現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

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ようやく本格的に、ウィックスとゾロアが邂逅か……⁉︎


悪と悪の決着と、次なる闘い

 

 ゾロアが召喚したライダーが、4人のアバドンとホワイトが操縦するギンギラウィザスターを撃破する中、ゾロアとダークゴーストの闘いも、いよいよ終わりの兆しが見えてきたようだ。

 

「うわぁっ⁉︎ ガハッ⁉︎」

 

 胸部装甲に一閃を入れられ、ダークゴーストは怯みながら宙に浮いてしまい、そこに振り下ろされたゾロアサモニングデスサイズの刃の峰が当たり、彼はそのまま地面に叩きつけられてしまった。

 

「クッ……‼︎ 1vs1になった途端にこの状況(ザマ)か……‼︎」

 

 ナギナタモードになっているガンガンセイバーを杖代わりにしながら、倒れ伏せていたダークゴーストは起き上がった。そして今の自身の無力さを痛感したからなのか、ゾロアを睨みながら悪態を吐いた。

 ただでさえ6人がかりでも苦戦していたというのに、いざ一騎打ちの状況となった事により、一気に押されてしまったようだ。

 ダークゴーストは、自身の力を完全に引き出せる程の実力者だ。ガンガンセイバーの4つもあるモードをどれも巧みに扱える上、幽霊を彷彿の1つとしている能力も上手く扱えるらしい。

 それなのに、今の彼はゾロア相手に一方的に押されているのだ。自分の能力が何一つ効かない、そう言っているかのような状況に遭っているようだ。

 

「ここまでが偶然だと、どれ程よかった事か……‼︎」

 

 愚痴を呟きながらも、ダークゴーストはナギナタモードとなっているガンガンセイバーの、グリップ下部に結合されている小さなパーツをスライドさせて取り外した。

 そしてそれの折り畳まれている柄の部分を起こし、真っ直ぐ伸ばす事で1本の小太刀へと変形させる。

 これにより、右手に本体である大刀、左手に変形させた小太刀を構えた状態となり……ガンガンセイバーで未だに見せていない4つの形態(モード)の残る1つ──二刀流モードとなったのだ。

 

「フッ‼︎」

 

 さらにと言わんばかりに、ダークゴーストが軽く跳躍したかと思えば、彼の身体は浮遊しだした。これは幽霊特有となる浮遊能力で、幽霊を彷彿の1つとしているゴースト系統のライダーであるダークゴーストもまた、その能力を使えるのだ。

 浮遊しながらダークゴーストはゾロアに向かって飛び出し、ガンガンセイバーの大刀の方を横薙ぎに力強く振るう。それに対し、ゾロアはその場でゾロアサモニングデスサイズを振るって難なく受け止めた。

 

「(今だ‼︎)」

 

 その隙をつき、ゾロアサモニングデスサイズの刃に隠すように潜めていた小太刀を突き出すダークゴースト。

 両手は巨大な武器を持つために使っている状態で、ゾロアの攻防手段は限られている。決まった、ダークゴーストはそう確信する……が。

 

『フンッ‼︎』

 

 顔を左に逸らすだけで小太刀の刃を回避し、即座に素早く右に傾け、頭突きするようにその小太刀を持っているダークゴーストの左手首に衝突した。

 

「ガッ……⁉︎ グホッ⁉︎」

 

 予想だにしなかった対抗策による驚きと、左手首に強い衝撃を受けた事による怯みで、思わず小太刀を落としてしまうダークゴースト。その隙をついてか、ゾロアはそんなダークゴーストの腹部に右膝を強く打ちつけた。

 ダークゴーストが仮面の中で濁った息を吐いている中、彼は思わず後退してしまい、そこにゾロアが回し蹴りを決め顔面を蹴られたダークゴーストは、そのまま抵抗も虚しくコンクリートの壁に背中を強く打ちつけてしまった。

 

「おのれ……だったら‼︎」

 

 強く打ちつけられた痛みに耐えながらも、ダークゴーストはゾロアを睨みながら、ドライバーの両側にある……藍色のボタンを両方とも押した。

 

『ンスゥペシャルアタァック、プリパルェェェェェェシュォォォン!!』

 

 オリジンドライバーやレガシーライダーバックルとは、全く異なる発音が再び発生。

 それと同時に、周りにダークゴーストと同じ姿の者が様々なポーズを取っている分身の立体映像、そしてダークゴーストが必殺技らしきものを放ったりそれで決着した時の、様々なシーンの映像がモノクロとして発生。それがダークゴーストの周囲を回っていた。

 そしてダークゴーストはドライバーにある両側のレバーに手を掛け、それを強く押し込んだ。

 

『ンスゥペシャルアタァック、オォケェェェイッ!!』

『ダイカイガン!! ダークライダー!! オメガドライブ!!』

 

 全ての映像がダークゴーストと重なったのと同時に、低い声質の音声が鳴り響く。すると背後へと巨大な不気味な瞳の紋章が、禍々しいオーラを伴って浮かび上がる。

 噴き出す純白のエネルギーの奔流が渦を巻いて収束し、ダークゴーストの右足へと凄まじい勢いで集中した。そして膝を深く折り、重力を振り切るように跳躍。

 さらに空中で身体を鋭く翻し、全エネルギーを纏った右脚をまっすぐ標的へと突き出した。落下速度とエネルギーが限界を超え、音速を置き去りにする程の猛スピードで急降下する必殺の跳び蹴りが、ゾロアに迫ろうとしていた。

 

 しかし、突然の必殺技が発動される中、ゾロアは冷静さを失わず、ゾロアサモニングデスサイズの、刃との接合部となっている透明なパーツの水晶の中央にあるボタンを押した。

 

『プリパレーション・ファイナルアタック・コンプリート!!』

 

 するとゾロアの周りを、自身と同じ出で立ちをしている異形のシルエットとなる、全身や写真の立体映像が、複数に分かれて映し出された。

 そんな中、ゾロアはゾロアサモニングデスサイズのトリガーを弾くように押した。

 

『ファイナルアタック!! タイム・トゥ・ディプロイ!!』

 

 全ての映像が重なり合えば、赤黒い霧のような濁りの深い光が、ゾロアの身体にて弾けた。

 そしてゾロアが無言のままゾロアサモニングデスサイズの柄を握り直すと、全身を包む黒銀の鎧とマントから、脈動するような紅蓮のオーラを爆発的に噴出してきた。赤い複眼もまた、一際強く発光していた。

 

『エンド・オブ・アグリーファイト!!』

 

 ダークゴーストの急降下キックが、ゾロアの眼前数センチに迫ったその瞬間──ゾロアは一切の無駄を削ぎ落とした最短の軌道で、ゾロアデスサイズを振り抜いた。

 

 ガアァンッ‼︎

 

 極限まで力を込められた漆黒の刃が、空気を強烈に切り裂く。その瞬間、刃の通過した一線に現実の空間そのものがズレを起こして生じ、漆黒と漆紅のエネルギーが渦巻く空間の断層がその場に創出された。

 

「な、なんだこれは⁉︎」

 

 ダークゴーストの必殺キック──オメガドライブの持つ絶大な破壊エネルギーと衝撃波の全てが、広がる間もなくゾロアの生み出した空間の亀裂へと一気に吸い込まれていく。周囲の車や壁には一筋の風圧すら届かない。完璧なまでのエネルギーの収束。

 

「しまっ───」

 

 そして、必殺のキックの威力を全て空間の歪みに呑み込まれたダークゴーストは、その威力を失い、空中で無防備な体勢に晒された。

 その隙を突いてか、ゾロアはゾロアサモニングデスサイズの柄を返すと、歪んだ空間を圧縮するように柄の石突で空間の亀裂を叩く。

 

 ゴォンッ‼︎

 

 急激に収束・復元しようとする空間の圧力が、ダークゴーストの全身に直接全て叩き潰した。

 

「うぁああああああッ⁉︎」

 

 絶叫とともに弾き飛ばされたダークゴーストは、衝撃でコンクリートの地面を滑り、そのまま激しく叩きつけられる。

 激しい火花と共に、シンジケートライダーバックルが、中に装填されていたディスクと共に破壊され、光の粒子となってスーツが霧散した。変身を強制解除された、ダークゴーストの変身者だったスペクターが、息も絶え絶えに地面に倒れ伏した。

 

 

 

───WINNER サモナー・ゾロア‼︎───

 

 

 

『殺しはしない。そのまま争奪戦に関わらない人生を送れ』

 

 そう呟いたゾロアは、倒れたスペクターを見下ろす事もなく、静かにゾロアサモニングデスサイズを持つ手を緩めた。空間の亀裂は何事もなかったかのように閉じ、熱気も消え去っていった。

 そこに、ゾロアが召喚したライダー達がゆっくりと近寄り、無言で彼等の撃破を伝えた。彼等がウッキーファイブを放置して戻ってきたという事は、そういう事だ。彼等もまた、ウッキーファイブに勝利したのだ。

 敵がいなくなった以上、このまま同じ場所に留まる必要はない。そう意図するかのように、ゾロアはアギト達のレガシーディスクをゾロアサモニングデスサイズから取り出そうと……

 

 したところで、その手を止めた。寧ろ再びゾロアサモニングデスサイズを握りしめ、アギト達にこの場から一旦下がるようにと、複眼越しの目で訴える。

 そしてライダー達が数歩下がったところで……赤黒いオーラをゾロアサモニングデスサイズの刃に軽く纏わせたゾロアが、それを大きく振り回した。

 周囲にあったコンクリートの柱が4本も切断される中……熱の籠った綺麗な断面図が見えるその柱の1本にて、しゃがみながら隠れている者が見えた。それも、2人だ。

 

『確実に回避できるよう、先程の攻撃は分かりやすいものにしておいた。そこから早く出て来い。出てこないのなら、次は気絶させる一撃を与え、持っているディスクを全て頂くぞ』

 

 ゾロアサモニングデスサイズの先端を向けながら、ゾロアが宣告する。敢えて回避が必ず上手くいくように攻撃を仕掛けたのは、彼なりの温情なのか、それとも……

 

「これで殺す気がないって、マジで言っているのか……?」

「どちらにせよ、闘う気でいる事には変わりないけどな。いくぞ」

『レガシー・ヴァルバラド・ディスク!!』

「それもそうだな……オイこの死神野郎‼︎ 教授のディスク、返してもらうぞ‼︎」

『オリジン・ウィックス・ディスク!!』

 

 その人物──浩司と優一もまた、それぞれが取り出したディスクを起動させ、それを実体化した各々のドライバーへと素早く装填させた。強敵と闘うが故の素早い行動だろうか。

 

「変身‼︎」「変身」

 

『トランス・オーケー!! 仮面ライダーウィックス!! レディ・ゴー!!』

『デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!』

 

『トランス・オーケー!! 仮面ライダーヴァルバラド!! レディ・ゴー!!』

『バースト!! ヴァルバラド!!』

 

 変身シークエンスの完了を知らせる音声が2回も鳴り、ゾロアがゾロアサモニングデスサイズを向けていた柱から、2人の仮面ライダーが飛び出し姿を現した。

 赤い鳳凰を彷彿とさせるこの世界のオリジン(オリジナル)ライダー──仮面ライダーウィックスと、鋼鉄の錬金術師が憎しみと絶望を乗り越え漆黒の炎を物にしたライダー──仮面(レガシー)ライダーヴァルバラドである。

 

『ウィックスガンソード!! パタンッ!!』

『ヴァルバラッシャー!!』

 

 ウィックスがフォールディングモード──銃の形態へと変形させたウィックスガンソードを、ヴァルバラドがヴァルバラッシャーを構え、ゾロアと召喚ライダー達を見据えた。

 

『それがお前達の変身するライダーか。《xsmall》記(・)憶(・)に(・)全(・)く(・)な(・)い(・)ラ(・)イ(・)ダ(・)ー(・)も(・)い(・)る(・)だ(・)と……?』(/xsmall)

 

 ゾロアもまた、自分達へと得物を向けている2人のライダーを、その赤い複眼を持ってして見据える。次の標的を見つけ、新たな戦闘へと赴くように。

 何やらウィックスを見ながら、小声で何かを呟いてはいたが、それはウィックス達の耳に届いてはいなかった。届かせないように呟いている、と言った方が正しくはあるが。

 

「そのディスク……アギトのレガシーディスクは、俺達に仮面ライダーについて教えてくれた恩師のディスクなんだ。私利私欲のために使うってんなら……返してもらうぞ」

「どうやら彼はアギトのディスクに敏感のようだ。だから早めに終わらせるぞ」

 

 蛍光色も混じった赤い複眼の炎を滾らせ、ウィックスはゾロアとアギトを見据える。

 彼はキバとドライブがいる事も、その2人も強敵である事も理解している。だがそれでも、彼はゾロアとアギトを中心に睨んでいた。

 死神であるゾロアの手に落ちたアギトのディスクを、恩師の大切なものとも言えるディスクを悪用されている状況を、どうにか覆したい……そんな静かな闘志が、ウィックスに宿っていたのだ。

 

 そんな中、ゾロアはウィックスのその言葉を聞いた途端、肩を僅かにピクリと震わせた。ウィックスの言葉に何かしらの不服を感じたのか、何やら思い当たる節でもあるのか、そのいずれかによる反応だろう。

 

『私利私欲に使うな、と言っているのか……そういうお前達の方はどうなんだろうな』

「………………?」

 

 ゾロアの呟きに疑問を感じたのか、ウィックスも僅かに身体をピクリと動かした。

 怒り混じりの反応か。単にゾロアの発言の意味に何の意味があるのかを探っているのか。ウィックスが何を思って疑問を感じたのか、本人でもよく分かっていないようだ。

 しかし、ただ1つだけ確信できる事はあったようだ。

 

「(なんか、ガチで悲しそうな感じに喋っていたような……?)」

 

 問いかけ返していたかのように呟いていたゾロアが、嘘偽りなく悲壮感に浸っているように感じた事だ。

 ディスクを奪い取る事は、他の争奪戦の参加者(レガシーライダー)達もやっていた事であるため、アギトのディスクを持っている事はともかく、それ以外で責める権利がない事は、ウィックス本人も理解している。

 それでも、何故悲壮に感じながらもディスクを奪い続けているのか……ウィックスはそれを、無意識にも読み取ろうとしていた。

 

 その隙が、油断へと繋がってしまう事に気づいた時には、もう遅かった。

 

「ぐへっ⁉︎」

 

 ウィックスは既に、ゾロアのゾロアサモニングデスサイズによる斬撃を、胸部装甲で間近に受けてしまったのだ。

 だがすぐに持ち直し、その場でウィックスガンソードから光の弾丸を数発も放つ。ゾロアは刃の側面で全て防いだが、至近距離で放たれたか軽く後退した。

 

「クソッ……闘いの最中、というか闘いが始まったばかりだというのに、心境を読む事に集中して判断を疎かにしちまった……何やってんだ俺はホント」

 

 不用心になってしまった自身の不甲斐なさに、ウィックスは自身を叱るように愚痴を溢した。

 相手の心境を読み、それを有利な戦況へと繋げるためならばまだ良い。だが、只々相手が何を思って呟いたのかを、周囲や相手の動きを読まずに行うのは、相手に隙を晒して『攻撃してください』と言っているようなもの。それが命取りにもなるのだ。

 左手で自身の頬を叩きながら、ウィックスはウィックスガンソードの銃口をゾロアに向け、何発もの光の弾丸を放ちながら駆け上がる。

 

「今度は変に勝手に釣られて、情けない姿は晒さねェ‼︎」

『バサッ!!』

 

 ゾロアが全ての弾丸を、ゾロアサモニングデスサイズを軽く振るいながら次々と弾く中、ウィックスはウィックスガンソードをスプレードモードへと変形させ、そのまま弾丸の対処中のゾロアに向かって振り下ろす。

 このままいけば、ウィックスの斬撃もゾロアに当てる事ができるだろう。だがゾロアは、残る3発の弾丸をゾロアサモニングデスサイズの柄だけで弾き、そのまま巨大な刃でウィックスガンソードを受け止めた。

 一瞬の激しい火花が散る中、ウィックスが右膝を突き出せば、ゾロアもまた右膝を突き出しぶつかり合う。そして互いにもう片方の膝をぶつけ合えば、その衝撃で互いに後退した。

 

「クソッ、やっぱりここまで対処されるのか……って、おっと‼︎」

 

 そこにアギトが割り込み、飛び上がりながらの右ストレートをウィックスに向けて振るう。彼はそれを仰け反りながら回避し、そのままウィックスガンソードを振るってアギトを後退させる。

 アギトが後方へと下がった事で、ウィックスの目の前にて、ゾロアとアギトが並び立った。まるで彼等が互いに味方同士だと言っているかのようで、ウィックスは仮面越しに眉を顰めた。

 

「……やっぱり、教授が悪い事をしている仇敵と並んで立っているのは、どうにも腑に落ちねェな……」

 

 またもや愚痴を呟きながらも、ゾロアとアギトを見据えるウィックス。武器にも含まれている赤い装甲が、燃え盛る炎のように輝きを放つ。

 

「絶対に、教授のディスクは取り返させてもらうぞ‼︎」

 

 仮面ライダーを教えてくれた恩師のため、ウィックスは改めて宣言する。秘めたる闘志を、その心に滾らせながら。

 




はい、スペクター脱落。けど負けたからといって、ピポサルの国であるスペクターランドは健在できます。えっ? 紹介コーナーでスペクターランドの事は書いてないやろ、だって? 『ピポサルの世界』ってあるからそう捉えといて。
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