現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
往歳教授を中心とした指導による、仮面ライダーとして強くなるための特訓を終わらせた俺とひとり。そして2体のドミネイト型のデシアゴーレムと闘っていた優一とマスターに加勢したのだが……
生身でも闘えるようになったのかを確認し、少なくともある程度は闘えると確信したところで、優一にやむを得ない時以外では生身で闘うなと注意されました。心配されていたのは分かっているけど、解せぬ。
まぁ何はともあれ、結局ひとりと共に仮面ライダーに変身。だが、今回はただ変身するだけじゃない。往歳教授の最後の試練である……
「願いを求め、今ここに羽ばたく‼︎」
「鳴らしてみせる、自分や未来を変える音を‼︎」
闘う前の決め台詞。これを2人揃って思いつき、今に至るってわけだ。
しかし、『願いを求め、今ここに羽ばたく‼︎』か……正に今の俺らしい決め台詞だな。まだ本気で叶えたいと思える願いはないけど、それを見つけるために、自分自身を変えるために羽ばたく……と言っているように聞こえる気がするから。
「………………なんだ? 今の」
「えっ? 何って、仮面ライダーの多くがやるという、決め台詞……」
「あぁ、アレか……思わず、遅めの厨二病にでもなったのかと思ってしまった。すまない」
「誰が厨二病だコラァッ‼︎」
仮に厨二病だとしても、本家の仮面ライダー達だって決め台詞が厨二病みたいな感じな人が何人かいるんだし、別に恥ずかしがる事ではないだろうが‼︎
そんな事を考えていると、いつの間にかこちらへと来ていた往歳教授が前に出てきた。しかもご機嫌そうだ。
「これぞ……‼︎ これぞ古文書に記されし、伝説の仮面ライダーの決め台詞‼︎ 最高や〜‼︎」
「あっ教授は高評価なのか」
「哀れみのある感じに言うなよオイ」
大体あの決め台詞、往歳教授が『仮面ライダーなら、決め台詞は勇気を出し己を奮い立たせるための必須項目や‼︎』と、考えるようにと促された事で一生懸命に考えたものだぞ?
それを評価してくれた彼を……仮面ライダーの大ファンの塊みたいな彼にそんな態度は、ちょっとどうかと思うぞ。後もう一度言うけど、俺は厨二病じゃねェからな? 変な誤解の影響で教授にその態度はどうかしてるからな?
「よし、俺も‼︎」
往歳教授がそう意気込みながら呟くと、スーツの胸ポケットから、アギトのレガシーディスクを取り出し、スイッチを押した。
『レガシー・アギト・ディスク!!』
『セッティング・オーケー!! レガシーライダーバックル、アクティベート!!』
スイッチの起動に連動し、そのエネルギーを通して、教授の腰周りにレガシーライダーバックルが出現・装着される。そして教授はすかさず、そのドライバーの凹凸部分にディスクを素早く差し込んだ。
『ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!』
すると往歳教授の周りを、アギトの全身や写真の立体映像が、複数に分かれて映し出され、彼の周囲を旋回していく。
そして教授は、左手をドライバーの左側にある方のレバーに添え、右手を左斜め上と前方へゆっくりと押し出し……叫んだ。
「変身ッ‼︎」
力強く振り絞るかのように叫び、一瞬だけ両腕を頭上で交差させ、すかさずドライバーの両側のレバーを掴んで押し込んだ。
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーアギト!! レディ・ゴー!!』
眩い光の発生と共に、往歳教授は仮面ライダーアギトへと変身を完了させた。大地を表す黄金の装甲から反射された光が、この地を優しく照らしていく。まるでこの地に神でも降臨したかのような、温かさのある輝きだった。
往歳教授がアギトになったのを皮切りに、俺は両手で拳を作り、右腕を前方へと伸ばしながら構えた。『カッコいいぞ浩司君‼︎』という野次馬が飛んできたが、気にしないでおこう。
「いくぜ‼︎」
「はい‼︎」
「トルーパーは俺達が対処する‼︎」
「リーダー格であるドミネイト型の相手は、君達に任せたよ」
特訓の成果を確かめたくなったのか、ヴァルバラドとGはそう言って、トルーパーの軍勢がいる方へと突っ込んでいった。今ここで彼等の手を借りたら、俺達がどれほど成長できたかなんて分からないし、あの反応が正解だよな。
そう思いながら、迫り来る両腕両脚にタイヤのついたデシアゴーレムのパンチを、タイヤに当たらないよう、両手でキャッチするように受け止めた。
「こいつの相手は俺がするか。攻撃してきたって事は、指定されたようなものだし……なっ‼︎」
そう言って、俺はこのデシアゴーレムの顎を蹴り上げ、怯ませた隙に胸部装甲に右ストレートをぶつけた。それも、ウィックスの体内に宿る炎の一部を拳に纏いながら。
あの特訓のおかげなのか、ようやく把握したんだ。ウィックスには体内から炎を放出する事ができ、それを身体に纏わせる事ができるのだと。
俺は正義を目指す仮面ライダーだと自覚している証拠の1つ、とでもいうのだろうか。何はともあれ、成果が出ているみたいでよかったよ。
そんな事を考えている中、ひとりことミスレアが、もう1体の両肩から振り下ろされた巨大なケーブルらしき触手を、前転しながら次々と躱していく。
特訓前の彼女だったら、鱗の部分を盾にしながら闘うという戦法を行っていたのだが、それに頼りっきりだと成長できないと思ったのか、回避する事も視野に入れて闘う事になったようだ。
「ていっ‼︎」
前転した事で間合いを詰めれたのか、立ち上がってすぐ、何の躊躇いもなく拳を突き出し、あのデシアゴーレムの顔面を殴り飛ばした。
防御は最大の攻撃。それを強靭な鱗を持つ装甲で体現していたためか、殴られたデシアゴーレムはそのまま吹っ飛ばされ、後ろにいた数体のトルーパーをも巻き込んだ。
デシアゴーレムが相手だと、拳で殴る事への抵抗感が薄くなるって言ってたけど、特訓後はさらに抵抗しなくなったな……まぁ、親しい仲の人を、争奪戦とか関係なく殴るような真似しなければOKなんじゃないの? 知らんけど。
「このデシアゴーレムの相手は私がします‼︎ 浩司君はそっちの方を‼︎」
「あぁ、頼んだ‼︎」
ミスレアがやる気満々に『ここは俺に任せてお前は自分の闘いに集中しろ』と言ってきたので、俺はそれに力強く了承した。はっきりとここは自分がやると言うなんて、なんだかちょっと感動だな……(しんみり)
「よし……浩司君‼︎ ひとりちゃん‼︎ 約束のブツや‼︎」
アギトが1体のトルーパーを投げ飛ばし、他のトルーパーを6体程巻き込ませたかと思えば、何処からか取り出してきたものを俺達に投げ渡してきた。
それも2つ。しかも真ん中に丸型に開いた、丸い小さなシルエット。それは投げられた時のコントロールが良かったのか、俺とミスレアはそれを難なくキャッチした。
俺の手に渡ったのは、黒と紫色を基調とした龍と騎士を彷彿とさせる仮面ライダー……その戦士が描かれているレガシーディスク。
となれば、ミスレアが受け取ったのは、ポップな少女をイメージとしている、ピンク色が目立つ仮面ライダーが描かれているレガシーディスクなのは確かだ。
つまり、俺達はこれを受け取ってもいい程に、往歳教授から良い評価を受け取ったという事になる。正直『本当にそうなったかな?』とは思っているが、やったぜ。
「教授から受け取ったか……なら俺もだな」
それを見た優一も、BLACKのレガシーディスクを取り出した。俺とミスレアがフォームチェンジならぬライダーチェンジするのに合わせ、あいつもBLACKに変身するってのか? ……面白いじゃん。
『レガシー・カリバー・ディスク!!』
『レガシー・ポッピー・ディスク!!』
『レガシー・BLACK・ディスク!!』
俺達はそれぞれのレガシーディスクを起動し、既にドライバーに入れていた方のディスクを抜き取ってから、起動した方のディスクを差し込んだ。
そして、全員でそれぞれのドライバーのレバーを同時に押し込み……新たな姿へと変わる光に一瞬だけ包まれた。
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーBLACK!! レディ・ゴー!!』
優一は赤い複眼を持つ黒いバッタを彷彿とさせる、黒い太陽の王・仮面ライダーBLACKに変身。
それに合わせ、俺達の姿も変化を完了させた。
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーポッピー!! レディ・ゴー!!』
『DREAMING GIRL♪ KOI NO SIMULATION♪ OTOME HA ITSUDEMO TOKIMEKI CRISIS♪』
ミスレアを変化させた、鮮烈なピンクと黄色が織りなすその姿は、まるでポップカルチャーをそのまま生命体に昇華させたかのようだった。
頭部を飾るのは、ゲームのコントローラーや音符を思わせるポップなレリーフ。つややかなボブカットの髪を模したヘルメットの形状が、どこかキュートな印象を醸し出す。
しかし、その中央で輝くポップな瞳となるツインアイは澄んだ光を宿し、戦士としての鋭い意志を力強く秘めていた。
胸元を覆うプロテクターは、ビビッドな色合いの中にどこか機械質な精密さを漂わせている。
腕部や脚部を彩る衣装のような装甲は、フリルやリボンといった少女らしい可愛らしさのデザインを取り入れながらも、しなやかで引き締まったシルエットを描いていた。
仮面ライダーポッピー。
ポップでキュートなヒロインの愛らしさと、悪意を打ち払うゲーム戦士の洗練された強固さを完璧に同居させた戦士である。
本来のポッピーと異なる点は、腕部と脚部の装甲にミスレアの鱗が施されている事と、両肩にはミスレアの胸部にもあったツチノコの顔を彷彿とさせる装飾がある事だ。
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーカリバー!! レディ・ゴー!!』
『
『月闇翻訳!! 光を奪いし漆黒の剣が、冷酷無情に暗黒竜を支配する!!』
次に姿が変わったのは、俺である。
その姿は、闇の深淵からそのまま立ち現れたかのような、禍々しくも威厳に満ちた甲冑の騎士。
全身を覆う黒みのある紫の装甲は、光を吸い込むような重厚な質感を湛えている。
胸部から肩にかけては、深紅のラインを塗った凶悪な竜の頭部を思わせる装甲が左右非対称に主張し、かつて聖なる守護者であった竜が邪悪な意思に染まったかのような、禍々しい狂気を漂わせていた。
顔面中央を縦断するのは、鋭利な剣そのものを象った紫色に輝く額の角。その両脇で不気味に明滅する複眼は、見る者の魂を射貫くような冷酷な漆黒と深紅の光を宿している。
口元は牙を剥く魔獣を思わせる複雑なバイザーで覆われ、無機質でありながらも明確な殺意を感じさせる。
腰から裾へと伸びている黒いローブは、俺の動きに合わせて影の裾を引くように滑らかに揺れ動いていた。
仮面ライダーカリバー。
優美でありながら闇の奔流を脈動として巡らせている、光に勝る漆黒の龍騎士である。
本来の姿との相違点は、胸部装甲の中央にてウィックスのと同じ色合い・模様をした彫刻が掘り起こされており、上腕部と脚部もウィックスの装甲を上から纏っていた。
「最初は悪の手によって生まれた力、最初は正義のライダーと敵対していた者、そればかり……けど、どいつもこいつも最後は正義と平和のために闘うようになった‼︎ これぞ正しく‼︎ 昭和・平成・令和を繋ぐアウトサイダーなドリームチームや‼︎」
いやBLACKは昭和ライダーだけど、実はしれっと平成生まれなんだよなぁ……
なんてツッコミをよそに、カメラレンズを付けたテレビ用のカメラ型の盾を持ったトルーパーが、俺に向かって迫ってきていた。多分あいつが、タイヤの付いてない方のデシアゴーレムに能力を反映してもらった奴の1体だろうな。
「って、あのレンズは多分ヤバそうだ」
そう呟きながら、マントを顔を覆うように翻した。するとそのレンズから、眩い光がカメラのシャッターのように光りだした。どうやらアレで、目眩しをするのか、動きを封じるみたいな事をするのか、どちらかを行う事ができるようだ。
その一瞬の光が収まった瞬間、俺がマントをバサッと広げれば、そのトルーパーが盾を突き出しながら突進してきたのが見えた。やっぱり防御は最大の攻撃……というか防御を攻撃手段に使ってるじゃねェか。
「んなもんも通すかよ‼︎」
俺はそう叫びながら、無からとあるものを取り出し、それで突撃してきたトルーパーの盾を防いだ。
それは、柄から刀身にかけて漆黒と深紫を基調とした、禍々しさのある剣。要所に配置された金の差し色が、古代の邪悪な宝剣のようなおどろおどろしい高級感を出していた。
両刃の真っ直ぐな西洋剣を思わせる形状の刃には、透明感のある紫のパーツが組み込まれており、内側から闇のエネルギーが怪しく発光・透過するような構造になっている。
鍔は大きく左右に広がった禍々しいデザインで、ドラゴンや魔獣の翼・爪を連想させる鋭利な突起が張り出しており、柄部は滑り止めの彫り込みが施された漆黒のグリップとなっていた。
仮面ライダーカリバーを象徴とするメインの武器である。
「お返しだ‼︎」
トルーパーが武器として突き出した盾を受け止めたその剣──
その炎は装甲の隙間に入り込んでいき、トルーパーの身体を内部から焼き焦がし、奴を悶え苦しませていった。
……内部に直接って、あまりにも
「なんだろう……今の私なら、陽キャっぽい闘い方ができるかも‼︎」
「いや陽キャっぽい闘い方って何さ」
ミスレアが何やらボケてそうな事を言っていたため、思わずツッコミを入れてしまった俺。
そんな事をしていると、トルーパーの1体が、リーダー格となるデシアゴーレムの両肩のと同じ形状ながらも少し細めな、巨大ケーブルを持ってミスレアことミスレアポッピーへと駆け出してきた。
そして豪快にケーブルが振るわれたが……ミスレアポッピーは思ったよりも全く臆さず、フンスッと気合いを入れているような声を出しながら、一旦しゃがんでからの左アッパーでそのケーブルを弾いてしまった。
「ウェ、ウェーイッ‼︎」
自分事なのに多少の驚きを見せながらも、ヤケクソな感じにギャルっぽい雄叫びを上げながら、トルーパーがもう片方の手で振り下ろしてきたケーブルを、ダンサーの如く蹴り上げた。
すかさず大地を蹴り、トルーパーとの間合いを詰めながら、その腹部に連続でパンチを浴びせ、最後に強烈なストレートパンチで吹っ飛ばした。中々にアクティブだなオイ。
余談だが、仮面ライダーポッピーは、『エグゼイド』までの歴代ライダーの多くのサブライダーの強化フォーム所か主役ライダーの最強フォームの過半数を、倍以上で上回る程のスペックを持っているとの事。それだけで言えば、登場して大分経って尚、女性ライダー最強クラスとの事だ。
そのスペックだが……なんとパンチ力60t、キック力70tと、女性ライダーとは思えない程ガチ強スペックなのだ。ミスレアとこの前出会った水色のオリジンライダーのスペックはどれ程なのかは知らないが、ひとりは当たりを手に入れた……って事かな?
「思った通りや‼︎ 今日これまでに俺達が行った、『仮面ライダーを理解する特訓』が活きたで‼︎」
「えっ⁉︎ あの1日だけでですか⁉︎ そんな気がしないんですが⁉︎」
何そのご都合展開⁉︎ 思わず心の底からツッコんでしまったのだが⁉︎ いや、1日でやるにしては結構詰め込んでいたなとは思ってはいたけど‼︎ 現実だと思っているこの世界でも、ご都合主義な展開が起きる事があるものなんだ⁉︎
……しかし、『仮面ライダーとは何なのか』を、知識や実技、応用などで知っていく事で、教授に褒められる程に強くなれていたなんてな……やっぱり自分でも信じられないよ。
けど、そこまで褒められたとなれば。
「この期待には、必ず応えないといけないな‼︎」
このカリバーとウィックスが合わさった力も、振り回されずにものにしないとな‼︎
まぁ彼等の戦闘パートになったら、終始善戦……にはしないつもりなので。あしからず。