現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

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前回の後書きにて変身者をほぼ全員ネタバレしていた事に後から気づいてしまった……


次世代の紅線(こうせん)・錬磨による仁技(じんぎ)

 

 突如ウィックスとミスレアを庇うように、アギトを中心に現れた、謎の5人組のレガシーライダー。

 彼等は2人のディスクを奪おうとしている、もう1組の5人のレガシーライダーの前に立ち、それぞれが理由を持って2人を守るために戦おうとしているのが明らかとなった。

 アギトは何故か無口キャラを演じているため、2人を助けている真相は不明だが……

 

 そんなこんなで、それぞれの闘いが始まった。

 

 デルタがデルタムーバーから光の弾丸を、ネクストファイズに向けて数発も放つ。だがそれらは、ネクストファイズが前に突き出した右腕の装甲に当たった途端、全て大地へと跳ね返り、火花を起こしながら被弾していった。

 発砲を走りながら行っていたためか、ネクストファイズとの距離を詰めたのと同時にデルタムーバーを即座にしまい、格闘戦に入る。

 連続で左右交互にフック・ストレート・ジャブを仕掛け、途中から蹴り上げや回し蹴りも入れるが、それらは全てネクストファイズに正確に回避されていく。

 

「もらった‼︎」

「ぐはっ⁉︎ うぐっ‼︎ がはっ⁉︎」

 

 そして右腕によるジャブを左手で止められ、返しに右ストレートを首元辺りで受ける。そのまま続けて左フック、交互でのジャブ、軽いジャンプでの跳び蹴り、そしてすぐ距離を戻しながらの蹴り上げを受けてしまう。

 後退するデルタをよそに、ネクストファイズは前方に右手を翳す。

 

KNUCKLE MODE

 

 するとどういう原理なのか。赤い光の粒子がネクストファイズの掌に集まってきたかと思えば、一瞬の発光の後、黒を全体の基調とした銀色のスマホらしき機体が現れる。

 それは、中央に大きな赤い『Ø』のマークを映している赤い画面を表向きにして、拳の前面を覆ってており、メリケンサックのように装着されていた。

 ファイズフォン20th・ナックルモード。ネクストファイズへと変身するための本来のアイテムでもあり、変形型の武器としても活用できる次世代のための代物。それが接近側の武器として実体化したのだ。

 何故無からそのアイテム──ファイズフォン20thが呼び出されたのか、どういう原理で出てきたのかは不明だが、他のライダーの武器も、レガシーライダーであれば似たようなものなので、ご愛嬌とさせていただく。

 

EXCEED CHARGE

 

 ネクストファイズがそれの画面の右下にある、黄色く囲まれた『Ø』のアプリアイコンを押せば、虹色のラインと黒い長方形に囲まれた黄緑色の『EXCEED CHARGE』の文字が浮かび上がる。

 すると画面が赤く点滅するのに合わせ、ファイズフォン20thが赤く点滅するエネルギーがの光に覆われた。まるで溜められていく力が、機体を通して拳に宿っていくかのように。

 それに合わせてか、画面から赤く光るグリッド状のホログラム照準が、デルタの胸元に照射される。ターゲットとなる敵に狙いを定め、強烈な一撃を叩き込むために。

 そして、ネクストファイズは駆け出した。バイザーを淡く、装甲のラインを赤く光らせながら。多大な輝きを放ちながら駆け上がるその姿は、まるで一筋の巨大な閃光のようだった。

 やがてデルタとの距離が縮まったかと思えば、腕を交差させたデルタに向けて……

 

「ハァッ‼︎」

「グッガッ……⁉︎」

 

 ファイズフォン20thが着けられているその拳を、力強く真っ直ぐ叩きつけた。

 するとデルタの身体に、ファイズフォン20thに宿っているエネルギーが直接流れ込み、バグでも起きたかのような痙攣で痺れが発生する。そして彼の背後に巨大な『Ø』の紋章が浮かび上がり、その紋章を中心に赤い爆発が発生した。

 

「ぬおおおあああっ⁉︎」

 

 ガードしたにも関わらず、その攻撃の威力は凄まじく、デルタはその勢いに負けて吹っ飛ばされてしまう。そして何度も横転し、衝撃が収まったところで立ち上がるも……

 

FAIZ EDGE MATERIALIZE

FAIZ BLASTER MATERIALIZE

 

 ネクストファイズが、ナックルモードを解除したファイズフォン20thの画面を3回程タッチした瞬間、2つの武器が突如として現れ、両方ともネクストファイズの手元に収まった。

 

 1つは、かなり細めの長い蛍光灯と勘違いしてしまいそうな、真紅の刃形成している武器──ファイズエッジ。

 もう1つは、紅白で彩られた銀箔を持つ、重厚な銃身を変形させた、巨大な光剣──ファイズブラスター・フォトンブレイカーモード。

 

 どれも旧世代のファイズが愛用しており、切れ味や威力の高さを健在としている武器である。

 

「悪いけど、俺はこれ以上ライダー同士の争いをしたくないんでな。早急に終わらせてもらうぜ」

 

 ネクストファイズがそう告げれば、ドライバーにある両側のボタンを同時に素早く押した。

 

スペシャルアタック、プリパレーション!!

 

 そして彼の周囲に現れる、様々なポーズを取っているネクストファイズの立体映像と様々な場面を映し出している映像。

 それらが旋回している中、ネクストファイズは左のレバーを力強く押し込み、右側のレバーとも連動させた。

 

スペシャルアタック、オーケー!!

EXCEED CHARGE

 

 全ての映像がネクストファイズと重なったのに合わせ、赤い光の膨大なエネルギーが、2つの武器へと一気に注ぎ込まれる。

 ファイズエッジの刀身はジリジリと空気を焦がすような高周波を放ち、ファイズブラスターからは目も眩むような巨大なフォトンブラッドの光刃が天に向かって伸びた。

 

「かつてのファイズが愛用していたという2つの武器を、一瞬にして同時に呼び出せるとは……これが次世代のファイズと呼ばれたネクストの力か……‼︎ それを使い熟すとは、何たる強者……‼︎」

 

 デルタムーバーを向けながらも、デルタは二刀流で立っているネクストファイズに惹かれる事となった。

 赤いエネルギーの光が、後光の代わりとしてネクストファイズの身体を覆う。そしてその光で、彼の装甲が綺麗に輝きを……光沢を放つ。その立ち姿は、正しく夕陽に照らされる戦神だった。

 

「真紅のライダーも強かったが……たとえこの戦いで彼に負け、ディスクを奪われたとしても、それもまた本望だ‼︎」

 

 そう叫びながら、デルタムーバーに溜め込んだ薄紫色のエネルギー弾を放つデルタ。その大きさは、ネクストファイズを余裕で覆い尽くす程のものだった。

 だが、ネクストファイズは引かなかった。地を蹴り、驚異的なスピードでそのエネルギー弾の近くへと飛び込む。

 

「ハァッ‼︎」

 

 右手のファイズエッジが鋭く閃き、エネルギー弾の無機質な感覚を置き去りにし、それを貫通しながらデルタの堅牢な装甲を正確に切り裂く。

 赤い光跡が空中に残る間もなく、さらに間髪入れずに左手のファイズブラスターが豪快に振り下ろされた。

 取り回しに優れるエッジの斬撃と、圧倒的な破壊力で粉砕するブラスターの重撃。性質の違う2つの刃が空中で交差し、極太の十字の光跡を描き出しながら、両断するるかの如くデルタの身体に刻まれた。

 

「嗚呼……やはり私の目に、狂いはなかった……」

 

 後悔はないと言いたげに呟けば、刻まれた箇所を中心に巨大な爆発が発生。それに飲み込まれたデルタは、爆発が収まったのに合わせて変身を強制解除されてしまい、その場で両膝をつきながら倒れてしまった。

 その衝撃によるものか、システムによるものなのかは不明だが、変身の強制解除に合わせ、デルタのディスクがネクストファイズの元へと転がっていった。

 

 

 

───WINNER ネクストファイズ‼︎───

 

 

 

 勝敗を決する謎のアナウンスが鳴ったのをよそに、ネクストファイズはそれを拾い上げ、それをバックルのベルトの右側にあるホルダーらしきものに挿入した。

 そして、倒れ伏せている先程までデルタの変身者であったスペンサーを見て、徐に呟いたのだった。

 

「こいつ、やっぱり『HELLSING』のアルカードにそっくりな見た目してるな……発言的にも、回収しておいて良かったかもな」

 

 前者は別にどうでもいいと一蹴される事とはいえ、彼にとっては気になって仕方なかったものだったようだ。

 

 

 

 

 

 

 ネクストファイズのいる場所から少し離れた地点。

 そこでは、ホッパー2号に変身している女性と、デンジャラスゾンビの形態(フォーム)のままであるゲンムが格闘戦を繰り広げていた。

 

 ホッパー2号がパンチをかまそうとすれば、ゲンムが仰け反りながら回避。ゲンムがそのまま起き上がりながら右の拳を振るえば、ホッパー2号がそれを左手で受け止める。さらにゲンムの左の拳が振るわれたのに合わせ、ホッパー2号の右手がそれを掴む。

 その一瞬の隙を見逃さず、ホッパー2号が右膝を突き出し、ゲンムの顔面に強く突きつけた。ゴッという骨の音が、女性同士の戦いとは思えぬ環境を作った。

 

「……ん?」

 

 ふと、ホッパー2号が違和感に気づいた。

 何故骨が強く打たれたような音が聞こえたのか。そして、何故ゲンムの首が垂直90度にまで曲がったように見えたのか。普通ではあり得ない事に気づいたのか、ホッパー2号はゲンムの拳が離れた隙にすぐさま飛び退いた。

 

「ねェ……首、ヤバい感じになっているわよ? 大丈夫かしら?」

 

 煽っている雰囲気もあれど、本気でゲンムの身体を心配しているようにも聞こえる呼びかけ。その言葉に反応したのか、先程まで固まってゲンムが微動し、垂直に曲がっているように見える顔に手を掛けた。

 

「───ご心配なく。ゾンビの形態(フォーム)なので、これくらいすぐに戻せます」

 

 そう答えた途端、ゲンムは自身の首を、グイッと引っ張る事で無理矢理戻した。当然、何の対策もなく無理矢理戻したため、ボキッという骨の折れる不吉な音が大きく聞こえた。

 それでも尚、ゲンムは軽く首を回せる程に平然としていた。まるで本当に不死者(アンデット)にでもなっているかのように、何事もなかったかのように。

 

「……ですが今の攻撃、快感となる要素が微塵もなかったですね。ゾンビの形態(フォーム)なために仕方ない、というのもありますが」

「快感、ねェ……戦いの最中にそれを求めていたなんて、その話し方からして珍しいわね、貴方」

 

 普通ならば他人に引かれるであろう、ゲンムの我欲を表す発言。だがそれにホッパー2号は嫌悪感を抱かず、次の一手を行おうと構える。

 そんな彼女に対抗してか、再びガシャコンブレイカーとガシャコンバグヴァイザーを呼び出し、それらを手元に収めた。そして前傾姿勢となりながら走り出し、ゾンビらしい挙動を見せる。

 

「今度は、期待していますよ?」

「その態勢と挙動からは想像できない喋り方ね……」

 

 変身しているライダーとその変身者、相性が良くても本人の性格としては本当は合っていないのでは?

 そんな考えをよそに、ホッパー2号はゲンムが振り下ろしてきたガシャコンブレイカーを左に避け、横薙ぎに振るわれたガシャコンバグヴァイザーの付いた腕を掴む。

 

「フッ‼︎」

「ッ⁉︎」

 

 その隙を狙い、ホッパー2号が左ストレートでゲンムの首元辺りを殴りつける。一瞬の怯みを見せたのに合わせ、胴体辺りにさらに連続でパンチを打ち続ける。

 そしてゲンムがガシャコンブレイカーを振るい、反撃しようとしたのを見て、その腕を両腕で捕える。さらに柔道でいう背負い投げの動作で、ゲンムの重厚な装甲を持つ身体を軽々しく投げ飛ばした。

 

「せいっ‼︎」

「カハッ⁉︎」

 

 受け身を取る瞬間を与えられなかったのか、そのまま背中に地面を強く打ちつけられてしまったゲンム。いくら不死者《アンデット》を彷彿とさせているとはいえ、痛覚がないわけではない。これによる痛みが、ゲンムの全身に響く。

 それでもゾンビの不死の力のおかげなのか、ゲンムは痛覚を感じ続ける事なく、すぐさま起き上がって態勢を整える。ホッパー2号を睨み、警戒しながら。

 

「なっ何故……⁉︎ ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……⁉︎」

 

 ゲンムは戦慄していた。ホッパー2号の強さに。彼女自身が想像していたものよりも優勢ではない事に。そして……無意識にも、ホッパー2号を恐れている事に。

 

「ッ、これまた本気でいかなければ……‼︎」

 

 最悪な事態が起こるのを避けるべく、ゲンムは懐から何かを取り出した。

 透明な基盤の下には、白色の外装パーツが覆われており、グリップタイプのゲームソフトの様な形状をしている。その側面にはデンジャラスゾンビのゲンムに似た見た目をしている筋肉隆々な男と『DANGEROUS ZOMBIE』の文字が描かれたシールが貼られていた。

 デンジャラスゾンビガシャット。本来の仮面ライダーゲンムがデンジャラスゾンビへと変身・形態変化(フォームチェンジ)させるために必要なアイテムの1つである。

 そのアイテム──ガシャットを、ガシャコンブレイカーに差し込んだ。

 

KIMEWAZA!! DENGEROUS CRITICUL FINISH!!

 

 それに連動して、必殺技の発動を知らせる音声が鳴り響いた……その瞬間、ガシャコンブレイカーの刀身に異変が起きた。

 澄んだブレードの表面を、どす黒い紫色の瘴気がノイズを伴いながら浸食していく。泥のように粘り気のある闇のオーラが渦を巻き、まるで剣そのものが腐敗していくかのような錯覚を与える。

 それに合わせてか、ゲンムの歪なゴーグルの奥で、赤い複眼が妖しく発光する。そしてゾンビ特有の、しかし常人には到底不可能な異常なステップでホッパー2号へと間合いを詰め、瘴気に濡れたブレードを大きく振りかぶった。

 

「ハァッ‼︎」

 

 振り下ろされたブレードから放たれたのは、もはや単なる斬撃ではなかった。黒紫色のエネルギーの刃が空間を抉るように切り裂くと同時に、その軌跡から無数の『死者の腕』を思わせるおぞましい幻影が這い出てきたのだ。

 

「なるほど……正しく死から生まれた者に合った技ね」

スペシャルアタック、プリパレーション!!

 

 それに対抗すべく、ホッパー2号がドライバーの両側にあるボタンをせば、ホッパー2号の様々なポーズが取られている分身の立体映像、そしてホッパー2号が必殺技らしきものを放ったりそれで決着した時の、様々なシーンが彼女の周囲を回っていた。

 するとホッパー2号は深く息を吸い、そして大きく吐き出しながら、ドライバーのレバーを両方とも押し込んだ。

 

スペシャルアタック、オーケー!!

 

 全ての映像がホッパー2号と重なり、一瞬の淡い光が解き放たれた。

 それに合わせ、ホッパー2号はその場で跳躍。爆発的な脚力が、煌めく深緑の装甲に身を包んだ巨体を青空へと跳ね上げる。

 重力という枷を完全に断ち切ったかのような、凄まじい跳躍。赤いマフラーが風を切り裂き、彼女の姿は太陽を背にした漆黒のシルエットと化した。

 

「ライダーキック‼︎」

 

 全身のエネルギーを右足に集中させ、赤いブーツを真下へと振り下ろした。風を切り裂き、空気を叩き潰すような轟音が夜空に響き渡る。

 落下に伴う恐ろしい程の加速。赤いブーツの先端が、摩擦熱と凄まじい生体エネルギーの集中によって、青空の中で赤熱した鉄のように明滅する。

 その蹴りは、迫ってくる死者の腕を次々と盛大に弾き、その熱と圧力で消滅させ、ゲンムの元へと急接近していく。

 ゲンムが咄嗟に、ガシャコンブレイカーとガシャコンバグヴァイザーを盾代わりにして防ごうとするが、それはあまり意味を成さなかった。それらがホッパー2号の蹴りに当たった瞬間……

 

「ガッ……⁉︎」

 

 隕石が激突したかのような轟音が、周囲に大きく響いた。

 ホッパー2号の右足が、ガシャコンブレイカーとガシャコンバグヴァイザーを、風に吹き飛ばされる紙切れのように軽々と弾き、ゲンムの胸部装甲に強くぶつかる。

 その装甲を易々と貫くかの如く、その内側にある肉体と機械の機構ごと粉砕するかの如く、激しく強い轟音が先程以上に大きく鳴り響いた。衝撃波が円状に広がり、周囲の瓦礫や砂埃を暴風となって吹き飛ばす。

 ズガァンッ‼︎ と、ゲンムの重厚な装甲を持つ身体が易々と吹き飛ばされ、並び立っている木々を無理矢理砕かせながら、爆発を起こした。

 

 

 

───WINNER ホッパー2号‼︎───

 

 

 

 濛々と立ち込める粉塵の中。ホッパー2号の赤いブーツが、ズンッと重い音を立てて大地を踏みしめた。

 そして晴れてきた粉塵のあった位置には、先程までのゲンムの変身者であったヴェロニカが、全身に焦げた跡ついた状態で両膝をついていた。

 

「こっこの強さは、予想外でした……」

 

 ヴェロニカがそう呟く中、ゲンムのディスクが彼女の元から離れるように、ホッパー2号の足元へと転がり落ちていった。

 そのディスクを拾いながら、ホッパー2号は徐に呟いた。

 

「シスターの姿でポップなゾンビみたいなのになるって、あまりにも新鮮ね」

 

 ライダーと変身者。その組み合わせ的に面白味があると感じたのか、ホッパー2号は笑っているように見えた。

 




どうしても6000文字を超えると区切ってしまう……
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