現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
※この後滅茶苦茶ボコられた。
往歳教授を唸らす、『仮面ライダー』のテーマに適したカレーライス作り。そのイメージがなんとなく湧いてきたのか、そのイメージに合わせたレシピを考案し、ひとりと協力して作っていったんだが……
「出来ました‼︎」
「うーん……美味いっちゃあ美味いんやけど、ここからまだまだ煮込めへん?」
「グエーッ‼︎」
「かっ改良できたでしょうか……⁉︎」
「おっ、少し良くなったんとちゃう? もうちょっと煮込み時間を入れて……後、なんか具材が足りへんな」
「アバーッ‼︎」
「なんとかいつもよりさらに考えて作りました……‼︎」
「ふーん……後もうちょい‼︎ なんというか、俺が言いたい事が、後少しで完全に理解できるって感じやな。そのためにも、もうちょっとオリジナル感を出してみたらどうなんや? 今風、みたいな感じに」
「ブフォッ⁉︎ オ、オリジナルですか⁉︎ それってどういう……いや、ここは自分で考えるんだ、俺……‼︎」
この通り、3回連続で失敗。その度に何がいけなかったのか、どのようにイメージしてそれに合わせるべきだったのか、試行錯誤の繰り返しだった。
この特訓が試験みたいに1発でアウト……ってな感じにならないだけマシだが、それでも不合格を受ける度に苦しく感じる。別にゴジュウジャーみたいに1発で合格するとは思ってなかったが、難しいな……
「ところで……私達が出したもの全部完食してますけど、お腹の方は大丈夫なんですか……?」
「心配いらへん。君達が必死に考えて考えて、仮面ライダーとしてピッタリなカレーライスを一生懸命に作っとるんやから、それがスパイスとなって食欲が進んどる。だから気にせずもっと頑張りや」
「そっそうですか……」
なんですかその理由は。この人、仮面ライダーの事になると胃袋がブラックホールになるのか? まだ3杯目だというのに、完食した上でよくまだ食べようとするな。まさか10杯も食べる気じゃ……?
そうならないように、俺達は頑張って仮面ライダーのテーマに沿ったカレーライスを作らないようにせねば。失敗ばっかりしていたら合格できないどころか、往歳教授の腹が崩壊しかねないからな。
とはいっても、どうしたらいいものか……
だんだん彼が求めているイメージに近づいているらしいとはいえ、そこからオリジナル感を出してさらに近づけろって、一体どんな感じに作ればいいというんだよ。その上に今風とかどういう意味───
「………………ん? 待てよ?
内心での呟いたその言葉に、俺は何かを見出した気がしたのか、口にして鸚鵡返しした。
仮面ライダーは、闘えない者達からの助力を得ながらも、基本的には戦場では孤独。闘いとなれば、常に1人で敵と闘わなければならないものだ。
だが、平成に入ってからは……
「ひとり‼︎ 切った玉ねぎをベースにして、良い味わいになるように味付けしながらじっくり炒めておいてくれ‼︎ その間、俺はあるものを作っておく‼︎」
「あっはい、分かりました……?」
早速ひとりにやってもらいたい事を指示し、俺はとあるものを作るために、たくさんある材料の中から色々なものを取り出した。
……よし、材料はこれで合っているはずだ。正直これはめんどくさいとかの理由で初めて作るけど、作り方はスマホを見ながらやればいい。やれるだけやってみるさ。
この時。横目に見た往歳教授の口元が、緩くなって微笑んでいるように見えた気がした。
♢
そして、数分後。
「お待たせしました‼︎ 4度目のカレーライスです‼︎」
「おっ‼︎ 今度のは、これまで以上に本気で気合い入れとるな‼︎ 滅茶苦茶美味そうや‼︎」
こうして用意したのは……チキンカツ付きの、じっくり炒めた玉ねぎと仕上げのガラムマサラバター入りのスパイスカレーだ。
玉ねぎはこれまでのも入れてはいたが、切ってそのまま入れたもので、すぐに全部溶かしてしまった。それを今回は、事前に入れる前にじっくり炒めて完全に溶けないようにしている。
そこにトッピングとしてチキンカツと、仕上げにひとさじ落としたガラムマサラバターも追加。これらがさらに、カレーの旨みを引き立たせてくれるはずだ。
「ほんじゃ早速……」
そう呟きながら、チキンカツと共にカレーを一口食べる往歳教授。俺達がゴクリと息を飲みながら見つめていると……彼の瞼が、仰天したかのように大きく見開いた。
「………………美味い‼︎ 口の中がライダーのバトルフィールドやー‼︎」
バトルフィールドて。そんな大袈裟な評価する程ですかね?
「ガラムマサラバターが化加わった事で、じっくり長時間掛けて煮込まれたルーから、まろやかなコクに加えてリッチな香りとツヤを出しとる‼︎ そしてチキンカツのあっさりとした食感が、ルー自体の出汁やスパイスの風味を邪魔せず、カレーをメインにしながら同時に主役として味を引き立たせとる‼︎ これや……これこそが、俺の求めていた『昔と今のライダーカレー』や‼︎」
いやめっちゃ流暢に食レポしてるやん。思ったよりも食べた感想が長いなオイ。どんだけ俺達の4度目のカレーが理想的なものだったんですか。かえって怪しく感じたんですが。
そんな事を考えていたら、往歳教授は柊さん・楯無さん・鬼柳さん・クラウスさんにもこのカレーを薦め、彼等もそれを食べ始めた。一緒に食えと言わんばかりに美味かったのか? それはまぁ嬉しいけど……
「単体では刺激が強すぎる
俺とひとりは最初は、初代を表す『孤独を生きながらも人々に温かい温もりを得ている仮面ライダー』にちなんだカレーを作っていた。けど、教授が本当に求めていたのは
時代は流れ、世界の平和などのために共に闘ってくれる、仲間の仮面ライダーも出てきている。そして彼等はお互いに支え合い、助け合い、絆を深めている。
その時代にも合わせたカレーを作り、彼等の事も知ってもらいたい……教授はきっと、そう願ってこの特訓を提案したのかもしれない。あくまで俺の憶測、だけどな。
俺とひとりも教授に食えと薦められたため、お言葉に甘えて口に運び、思わず呟いた。
「……思ったよりも、上手く出来ててよかった」
正直、何回目で教授の納得のいくカレーが出来るのか、そもそも試験みたいに1発で完璧にならないといけないんじゃないかとか、色々と不安だった。だから高評価を貰ったのはかなり嬉しかった。頑張った甲斐があったものだよホント。
「ここまでの短時間での苦節の中、よう頑張ったな。ここまできたら、これが本当の最後の課題や」
えっ? 本当の最後の課題?
最後の課題といえば、ゴジュウジャーではスーパー戦隊としての名乗りをしろ、みたいなのがあったけど……仮面ライダーだと、何を課題にするというんだ?
♢
ドミネイト型デシアゴーレムの1体・サーキッカー。そして乱入によって加勢してきたもう1体のドミネイト型・アクティング。
2体のドミネイト型デシアゴーレムの出現により、ヴァルバラドとGは苦戦を強いられていた。
パシャッ
「ッ⁉︎」
「またかッ……‼︎ 一体どういう原理で……‼︎」
アクティングの両腕のカメラレンズらしきものから、シャッター音が鳴ったのと同時に光り、2人の動きが一瞬だけ止められる。それも、そのレンズらしきものが、2人のどちらかに向けられたわけではないというのに。
2人が強制的に動きを止められた隙に、アクティングの肩部からのたうち回る切断ケーブルが、触手のように2人の背中を叩きつけてきた。
「うあっ‼︎ ガァッ‼︎」
「ッアッ‼︎ グゥッ‼︎」
何度も背中に叩き込まれると共に身体中に走ってくる、クラゲの触手の如く、水を含んで重くなった太い濡れタオルやゴムホースで、思い切り引っ叩かれたようなズシッと重い鈍痛。
それが2人の装甲をらも貫通し、皮膚が焼けるような強烈な痛み──灼熱感も合わさって襲い掛かってくる。
強制的な停止が解除されたかと思えば、今度はケーブルがヴァルバラドの右腕とGの左腕に巻きつき、自由が効かないような状態を作らせる。そしてそのケーブルの切断部分から、バチバチと電力が発生したかと思えば……
「「グァァァァァァッ⁉︎」」
そこから電流が発生し、2人の身体全体を迸っていく。身体が焼かれていくかのような痛感が、装甲を完全に貫通し、2人の身体全体を襲う。
「こっのっ……‼︎」
それでも負けじと、ヴァルバラドが対抗する。電流による痛感に耐えながら、火事の馬鹿力の如くヴァルバラッシャーから光の弾丸を発射。
アクティングの顔面に弾丸が直撃し、小さな爆発が発生する。それにアクティングが怯んだのと同時に、ケーブルの拘束力が一気に弱まった。
「今だッ‼︎ ハァッ‼︎」
その隙を突き、Gがソムリエナイフ型の剣を振るい、左腕を縛るケーブルを弾いた。それにより、2人とも完全に拘束力を失ったケーブルから脱出する事に成功した。
「助かったよ優一君。これでまた、君への借りができたかな?」
「……どうでしょうね」
Gから評価を受け、仮面越しに照れ隠しするヴァルバラド。顔面に受けた爆発による煙や痛みを振り払っているアクティングを見据えながら、再びヴァルバラッシャーを構える。
だが、彼が見据えているのはアクティングだけではない。脚部の高圧スラスターを動かし、爆発と合わせて加速する機会を伺って鎮座している、サーキッカーの動きをも読み取ろうとしているのだ。
「(さて、次はどいつがどう動く……?)」
ヴァルバラッシャーを構えながら、サーキッカーとアクティング、そして彼等によって生成されていたトルーパー軍団の行動を警戒するヴァルバラド。
サーキッカーとアクティングが同時に仕掛ける可能性もあれば、トルーパー軍団のみで行動を仕掛ける可能性も、近くに逃げ切れていない一般人を盾にする可能性も捨てられない。
敵がどう仕掛けてくるのか予測できないからこそ、気を一瞬でも抜けないようだ。気を抜いていいわけがないとも考えているが。
刹那。デシアゴーレムは集団の後列にて、何かが複数も宙に浮いて……否、吹っ飛ばされた光景が、ヴァルバラドとGの視界に映る。
それは、6体ものトルーパー。それも、跳躍しているのではなく、投げ飛ばされているかのような様子だった。
「……?」
「なっなんだ……?」
ヴァルバラドもGも、この場にいる全てのデシアゴーレムも、何事なのかと戸惑いながらその方向を向き、警戒の意を示した。
仲間割れでも起きたのだろうか。否、それはないだろう。
ドミネイト型から生み出されたものだろうがなかろうが、トルーパーは自分達を召喚した者の目的を持ってして、それに沿った行動を取る。どのデシアゴーレムから呼ばれようとも、根本的なものは全く変わらない。
その目的の遂行をする彼等が、仲間割れなどというあまりにも不効率な事をするはずがない。たとえ仲間割れを作戦として行おうにも、無駄な体力と犠牲が伴い、かえってそれはそれで不効率になるもの。
よって、彼等が仲間割れする事はあり得ない……そう捉えられているのだ。
ならば、何故トルーパー達は、後列にて吹っ飛ばされているとでもいうのか。そこで何が起きているとでもいうのだろうか。ヴァルバラドはその方向へと目を凝らす。
「フゥッ……念入りに金属バットを持っていって、武器を奪うために使っておいてよかったぜ……振るってきた時は肝が冷えたけど……」
「おっ教えてもらった投げ技が上手くいった……‼︎」
そこにいたのは、後列にいるトルーパー達の相手をしている、人浩司とひとりの姿だった。
しかも2人ともウィックスやミスレアどころか、ゼロワンやグリドンにすら変身していなかった。
つまり、彼等は今、生身のまま闘っているのだ。
浩司は右手に、トルーパーを叩いた事で折れ曲がったのだろう金属バットを。左手にはトルーパーから奪い取ったのであろう槍を握りしめていた。
ひとりに至っては、まさかの素手。だが彼女の発言からして、どうやら素手のままでもある程度は闘えているようだ。
だが、闘える闘えないの問題ではない。デシアゴーレム……もとい怪人相手に、何故生身で闘っているのだ。奴等の力と身体の硬質感からすれば、ライダーとなって闘う事が安全だというのに。
ヴァルバラドはそんな彼等の身を危惧し、思わず叫んだ。
「お前達‼︎ 何故変身しない⁉︎ 変身しない状態で闘うのは危険だ‼︎」
「それは分かってはいるさ。けどな……」
浩司もひとりも、生身で闘う事の恐ろしさを、それによる無謀さを理解しているつもりでいるようだ。
非常なる力を持つ怪人達の攻撃が、ライダーの装甲で守られていない身体に通れば、大怪我だけでは済まないはずだ。最悪の場合、命を落とす事も……
それでも、浩司とひとりには、生身のままで闘おうとしている理由があった。浩司が剣を振るおうとしているトルーパーに槍を突きつけながら、語る。
「ライダーだってさ、毎回変身してから闘う事ができるってわけじゃないだろ? 敵が待ってくれない時もあるし、変身している間に、一般人などといった襲われてはいけないものとかを、急いで助けたりする必要だってあるし」
浩司はそう言いながら、剣を持ったトルーパーに向けて、金属バットを投げ飛ばした。兜に強く金属バットが命中して怯んだ隙に間合いを詰め、剣を持つ腕を掴んだ両腕で強く締めつける。
両手にヒリヒリとした感覚が伝わり「や、やっぱ硬ェ〜……‼︎」と痛がりながらも、これを機にトルーパーが手放した剣を奪い、横薙ぎに振るい彼の装甲を斬りつけて爆発させたた。
突然の爆発に驚くも、その剣もまた投げ飛ばし、ライフルを構えようとしていたトルーパーの胸部装甲を貫通。そのままそのトルーパーも爆発させた。
「あの特訓をしてきた事で、『変身できなかった』とかを言い訳にして、俺自身の不甲斐なさから逃げる……なんて真似、したくなくなったのさ」
仮面ライダーとは何なのか。仮面ライダーとしての在り方は何なのか。そうするには自分はどのように成長すべきなのか。少しでもそれを理解できるようになった彼は、今日の特訓を脳内で振り返り、そう語ったのだった。
だが、ヴァルバラドから見て誇らしく語っているように見えた彼の顔は、突然罰が悪そうな表情となった。
「……まぁ、本当は変身前のライダーはみんな素手で闘ってきたのに対して、こっちは念のために金属バットを使っていたけど。そしてひとりの事が心配で、彼女にも武器を持たせようとしていたけど」
槍を弓矢持ちのトルーパーに突きつけながら、浩司はひとりに視線を送る。
彼女の方はどうなのかというと、「ヒッ⁉︎」と悲鳴を上げながらも、冷静にトルーパーが振るった横薙ぎの剣をしゃがんで回避していた。何も考えず咄嗟に回避し、偶々避ける事ができた……なんて状況ではないのだ。決して。
そしてひとりはキッと、覚悟を決めたかのようにトルーパーを睨みつけ、勢いよく立ちながらトルーパーの兜に頭突きする。
あまりの兜の硬さに思わず痛がる様子を見せるも、尻目にて後ろから迫り来るトルーパーを捉え、怯んだ方のトルーパーが持つ剣を、重さを諸共しないように奪い取る。そして回転しながらその剣を振るえば、怯んだ方も含めて計4体のトルーパーの装甲に強い斬撃を浴びせる事ができた。
「えっあっ。なっ何というかその……最初から何かを持って闘うよりも、素手でやってから何かしらの武器を持った方が、私としてはしっくりくるんじゃないかって思えた気がしたので……」
「(あの特訓の影響か?)」
意外とアクロバティックな戦法が得意になったんだな……と、浩司がひとりに対してそう思っていると、彼に向かって駆け出そうとしたトルーパーが、装甲の火花を散らされながら仰向けに倒れたのが見えた。
ヴァルバラドがヴァルバラッシャーから光の弾丸を放ち、浩司を攻撃しようとするトルーパーを狙撃し、彼とひとりの元へと駆け寄ってきたのだ。
そして、ヴァルバラドが2人の間に立つように止まると……
「やむを得ないという時以外は、自分から生身で闘おうとするのはやめてくれ」
「「あっはい……」」
迫真かつ威圧感のある声で、2人の行動を示唆してきた。どうやら2人が生身で闘う場面を見て、肝でも冷えたかのような感情を覚えたようだ。
そのあまりにも迫真な忠告に、2人は思わず萎縮しながら了承してしまった。それを少し遠目で見ていたGはというと、苦笑中である。
「……けど」
そう呟き、気恥ずかしくなったのかそっぽを向くヴァルバラド。そして明後日の方向を見ながらも、浩司とひとりに向けて……
「いち早く助けようとしてくれた事は嬉しかった。ありがとう」
率直に。偽りなどせず。2人に感謝の言葉を告げた。それを聞いた浩司は微笑み、ひとりは素直に褒められるとは思わなかったのか、キョトンとした表情になるも、照れながら口元を緩めた。
「だから……早く変身してくれ。あいつらが変身を妨害しようものなら、俺達が足止めするから」
「「アッハイ」」
だが、それはそれ。これはこれ。褒めても尚、ヴァルバラドは浩司達が生身のまま闘う事に抵抗があるようだ。
このまま彼に気を遣わせるのもよくないと感じたのか、2人ともオリジンディスクを取り出し、スイッチを起動させる。
『オリジン・ウィックス・ディスク!!』
『オリジン・ミスレア・ディスク!!』
『セッティング・オーケー!! ウィックスオリジンドライバー、アクティベート!!』
『セッティング・オーケー!! ミスレアオリジンドライバー、アクティベート!!』
『『ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!』』
それぞれのディスクの起動に合わせ、それぞれのオリジンドライバーが2人の腰に装填。それぞれがドライバーにディスクを差し込めば、ウィックスとミスレア、それぞれの様々な立体映像が投影されていく。
そして、浩司は掌を真っ直ぐに伸ばした両腕をクロスさせながら、ひとりはまるでギターをピックで弾き始めようとしているかのように、ミスレアオリジンドライバーの両端となる赤色のレバー状のパーツに手を当て……
互いに、高らかに叫んだ。
「「変身‼︎」」
それぞれのドライバーにあるレバーが押され、変身シークエンスは本番を迎えた。
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーウィックス!! レディ・ゴー!!』
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーミスレア!! レディ・ゴー!!』
『『デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!』』
活気ある音声が、2回連続で発生する。それに合わせるかのように、投影された映像全てが浩司とひとりの身体と重なり合い、光を発生させる。
そして、浩司と重なり合った光から秘められていた炎が弾け飛び、ひとりの光からはギターを激しく弾いたかのような音声が発生した。
こうして、浩司は紅き不死鳥・仮面ライダーウィックスに。ひとりはギター使いでもあるピンク色のツチノコ・ミスレアとなった。
そして、2人揃って「よしっ」と呟いたかと思えば。
「願いを求め、今ここに羽ばたく‼︎」
「鳴らしてみせる、自分や未来を変える音を‼︎」
これまでの闘いでなかった、仮面ライダー特有の決め台詞。
この闘いで今、2人のそれが決定づいた瞬間であった。
事前に何回かチャンスはある、みたいな事を教授は言っているので、カレーの件はこれでマイルドに受け止めて……