現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
優一にお願いした『ライダーの力に慣れるための特訓』をしに、彼に言われた場所まで行こうとしていた俺とひとり。
そしたら今、オリジンディスクを大袈裟な感じに警戒している、3人の聖職者と途中から同盟を組んだ2人の男性が、レガシーライダーとなって俺達に襲い掛かろうとしていた。
ホント、なんでこうなったんだろうね。いくらオリジンディスクがレガシーディスクとの相違点があるからと言って、警戒されて奪われ保管されようとしているのか……
俺達まだオリジンディスクの力に使い慣れてないし、全貌も知らないんだぞ? なんで必要以上に警戒される上に、私情で闘争本能を向けられるのやら……
おっと、そんな事を考えている場合じゃないな。まだ変身してないのに襲われるかもしれないし、早く変身しないと。
『オリジン・ウィックス・ディスク!!』
『オリジン・ミスレア・ディスク!!』
『セッティング・オーケー!! ウィックスオリジンドライバー、アクティベート!!』
『『セッティング・オーケー!! ミスレアオリジンドライバー、アクティベート!!』』
変身準備中に旋回している映像達、これは便利だな。破壊力はないけど、変身を阻害される心配が減るというか。阻害できる方法を持った奴もいるだろうけど、隙間も無さそうだから一応安心だ。
と思いながらも、俺達は変身までのシークエンスを行った。
「変身‼︎」「変身……‼︎」
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーウィックス!! レディ・ゴー!!』
『デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!』
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーミスレア!! レディ・ゴー!!』
『デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!』
ウィックス、ミスレア、変身完了。……したのと同時に、それを待っていたかのように、5人が一斉に駆け上がり始めた。礼儀良く変身を待っていてくれて助かったぜ……
とりあえず、誰が誰と誰の相手をするかを考えないと。分かってはいるけど、ライダーにも相性があるのだから、複数人との闘いでは最初に闘う相手を選ばないと、苦手な相手に勝った方が後が辛い事もあるし……
そう考えながら、赤い刀身の刃を光らせている、振り下ろされている、赤い宝石を付け金色の翼の装飾がされているイクサの武器──イクサカリバーを右手で掴む。
さらにその反対側にて、ギルスが顔面に右ストレートを当てようとしていたのが見えたため、それを左手でノールックで受け止める。そして正面から殴りかかってきたデルタの胴体を蹴り上げ、彼を後退させる。
ってか、俺しれっとこの3人の相手をする事になっちゃってるじゃん⁉︎ まだミスレアとなっているひとりと相性の良い相手が誰なのか、まだ考察とかしてないってのに‼︎ ってかひとりは2人のライダー相手に太刀打ちできてるのか⁉︎
「ひとり───」
「だっ大丈夫です‼︎ この2人は私がなんとかします‼︎」
ひとりことミスレアがそう叫んで俺に伝えながら、轟鬼が振り下ろしてきた、エレキギター型の大剣──音撃弦・烈雷を、ケースモードのミスレアティックギターを盾代わりにして防ぐ。
そしてゲンムが、巨大なプラスチック製のゲーム周辺機器のようなマゼンタと蛍光色の配分となっている、先端が分厚く四角いブロックのような形をしたハンマー──ガシャコンブレイカーを振り下ろしてきたのを見て、レアティックギターを横薙ぎに振るって烈雷ごと弾いた。
「だから、浩司君も浩司君で彼等の相手を‼︎」
「ひとり……」
……アレ? ひとり、いつの間にあんな勇気のある感じのキャラになったの? 複数のライダーの相手なんて初めてのはずなのに、多少怖がりながらも率先して2人の相手をするなんて……
ってか今気づいたけど、なんか俺、保護者になった気分だな……ひとりの事をまるで自分の子供でも見ているかのように、微笑ましく感じちゃっているから……
「余所見している場合かね───」
『ウィックスガンソード!! パタンッ!!』
「クッ⁉︎」
横薙ぎにイクサカリバーを振るおうとするイクサに、ノールックでフォールディングモード──銃の形態へと変形させたウィックスガンソードを向け、5発も発砲。全て胴体に命中し、火花を散らしながら怯ませた。
そうだったな。闘いに油断は禁物だ。……油断する気はなかったんだけど、ひとりの勇敢さに気を取られて油断してしまったな。反省。
『しかし、何度見ても数としては劣勢だな。中には君にとって不利な相手もいるかもしれないというのに、これは厄介ではないか?』
「あぁ、そうだな……けど弱音は表に出さないぜ。というか弱音を吐いてる場合じゃないだろ」
『いや、浩司君は無自覚かもしれないだけで、弱音を表に出してしまっている時はちょいちょいあるぞ?』
「えっマジで? 無自覚で弱音吐いてる俺ヤベェ……」
いやまぁ、人は誰しも弱音を吐きたくなる時はあるけど、俺の場合は無自覚で時々声にしていたのか。恥ずかしいなそれは……仮面ライダー以前にどうなのさそれ……
「って、他人からしたら独り言だと思われる事を言ってる場合じゃねェな‼︎」
「さっきから何を言っているのかは知らないが、その通りだ‼︎」
そう叫ぶデルタが、灰色と黒で色分けされたやや小振りなデジタルビデオカメラを模しており、白いラインが走っている銃型武器──デルタムーバーを取り出し、灰がかった白でも混じったかのような紫色の弾丸を数発放ってきた。
『バサッ!!』
俺はすかさずウィックスガンソードをスプレードモードへと変形させ、迫り来る弾丸を、ウィックスガンソードを往復させながら振るう事で、3発ずつ次々と弾き飛ばしていく。
そしてデルタが、それを発射しながら殴りかかってきたので、左へと回避してウィックスガンソードを振り上げ、刀身を当てたデルタの装甲から火花を散らす。
さらに横薙ぎに振るって火花を散らし、右足で胴体を蹴り、最後に刃の先端を腹部の装甲に突きつけ彼を大きく後退させる。
「ッ……クッ、クッフフフッ……なるほど、少しはやるようだ。悪くない強さを持っているみたいだ」
腹部を押さえながらも、俺にある程度の強さを持っていた事に対し、不気味さのある笑い声を漏らすデルタ。
なんだこいつ。キツいと思われる攻撃を喰らったはずなのに、それでも笑っていられるなんて、なんか気色悪いな……
「……なんか後ろからも殺意が強く……」
『なんかヤバいのを出してる奴がいるぞ浩司君‼︎』
後ろに視線を向ければ、そこには両腕の手首に一番近い辺りから、鎌のような形状をした鋭く長い金色の鉤爪──ギルスクロウを出しているギルスの姿が。
そいつはそのギルスクロウの先端から、日の光に当てているかのように光沢を放てば、駆け上がりながら右腕のそれを俺に振るってきた。それをウィックスガンソードで防ぎ、左腕のが振るわれる前に左足で奴の胴体を蹴り飛ばす。
「クッ……」
「そらっ‼︎」
「ぬおっ⁉︎」
怯んだギルスの顔面に、右足による回し蹴りをぶつけ、さらに奴をぶっ飛ばす。
また後ろに視線を送れば、デルタとイクサが光の弾丸を連発している事に気づいた。イクサカリバーは刀身が消滅……というよりは引っ込んでおり、そのまま銃型武器となっていた。だから光の銃弾となって放つ事ができているのだ。
それに対し、俺はウィックスガンソードを振り向きながら連続で振るう事で、次々と弾丸を弾いていき、徐々に全ての弾丸を弾く事になった。
『パタンッ!!』
「ハッ‼︎」
「ぬっ⁉︎」
「ガッ⁉︎」
そして隙を突き、ウィックスガンソードをフォールディングモードへと変形。すかさず2発発砲し、デルタムーバーとイクサカリバーを奴らの手元から無理矢理落とし、続けて胴体に何発か命中させてやった。火花も何回か散っているし、いい感じだな。
2人は一時追撃できないし、もう一度ギルスの方を向いてそいつにも銃撃を───
「グゥッ⁉︎」
と思いながら後ろを振り向いた途端、植物の太い蔓や昆虫の触角・突然変異した筋繊維のような見た目をしている、深緑色の鞭──ギルスフィーラーが、俺の首に巻きついてきた。
「ッ、ガッ、クッ……‼︎」
痛い痛い痛い痛い‼︎ めっちゃ痛い‼︎ 首が締まる‼︎ 死ぬ‼︎ 冗談無しに死にそう‼︎
どうにかして開放されようと、ウィックスガンソードをスプレードモードに変形させて、このギルスフィーラーを斬ろうとするが……
「後ろからの不意打ちに対応しようと、私への集中力が逸れてしまいましたね。フンッ‼︎」
「うおわっ⁉︎」
ギルスがそれを猛烈な遠心力で振り回した事により、その勢いを上乗せされたまま、すっぽ抜けるように吹き飛ばされてしまった。咄嗟の受け身は取ったのだが、偶然にも投げ飛ばされた先がゴツゴツとした岩道なため、背中から受けた衝撃が強い。
「ガハッ……‼︎」
『浩司君‼︎ 大丈夫か⁉︎』
「まっまだ───ぬわっ⁉︎」
立ち上がろうとした時に、右の足首にまたギルスフィーラーを巻きつかれ、今度はそのまま勢いよく引っ張られてしまう。休む暇なんて微塵もなしかよコンチクショーが……‼︎
とにかく、ここからしていいようにされる……なんて事になってたまるかよ。確か、スパイダーとの再戦で初めて使った、アーマーを加熱した鉄みたいに発光させて炎の波動を放つ技があったよな。それをイメージして出せば……
「フンッ‼︎」
「えっちょっグハッ⁉︎」
そんな事を考えていたら、ギルスが俺との間合いが詰まったのを機に、俺の装甲にギルスクロウを突きつけてきた。そのせいで、俺が行おうとして波動を発生させるイメージは途切れてしまい、失敗に終わってしまった。
それでも負けじと、フォールディングモードのままとなっているウィックスガンソードから、連続で発砲した光の弾丸を連続でギルスに打ち付けた。
ちょっとした悲鳴もしなかったものの、ギルスにはこれが効いていたようで、俺に突きつけたギルスクロウを離してくれたどころか、ギルスフィーラーから手を離してくれたようだ。
その隙を突き、俺の足首に巻きついていたままのギルスフィーラーを解き、なるべく遠くへと草むらに放り込んだ。もうあんなのに捕まるなんて御免だ。
と思っていたら、俺の背中に何発もの光の弾丸が撃ち込まれた。
「クッ……‼︎」
「どうやら、複数のライダーとの闘いで、一組の相手との闘いにしか強く集中する事があまりできないのが、君の弱点のようだな」
「ッ、さっきの奴に翻弄されたせいであってほしいものだよ……‼︎」
けど実際、デルタとイクサに不意打ちで銃撃されそうになった時、そのまま放置して撃たれまくった方が危険だと思って、そいつらから優先しようとは思っていた。その時、俺はギルスの次の行動が何なのかを考えていなかったんだ。
1つの厄介そうになる事に集中しすぎて、他の奴への対処が追いつけてない。それが俺の弱点だったなんて……
そういや、スパイダーとの再戦でも、クロノスが乱入してくるまではそいつとの一騎打ちに集中していたんだっけか。その時は乱入・不意打ちで俺を襲う奴が増えるかもしれないのに、奴との闘いにしか集中できていなくて……
「うあっ⁉︎」
『まずい、武器が⁉︎』
だからなのか、もう一度ウィックスガンソードで2人の武器を撃ち落とそうとして、ギルスにいつの間にか拾われていたギルスフィーラーで、後ろから打ちつけられるように攻撃されてしまった。
「1つの場面に多くの集中力を持っていく事は、混戦では致命的なものとなりますよ。最初の銃撃されそうな場面での瞬間のように、即座に対応してから周囲を見て、それぞれに対応できるようになれば、マシなものとなったというのに……」
敵ながらもアドバイスありがとうなチクショー……
そんな事を考えながら、3人に向かって光の弾丸が当たるように、回りながらウィックスガンソードを連射しようとするが、その手首をギルスフィーラーに捕まってしまう。
「クソッ、また───グエッ⁉︎」
『浩司君‼︎』
すぐさま開放されようとするが、そこにデルタとイクサの射撃が入り、俺は上半身を中心にそれを何発もモロに食らう。さらにその衝撃が、ウィックスガンソードを持っていた手にも受けてしまい、俺はそれを落としてしまった。
今の俺はギルスフィーラーを投げ飛ばしてきたギルスによって捕まり、ウィックスガンソードを落とされている。さらにはデルタとイクサがいつでも射撃できる状態のため、俺が動けないように一方的に攻める事ができる構図が完成していた。
「この野郎がッ……‼︎」
『こっ浩司君? 一体何をする気だと……?』
こうなったら強行突破だ。何もせずただやられるだけ、なんて事よりはよっぽどマシだろ。
俺はそう決心し、ギルスフィーラーを掴み、ギルスごと引っ張り始めた。
「何ッ⁉︎ 貴方、一体何を……⁉︎」
これにはギルスも多少想定していなかったのか、一瞬だけあっさりと引っ張られ始めたが、足に力を入れて踏ん張り始めた。
そこにデルタとイクサが俺に向かって連射してきたが、今度はこなくそな根性で怯まず耐え、ギルスを俺の元へと引っ張ろうとする。
銃撃をまともに何発も狙ってどうなのか、だって? ぶっちゃけめっちゃ痛い。いつ怯んでしまい、ギルスフィーラーを掴んだ手を離してしまってもおかしくない。
けど、この状況をどうにか打破するためだ。痛いだのなんだの言って、弱音を言っている場合じゃない事も分かっている。とにかく今は……やるしかない。
「グッ……クッ……うおぉらァァァッ‼︎」
「ぬわァァァッ⁉︎」
すると火事場の馬鹿力が発動したのか、一気にギルスをこちらへと引き寄せ、顔面に強い左ストレートパンチをぶつける事ができた。
ギルスが吹っ飛ばされたのを隙に、ギルスフィーラーを奪い、2人のライダーの連射を素早く回避しながら、ウィックスガンソードを拾い上げる。そして2人に向けて連射し、もう一度武器を無理矢理手放させた。
『バサッ!!』
その隙を狙い、ウィックスガンソードをスプレードモードに変形。背後からギルスクロウを振り下ろそうとしてくるギルスに対し、振り向きながら横薙ぎにウィックスガンソードを振るえば、剣と腕の刃による鍔迫り合いが起きる。
一瞬だけ視線を左側に向ければ、デルタとイクサが駆け出してきたのが見えた。どうやら、また遠距離から銃撃戦をしようとすれば、同じ事が繰り返されると判断したのだろう。
デルタの拳と、イクサのカリバーモードとなったイクサカリバーが迫ってくる。それに対し、俺は鍔迫り合いの状態で、好きに体を動かす事が難しい状態だ。できるとした蹴り上げぐらいだろうが、その隙を狙ってギルスに押し返される可能性もある。
だったら、今度こそ『これ』の番だな。
「フンッ‼︎」
「クッ⁉︎」
「ガッ⁉︎」
「どわっ⁉︎」
気合いの籠った声を発すれば、俺の……もといウィックスのメタリックアーマーの部分が熱を帯び、発光したのと同時に熱波が放たれる。それははギルスを光の明るさと熱で怯ませ、デルタとイクサを熱波の力で吹っ飛ばした。
ギルスが怯んだ隙を逃さず、彼を押し返し、ウィックスガンソードを横薙ぎに振るって奴の胴体を斬りつけた。ギルスはその衝撃で後退り、そして右膝をついた。
「よっしゃ、今が追撃のチャンス───」
そう言いながら、ギルスに向かって駆け出そうとした途端……
俺は、誰かに攻撃されたわけでもないのに、その場でうつ伏せになって倒れ込んでしまった。
前回紹介し忘れてた、採用キャラを簡潔に紹介
ヴラド・フリークス・スペンサー
イギリス軍元特殊部隊所属の転生者
見た目の紳士そうな雰囲気とは裏腹に享楽的なバトルジャンキーで、何よりも戦いに愉悦を感じている
誰彼構わず戦いを挑んだり暴れて色々壊す様な行為は好んでおらず、《強者や自身に戦いを挑む者》に対してのみその力を振るう様にしている
弱者や戦いに対し、消極的なものに対しては手を出さないという、一定のポリシーは持っている