしっ」

「ひっひとり……?」

「そもそも特訓中に死んだら浩司君の言う通り元も子もなくなりますしっいやまぁ何度も命懸けの闘いになる場面が実戦ではありそうですけどだからといって特訓も命懸けだと心身共に辛くなって途中で逃げる恐れだってありますしっ」

「おっおーいひとり? 大丈夫か?」

「あっでもそこまでしないと本当の仮面ライダーとやらは務まらないのかな今みたいに弱気になっちゃダメなのかなそうなる事も覚悟した方がいいのかなアレなんだろう本当は何が正しいのか分からなくなってきたどうしようちゃんとした判断なできないや一体どうしたらいいのかな私ツチノコになって見つからないようにして1人になって一旦冷静になった方がいいのかな───」

『かぁ〜〜〜〜〜〜つ喝ッ‼︎』

「びゃっ⁉︎」「うおっビックリしたっ⁉︎」

 

 さすがになんとかしないいけないと思ったところで、ミスレアが大きな声を出してひとりをビクつかせた。これには俺も思わず動揺してしまった。

 あっひとりの顔がドンヨリとした感じから、いつもの陰キャ感のない時の感じに戻った。よかったよかった───

 

『ぼっちちゃん‼︎ 特訓がどんなものなのか分からなくて不安になるのは分かるけど、だからってネガティブな感じになっちゃダメ‼︎ 実際にやってみたら思ったよりも酷いものじゃないのかもしれないから、始める前からネガティブな事を考えない‼︎ 普段の時もそうだけど、もうちょっと前向きに考えなよ‼︎』

「あっはっはい……」

『浩司君も‼︎』

「えっ俺?」

『発言にはもう少し注意を持たないと、さっきのぼっちちゃんみたいになっちゃうんだからね‼︎ 言葉はもう少し選んでから口にする事‼︎ 分かったかな⁉︎』

「はっはい……すんません……」

 

 ミスレアの説得力、中々に高いな……俺にも非があったから、『ホント反省しなきゃ』って思えるなこれ……

 ってかよく考えてみたら、これまでにも何回か失言してしまった事あるやん俺⁉︎ それをこれまでに覚えていなかった・忘れていたって事は、注意力が足りないって事じゃん⁉︎ どうにかせんといけないなこれは……うん。

 と、そこに。

 

『お説教は別に構わないのだが……そろそろ、優一君達のところへ進む歩の速さを、戻すか速めなけれはならないのではないか? なんだか下手すると遅刻しそうなのだが……』

「えっ遅くなっていたのか? 俺達の歩くスピード」

『うむ。後藤君が自棄に陥った時からな』

「わっ私のせいで⁉︎ そっそれはその……大変失礼しました……」

『後、ミスレア君が説教してからさらにな』

『えっそれってアタシのせいでもあるの⁉︎ ……なんか、ごめん……』

 

 ウィックスからの、歩くスピードの調整の指摘。しかも俺達は会話の中で、無意識にそれを行ってしまっていたようだ。これ、人として約束の時間に遅れるのは良くないよな。反省。

 おっと。そうこう考えている間にも、集合場所に遅れるかもしれないんだった。

 

「優一に怒られるのも嫌だし、そろそろ早く行くとするか」

「そうですね」

 

 さっさと集合場所へと行って、優一にどんな特訓をしてくれるのか聞かないとな。多分あいつも同じ内容の特訓で仮面ライダーの力を完全に身につけたんだろうし、楽しみだなー。

 

 

 

「失礼。そののおふたり、ちょっとよろしいかな」

 

 

 

 ふと後ろから声を掛けられたため、俺達は思わず振り向いた。そこには大人であろう3人の人物がおり、こちらへとゆっくりと歩いて来ていた。

 

 真ん中に立っているのは、藍色の法衣に丸眼鏡を身に着け、首から十字架を下げた、中年から壮年のいずれかに見える男性。

 右側にいるのは、黒がかった茶髪に、ハイライトの無い瞳を持つ、ほぼ黒一色の法衣の男性。

 左側にいるのは、青と白で分けた修道女(シスター)の服を着て、モミアゲだけを長く伸ばしている茶髪の女性。

 

 ………………なんか、明らかに『自分達は危なっかしい教会の者のコスプレをしています』と言っているかのような格好だな……

 というか、他の2人も何処か見覚えのある格好をしているけど、右側の奴は明らかに『Fate/StayNight』の言峰 綺礼じゃねェか。だって目のハイライトがガチでねェもん。カラコン要素が何処にも見当たらねェもん。怖ェもん。

 いやそんな事よりも、なんでこの3人が俺達の事を呼んだんだ? 明らかに『おふたり』って言っていたから、絶対俺達の事を呼んでいるよね? 聞き間違いでも勘違いでもないよね?

 ……とりあえず聞いてみるか。嫌な予感がするけど。

 

「あの……俺達に何か用ですか? というか俺達の事を呼んでます?」

「えぇ。周りには貴方の他に誰もいないのでね、貴方達しか私達の目の前にいませんよ」

 

 真ん中の男性にそう言われたため、俺は不意にも周囲を見回した。……確かに、今は俺達以外の人はいないな。

 Google Mapsを使っているはずなのに、俺達以外の人が誰もいないって事は……もしかして俺、変な検索の仕方とかしたせいで変な道を案内させているって事か⁉︎ うわぁ……(引)

 ふと、俺に突然くっついてきたひとりの方を見る。彼女の顔は多少青ざめており、警戒とちょっとした恐怖で怖かっている様子だ。体も小刻みに震えており、彼女の今の感情を表していた。

 まぁ警戒するのも分かるよ。こいつら明らかに初対面だし、何故か修道服を着ているし。一体何の怪しげな宗教の者達なんだって思っちゃうよね。俺もこいつらの事、訪問販売みたいな迷惑もんだと思っているよ。だから分かる。

 ってかよく考えてみたら、なんでこいつら、家の前じゃなくて通行人に対して勧誘してくんの? 余計怪しくね? 通報されたいの? ってか今からもしもしポリスメンしようか?

 ……とにかく、追い返すか。

 

「すみません。俺達、宗教とかには興味ないんで。勧誘するのなら、本気で宗教に興味ありそうな人にでも───」

「ご安心ください。我々の目的は宗教勧誘ではありません。寧ろそのような行為にはさぞ興味ありません」

「あっそうですか」

 

 よかった、そういう路線で話しかけてきたわけじゃないんだな。それなら安心できるかも。

 ……ん? ちょっと待てよ? じゃあなんで俺達に声を掛けてきたんだ? しかも3人で……そう考えると、かえってさらに怪しく思えてきたぞ?

 そんな事を考えていたら、真ん中の男性はその疑問に答えるように言葉を繋げた。

 

「我々の狙いは、貴方達……オリジンディスクとかいうディスクと、それを所持している貴方達です」

「別の意味で安心できねェ……って、えっ?」

 

 結局、『狙い』と『ディスク』という2つの言葉で手のひら返ししてしまった。そして、コンマの間で気づいてしまった。

 これ、俺達明らかに狙われてるくね? っていうか……

 

「なんで、なんで俺達がオリジンディスクを持っている事を知っているんだ⁉︎ というかどうしてその名前の事も……⁉︎」

「実は我々の同盟の中に、貴方達の戦いを偶然ながらも撮影した者がいましてね。隣にいる彼女……ヴェロニカさんがその情報と憶測を資料とし、私に同盟を持ちかけたのですよ」

「はい、私が貴方達の戦いを撮っていました」

 

 真ん中の男性が語ると、ヴェロニカと呼ばれるシスターが名乗り出て、前に出た。なんかよく見たら、どっかのコメディ漫画に出てくるシスター……とというかそのコスプレをしたキャラに似ているなこの人……

 

「まず1つ……同じデセオ・ウォーズの参加者とはいえ、無断で貴方達の戦いを撮影した事をお許しください。私……いえ、私達も自分達の願いのために必死なのです」

 

 やっぱりこのシスターもレガシーライダーだったのか……じゃなきゃ撮影した理由も、ディスクの情報を得ようとしていたのも納得がいくな。

 

「それとたった今、私達が行っている現状についてですが……レガシーディスクとは異なる部分のあるディスク……明確な情報は未だ不明ですが、その分危険性を孕んでいる可能性がある事を想定し、『預かり保管する』という名目で、貴方達から奪う事にしたのです。もしも何かしらの出来事がトリガーとなって、暴走されては色々と困りますからね」

 

 レガシーディスクと違うものだからこそ、様々な可能性を警戒しての奪取って事か。分からなくもないが……

 

「……イレギュラーによるイレギュラーな問題。それを危険視しているのは分かるし、その可能性は俺もあるんじゃないかとは思っている。けど、それを正当化しておいて、己のためにディスクを奪おうとしているのもはっきりとしているのが、なんだか嫌味に感じるんだが?」

「デセオ・ウォーズの参加者は、大抵がそうい者ばかりですから。ぶっちゃけ私も『己の性欲を表に出しても全く問題ない環境を作り、性に関する迷える者を中心に様々な男性と性交しあう事のできる世の中を作りたい』という願いを持って参加していますし」

「シスターなのになんつー願いを持ってんだアンタ⁉︎」

 

 人には裏の顔があるとはいうけどさぁ、神聖な職業であるシスターが性欲を発散しまくりたいとか、そんな疾しい事を考えていいものなのか⁉︎ ってかそんな事を他人の前でカミングアウトすんなよ⁉︎ アンタそれでも聖職者⁉︎

 

「せっせいよっ……うわぁっ……」

 

 ほら、ひとりも性欲がどういうものなのかを理解しているから、真っ赤な顔になって引いてしまっているし‼︎ やめなさいよホント‼︎ ひとりはそういう事をする時、後で自滅する程に色々と変わってしまうんだから‼︎

 

「貴方達がオリジンディスクによって、欲や力に溺れるとは限らない事も、重々承知しています。ですが万が一として、ディスクを奪って誰にも使われないようにし、最悪の事態を避ければ、私達は自分達の事に……ディスク集めに集中する事ができると思っています」

 

 レガシーディスクとは異なるからと言って、自分達が使うつもりはないのか。見えないリスクを負うよりも、ただ単に願いを叶えるために必要な枚数としてカウントさせる……そういう考えで奪うつもりでもあるって事か。

 

「貴方達がどれほどの強さを持っているのか分かりませんが、それでも可能性を秘めたライバルは潰すのに限ります。それが聖職者らしくない事は自覚しておりますが、私達それぞれの欲望のためです。これから横暴を行う事をお許しください」

「あっシスターらしくないとは思っていたんだ……」

 

 思わず呟いたって感じに出た、ひとりの本音。確かにシスター……というか聖職者が人の物を強奪なんて想像できないよな。本当は聖職者のコスプレをした悪い奴じゃないのかって思うくらい。

 

「……念のため聞くが、他の2人の目的は?」

「悪い可能性を潰す、という目的も本心ではありますが……狩猟と同等の行為で強き者と闘う事で感じる、様々な心境を体験するために闘う。そしてそうしていく中で、我等が信仰している神に仇なす者の抹殺……というのが、私の本当の目的ですよ」

 

 うわっ何この人。隠れた戦闘狂な上に『神に仇なす者の抹殺』とか言っているぞ。

 隠れた戦闘狂なのは今のところまだいいとして、『神に仇なす者』って何? 具体的にはどんな奴なの? んでそいつを殺すとか、どんな神を魅入っちゃったというんだよ……

 ………………アレ? なんかものすごく嫌な予感がしてきたぞ?

 

「わたしの場合、『生まれつき悪だったものが有りの侭生きる事に罪があるのかどうか』という問いの答えを得るために……というのもあるが、この闘いの行く先をその目で見るためにも、この闘いに講じる事にしたのだよ。現に今でも、君達がこの先どうなるのかを傍観したいとも思っているが、実際に闘い君達がどんな反応をするか見てみたくてね」

 

 うん、こいつは真の愉悦者・言峰 綺礼で確定だわ。

 だってうっすらと怖い微笑みを浮かべながら、愉悦を味わおうとしている感じが濃厚なセリフを言っていて、明らかに他人の様々な感情を見るのが楽しみって感じになっていたぞ。

 しかも、しかもだよ? 自らその闘いに巻き込まれに行って、自分も同じ感情を味わうような感じなのを出してきてさぁ……こいつが1番危険じゃねェか。聖職者やめろよ。

 というか、言わせてもらっていいかな? 全員聖職者なのに碌な奴が1人もいねェじゃねェか。最悪な可能性を避けるためにディスクを奪おうとしている奴等がこんなにも異常者だったとは思わないじゃねェか。

 ………………ハァ。

 

「危なっかしい事を考えているお前らの方が、オリジンディスクを持っている今の俺達よりも危険じゃねェか。だったらこんなところでやられるわけにはいかないな。そもそも待ち合わせ場所に向かっているんだし、これ以上時間をかけるわけにはいかねェ。抵抗させてもらうぜ」

「ごめんなさい……でも、私達もこんなところでやられるわけにはいかないんです……‼︎」

 

 俺とひとりはそれぞれオリジンディスクを取り出し、抵抗すべくいつでも変身できるように構える。

 こいつらを野放しにしたら、こいつらの願いが叶った時に色々と後悔してしまうかもしれない。だから、ここで絶対こいつらを倒して、ディスクを全て取り上げてやる……‼︎

 

 

 

「残念だが……君達のオリジンディスクを狙っているのは、私達3人だけではないのだよ」

 

 

 

「は……?」

 

 言峰の突然の発言に、俺は思わず呆けた声を発してしまった。それでもディスクは下ろさないようにはしながらも、だけど。

 ディスクを狙う輩が他にもわんさかいるのは分かっているし、俺達がオリジンディスクを持っている事も何人かは知ったのだろうとは思っているけど、何故このタイミングで……? って思っていたから……

 

「おい。こいつらか? アンタらが警戒しているって奴等は。どうも2人ともパッとしてないじゃねェの?」

「見た目の惑わされるな、というだろう? ならば闘ってみない事に変わりないぞ。私は今にもそうしたい気分だ」

 

 3人の後ろから、それぞれ声質が異なる2人の男性の声が聞こえてきたかと思えば、そこから2人の男性が現れ、それぞれ端のところに立った。その者達は、2人とも細身長身で筋肉質のある男性だった。

 

 1人は、薄紫色のウェーブがかかったロングヘアーをしており、顔の左側に稲妻状の模様を描いている。

 服装はピチピチの白色のズボンに、胸元を開けた服と黒のジャケットを着用しており、袖には右腕に←AC、左腕にはDC→という文字のアクセサリーを付け、服全体に十字型と輪っかの形をしたアクセサリーで飾っている。

 しかも62cmはある白いギターを肩に掛けており、歩きながらと止まった途端に、ロックながらも綺麗な音を鳴らしていたため、ギターの扱いに長けていると言えるだろう。

 

 もう1人は、無造作に伸びている黒髪の上につばの広い真紅の帽子を深く被っており、黄色からオレンジがかったレンズの丸いサングラスの奥から、発光するような血のように赤い瞳が恐ろしく見えていた。

 大きな赤いリボンタイのついた、チャコールグレーなどのスーツとレザーのブーツの上に、真紅のロングコートを羽織っていた。

 

 1人は『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する音石 明、だっけか? 前世で『アイズオブヘブン』のプレイ動画を見て『茂野 吾郎や奈良 シカマルと中の人が同じ奴』って認識で知ったぐらいだったからなぁ……

 もう1人は知らん。誰だこいつ。どっかで見た事あるようなないようなって認識だったから、一体どの作品のキャラなのか全然分からへん。

 

「えっと……あっ貴方達は一体? 他の3人にも言える事ですけど……」

 

 あっひとりがお前は誰だみたいな質問してきた。彼女からしたら誰1人として全然知らないもんな。名前とかを聞かないわけにはいかないよな。俺も言峰と音石以外は知らないし、2人の名前が正しいかも分かってないし。

 

「そういえば、君達とは完全に初見であったな。私の名はヴラド・フリークス・スペンサーという。スペンサーとでも……化け物《フリークス》とでも、好きなように呼んでくれたまえ」

 

 名前が思ったよりも長ェな。全然知らない奴だったわこいつ。

 というか……気のせいだったか? 今、『フリークス』のところを『化け物』と呼べと言っていたような気がしたが……

 

「名前は音石 明。19歳。まっ‼︎ このギターは気にしないでくれ」

「誰もギターの事は触れてないんすけど」

 

 音石の方は合ってたか。けど何故ギターの事に対する発言をしたんだ? ひとりの視線に気づいたから、質問される前に答える事にしたのか? いや、そんな事は気にしなくてもいい事かもな。

 

「そういえば私達の自己紹介もまだでしたね。私はアレクサンド・アンデルセンと言います。名前と苗字、どちらでお呼びしていただいても構いません。以後、お見知り置きを」

「言峰 綺礼だ。まぁ、私の事もどちらで呼んでも構わないよ」

「ヴェロニカ・ラングレー。淫らな迷いを持つ者を救う淫乱、とでもお呼びください」

「名前じゃなくてそっちで呼ばれたいとか、シスターとして終わってるよアンタ」

 

 思わずツッコミを入れてしまったけど、誰でもそう思うやん? 現実世界の聖職者なんだから、そういう邪な考えはせめて引っ込ませておきなさいって。

 しかもそれを『なんて呼ばれたいのか』で表現するとかさぁ、ホントにシスターとして終わっているだろ。もう『性』に関する仕事に転職しとなさいよ。彼女が働いている教会の神様はどんな反応をしなきゃいけないと思ってんだ。

 ………………というか、ちょっと待てよ。

 

「聖職者と同盟を結んだにしては、なんだか危なっかしそうな男2人が増えたんだけど、そこのところは聖職者の立場としてどうなんだよそれ」

「気づくのが少し遅くないかね?」

 

 黙れ、いかにもこの中で一番危険そうな見た目をしている野郎。口調でもなんか怪しんじゃうから、せめてその高笑いしそうな雰囲気で喋るのやめてくれ。

 

「あぁ、彼等にも同行してもらっている件ですか。彼等も自分達の為に貴方達のディスクを狙っているのですが、特別なディスク持ちを無力化するという方向性としては、我々とも気が合っている模様。それに、いかなる者だろうと神の赦しがある者は受け入れるのが教会の本概というもの。多少のはしゃぎをする者と同盟を結んでも問題ないかと」

「私も同じ気持ちで、彼等を受け入れております」

「彼等がどのようにして動くのか、それを見たいがために、私があちらから来たこの2人に協力を申し入れたのだ」

 

 あっなんか読めてきたかも。最初は2人とは敵対していたけど、言峰を筆頭に、聖職者側が一時休戦・共闘する事になったって事なのかな。そうじゃなきゃ、特に音石が堅いところのある聖職者と手を組むとは思えないから……

 

「オイお前。何俺を見て失礼な事を考えてんだ?」

「えっ。いっいやそんなには考えてないよー……」

「そんなにはって……あまりそういうのは考えていないって顔をしているのが、逆にムカつくな……」

 

 俺どんな顔してたんだよ。

 

「御託は良いではないか。早く始めよう。君達がどれほど強いのか、私達に見せてくれたまえ」

 

 うわっ……なんかこいつの方が、アレクサンド以上の戦闘狂である事を示唆しているような感じがして、なんかヤダ嫌だなぁ……

 そんな事を考えていたら5人がそれぞれレガシーディスクを取り出し、スイッチを押していた。

 

レガシー・ギルス・ディスク!!

レガシー・イクサ・ディスク!!

レガシー・ゲンム・ディスク!!

レガシー・轟鬼・ディスク!!

レガシー・デルタ・ディスク!!

『『『『『セッティング・オーケー!! レガシーライダーバックル、アクティベート!!』』』』』

『『『『『ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!』』』』』

 

 5人それぞれにレガシーライダーバックルが装着され、それぞれがそこにディスクを差し込んだ。

 そしてそれぞれに、容姿がそれぞれ異なるライダーの立体映像や、そのライダーが闘っているシーンが、ホログラムの映像として変身者の周囲を囲って旋回している。敵視点の複数同時変身ってこういう派手なものなのかな?

 っていうかやっぱりうるせェな。共通の音声が奇跡的にどれもタイミングピッタリだから、音声が反響してよりうるせェ。鼓膜が破れそう。

 

 そうしている間に、アレクサンドは両拳を強く握り締め、胸の前でクロスさせ。

 言峰は握りしめた拳を、縦の垂直に伸ばした手に打ちつけ。

 ヴェロニカは垂直に伸ばした右手の指先を額に当て。

 音石はギターを鳴らすように左手首を右手の指で弾き。

 スペンサーは携帯のマイク部分を持つように、握りしめていた右手の拳を口元の前へと近づけ。

 

 それぞれが、共通の宣言をする。

 

「変身……‼︎」

「イクサ、爆現」

「グレード2、変身」

「轟鬼‼︎」

「変身……」

 

 そしてそれぞれが、ドライバーのレバーを強く押し込めば、それぞれの体に、それぞれの変身者の周りを旋回していた全て映像が重なり、一瞬の青く淡い光が放たれていった。

 ってか意外にも、共通の変身口上を言わない奴が2人もいたんだな。ホント意外。

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーギルス!! レディ・ゴー!!

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーイクサ!! レディ・ゴー!!

フィ・ス・ト・オ・ン

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーゲンム!! レディ・ゴー!!

MIGHTY JUMP!! MIGHTY KICK!! MIGHTY ACTION X!!

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダー轟鬼!! レディ・ゴー!!

ジャーン!!

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーデルタ!! レディ・ゴー!!

STANDING BY……COMPLETE.

 

 うわぁ、レガシーライダーもといデセオ・ウォーズ参加者による、変身のオンパレードやんけ……

 これ、もし仮に誰かが映像として作るとしたら相当の時間・経費が滅茶苦茶かかるじゃねェか。他の闘いでもそういうところあるけど。

 そう思っている間にも、5人はそれぞれのライダーの姿へと変わっていっていた。

 

 アレクサンドが変身しているライダーは、ギルス。野獣の如く剥き出しになった牙と鋭い角が鋭く煌めき、脈動する翡翠色の生体装甲に身を包み、深紅の双眸に野生の怒りを宿した、禍々しくも哀しき異形の戦士。

 

 言峰が変身したのは、イクサ。白と黒の装甲に黄金のラインが走る、機械仕掛けの聖騎士。顔面を覆う十字架の意匠の奥で、冷徹なる正義の光が静かに瞬いている。

 

 ヴェロニカがなったのは、ゲンム。漆黒のボディに毒々しい紫を纏った、闇の遊戯者。ポップな意匠とは裏腹に、ゴーグルの奥に浮かぶ双眼は、狂気と底知れぬ悪意に満ちている。

 

 音石は大抵想像していたけど、轟鬼。雷鳴を背負う、若き鬼の奏者。深い緑の装甲には稲妻の意匠が刻まれ、その背にはギターと化した戦斧が鎮座している。

 

 スペンサーは見た目としては意外にも、デルタ。純白の装甲に身を包み、黄金の三角形を胸に掲げ、装甲の隙間から漏れ出し全身を巡っている赤い光ラインが、使い手の闘争心を狂気へと駆り立てている。

 

 ………………轟鬼とデルタはともかく、聖職者が変身したライダーで、その職業と合っているライダー、イクサだけじゃね? ギルスは神話と繋がりはあるけど望んでない変身って設定のはずだし、ゲンムは自称神だし……

 

「さぁ、君達も早く変身したまえ。敵《わたしたち》はそんなに待ってはくれないぞ?」

「さぁ見せてもらいましょうか、オリジンディスクの力とやらを」

「早くディスクを頂戴していただけないでしょうか? 少々昂りが……」

「来ないってんなら、こちらから行かせてもらうぜ?」

「来いよ、来たまえ‼︎ 私達とディスクを賭けた勝負といこうじゃないか‼︎ さぁ‼︎ hurry‼︎ hurry‼︎ hurry‼︎」

 

 オイ1人だけハイテンションになってんぞ。ってか全員が戦闘狂か?

 どうしよう……今になって、こいつらと絡むべきじゃなかったかもと後悔している自分がいる……

 




気がついたら、戦闘シーンがないのに10000文字を超えちゃったよ……


それとこの小説に関する新しい募集も行ってみました。よろしければ既出の募集と共にどうぞ↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=342713&uid=379192
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