現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
浩司ことウィックスとひとりことミスレアが、変身せず生身のままトルーパーの軍団と闘い、善戦したはずが優一ことヴァルバラドに叱られる。
変身して往歳教授ことアギトも賞賛する決め台詞を言うも、ウィックスがヴァルバラドに厨二病扱いされる。
何はともあれと言った感じで、アギトが全ての特訓をクリアした条件として、ウィックスにカリバーの、ミスレアにポッピーのレガシーディスクを渡し、2人がそれぞれのライダーへと変身する。
そしてウィックス改めウィックスカリバーがデシアゴーレム・サーキッカーの、ミスレアことミスレアポッピーがデシアゴーレム・アクティングの相手をする事になった。
……というのが、ここまでの流れで発生した出来事である。
一方、ヴァルバラド改めBLACKとGはというと、2体のドミネイト型が生み出したトルーパー達の相手をしていた。
2体のドミネイト型は、2人だけでも倒せない相手ではないが、本丸は特訓で強くなったであろう浩司達に任せる事にしよう。せっかく2人が特訓で強くなったというのだから、その成果を確かめたい。
2人の短時間で本当に成長したかどうか、デセオ・ウォーズの先輩として期待してみたい。そう思ったのか、自然体で彼等にドミネイト型の相手を任せる事にしたようだ。
そして何より……
「ドミネイト型に能力を反映されたトルーパーを、数体を相手するのも、リーダー格のデシアゴーレムを相手するのと同じだし、ドミネイト型の相手をしている時に、そいつらに横槍されたら困るしな」
足の付け根辺りまで伸ばしている鋭い爪を持つ、アクティングにその能力を反映されたトルーパーの兜を殴り飛ばしながら、BLACKがそう呟く。乱入らしき行為は、倒したい相手と闘っている時の天敵と言えるからだ。
その隣で、Gが赤いエネルギーを纏ったソムリエナイフ型の剣を振るい、サーキッカーから能力を反映させたトルーパーの1体のパンチを受け止める。
そしてその腕に付いているタイヤが回転……しようとした途端、Gが剣を振り上げその腕を弾き、纏っているエネルギーを膨大化させて胴体に袈裟斬りを決める。
左から斜め下へと激しい火花が散ったトルーパーが、痛みによって斬撃を受けた胸部装甲を押さえていると、そこにGが右脚を突き出しトルーパーを蹴り飛ばした。
そんなGの背後を、もう1体の両腕両脚にタイヤがついたトルーパーが、タイヤを回転させている右腕を振り下ろ───
「悪いけど、聞こえているし見えているよ」
されようとした瞬間、Gがしゃがみ込んで振り向きながら、ソムリエナイフ型の剣を振り上げた。それがトルーパーの装甲に当たった途端、激しい火花と共に赤いエネルギーの光が大きく弾けた。
トルーパーが激しく怯んだ隙を狙い、Gはそのまま1回転。その勢いを持ってしての回し蹴りでトルーパーの横腹を蹴り飛ばした。
「ライダーチョップ‼︎」
その隣にて、BLACKが赤い光のエネルギーを纏った右手を振るい、別のトルーパーが振るった細くも巨大なケーブルを、水平なるチョップで次々と弾きながら間合いを詰めていく。
そしてそれが一気に縮まったのを機に、BLACKはエネルギーを纏った右手で拳を作り、それをトルーパーの腹部に思いっきり突き出し殴り飛ばした。
その右横にて、別のトルーパーがカメラレンズのついた盾を片手に、BLACKに向かって突撃しようとして来たのが見えた。ウィックスカリバーにもやろうとしていたのと同じように、突撃しながら動きを封じる能力でBLACKを停止させ、そのまま攻撃するつもりだろう。
「キングストーンフラッシュ‼︎」
一度見た危険な攻撃を、そう易々と許すBLACKではない。
両手を当てたバックルの中央から中心に、赤い広範囲な光が衝撃となって、トルーパーの装甲を焼き焦がしなから吹っ飛ばした。
そのトルーパーがまた起き上がるき警戒しながら、周囲を見渡せば、自分とGの周りを、能力が反映されたトルーパー計6体が囲っていた。
「これは……ちょっとキツそうですかね?」
「それに加えて普通のトルーパー達もいるんでしょ? そう考えると確かにキツい………………ん?」
ソムリエナイフ型の剣を構えながら、Gはふと、とある違和感に気づいたかのような反応を見せる。そしてもう一度周囲を見渡し、呟く。
「他のトルーパー達、どこ?」
その言葉と同じタイミングでか、彼等の上空にて、別の3体のトルーパーが通り過ぎるように吹っ飛ばされているのが見えた。その内の1体が乗っていたであろう、1台の黒いネオクラシックバイクと共に。
視界に映った途端、その3体はバイクと共に爆発して消滅していった。どうやら既に、何者かによって倒されたのだろう。
トルーパー達が吹っ飛んできた方向を見れば、ほんの少しだけ遠く離れた位置にて、数体のトルーパー相手に難なく闘っているアギトの姿が見えた。
「君達が頑張ってくれた分、戦闘員の集団は俺が相手しちゃる‼︎ そっちもそっちで思いっきりやったれや‼︎ 後、遅れたけど俺達が来るまで頑張ってくれてありがとな‼︎」
BLACKとGに向かって、そう叫ぶように伝えながら、アギトは次々と襲いかかってくるトルーパー達の相手をする。
2体が攻めてくれば、水平かつ垂直に伸ばした右手を手刀にし、そのトルーパーの内の1体の首元を強く打つ。その衝撃が強かったためか、トルーパーは吹っ飛ばされ、後ろにいた2体のトルーパーをも巻き込んだ。
巨大なハンマーを持ったもう1体には、胸部装甲に向かって強く跳び蹴りし、後ろにいた4体のトルーパー諸共蹴り飛ばした。
「……軍勢の方は、教授1人でなんとかなりそうだね」
「だったら、俺達はこの6体を倒しましょう」
「あぁ。手短に……ねッ‼︎」
アギトの方は問題ないと察してか、目の前の闘いへと視線と集中力を戻すBLACKとG。
するとGが、バイクの形態へと変形しようとしているトルーパーの身体を、レスリングのタックルの如く掴む。そして勢いよく背負い投げを行い、そのまま他の両腕両脚にタイヤのついたトルーパーを巻き込んでいった。
「だったら俺も……フンッ‼︎」
Gに負けてられないと言わんばかりに、BLACKも動いた。
巨大なケーブルを振り下ろしてきたトルーパーの攻撃を躱し、腹部に強烈なパンチを浴びせる。さらにそこに右脚も突き出し、Gが吹っ飛ばしたトルーパー達のいる方向へと蹴り飛ばした。
ここで右方向へと前転し、長い爪で自身を捕らえようとしたトルーパーの攻撃も躱わす。また振り下ろしてくるも、今度は身体を軽く捻るだけで回避。それを3回も続けて、だ。
そして4回目が振るわれようとした瞬間、BLACKはその腕を掴み、ハンマー投げの要領を持ちい、その場で回転しながら吹っ飛ばされたトルーパー達の元へと投げ飛ばした。そこで起き上がろうとした、ケーブル持ちのトルーパーをも巻き込みながら。
「フゥッ……言っとくが、お前が何かしようらとしているのも見ていたからな?」
そう呟きながら、BLACKはその場で跳躍。すると突如としてシャッター音が発生。先程まで彼が立っていた位置に、一瞬の眩い光が発生した。彼の後ろにて、カメラレンズのついた盾を持つトルーパーによるものだ。
「どうやらお前はリーダーの奴と違って、音だけで俺達の動きを封じれるわけじゃないようだな」
どうやらデシアゴーレム・アクティングが持つものと同じシャッター音は、トルーパーの場合、それと共に発生するフラッシュが捉えた相手の動きを一瞬だけ止める事ができるようだ。
だがそれは逆に、音を鳴らすだけで動きを一瞬だけ封じ込める事ができるアクティングとは違い、その光の範囲外にいれば、動きを封じられる事はないのだ。
BLACKはその原理を察し、トルーパーの能力はアクティングの下位互換ではないかと予測したのか、跳躍してそのフラッシュを回避を試み、それを成功に導かせたのだ。
『スペシャルアタック、プリパレーション!!』
『スペシャルアタック、オーケー!!』
そして空中にいたまま、BLACKはバックルの両側のボタンを押し、そのまま両側のレバーを強く押し込んだ。この動作で行われる行動と言えば、もはや1つしかないだろう。
「ライダーパンチ‼︎」
BLACKが握りしめた拳に、再び赤い光のエネルギーが宿りだす。そして上空に向けて両脚を、トルーパーに向けて右腕を突き出し、そのまま急降下していった。
シャッターを躱された隙を突かれたのか、跳躍するBLACKに戸惑うトルーパー。咄嗟に盾を前に出し本来の使い道で防ごうとするが、そうする寸前に拳が胸部装甲に直撃。強い衝撃で大きな火花が飛び散り、持っていた盾を離してしまう。
それと同時に、BLACKはパンチを行った勢いからその場で再び空中にて跳躍。そして赤い光のエネルギーを充填させた右足を突き出す。
「ライダーキック‼︎」
そのまま一気に降下していけば、熱の籠った赤い光を宿した足が、トルーパーを身体ごと勢いよく蹴り飛ばした。
そのままトルーパーは、無理矢理束にさせられている5体の仲間の元へと吹っ飛ばされ、彼等の目の前で爆発。強烈な爆風と熱が彼等に襲い掛かっていった。
「奴等も怯んだみたいだね。今の内に……‼︎」
この時を待っていたと言わんばかりに、Gがバックルの両側のボタンを素早く押した。
『スペシャルアタック、プリパレーション!!』
するとGの周りに、彼と同じ姿をして様々なポーズをしている、1人の仮面ライダーの立体映像がGの周りを旋回する。それと同時に、そのライダーが必殺技を決めているような瞬間が映されている映像も旋回する。
そして、Gはすかさずバックルのレバーを両方とも押し込んだ。
『スペシャルアタック、オーケー!!』
全ての映像がGの身体に重なるように集まり、一瞬の眩い光となりて弾けた。それと同時に、全身の細胞を巡るエネルギーが、脚部へと怒濤の勢いで収束していく。
膝を軽く折り曲げ、地を蹴った瞬間、Gのその体は重力を置き去りにして真上へと跳躍した。
「スワリング……」
そのまま空中で回転の軸を形成すると、右脚を一直線に鋭く突き出した。直後、大気を強烈に巻き込むようにして発生した渦状のエネルギーが、右足の先を中心に巨大な螺旋を描き始めた。
ゴシックな意匠を纏う
「ライダーキック‼︎」
放たれた蹴撃は、まさに天を穿つドリルそのものだった。高速回転する脚先が空間を捩じ切りながら直進し、5体のトルーパーの1番前で立っていた、鋭く長い鉤爪を持った個体の胸元へと一直線に突き刺さる。
接触の瞬間、甲高い金属摩擦音が大気を震わせ、圧縮されたエネルギーが一気に解放された。渦を巻く光線が敵の外皮を抉り、内部回路と細胞構造を根底から破壊しながら通り抜ける。
回転速度を落とすどころか、1体目を穿った衝撃を推進力に変えて加速。2体の両腕両脚にタイヤのついたトルーパーの、肉厚な装甲を連続で穿ち抜け、閃光の爪痕を残す。
そのままもう1体へと突貫。巨大なケーブルを盾にしたトルーパーのそれごと装甲を貫き、内部の核を容赦なく破砕させる。
前に突き出された右脚は、尚も衰えぬ光芒を放ち、最後の1体となる両腕両腕のタイヤがついた個体の、胸元深くへと深々と突き刺さった。直後、溜め込まれていた旋風の全エネルギーが一気に爆発し、そのトルーパーの体躯を内側から吹き飛ばした。
「よっと」
5体の敵を一筋の光で接続するように穿ち抜いた後、前方へと滑らかに着地。背後で1体目から順に連鎖的な爆砕音が鳴り響き、高熱の暴風が吹き荒れていく。静かに腰のフォームを正すと同時に、5つの爆煙が1つの巨大な炎の柱へと呑み込まれていった。
その光景を、軍団となるトルーパー達の相手をしていたアギトは、闘いの最中に横目で見ていた。
「どうやらあっちの方は終わったみたいやな。なら俺も‼︎」
後ろから槍を突き出してきたトルーパーの攻撃を、後転で跳躍しながら躱し、視界に全てのトルーパーの軍団が捉えられるように着地したアギト。
そしてすかさずこちらへと駆けてくるトルーパー達をよそに、バックルの両側のボタンを押した。
『スペシャルアタック、プリパレーション!!』
アギトの周りを囲い、旋回する立体映像が、迫ってきた数体のトルーパーを弾き飛ばす。その飛んでいった仲間に戸惑うトルーパー達をよそに、両側のレバーを強く押し込んだ。
『スペシャルアタック、オーケー!!』
全ての映像がアギトの身体と重なり、一瞬の光となって眩く弾ける。それと同時に、龍の顎とも言えるアギトの角──クロスホーンが、三対に開いた。力をさらに解放させる合図だ。
「ハァァァァァァッ……」
アギトの全身を覆う『大地』を象徴する黄金のエネルギーが、彼の力となって脈動。大地にて、アギトの仮面を彷彿とさせる1つの紋章へと変化し、濁流のようにアギトの両足へと収束していく。
大地を強く蹴り上げ、陽日と重なる高さへと大きく跳躍。上昇が終わったのと同時にその場で反転し、大地のエネルギーを限界まで圧縮した右足を前方に突き出し、流星の如き速度で急降下する。
「たぁぁぁぁぁぁッ‼︎」
大地の力を味方にしたエネルギーを纏う右足が、抉るかの如くトルーパーの胸部装甲に強く突き刺さる。そして大地の力の奔流が、トルーパーの全身に流れ焼き尽くす。今にもその全身に、深く大きいヒビでも入るかのように。
抵抗する暇も与えられず、トルーパーはそのままアギトの蹴りが突き刺さったまま押されていく。そして後方にいた3体のトルーパーをも巻き込み、受けている大地のエネルギーを伝染させ、彼等の全身も芯から砕いていく。
そのまま5体のトルーパーを強く蹴り飛ばし、しなやかに着地するアギト。そして左手を腰に当て、右手で軽く鷲掴みするような形を作り、上半身を捻るように背を向ければ……トルーパー達は爆発して消滅していった。
「………………よっしゃ‼︎ やっぱアギトのライダーキックはこうするのが一番気持ちえぇな‼︎」
一瞬の間を置き、その場でガッツポーズを取るアギト。自身が想像する、若しくは調べた事で得た情報に基づく、本来のアギトの必殺技の決め方を行えたのが嬉しかったのだろう。
「んで、浩司君とひとりちゃんの方はどうなっとるんやろな?」
ふと、ウィックスカリバーとミスレアポッピーの状況が気になったのか、ウィックスカリバーのいるであろう方向に視線を向けた。
彼の視界に映ったのは、ウィックスカリバーと、そんな彼に攻撃し、剣の柄を盾代わりにして膠着状態にさせている、デシアゴーレム・サーキッカーの姿……
否、サーキッカーの姿は、大きく変化していた。
両腕両脚にタイヤがついているのはそのままに、バイクの要素がさらに強調され、全身がエンジンとタイヤに覆われたような姿になっていた。両手も鋭くなっており、両脚のタイヤにはクローラーも施されている。
「……どうしてあぁなったねん」
アギト、思わず呆然としながら呟いた。さすがの彼でも、ウィックスカリバーが相手しているデシアゴーレムが……否、これまでのドミネイト型でもなかった、姿を変えた上での巨大化は把握できなかったようだ。
「いや、アレはさすがにみんな予想外やと思わへん? これは急いで助けんとな」
思いもよらぬ
どんな状況だろうと人々を守る。それが、本来の仮面ライダーのあるべき姿なのだから。
次回と次々回、2人は最初は善戦しません(ネタバレ)