現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
一時はどうなるか……ってのが2回も起きたけど、何はともあれデシアゴーレムを倒す事に成功した俺達。巨大化とかマジでヤバかった……
なんとか巨大化は負けフラグってのを回収し、憑依された人も助けた。後は、なのだが……
「………………」
問題は、肌が擦り傷だらけの、バイク系のドミネイト型のデシアゴーレムにされてしまい、解放されてベンチで落ち込んでいるこの男性のメンタルケアについてだ。
骨折などはしておらず、後から来る柊さんと鬼柳さんが持って来てくれる救急箱で、擦り傷の対処はできるのだが……問題は心の方だ。
どうやら彼は、記憶は朧気ではあるが、人を襲ってしまったという自覚はあったようだ。それで罪悪感に蝕まれて……って感じらしい。
後から来る警察もメンタルケアをしてくれるのだが、どうしたらいいものか……これ、俺がフォローとかしていってもいいのだろうか。けど、これからかける言葉が間違ってしまったとなれば……
「怖がる事ないで、浩司君」
そんな、カリバーの姿を解除しながらもウィックスの姿のままの俺の肩を、往歳教授ことアギトがポンッと優しく叩いた。
「彼の為を思っての言葉……それを間違えてしまう事もあれば、逆も然りや。伝えたい事があるのなら、はっきりと伝えればえぇ。言葉が足りへんと思ったら、すぐに付け足せばえぇ。大事なんは、『どのようにして伝えたい事が伝わるようにするか』……なんやで。君の考えている事、あの人にしっかりと伝わるようにしな」
「……はい、頑張ります」
アギトに後押しされた事もあって、俺はゆっくりと、あの人のところへと歩み寄っていく。
そんな俺を見てか、その男性は怯えて体を縮こませてしまった。怒られるのか、暴れた罰で殺されるのかと思ったのだろう。
けど、少なくとも俺は被害者を殺したりなんかはしない。そもそも無理矢理デシアゴーレム……というか怪物に変身させられたのに、本人の意思で動いたわけでもないのに、その被害者を傷つけるなんてどうかしてるっての。
すぐ近くにまで来たところで、俺は右膝をつきながらしゃがみ、怯える彼の手をそっと優しく取った。
「もう大丈夫ですよ」
「えっ……?」
「辛かったですよね。あんな訳の分からない怪物に無理矢理変えられた事の衝撃で、体も心も相当負担がかかっているはずですよね。傷は後から治します。だから今はこのままじっと待っていてくれますか?」
その男性の顔をまっすぐ見つめ、向き合って会話をする。これだけでも、少しは罪悪感が和らぐはずだ。
「でも、俺……バイクで自由に走りたくて……なのにそれにつけ込まれて、変な奴の口車に乗せられて……街を、ぐちゃぐちゃにしそうになって……」
溢れ出してきた涙を止められず、男性は拳を握りしめて咽び泣いた。願いにつけ込まれて、自分は『悪』になってしまったのだという絶望感が、彼の胸を締め付けている事だろう。
だからといって、俺が……俺達が彼を放置する理由にはならない。そもそも放置する意味が分からないと思える程、だ。
「自分を責めないでください」
そんな彼の肩を、俺は優しく叩いた。
「どこまでも自由に走りたくなる気持ち……俺にはよく伝わってきてますよ。バイクに乗る人間なら、誰だって一度はそういう熱い想いを抱きますよね。俺も今日初めて乗った時、まだちょっとだけど同じ気持ちでしたから」
この気持ちに嘘はない。俺もウィックスライドブレイズに乗って運転した時、ちょっとだけ、風と一体化した時
「貴方を誑かしてデシアゴーレムに変えた組織は、そういう純粋な夢や情熱につけ込んでくるんです。貴方が悪かったんじゃない。貴方の真っ直ぐな夢を利用した奴らが悪いんだ」
「でっでも……俺、取り返しのつかない事を……」
えらくナヨナヨしてるなこの人……これがデシアゴーレムにされた者の心境、というヤツなのか? 怪物になって暴走した時の記憶が曖昧でも覚えていたとなれば、罪悪感に押し潰されやすい……という事か?
それでも、俺が彼にかけようかと思った言葉は、思ったよりもすぐに出てきた。
「……街や建物を破壊したんですか? 直接一般人を怪我させたりしたんですか?」
「えっ……? あっいや、ないけど……」
「よかった……なら、まだ罪は軽い方だと思いますよ」
「えっ……」
俺がかけた言葉に、男性は呆気に取られたかのような表情となった。
「コアとなるディスクは、俺達が破壊しました。貴方の体の中に残った毒素も、救急隊が到着すればすぐに浄化できる。街の損害も、みんながちゃんと元通りにしてくれる。だから……」
そして無意識ながらも、彼の頭を優しく撫でながら……
「貴方が背負う必要はない」
「………………‼︎」
この言葉に、緊張の糸がプツリと切れたのか、男性は子供のように声を上げて泣きだした。そんな彼の肩を優しく抱きしめ、背中をさすり続けた。
「……落ち着いたら、またバイクに乗ってください。今度は自分の意思を持って、安全に最高の風を感じてください。……約束ですよ」
「………………あぁ、あぁ……‼︎ 約束する‼︎ 俺は、俺なりのロードライフを楽しむよ‼︎ アンタ達の想いも背負って‼︎」
そうはっきりと伝えてきた男性の瞳は、先程まであった燻み──濁りがなくなっていた。思ったよりも俺の言葉が響いたのか、吹っ切れている……って感じだった。
よかった、今回の事を引き摺るような感じじゃなくて……
その後すぐに駆けつけた柊さんによって、男性が擦り傷を受けた箇所全てに手当てを受けてもらっているのを眺めていると、アギトから変身を解いた往歳教授が、俺の肩をポンッと叩いた。
「上出来やったで、浩司君。どうやら君なりの想いが、彼の心に響いてくれたみたいやな」
「えぇ……正直嬉しかったです。彼の心を晴らす事が出来て」
「うん。やっぱり君達を信じといてよかったで」
やめてください率直に褒めてくるの。こっちが恥ずかしいですから。
♢
「ありがとうお嬢ちゃん‼︎ 俺、退院したら絶対、バンドみたいな派手な事をして、みんなから注目を浴びれるようにするからな‼︎」
「あっはい……けど情緒(?)は守ってくださいね?」
「あぁ‼︎ もう怪物になった時みたいに誰かに迷惑かけないよ‼︎」
ひとりの方は向こうでどんな話し合いがあったんだよ。悪い事ではないとは思うけど、とりあえずアフターケアは出来てそうでヨシ‼︎ としようかな……
そう思いながらも、俺達は病院まで同行しながらの事情聴取で、クラウスさんら超常犯罪対策課にパトカーに乗せてもらった、さっきまで無理矢理デシアゴーレムにされた2人の男性を見送った。
「デシアゴーレムの件は、私達が加勢する前に一件落着したようね。2人の新人の修行の成果、私も見たかったけど勝ったのならよし‼︎」
楯無さんはそう言って、『終わり良ければそれでOK‼︎』と書かれている扇子を広げた。なんで先程まで何も書かれてなかった扇子に、そんな文字が浮かび上がるんですか。どうなってんのその扇子の仕組み。
「って事は、教授の夢もまた一歩叶った……って事か」
鬼柳さんがそう呟けば、往歳教授は満足気な表情となった。えっ当たりなの? 俺とひとり、教授の夢の1つを叶えさせてあげてたの? ホントに?
「あぁ‼︎ これでウィックスもミスレアも、正真正銘の仮面ライダーや‼︎」
「そう、ですか……?」
「教授がそう言っているんだから、素直に受け入れた方が得だぞ」
「そういうもんなの?」
「そういうもん」
優一が素直に喜べって言ってくるとか、往歳教授は相当仮面ライダーの事を調べて、転生者達に認められたんだな……すごい人だよこの人は。
「えぇもん見れた事やし、早速大学に戻って、今回の事を資料にして纏めんとな‼︎ ってなわけで、みんな解散や‼︎ おつかれー‼︎」
そう勝手に締めて、嵐のように走り去って行った教授。いや、いつの間に見えなくなる程に走り去ったんだあの人⁉︎ 仮面ライダーの情報となるとウサイン・ボルトにでもなるのか⁉︎
「あぁ……その……今日はありがとうな、優一。後で何かお礼するよ」
「別にいいが……まぁ、今後とも頑張れよ」
しんっ、と空気が静まっていたので、優一に今回の件のお礼をいつかすると約束(?)し、俺達は教授の言う通り解散する事になった。2回も闘って、特訓もあったのだから、さすがに身体を休ませないとな……
「フフッ。今のところは、様子見でまだ
「だな。
……ん? 今、楯無さんと鬼柳さんが何やら話し合っていたような……しかも俺の方を見ながら……気のせいか?
♢
人気が無く薄暗い、とある町の路地裏。
誰1人として好きに通らないとされている、不気味さも相まったその場所に、1人の人物がゆっくりと歩を進めていた。
様々な建物の影で覆われているためか、全身がどのようになっているのかは明らかとなっていなかった。
だが両腕の方は、指先がナイフのように鋭利な漆黒の爪で、肘から先が巨大な異形の黒鉄の甲殻となっていたため、少なくともただの人間でない事は明らかだった。
その手に握られているのは、洗練されたメカニカルな美しさと威厳を兼ね備えた大鎌であった。
柄身は軽量なチタン合金を思わせるマットな灰がかった黒鉄で鍛え上げられ、精密なグリップと細い青色LEDが走り、刃との接合部には透明なパーツの水晶を抱く重厚なガードが鎮座している。
そのガード部分から伸びる白銀の大刃は極限まで研ぎ澄まされ、峰に刻まれたスラスター構造が兵器としての機能美を主張されていた。
生々しい毒々しさを排し、洗練された直線と曲線だけで構築された、洗練された大型兵器は、建物の影の中で、妖しく青く光っていた。
彼はまるで、奪うべき魂を探し回るべく、周囲を徘徊し彷徨う死神のようだった。そして今も尚、彼自身が対象としている魂……もとい獲物を探すべく、街を彷徨っていた。
そんな中、その死神らしき存在は歩を止めた。その先にいたのは……
「見つけたで」
それは、浪花な衣装をした男性──先程まで浩司達と一緒にいて、突然彼等の元から走り去って行ったはずの、往歳 巡だった。
「お前、俺達の誰かが1人になったのを機に、そいつからディスクを奪おうと狙っていたやろ」
どうやら往歳は、宣言した通り、今回の闘いに関する事で
「お前が何者なんかは知らん。けど、不意打ちじみた事してディスクを奪おうとする……んな輩は見逃せへん。さっさと倒させてもらうで」
往歳がそう語る中、死神は何も喋らず、ただただ瞳らしき赤い光で、往歳の姿を捉えていた。次の獲物は奴か、そう確信しようとしているかのように。
無口を装っている死神をよそに、往歳はアギトのレガシーディスクを取り出し、そのスイッチを起動させた。
『レガシー・アギト・ディスク!!』
「変身ッ‼︎」
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーアギト!! レディ・ゴー!!』
気がつけば、一瞬にして仮面ライダーアギトもといレガシーライダーアギトへと変身した往歳。そのまま路地裏のコンクリートの大地を駆け、死神に向けて右ストレートを振るう。
「………………」
死神は無口のまま、アギトが突き出してきた拳を、自身が持っている鎌で受け止める。続けて交互に振るわれてきた拳をも、鎌を僅かに揺らすように動かしただけで、その拳を全て防いでいった。
さらにアギトは交互に蹴りを入れようとするが、1撃目は後退し、2撃目は鎌を持たない左手で軽く受け止め、そのまま払い除ける。そして3撃目は、右足を軽く上げるだけで防いだ。
「ッ……」
次々と攻撃を淡々と防がれた事で、アギトは何やら危機感を覚えたのか、思わず後退した。
「あまりにも闘い慣れとるなんてな……お前、只者やないようやな。ほんなら‼︎」
死神を強者と認めてか、アギトは一瞬にして眩い光を全身に纏ったかと思えば、3つの自然の力を身に纏った姿・トリニティフォームとなった。それ程までに、彼も本気で闘わなけれはならないと確信したのだろう。かなりの強敵である可能性が窺える。
「こんなにも早く、俺が本気にならなきゃアカンくなるとは思わんかったからな……だからこそ、今放置するわけにはいかんな‼︎ いくで‼︎」
フレイムセイバーとストームハルバードを構え、再び走り出すアギト。それぞれの自然の力を纏わせながら、それらを交互に振るう……が、死神は鎌を揺らす幅を少し広げただけで、それらの攻撃をも防ぎ、的確に対処していった。
振るう……瞬間に、2本とも前方へと突き出す攻撃手段に咄嗟に変えても、死神は鎌の柄で防ぎ、さらにはその場で振り回すだけで軽く弾いてしまった。
「うおっと⁉︎ ……ハハッ、こんなにも軽くあしらわれとるのは初めてや」
無理矢理後退させられながら、思わず態勢を一瞬崩してしまったアギト。だがそれでも負けじと、跳躍しながら距離を詰め、再び2本の武器を突き出す。
それに対し、死神は弾いたりはせず、巨大な刃で受け止め、鍔迫り合いに持ち込んだ。その攻撃を受け止めても尚、死神は一抹の焦りすら見せずにいた。
一体何を企んでいる……そう警戒するアギトをよそに、死神は懐から何かを取り出した。
『レガシー・レーザー・ディスク!!』
『レガシー・カイザ・ディスク!!』
『レガシー・ベイル・ディスク!!』『レガシー・シン・ディスク!!』
それは、アギトのとは異なるレガシーディスク。それも4枚。
同時に2枚以上もディスクを使用する事は、普通に想像しても、他のライダーに変身するレガシーライダーでもないとされている。そのため、もう1枚をも同時に使うという方法は、未だにデセオ・ウォーズ界では公にされていないのだ。
だが、どうやら同じレガシーディスクの所持者であるこの死神は、それを実行しようとしている。しかも、レガシーライダーバックルと思わしき物も見当たらないというのに。それがアギトの警戒心を引き立たせる。
しかし、アギトがふと鎌を見た途端……気づいてしまったのだ。
刃の接合部にあるガード部分に、レガシーディスクらしきものを装填するスロットが配置されていたのが見えたのだ。
しかも、側面には8つ、上面に既に嵌め込まれている、1つの装填できる機構として組み込まれていた。
「ディスクを入れる事ができるところが.、8つも……まさか」
アギトが察するも、時既に遅し。死神は2枚を側面の上部に、残る2枚を下部に装填させ、さらにその下にある2つのボタンの内の、『S』と書かれた緑のボタンを押した。
『プリパレーション・サモニング・コンプリート!!』
『アベア!! 仮面ライダーレーザー!!』
『アベア!! 仮面ライダーカイザ!!』
高音の電子作動音と共に、鎌のLEDが一斉に青く輝く。そして死神が柄を強く握り直せば、アギトに斬撃を浴びせながら空間を大きく一閃した。
「ウアァッ⁉︎ クッ……」
斬撃による強い痛みに耐えながら、アギトは再び死神を見据える。
白銀の刃が空を切り裂いた軌跡に沿っていたためか、死神の目の前に、空間そのものが削ぎ落とされたかのような黒い『空洞』が線となって生まれていた。
次の瞬間、その空洞が内側から押し開かれるように勢いよく拡大し、内部から赤黒い光の粒子と強烈な衝撃波が溢れ出した。
そんな中、死神は『S』のボタンの隣にある、『F』と書かれた青いボタンを素早く押した。
『フォース・トランスファー・オーケー!! ベイル!! トゥー!! レーザー!!』
『フォース・トランスファー・オーケー!! シン!! トゥー!! カイザ!!』
空洞の内部から、黒いナニカが地面を這って出てきた。まるで何かの影が、意思を持って動いているかのように。
それがアギトの近くへと迫ってきたのと同時に……飛び出てきたかのように、影は一瞬にして蝙蝠らしき黒い光の粒子を放出しながら、1人の戦士へと姿を変えた。
全身を漆黒の甲冑で包んだ武者姿。鮮烈な黄色とネイビーのラインが閃き、胸部には独特なゲームアイコンが刻まれていた。
頭部には鋭い前立付きの兜を戴き、バイザーの奥で複眼が怪しく光る。
腰に大型双頭刃──ガシャコンスパローを携えた姿の戦士──仮面ライダーレーザー チャンバラバイクゲーマー レベル3は、戦国武将の重厚な威圧感とデジタルゲームの奇抜さを併せ持っていた。
「ラ、ライダーの召喚やて⁉︎
ライダーが増えた事にアギトが動揺する中、レーザーは無言で、青がかった黒い瘴気を纏ったガシャコンスパローを振るい、アギトの胴体の装甲を斬りつける。
激しい火花と瘴気の残火が飛び散り、アギトが斬りつけられた事による衝撃で蹌踉めく中、彼に向かって飛び掛かってきた者が。
彼もまた、仮面ライダー。
紫の複眼を黄色のχのマークが区切っている黒い仮面。銀色の装甲に中央も黄色のラインでχの文字が描かれ、黒のアンダーアーマーには黄色の2本線が伸びていた。
そのライダー──仮面ライダーカイザが身に纏っているのは、精密さを持つ彼の姿とは非対称的に、野生感を漂わせる深緑色の瘴気。
その瘴気に合わせてか、カイザは獣の如くアギトに飛びついていた。そして、獲物を素手で手に取ろうとする、知能のある獣のように、カイザの手刀がアギトの胸部装甲に突きつけられた。
「こ……これぞワイルドなカイザって事かいな……? いやそれよりも‼︎ はよ降りんか‼︎」
謎の納得をしながらも、野生の獣の如く頭部から胸部辺りに飛び乗ってきたカイザを、アギトは一心不乱に振り落とそうとする。だが、カイザは食らいついているかの如く振り解かれない。
そんな中、カイザが深緑色の瘴気を、大きく上げた右腕に集中させていく。そして、手の形を手刀にしたかと思えば……
ドスッ
アギトのガラ空きとなっている背中に、捻りを加えた強烈な一撃が、アギトの身体に襲い掛かる。その瞬間、激しい火花が散ったのと同時に、凄まじい衝撃波が周囲の空気を震わせる。
「グホッ……⁉︎」
濁りのある液体を吐き出したかのように、アギトは衝撃を身体で受けた事による悲鳴の声を上げた。
そしてカイザがすぐさま跳躍しながら後退し、その動作もあってよろめいたアギトに……
ザンッ
鎌に刃と同じ形状になるように、赤黒い巨大なオーラを纏わせた死神が、無情にもアギトの装甲を斬りつけた。鈍く重い轟音と、高い金属打撃音が、路地裏で鳴り響いた。
「カッ……ハッ……」
強い衝撃とダメージ、この日の連戦による疲労が蓄積されたのか、アギトは強制的に変身を解除されてしまう。往歳の姿に戻ってうつ伏せに倒れたのと同時に、アギトとギルスのレガシーディスクが転がり落ち、それを死神に拾われてしまった。
召喚されたライダー達が、ホログラムとなって消滅していく中、サモナー・ゾロアと呼ばれたその死神は、倒れている往歳の脈動に触れる。そして生きている事を確認してか、彼にこれ以上何もせずにその場から立ち去って行ってしまった。
「奴が何者なのかは知らないが……倒れているあの男、使えそうだな」
路地裏の角隅にて、とある男性に見られている事にも気づかずに……
前回のリクエスト採用キャラを紹介しようか迷ったけど、そいつらはライダーに変身した時に紹介する事にしましたー。