現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
「……なぁ。俺に合わせたい人がいるとか言っていたけど、本当にここなのか?」
「あぁ、間違いないさ」
この俺、立向居 浩司は今。優一と共に、とある劇団が行うミュージカルの会場にある地下駐車場でバイクを停めていた。もちろん、お互いにライダー用のバイク──ライダーマシンだ。
ちなみに優一が変身するヴァルバラドには、本編どころかどの劇中にも専用のライダーマシンは存在していない。けど、劇中に出ていないだけで持っていないわけではなかった。
歯車やエンジンが剥き出しの無骨で重厚な、黒鉄色と紫に青緑色の3色で彩られた大型モタードスタイルのバイク──スチールダッシュである。バイク型のケミーという生き物なのだが……生き物要素、どこ?
余談だが、ルールを守ってさえすれば、日常でも運転OKだから。クラウスさんもそう言っていたし。
「しかし、何故ミュージカルをやっているところで待ち合わせを?」
「知り合いというか、その人と仲の良い人が、そのミュージカルをしている劇団に参加していてな。そのミュージカルを観るためなのと、その人を迎えに行くために来ているらしい」
「さいですか……」
なんだその人? 保護者か? 息子か娘の発表会を見に来た、親御さんか何かなのか? どうもそうにしか聞こえないのだけど。
「………………一応聞くけど、そのミュージカルのチケットは?」
「事前予約制だからない。だから俺達は何処かで待機だ」
「マジかよ」
俺達はそのミュージカルを観れないのかよ。じゃあ終わるまで何処かで待たないといけないのかよ。めんどくせぇなオイ。
……念のため、俺とその人を会わせようとしている理由が何なのか、聞いてみるか。
「聞きたいんだけどさ……その人って、デセオ・ウォーズとの関連性がある人なのか? わざわざ寮やお前の家に近いここに『バイクで行こう』と言うものだから、そういう事だよな? バイクの運転の練習するってだけで、こんな非売品みたいな派手なバイクを他人に見せるような事にはならないよな?」
「お前は何を言っているんだ……」
だってここ、学園の寮からでもお前んちからでも徒歩10分弱やぞ? そんなところをわざわざライダーマシンで来るって、何故そんな目立つような事をって思えるやん。だからせめて、これから会う人がデセオ・ウォーズと関係のある人でいてくれないと……
「それは……分からないんだ」
「えっ」
「ただお前の事を、その人にデセオ・ウォーズとは関係ない事で話していたら、会わせてほしいって言われてな。多分、お前と仲良くなりたかったんだろう」
「じゃあ尚更なんでバイクで来なきゃなんないんだよ」
ライダーマシンは見せ物じゃねェんだよ。あの時はバイクの運転の練習がてらで使ったんだよ。電車という手段があったのにさ。
「ほら、昨日に行ったショッピングモール、あそこちょっと遠かったじゃないか。そこへバイクで行ったところを偶々目撃したらしくって、それを見てみたいって言うから……」
「………………改造を疑われている、って事?」
「多分、そうかもしれないな……」
うわぁ……じゃあなんで警察に通報したりしないで、直接自分の目で確認しよう、なんて思ったんだよ。いや警察のお世話にはなりたくないけどさ……せめて超常犯罪対策課の方達が対応してくれればいいんだけど……
「ハァ……帰りて───」
ドゴッ
「ファッ⁉︎」
徐に愚痴を溢そうとしたら、近くで爆発のような騒音が鳴り響いた。もちろん唐突だったため、これにはさすがにビックリ仰天。なんで駐車場で爆発音が鳴るねん。
………………まさか。
「デシアゴーレムが現れたのか? それともライダー同士による争奪戦か? どちらにせよ、放っておくわけにはいかないな」
「あっ、俺が思っていた事を……」
先に言われた……いや、別にどっちが言ってもあまり関係ない事だけどね。思っていた事は一緒だったし。
「とにかく行こうぜ‼︎ あの馬鹿騒ぎは終わらせないと‼︎」
「あぁ、わかってる‼︎ 発生した場所は思ったよりも近い……というか下だな。走って向かうぞ‼︎」
無関係な人様達を巻き込んでのディスクの奪い合いなんて、デリカシーも情緖もねェなオイ‼︎ こっちは尋問されるかもしれないって状況になりそうなのによォッ‼︎ 全員まとめて制裁してやろうかコラァッ‼︎
♢
爆発音が発生した地下駐車場の、浩司達がいた位置より下にある階。そこでは金属が激しくぶつかり合う音が鳴り響いており、一瞬の眩い光……というよりは火花が何度も発生し、何度も暗い空間が照らされる事もあった。
「ボク達5人を相手に一歩も退かないなんて、君やるね。『ディスクの死神』の異名を持つだけはある」
「………………」
「……けど、さっきからだんまりしているのはやめてくれる?」
特にその火花を何度も発生させているのが、サモナー・ゾロアとスペクターことレガシーライダーダークゴーストである。
ゾロアがゾロアサモニングデスサイズを振るってきたのに対し、ダークゴーストは全体が鮮やかなオレンジ色を基調とした刀──ガンガンセイバーで対処していく。
刃と刃がぶつかり合う毎に火花が起き、眩い光が2人を一瞬だけ覆う。そして何度も振るわれた刃同士がぶつかり合い、何度でも繰り返されていった。
「(後は周囲を気に掛けられないようになればいいんだけど、これ程までの猛者となると、そう簡単にはいかなさそうだな……)」
ダークゴーストがそう考えながら、ゾロアに気づかれぬよう、視線だけをゾロアの背後辺りに視線を送った。物陰では、ウッキーファイブの4人ことアバドンの集団が、ゾロアへの攻撃の機会を窺っていた。
レッドとイエローが持っているのは、先端から長く伸びる短剣状の、光を鈍く弾く金属の刃身を備えている剣──スラッシュアバドライザー。
対するブルーとピンクが持っているのは、無機質な灰色とシックな黒の配色が際立つ、無駄のないフォルムを描いている小型銃──ショットアバドライザー。
それぞれが異なる武器を持っている事から察するに、レッドことアバドンRとイエローことアバドンYが近距離で、ブルーことアバドンBとピンクことアバドンPが遠距離で攻撃を仕掛ける……という振り分けとなっているようだ。
「(もう少し注意を引きつけるか……)」
またもや刃同士をぶつかり合わせたかと思えば、ダークゴーストがガンガンセイバーの裏面のスイッチを押した途端、刀身の上側部分が分離した。
するとガンガンセイバーのグリップとなる部分を折り曲げ、分離した先端パーツの向きを反転させて再度接続させ、変形。4つあるモードの1つとなる銃──ガンモードとなった。
ダークゴーストはそのガンガンセイバーの銃口を、ゾロアに向けて標準を合わせる。そしてトリガーを何回も引き、次々と光の弾丸を発射させていく。それも、一定の間隔を空けて。
「………………」
それをゾロアは、ゾロアサモニングデスサイズを前方に軽く振り回すだけで、全て弾いてしまった。それも何一つの焦りなどなく、容易に。
だが、焦りがないのはダークゴーストも同じだった。ガンガンセイバーの接合部に描かれている眼のようなアイコンを、シンジケートライダーバックルの中央部に当てた。
『ダイカイガン!!』
テンションが高く気合いのある音声が鳴り、ガンガンガーンという同じく気合いの入ったテンション高めの音声が待機音となる。
するとガンガンセイバーの銃口に青白に輝く光が、眩く発生し、溜め込まれていく。さらに銃口に合わせるように、前方には巨大な眼らしき紋章が浮かび上がる。
『オメガシュート!!』
トリガーを引いた瞬間、紋章を突き破るようにして、巨大な青白い光が高出力のレーザーとなって放たれた。それがゾロアに向かって一直線に迫ってくる中……
『モーメンタリー・パワー・リベレーション!!』
ゾロアもまた、ゾロアサモニングデスサイズのトリガーを、一瞬だけ押し込んでから弾くように押せば、刃に赤黒い光がオーラのように纏われる。
その刃をレーザーに向けて振るえば、レーザーは縦一直線に両断。刃に宿っていた光に、弾けて相殺されるように消滅していった。
光の奔流同士がぶつかり合った事で、爆煙が軽く周囲に立ち上る。ゾロアの視界が遮られたこの瞬間を、ウッキーファイブことアバドン集団は逃さなかった。
「(今だっぺ‼︎ 一気に畳み掛けるっぺ‼︎)」
「(あぁ)」「(了解よん♡)」「(オッケー♡)」
アバドンRがジェスチャーで他のアバドン達に指示を送れば、一斉に物陰から姿を現した。
ゾロアが爆煙に包まれている周囲を見渡す中、アバドンBとアバドンPがゾロアの背中に向けて、ショットアバドライザーから光の弾丸を数発も放つ。
その銃撃に続くかのようにアバドンRとアバドンYが飛び出し、銃撃で気が逸れるだろうゾロアに向けて、スラッシュアバドライザーを振り下ろす。
『モーメンタリー・パワー・リベレーション!!』
「「「「なっ⁉︎」」」」
が、一斉に攻撃を仕掛けたはずのアバドン集団は、思わず目を疑った。
ゾロアがゾロアサモニングデスサイズを背中に回し、盾の代わりとしてアバドンBとアバドンPの銃撃を防ぎ、トリガーを押し込んでから弾いた事で再びオーラを纏わせたそれを、1回転しながら振るってアバドン集団に斬撃を浴びせた。
「だっぺ⁉︎」
「グアッ⁉︎」
「あふんっ⁉︎」
「キャアッ⁉︎」
巨大な鉄球にぶつけられたかのような衝撃が、アバドン集団に襲い掛かる。それによってアバドン集団は成す術なく吹っ飛ばされる。
アバドンRは空中で踏ん張りを見せたのか着地し、アバドンYは元が肥満な巨体だからか地面に衝突してすぐ弾むように起き上がれたものの、アバドンBとアバドンPはコンクリートの壁に背中を打ってしまうのを許してしまう。
「やっぱり対処できるのか……‼︎」
銃身となっていた刀身のパーツを再び分離させたかと思えば、小太刀となる小さなパーツを折り畳み、今度はガンガンセイバー本部の下部に連結させる。
これにより、ガンガンセイバーは全体の全長がぐっと伸び、両手で薙ぎ払う薙刀──ナギナタモードへと変形させた。
「喰らうっぺ‼︎」
「お仕置きよ‼︎」
「ハッ‼︎」
そして反撃せんと駆け上がったアバドンRとアバドンYが、ゾロアに向けてスラッシュアバドライザーを振り下ろしたのに合わせ、ゾロアから少し離れた位置からナギナタモードのガンガンセイバーを突き出し始めた。
『フンッ』
それに対し、ゾロアは二刃のスラッシュアバドライザーをゾロアサモニングデスサイズで難なく受け止める。だが胴体がガラ空きとなり、ナギナタモードであるガンガンセイバーの刃が迫ってくる。
「(何故敢えて無防備な状態に? 誘っているとでも)───うおっ⁉︎」
「だぺっ⁉︎」
「いやんっ⁉︎」
ダークゴーストがこのゾロアの行動に疑問を感じる中、ガンガンセイバーに強い衝撃が走る。ゾロアは右脚でガンガンセイバーを踏みつけ、刃を地面に無理矢理突き刺したのだ。
そしてゾロアが2人のアバドンを押し出し、ゾロアサモニングデスサイズを上空に振るい、2人の胸部装甲を斬りつけ火花を散らさせる。さらにガンガンセイバーの上を一瞬だけ渡り、ダークゴーストの胸部装甲にも斬りつけた。
「くうっ‼︎ そ、そんな無茶苦茶な事───ぐわっ⁉︎」
ダークゴーストの指摘を無視しながら、ゾロアは踏み台にしているガンガンセイバーから飛び上がり、右足を突き出しながらダークゴーストの胴体を蹴り飛ばした。
ガンガンセイバーから飛び降りたかのように着地した途端、ゾロアサモニングデスサイズを後方へと振るった。
彼の背後にアバドンBとアバドンPが立っており、アバドンRとアバドンYも使っていたスラッシュアバドライザーを振り下ろしたのだ。どれもゾロアサモニングデスサイズによって防がれ、鍔迫り合いとなっているが。
「貴様……よくも俺達を箒で掃かれたゴミのように飛ばしてくれたな?」
「あんな扱い、許せない……
アバドンBが冷徹さのある低い声で、アバドンPが怒声のある低い女性の声かて大阪弁で、ゾロアに対する怒りを露わにしてきた。
刃を弾かれてすぐに態勢を立て直し、2人して再びスラッシュアバドライザーを振るう。躱されても、受け止められても、何度でも。
「俺達の事も忘れるなっぺ‼︎」
「さっきやられた時の仕返し、させてもらうわよー‼︎」
「……君のその余裕、いつまで持つんだろうね?」
そこにアバドンRとアバドンY、さらにダークゴーストの攻撃も加わる。だがどれも、ゾロアサモニングデスサイズの柄や肘打ちなどで、完璧に対処されていってしまう。
だがそこに、思わぬ伏兵が。ゾロアが全員を一斉に押し出したかと思えば、そんな彼に向かって、何処から巨大な炎が放たれゾロアを覆い尽くした。
『ハッハッハァッ‼︎ 儂の事も忘れるでないぞー‼︎ 見よ、儂のこの発明品をー‼︎』
そう高らかに笑い声を上げたのは、ウッキーファイブの残る1人──ホワイトだった。彼は何やら、四肢のドラゴンの見た目をしたロボットに搭乗していた。
真珠色と銀の装甲、そして透明感のある白色のパーツで構成された、気品と威厳を感じさせる西洋のドラゴン。巨大かつマッシブで、気品と圧倒的な威圧感を両立した重厚さを見せていた。
白い宝石のマスクや複眼を彷彿とさせるシャープな面構え。随所に宝石や魔法陣の意匠が散りばめられ、大きく広がる翼と強靭な尾を持つ。
その姿はまるで、仮面ライダーウィザードが召喚・使役するウィザードラゴンにそっくりだった。
そのドラゴンの頭部にある宝石のマスクの中には、両側に棒状のがあるタイプの操縦レバーを握っている、ホワイトの姿があった。どうやら彼がこのロボットを操縦していたのだろう。
『儂のギンギラウィザスターの炎を受けといて、無事でいられる者など、儂らの組織の幹部ぐらいしかおらぬわぁ‼︎』
ウィザードラゴンに酷似したロボット──ギンギラウィザスターに搭乗したまま、ホワイトは自信あり気に叫ぶ。自分の発明品よりも力が上である存在を示唆しながらも、その強さにも自信がある事を自負しているようだ。
笑い声も聞こえてくる中、炎が徐々に消えていく。直近で放たれたのをまともに受けたため、ゾロアは無事では済まないはずだが……
「……いいや、どうやらこれも対処できたみたいだ」
『なぬっ?』
消えていく炎の中から、ゾロアが姿を現す。彼はマントを翻しており、それで炎を防いでいたようだ。現に、焦げた跡は何処にもついていないようだ。それ程までに、ゾロアのマントは防御に優れていたようだ。
『むぅっ……じゃが‼︎ このデカいロボットも敵となった以上、貴様の負けは濃厚となったわけじゃ‼︎』
火炎放射を防がれても尚、ホワイトは一歩も引かなかった。ギンギラウィザスターを操縦しながらゾロアに向かって飛び掛かり、その巨腕による鋭い爪を振り下ろす。
ゾロアがその振るわれてきた腕を難なく後退しながら回避すれば、その瞬間を狙ってか、次は尻尾を豪快に振るう。だがそれもゾロアが跳躍する事で空振ってしまう。
しかしそれでも、ギンギラウィザスターの攻撃は続く。翼を振り下ろし、打撃を行う上に突風も巻き起こし、二段構えでの攻撃を行う。
だが、ゾロアは後退しながら翼による打撃を回避した瞬間、ゾロアサモニングデスサイズを地面に突きつけながら、柄を強く握り脚に力を入れる事で、巻き起こった突風に吹き飛ばされる事を防ぐ。
突風が治った途端、ゾロアはゾロアサモニングデスサイズを橋代わりにして跳躍し、それを引き抜きながらギンギラウィザスターの顔となる部分を蹴り上げ、ゾロアサモニングデスサイズを振り下ろして長い首の装甲を斬りつける。
『ぬおおおっ⁉︎』
重い衝撃が連続で2度も発生した事により、ホワイトとギンギラウィザスターは押し飛ばされ、思わず後退してしまう。巨体をも難なく怯ませるその力は、かなりのものとなるだろう。
『おのれェ……じゃが‼︎ 儂を相手にできても、さすがに他の5人も一斉にかかれば、貴様は勝てぬじゃろう‼︎』
意地を張ってのホワイトの挑発。だがそれも、ゾロアには全く通用しなかった。それどころかその挑発を無視し、懐から3枚のレガシーディスクを取り出した。
「ここでディスクを……? 一体何をするつもりだ?」
ダークゴーストが警戒しながらガンガンセイバーを構える中、ゾロアはそのディスクを3枚とも起動させる。
『レガシー・ドライブ・ディスク!!』
『レガシー・キバ・ディスク!!』
『レガシー・
そしてそのディスク達を、刃の接合部にあるガード部分の側面にある、8つもある丸いスロットの内の上部3つに、それらのディスクを全て装填させた。
さらにゾロアはそのスロット達の下にある2つのボタンの内の、『S』と書かれた緑のボタンを押した。
『プリパレーション・サモニング・コンプリート!!』
『アベア!! 仮面ライダードライブ!!』
『アベア!! 仮面ライダーキバ!!』
『アベア!! 仮面ライダー
高音の電子作動音と共に、鎌のLEDが一斉に青く輝く。そして死神が柄を強く握り直せば、空間を斬りつける。
白銀の刃が空を切り裂いた軌跡に沿っていたためか、ゾロアの目の前に、空間そのものが削ぎ落とされたかのような黒い『空洞』が線となって生まれていた。
次の瞬間、その空洞が内側から押し開かれるように勢い良く拡大し、内部から赤黒い光の粒子と強烈な衝撃波が溢れ出し……その内側から、何かがゆっくりと出てきた。
空洞の中から現れたのは……3人の仮面ライダーだった。
左側に立っているのは、漆黒のプロテクターを基調に、深紅の装甲が流麗な車体を思わせるシルエットで身体を包み込んでいるライダー。
その顔の中央には無機質な複眼が据えられ、冷徹な光を湛える。額の中央には赤く輝く宝石のような紋章が埋め込まれ、頭部全体は空気抵抗を極限まで削いだような、研ぎ澄まされた兜のようである。
胸部を覆う重厚な装甲の中央には、回転するタイヤを模した意匠が異彩を放ち、両肩の装甲は猛スピードで疾走する車のフェンダーを想起させる。
腰に巻かれていたのは、レガシーライダーバックルではなく、自動車のスピードメーターを思わせる、赤のアクセントが効いた銀色のベルトだった。
仮面ライダードライブ。警察官の硬質な使命感と、マシンが放つ無機質な美しさが融合した姿のライダーだった。
右側に立っているのは、漆黒のレザーが張り詰めた硬質なスーツを纏い、全身には夜の闇を引き裂くような鮮烈な紅が走っていた。
胸元には魔獣の翼を広げたような真紅のプロテクターが鋭く隆起し、その中央では封印の鎖を巻き付けた黄金のバックルが鈍く光を放つ。
頭部を覆うのは、漆黒の装甲に鮮血のラインが幾何学模様を描く、蝙蝠の翼や半月を思わせる異形の仮面。
額の中央には虚空を冷徹に見据える紅の宝石が嵌め込まれ、両の複眼は、まるで闇夜に巣喰う魔獣のそれのように、悍ましくも美しい血色で不気味に爛々と輝いていた。
腰に巻かれているのは、帯部分が古城や石畳を思わせる石造りの彫刻風テクスチャになっているベルト。左右には鎖の意匠や古めかしい留め具が施されており、中央には赤く大きな瞳を持つ金色のデフォルメな蝙蝠──キバットが逆さで装着されていた。
仮面ライダーキバ。吸血の呪いを宿した、優美なる異形の騎士のライダーである。
そして中央に立っている最後の1人は……仮面ライダーアギト。人知を超えた神聖さを持ち、の進化を秘めて『目覚めし魂』が具現化した黄金の戦士。
腰には金と銀の重厚な金属フレームに、赤・青・黄の宝石が煌めく、神秘的かつ洗練された古代の変身ベルトが巻かれていた。
「まさか本当に、ライダーを呼び出す事ができるなんてね……」
ガンガンセイバーを構えながら、ダークゴーストは現れた3人のライダーを睨みつける。
ディスクの死神と呼ばれたサモナー・ゾロアの力が、ダークゴースト達の前でさらに見せられる事となる。
「な、なんで教授のディスクを、あいつが……⁉︎」
それと同時に、運命が2度目の邂逅となった事を、後から来た者とゾロアは知る由もなかった。
6人(内1人は巨大ロボットを操縦)相手に渡り合えるゾロア、やっぱり強すぎるな……