現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

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前回が前回だったからね……

※今回は。リクエストされた内容の1つの一部を元に、話を作っております。内容はこちらで大きく変更しております。
 


不吉な予感とハーレムの買い物の付き合い

 

「往歳教師との連絡が取れない……ですか?」

 

 昨日の特訓の準備をしてくれた優一に、この件のお礼は何がいいか聞こうとしたところで、珊瑚さんから連絡が入ってきた。

 どうやら珊瑚さんが通っている石ノ森国立大学にて、往歳教師が担当の講義である、仮面ライダー考古学の講義があるというのに、今日は来なかったとの事で大学は騒いでいたらしい。

 いや、ぶっちゃけていい? よく授業ほったらかしにして仮面ライダーと関連がありそうなとこに行きそうじゃね?

 あの人、仮面ライダー考古学者というよりは、よっぽどの仮面ライダーファンって感じじゃん? だからいつも仮面ライダーに関する情報が出れば、すぐに食いついてそっちの調査を最優先しそうな雰囲気が……

 

『あぁ。だからあの時のお前達の誰かの家に泊まり込んで、仮面ライダーの事を話しているのだろうかと思ったんだが……考古学に関する事の調査に行くなどと言って、大学とかを離れるにしても、そういう時は何かしら連絡を必ず入れてくれるはずなんだが……』

 

 あっ。ちゃんと報連相はしてるんだな。大学の方に何も言わずに独自調査なんかしていたら、大学講師生活に結構支障を出しそうだもんね。事前に連絡する事は大事やね。

 しかし、その教授が何の連絡も無しに大学に来てないというのは、さすがに問題があるくね? 一体教授の身に何があったというんだ……?

 

「……すみません、本当に分かんないです。突然広場に現れたデシアゴーレムとの闘いの後、あの人は勝手に解散とか言って、1人先に大学へ向かっていったはずなんですけど……」

『そうか……分かっているところだけでもいいんだ。悪いな、こんな事を聞いてきて』

「いえ……こちらこそすみません、お役に立てるような情報を持ち合わせてなくて……」

『いや、少しでも教師の動向が分かれば助かる。悲観する必要はないぞ』

 

 フォローありがとうございます、珊瑚さん……‼︎ 教授の行方に関する重要な情報を、俺に気づかれないようにしているだけで、本当は必死に探しているはずなのに、役に立ちそうにない情報しか持ってない俺の事を責めないなんて……やっぱり貴方も良い人だ……‼︎

 

『あっそうだ。最後に1つ、耳に入れてほしい情報があるんだ』

「耳に入れてほしい情報?」

『3日前、【スーパービルダー 多重奏店】というフィットネスジムのインストラクター……彼もデセオ・ウォーズの参加者なんだが、奇妙なレガシーライダー達(・)に襲われたらしいんだ。入院中の本人が教えてくれた』

「奇妙なレガシーライダー、達(・)……?」

 

 ってか、よく協力者じゃない方の脱落者を見つける事ができたな。レガシーディスクを奪われたというのに。

 貴方の情報網は何処から? 喉から? 鼻から? 熱っぽさから? ……んなわけないよな。情報網が身体の一部から出るとかどうかしてる(そもそも熱っぽさから情報網って何だよ)

 

『そのレガシーライダーは、なんて3人もいてな……何やら本来の能力ではなさそうな能力を使っていたとの事だ。しかもその内の2人は、ドライバーがレガシーライダーバックルのヤツじゃなく、全く違う形状をしていたらしいんだ。そしてもう1人は、そもそもバックルがない奴だったとの事で……』

「それ、そいつら召喚されたライダーだったりします?」

 

 これもうアレだよ、裏でガリュードのポジションの奴いるだろ。お前に×を与える、みたいな。

 デセオ・ウォーズに参加している仮面ライダーで、ドライバーがレガシーライダー特有のヤツじゃないなら、絶対誰かに召喚されているだろ。

 ディエンドの能力では? とも思われるだろうけど、ディエンドは召喚したライダーに、他のライダーの力を付与させる能力なんて備わってないはずだ。だからディエンドの可能性はない。

 じゃあ、一体誰がライダーを召喚したとでもいうんだ? ぶっちゃけ、誰がこの世界のゴジュウジャーのポジションについているのか、分からないんだよなァ……

 

 往歳教授がオリジンライダーに期待しているから、俺達オリジンライダーがそのポジションにいるのかと、ゴジュウジャーを知っている転生者は思うかもしれないが、答えは『否』だ。

 あの教授に期待されているからと言って、俺達オリジンライダーがゴジュウジャーのポジション……つまり主人公だとは限らない。この世界の主人公は別にいるはずだ。何せ俺は転生者だし。

 仮にそうだとしても、じゃあ重い過去とか、生き別れなどの重い関係を持っている人がいるかとか、そう聞かれても俺とひとりは『否』と答える。高校に入るまで、俺は普通の生活、ひとりは友人を1人も作れずにいたんだ。重い感情を向けてくる人なんていないはず……だよな?

 

 ヤベッ、話が脳内で脱線してた。えぇっと、何だっけ……インストラクターが襲われた件と、その人を襲ったレガシーライダーが普通のと違う件について、だったっけ?

 

「とにかく、確かに妙ですよね……レガシーライダーバックルを着けていないライダーが、突然としてデセオ・ウォーズに現れるなんて……」

『やっぱりお前もそう思うか。あのインストラクター曰く、あいつらは神出鬼没のような存在だったとの事から、教授が行方不明になった原因にもなってないか、とも考えているが……』

「その考えはやめてくれません? 不吉な予感がするんで……」

 

 教授があのライダー達の仲間に襲われた……その可能性も否めないのだけど、だからといって、襲われた=ディスクを奪われた上に殺されたかもしれない……なんて考えているような発言はやめて。不謹慎。

 俺の言いたい事を察したのか、『あっ』と声を漏らした珊瑚さん。言い方が悪かった事に気づいたか。

 

『すまん、さすがに今の発言はよくなかった。とにかく、教授の行方は引き続き探す事にする。そっちも教授の事で、何か分かった事があったら教えてくれ。それじゃ』

「分かりました。それじゃあ」

 

 通話を切り、座っていた椅子にもたれかかる。

 教授の行方不明に、ガリュードポジションがいる可能性、か……このデセオ・ウォーズ、本当に物語として進んでいっていそうだな。

 まぁ俺は主人公じゃないと思うから、もしこの世界で大変な事が起きたら、この世界の主人公が来てくれると祈りながら闘うしかないけどね‼︎ だからと言って死ぬ気も敵の好き放題させる気も鼻からないけど‼︎

 

 

 

 

 

♢

 

 翌日。俺はとあるショッピングモールにて、ひとりと一緒に優一と合流し、彼の買い物に付き合ってあげる事になった。

 

 優一に特訓の件のお礼は何がいいか聞いたら、『自分から好きで勧めてやっていたから別にいい』と一蹴された。ディスクを貰った事もあったのに……と、さすがに焦りながら『そこをなんとか』みたいな感じに頼んだけど、それでも……って感じだった。

 けど、ひとりが俺以上に罪悪感を持ったためか、優一が今後何をする予定だったのかを聞き、斑鳩達と買い物をする予定ではあると優一が答えたため……パニクリながらもそこで荷物持ちになると言って優一に迫った。

 ………………あの時のひとりの表情、切羽詰まっていた事が明らかになる程にすごい顔芸になっていたな……思わず笑いそうになった。

 

 んで、優一が渋々了承した事から、今に至るわけだけど……

 

「すみませんおふたりとも。私達の買い物に付き合っていただいて……」

 

 斑鳩はまだ分かる。俺達も既に何回か会っているし、同じレガシーライダーだし、生活品とかだけでなく意外にも様々なオシャレとか楽しみそうだから。

 だけど……

 

「君達が立向居 浩司君に後藤 ひとりちゃんなんだね。優一から話は聞いてるよ‼︎ はじめまして、ボクはユウキ‼︎ よろしくね‼︎」

「ふーん……どっちも悪くない顔してるね。あっ僕はメリュジーヌ。優一を応援する者……とでも言っておこうかな。今日は付き合いよろしく」

「お初目にかかります‼︎ 我がマスター・不知火 優一の弟子、白尾 エリです‼︎ おふたりもまた、仮面ライダーという魔法を使える存在になれると聞いていたのでお会いできて光栄です‼︎」

 

 ここはハーレム自慢大会の会場か? 1on1派の俺達は明らかに場違いじゃね?

 

 はい、というわけでね。優一だけでなく、優一と仲が良いどころか、彼に好意を持っていそうな、斑鳩を含めた4人の女性の買い物にも付き合ってあげる事になったわけです。

 いやね? 優一から事前に『何人かと一緒に行く事になっているから、全部は持てない事を視野に入れといてくれ』とは言われてたけど、まさか女子4人も含めたメンバーでとは……

 でも、俺としてはゼロワンの件も含めてのお礼だから、これくらい安いものなのかな? まぁ荷物持ちもトレーニングの一環になるだろうし、ここは我慢だ我慢。

 

 さて……本日優一と斑鳩と共に買い物する、俺とひとりが初対面である女子3人を紹介します。

 ……誰に向かって説明してんだろ、俺。まぁいいけど。

 

 まず1人目。

 頭頂部から特徴的なアホ毛が1本跳ねている、膝近くまで届くロングの紫髪と、大きな赤い瞳を持つ、小柄で華奢な体格の少女──ユウキこと紺野 木綿季(ゆうき)。

 

 次に2人目。

 銀髪のロングヘアーに、透き通るような碧眼を持っており、ユウキと同じく小柄かつ華美な体格の少女──メリュジーヌ。

 

 最後に3人目。

 顔の横で1本の細い三つ編みを垂らしている、編みを解けばロングヘアーとなる鮮やかな白がかった銀髪に、琥珀色の鋭いジト目気味な瞳。そして身体の倍近い存在感を持つ超巨大な、赤黒をベースとして金の意匠と赤いリボンが施されている魔女帽を被った少女──白尾 エリ。

 

 天才ゲーマーなロリのボクっ娘に、オンオフの切り替えがよくできる仕事人なロリのボクっ娘、魔法を信じて止まず帽子に非常な愛着を持つ女性。

 全員が全員、おもしれー女だった。属性が1つ被っているのが2人いるのだが、それはご愛嬌……と言ってもいいのかな? 設定が被るキャラがいる作品なんてそこら中にいるし、別にいいと思うけど。

 

「優一……お前、彼女達の他にも絶対好意を持っている女性いるだろ。そいつらがこの場にいなかったり、奥手なだけだったりとしているだけで」

「そうか? まぁ色んな奴を助けたりはしていっているけどな……」

「絶対その数々で色んな女を落としていっているだろ」

 

 こいつ、俺が思っているよりも天然タラシだったりする? 身近にいる女子とただ仲良くしている……って感じなだけで、身近ではない女子の好意にはまだ気づいていない、とか。

 もし法律が法律じゃなかったら、こいつ絶対一夫多妻な人生を送ってそうだな。絶対全員との責任取るだろ、妊娠したしてないに関係なく。

 ……いくらこの世界が現実となっているとはいえ、二次元な世界観がメインだから、法律も二次元らしくやりたい放題な感じになってないだろうな? 多夫多妻OK、みたいな。

 

「ハァッ……行くなら行こうぜ、なんだか今の空気に耐えられそうにねェから」

「なんか……悪いな」

 

 いや優一、お前は謝らなくてえぇんよ? お前は悪くない。多分他の女どもも悪くない。悪いのは勢いで荷物持ちになったひとりと、ツケとか云々とか考えて便乗した俺なんだから。

 

 

 

 

 

♢

 

 荷物持ちとして、ハーレムな空間にいる優一達の買い物に付き合って、2時間半は経ったか経ってないかって感じに時間が過ぎていた。

 100円ショップ系のところで、冷凍食品用袋キャップやミニファンなどの生活雑貨を買ったり、フライパンなどの調理器具を買ったりと……意外にも生活用品が多かったな。

 んで、今はどういう状況かというと……

 

「ごっ後藤さん……ジャージ姿も意外と可愛らしいなとは思っていましたが、やはり清楚で可愛らしいカジュアル系の服を着せてもなかなか……」

「そっそんな事は……私に可愛らしい服なんか……」

 

「ギャル系も結構いいね‼︎ 正に正真正銘の高校デビューした、みたいな? どっちかというと、高校2年デビューだけど」

「こっこんな陽キャな服、私みたいな陰キャなんかに着させても意味ないかと……」

 

「こういう大人系でセクシーな服が、僕としては1番似合うんじゃないのかな? 浩司君が惚れるのも分かる程に、スタイルだって思ったよりも結構良いしね」

「あっいや、その……こっ浩司君は別に、スタイルで私なんかに惚れてくれたってわけじゃ……」

 

「後藤さん、バンドに入っていてギターの腕がかなり良いとお聞きしました‼︎ なのでこういうロックな衣装も似合っているのかと‼︎」

「かっ勘弁してくださいィィィィィィッ‼︎」

 

 優一LOVEな女子達の服を買う時間かと思ったら、途中からひとりの可愛い服を選ぶ時間となっていた。つまり今のひとりは、荷物持ちではなく所謂着せ替え人形になっているってわけ。

 ………………ひとりは多分、斑鳩達によって、1時間ぐらい着せ替え人形にされているんだよな? なのに今になっても、プランクトンになったりして人外化して、陰キャな自分の性格を周りを感染させたりしてないって事は……

 

「みんなに迷惑をかけまいと、頑張って耐えているって事なのか? それとも……?」

「どちらにせよ、彼女も彼女でなんとか頑張っている……そういう事じゃないのか?」

「それもあり得るな……」

 

 ひとりもひとりで、精神方面でも色々と鍛えられていると思うから、優一の意見もごもっともだな。なんだか、彼女の親にもなった気分だ……

 とでも思っていたら、突然優一に左肩を叩かれた……というよりは掴まれた。急に何ですかあんさん?

 

「せっかくだ、お前のカッコいい服も買ってやる」

「えっなんで?」

「お前の私服、いつもシンプルなヤツばっかりだろ。デートの時は、なるべくカッコ良くなるように色々と工夫してきていたと聞いたが、それでも無地だったりと、それほどカッコ良くないものばかりだったろ。カッコ悪いものがないだけマシとはいえ、もうちょっとファッションにこだわりとか入れろ」

 

 えっバレた? いやね? 確かにファッションも大事だけど、俺ァそれで痛い思いしたくないんだよね。カッコつけてんのかとか、その格好をすればモテると思ってんのかとか、そんな事を他人から思われたくないから……

 ん? ちょっと待って? ひとりが着せ替え人形にされている中で、俺のファッションの話も出てきたって事は……

 俺も優一によって、着せ替え人形にさせられる……って事⁉︎

 

「いっいや、俺の……というか、男のファッションはそんな真剣に考える事なくないかイダダダダダダダダダッ⁉︎ ちょっ待って⁉︎ やめて⁉︎ マジでやめて⁉︎ 肩を強く握りながら引っ張らないでェェェェェェッ⁉︎」

 

 ※この後滅茶苦茶服を着せられました。

 

 

 

 

 

♢

 

 荷物持ちの時だけで済まされると思った疲労感、着せ替え人形にさせられた事で思ったよりもかなり溜めさせられました……

 おかげで俺とひとりは今、ショッピングモールの外にあるベンチにて放心中です……いっぱい服を着せられ、いっぱい写真を撮られ、どれがいいのかと問い詰められて、精神的にも疲れたよマジで……

 まぁ、服を奢ってもらったのは助かったんだけど……これだけははっきりと言える。着せ替え人形になるのは二度とごめんだ。

 

「今日はありがとうな、俺達の買い物に付き合ってくれて」

「着せ替え人形になるのは二度とごめんだからな」

「私もたくさん試着させられるのは、もうお腹いっぱいです……」

「思わず本音が出たな2人とも……」

 

 そりゃあ、1時間も着せ替え人形にされたらねェ……? 荷物持ちの時よりも精神面でキツく感じたわ。何着着せられたんだ、みたいな? もう考えるのをやめて、言いようにされてしまってまぁ……

 

「ごめんね? あの時はボク達、ひとりちゃんの各ファッションとの相性の良さに舞い上がっちゃって……」

「その様子だと、浩司君も優一に、長い時間で服を何着も着せられたみたいだね。お疲れ様」

「なんか、すみませんでした……私達もマスターも、おふたりのためを思って服を選んでいたのですが……」

「お詫びと言ってはなんですが、この後の昼食は私達が奢りますので、頑張った分、好きなだけ食べてください」

「あっどうも……」

 

 自重すべきだったとは思っているらしく、優一LOVEな人達は皆、俺とひとりの事を心配してくれているようだ。なんだよ、全員良い人達じゃねェか……

 よし。こういう人達に対して、食べ放題の店で奢らせるのはやめておこう。恩を仇で返してしまうから。

 

「……ん? なんか向こうが騒がしいな」

 

 優一のその言葉によってか、俺もこの外でザワザワとしている人達の声に気づいた。なんだ? なんか野外イベントでも始まるのか? にしては、店内のイベント欄とかには、野外でなんかやるとは書かれてなかったが……

 

「アレ? ちょっと待って? なんかこっちに来てない?」

「……構えなよ。多分、敵だ」

 

 ふと気づいた事を口にすれば、メリュジーヌが険しい表情をしながら席を立った。一体何を察したというんだ?

 とか思っていたら、本当に何者かが俺達のところへと歩いて向かって来ていた。それも3人で……レ(・)ガ(・)シ(・)ー(・)ラ(・)イ(・)ダ(・)ー(・)で(・)は(・)な(・)く(・)、仮(・)面(・)ラ(・)イ(・)ダ(・)ー(・)の(・)姿(・)を(・)し(・)て(・)い(・)た(・)。

 

 1人は、漆黒のインナースーツの上に装甲された、目を射るほどに鮮やかな紅紫色に近いピンク色の、ハヤブサを思わせる装甲の戦士。

 鋭利に研ぎ澄まされた頭部からは、獲物を狙う猛禽類のような黄色い複眼が異彩を放っていた。

 背中には隼の翼を模した大型の機械式な翼が羽ばたくように広がり、翼端の金属線が妖しく輝いている。

 その翼の関節部に刻まれたコードやメカニカルな意匠が電子的な異質感を生み出し、凶暴な美しさと圧倒的な飛翔の躍動感を全身から漂わせていた。

 仮面ライダー迅。意思と無邪気な悪意を持ったアンドロイドが、人類を滅亡させるために暗躍する戦士である。

 

 もう1人は、流線型のシルエットを纏う鮮やかな水色の鎧を持った、水を操れる事を彷彿とさせている戦士。

 頭部から肩にかけて注がれた透明感溢れる青い装甲は、まるで清冽な水面そのものを切り取ったかのように美しい。

 目元には波紋のように澄んだ真紅の複眼が重なり合い、胸元では水車を思わせる円形のドライブコアが淡い光を脈打たせている。

 首元で静かに揺れる青いマフラーと、身体のラインに沿って走る銀色のフレームが、流麗で洗練された流体的な躍動感を全身から醸し出している。

 仮面ライダーアクア。勇気から弱点を克服し、水を制し司る使者となった戦士である。

 

 最後の1人は、白銀の鋼鉄のマスクに包まれた頭部、その下半顔からは他の仮面ライダーと異なり、青ざめた唇と引き締まった顎が露わになっていた。

 マスクの中央を切り裂く矢印のような真っ赤な紋章と、激しい怒りを宿した双眸が覗く透明なゴーグル。首元には真っ白なマフラーが風を孕んで翻っていた。

 全身を覆うのは、深緑のレザーブレストと漆黒のスーツ。右腕の肘から先は異形の機械へと変貌しており、その先には無機質な金属の鉤爪が鈍い光を放ちながら冷たく伸びていた。

 ライダーマン。復讐に囚われていた科学者が、戦友に奮い立たされた事で後の英雄となった戦士である。

 

「レガシーライダー……⁉︎ いや、違う……‼︎」

 

 初戦のレガシーライダーのような、周りを気にせず攻撃しそうなタイプの輩かと、最初は思った。

 けど、彼等のレガシーライダーバックルが巻かれているだろう、腰の周りを見れば、その答えは『否』となった。

 

 ライダーマンのベルトは、赤い革製の帯に、中央部に青と赤の円形ランプを付けて銀色で構成された、丸みを帯びながらもフラットなバックル(正式名称はない)。

 アクアのベルトは、銀のフレームに、中央に大きく鮮やかな水色の水車状のファンがついた流線型のバックル──アクアドライバー。

 迅のベルトは、前面の下部に黄色の大型レバーが配置されている、露出したパイプや大型のレバーが目立つ、武骨で機械的な黒がかった灰色のバックル──滅亡迅雷フォースライザー。

 

 珊瑚さんとの通話で出てきた、『レガシーライダーバックルを着けていない仮面ライダーがこの世界に出てきた』みたいな言葉を再現した現象。それが今、目の前で本当にあったのだと確信した。

 

「つーか、なんでこんな場所で出てきてんだよ……‼︎ こっちは着せ替え人形で疲弊してるってのに……‼︎」

 

 苛立ちを覚えながらも、これから起こるだろう戦闘に備え、俺達はそのライダー達を見据えるのだった。

 




Q. リクエストされた内容を大きく変更した理由

A. 優一が主人公じゃないのに、主人公より目立たせる感じにするのはアレだから、別の機会に過去回を出す事にした。
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