現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
雷虎ガタックは今起きている状況に目を疑い、そして……絶句した。
本来ならば、自分が受けそうになっていた、バールクスのリボルケインによる突き刺しの必殺技。
その一撃で雷虎ガタックは、自分自身の心臓が貫かれ、絶命まで持っていかれる事を悟ってしまっていた。壁に強くめり込まれ身動きが取れない中、バールクスが眼前にいる状況で尚更……だ。
だが、思わず目を閉じても、その無慈悲な串刺しは起こる事はなかった。突き刺される感覚どころか、痛みすらめり込まれている事によるもの以外は全く感じなかった。
自身の身に起きている、疑問や違和感。それを確認しようと、雷虎ガタックは恐る恐る、仮面越しに閉じていた瞳を開けば……
自分達と敵対していたはずのナーゴが、雷虎ガタックを庇っており、彼の代わりにバールクスの突き刺しを受けていた。心臓部と腹部の間をリボルケインで貫かれており、そこから溢れ出ているエネルギーも受け、その部分が焼き焦がされていた。
「カハッ……‼︎ だ、大丈夫……ですか? 善逸、君……私に刺さったところ、そっちに来て、ませんでした、か……?」
「えっ……? はっ……? アンタ、なんで……」
この現象はあり得ない事だと思ったのか、雷虎ガタックが絶句する中、ナーゴの身体を貫いていたリボルケインが引き抜かれた。
それと同時にナーゴは両膝をつき、変身が強制的に解除。
「……敵であるはずのライダーを庇い、自ら死に追い込まれたか。血迷った……とは思えないな」
そんな彼女を、バールクスは無慈悲にも吐き捨てた。ライダーに変身中の相手を突き刺した影響か血は付いていないものの、刃に付いた血を払うようにリボルケインを振り、ナーゴのディスクを拾い上げる。
「これとアマゾンネオのディスクは、お前の作戦があっての手に入ったディスクだ。お前が貰っておけ」
「あら、ありがとう。気が効くわね」
拾ったナーゴのディスクと、既に蓮から奪い取ったアマゾンネオのディスクを、ファイズに向けて軽く投げ飛ばす。ファイズはそれを受け取り、何の躊躇いもなく懐へと仕舞い込んだ。
「それじゃあアイアン、後は貴方に任せるわ」
「あいよ。この俺のカッチカチな体にヒビ入れた恨み、ここですぐに晴らさせてもらうわ」
アイアンに指示を出したのに合わせてか、ファイズとバールクスの背後に、二筋の太い淡色の光の柱が突如として立った。2人してその光の柱にそれぞれ入れば、吸い込まれるように消え始めた。これが彼等の移動手段なのだろうか。
「まっ待て‼︎ こんな事して逃げるな‼︎ ふざけんな‼︎ 待てッー‼︎」
今起きている現状から、様々な怒りが湧いてこない雷虎ガタックではなかった。怒声を上げながら呼び止めようとするも、身体が壁にめり込まれて身動きが取れない中で、彼等を怒声だけで呼び止めるのは不可能だ。
すぐにファイズもバールクスもこの場から消え去っていってしまい、この場に残ったのは雷虎ガタックとアイアン、そして身体を刺し貫かれ倒れ込んでしまった
「行ったか。ほんじゃまぁ、後はこいつを嬲りながらディスクをいただくと……ん?」
拳の鈍い音を鳴らす中、アイアンはとある違和感に気づいた。憤りを見せている雷虎ガタックの身体が揺れ、めり込まれている壁から浮き出ていっているのだ。
「クッ……うぉおおおおおおっ‼︎」
両腕両脚に力を入れていた事で、雷虎ガタックはめり込まれていた壁から抜け出す事に成功した。その時に砕かれたコンクリートの壁の破片が飛び散り、アイアンの身体に次々と当たる。強固な鉄の塊で出来ているためか、微動だにしなかったが。
「クッソォォォォォォッ‼︎」
「グオォッ⁉︎ ガハッ⁉︎ アグッ⁉︎ グエッ⁉︎ ゲハァッ⁉︎」
そのままアイアンとの間合いを詰め、怒り混じりに傷口に何度もストレートパンチを浴びせる。内部が出てしまっている影響か、アイアンは殴られる度に怯み、次々と鎧代わりとなっている塊の一部が砕かれていく。
そして最後に、さらに力を込めた拳でアイアンを吹っ飛ばし、彼を横転させる。その間に、オリジン雷虎ドライバーのボタンやレバーに触れ、次々と動作を行っていく。
『スペシャルアタック、プリパレーション!!』
『スペシャルアタック、オーケー!!』
『雷虎流・ライダーキック』
ドライバーの内部に蓄えられた膨大なタキオン粒子が奔流となって噴き出した。青白い高エネルギーの粒子は稲妻の如く右脚へと収束し、鋼鉄の装甲を眩い程の眩い青と輝く黄色の光芒へと変化していく。
全身の機関が最高出力で唸りを上げ、重力すら置き去りにするほどの推進力が爆発する。
地を蹴ったガタックの身体が、青と黄色の混じった一筋の光の軌跡を描いて宙へと跳ね上がった。空中で鮮やかに反転し、放たれた右脚のつま先には、クワガタムシの巨大な牙を模した純青のエネルギーの刃が形作られる。
「うおらァァァァァァッ‼︎」
「ガッ───」
全てを粉砕する破壊の楔と化した右脚が、重力と加速の勢いを一身に纏い、一直線にアイアンへと急降下する。
衝突の瞬間──世界から音が消え去ったかのような静寂の後、青い閃光が爆発的にアイアンの身体と共に四散し、圧倒的な衝撃波が周囲の空間を大きく歪ませた。
勝敗が決したアナウンスを無視し、雷虎ガタックは変身を解除。元の善逸へと戻ったのと同時に、すかさず
「おいアンタ‼︎ しっかりしろ‼︎ オイ‼︎」
揺さぶりはかけていないものの、必死に呼びかけ意識がまだあるかどうかを確認する善逸。多少の時間が掛かっている上に、心臓部と腹部の間を貫かれたのだ。助かる確率は低いだろう。それでも、善逸は放置する気にはならなかったのだ。
そこに、バールクスの攻撃による気絶から目を覚ました蓮が、そこそこの激しい痛みの引かない左腕を押さえながら、2人の元へと足を引きずってきた。
「これは……一体何が……?」
「藤井‼︎ 救急車を呼んでくれ‼︎ それと超常犯罪対策課にも連絡を‼︎ 急いで‼︎」
「わ、分かった」
迫真とした善逸に押され気味になったのか、蓮は言われるがまま、病院や警察に連絡を入れる事となった。
その間、善逸は
改めて彼女の身体を確認すれば、あまりにも悲惨なものだった。
バールクスによって刺し貫かれた心臓部と腹部の間の箇所は、見事なまでに空洞ができてしまっており、そこから大量の血が流れた跡がついていた。吐血もしており、その口からは絶え絶えとなっている呼吸音が聞こえてきていた。
「……なんでなんだよ」
善逸が小言とも言える愚痴を、
「なんで、あのまま逃げずに俺を庇ったんだよ。蓮と闘っているところ、俺には聞こえたんだよ。アンタ……たとえどんな修羅の道を辿ろうとも、誰かにアンタの願いを否定されようとも、願いを必ず叶えるんだって……死にそうになったら、元も子もなくなるだろ……」
逃げろと何度も呼びかけたにもかかわらず、どうしても叶えたいと思っている願いを……命までをも捨ててまでして、何故敵である自分なんかを庇ったのか。
善逸にはそれが理解できなかった。理解しようにもしたくない自分もいて嫌気が指していた。いくら自分が助かったとはいえ、
「俺だって死ぬつもりは鼻からなかった。今でも『死ねばよかった』なんて思えない。けど、誰かを殺したくもなかったんだよ……なのにアンタは、なんで……」
今にも地面を叩きつけそうな程の、怒りと罪悪感、そして無力だったあの時の自分の不甲斐なさ。それらの感情が混ざっていき、善逸は右手の握る力を強めた。
「………………やっぱり、お人好しが、過ぎますね……」
「……‼︎」
息が絶え絶えな
どのみち助かる確率はあまりにも低い。彼女をそうさせてしまったのは自分のせいでもある。様々な考えが混じったせいか、どう声を掛ければいいのか分からなくなったようだ。
それでも、
「だからこそ、でしょうね……そんな、お人好し、だからこそ……死んでほしく、なかった……なんて、敵に対して、そう心から、思えたのは……」
恨み言もなく、怒りを表すような言葉も発さず、ただ善逸を……敵であるライダーの事を、心の底から想っている発言を口にする。
自分が死ぬ運命になろうとも、叶えたかった願いを捨てる事になろうとも、どうしても彼の命を捨てる気にはならなかったようだ。その方が自分は後悔する。ならば自分の為よりも……そう言っているように感じさせる。
「貴方は……私を、殺してなんか、いませんよ……実際、私を、こうしたのは、あのライダーですし……寧ろ、貴方は、敵である、私を、本気で、助けようとした……少しは、心が、救われた、気がします……」
そして、自分が死ぬ原因は善逸にはないと否定する。かつての自分が、恋人をその場で喪った時と同じように、その事件の発端となった1人が、その人を殺したわけでないと、恋人がそう言ってくれたように……
「……そっ、か」
これだけで、善逸の心が晴れるわけではない。だが、心にのしかかっている重荷が軽くなった感覚はあるようだ。
無意識にも、善逸は苦笑いを浮かべた。無理のある固いものではない。自然と浮かんできたものだった。
最後の最後で、自分達の言いたい事が伝わったのだ。それを理解したからこその、自然な笑みなのだろう。
「だから、せめてもの、お願いです……無理をしない、範囲だけで、いいんです……私が、叶えたい、願いのために、賭けた想い……それを、貴方に、託させて、ください……それを、貴方の、お仲間達に、譲っても、構いません……ただ、少しでも、無くさない、ように、してくれれば、それで、構いません……」
弱々しく差し伸べてきた左手には、これまで
この闘いに賭けてきたその想いの強さを、善逸やその仲間達に受け継がせたい。最期にそう決心したのか、それを善逸に託そうとしていた。そのために差し伸べた左手のようだ。
その手を潤んだ瞳で見ながら、善逸は問いかけるように呟く。
「……願いのためにしてきた事。それは少なくとも、今日の事は許されない。けど……それは大切な人のためだから、ってのは分かった。その分、願いに賭けた想いが強い……アンタはそう想っているんだよね?」
「……はい」
「分かった。アンタの願いに賭けた想い、俺達が受け継ぐよ。だから……休んでくれ」
安らかに眠る事を勧め、祈りを込める善逸。彼は腹を括ったのだ。死を受け入れている人を、程なく見送る事を。
そんな彼を見て、
「ありがとう……ござい、ます……これで、あんしん、して……じごくに、いって、まことくん、に、おこられ、に、いけ……ます……ね………………」
やがて
そう、この状態から察するに、
「善逸……」
「………………」
臓器と共に完全に動かなくなった、
「………………この人、愛する人のために修羅を潜って、最期にその想いを託して死んでいったんだ。……すごい女性だよ、この人は」
そんな彼の代わりとしてか、善逸が
「……あぁ、そうだな」
彼もまた、
♢
桂
刺された跡による空洞はナイフによるものとは思えないが、レガシーライダーに刺されたという事実を誰も信じるとは思えないとの事で、超常犯罪対策課が隠蔽工作せざるを得ない事になったのだ。
刺殺の犯人は、素顔が見えないようになっており現在調査中という事になっているが、実際にも刺殺したレガシーライダーは素顔が明らかになっていないため、この隠蔽工作は適切なものとも言えよう。
それを聞いた両親は
善逸も超常犯罪対策課と共に事情を説明するため、
問いかけられたものは仕方ないと思ったのか、ナンパから助けた事実と、通り魔から
だが両親は
後日、桂
任意による形で呼ばれた善逸を始め、
「
そう語る善逸の瞳に、罪悪感という濁りはなかった……
余談だが、最初は互いに謝罪しながら泣きあったものの、それが終われば仲睦まじく愛し合っている、2人の若いカップルが地獄での癒しとなっているとの事だが、それはまた別の話……
前回のアンケートでよく考えてみたら、遊戯王は展開ルートや使用カードもAIに任せると変になりそうなんで、亀更新で並行させる、複数転生モノのAI小説の候補を変更します。皆さんはどれが読みたい?
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ポケモンSVのガワだけ別作品のキャラ多め
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ドラゴンボールの憑依複数転生モノ
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とりあえずワンパンマン関連
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とりあえずFate/関連
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候補を1つ無くすくらいなら並行作品書くな