現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

9 / 29
うん、自分でもなんだこの普通な感じのサブタイトルはって思ってる。けど良い代案が思いつかなくて……


悪の組織の動きとオリライダーの翌日

 

 とある施設の、薄暗い地下室。

 シンジケートのアジトとして使われているその場所では、黒いコートを纏った1人の長身の男性──シンジケートの首魁とも呼ばれている人物が、スカート部分の裾を持ちながら右膝をついている黒いドレスの女性の報告を聞いていた。

 その報告を聞き終えた首魁は、輝かせている赤い瞳を細めながら悪態を呟いた。

 

「我の造った2体のデシア・ゴーレム……その内の1体はレガシーライダーに、もう1体は目当てとなるウィッシュディスクと契約した者に敗北……今回は報酬が皆無となったか」

「申し訳ございません。首魁が造り出したのにもかかわらず、ウィッシュディスクを2つどころか、どちらかすら入手する事ができず……」

「構わん。遅かれ早かれ、意思がある上に実体化する存在への対処は困難であっただろう。気に病む必要などない」

 

 罰の悪そうな表情で謝罪する女性を宥めながら、懐から取り出した青紫色の菱形をした装置を磨く首魁。だがその瞳の奥では予想できない事態への対処について考慮しなかった、自分自身への苛立ちを覚えているかのように揺らいでいた。

 そんな中、コツコツと2人の元へと歩み寄って来る者がいた。

 漆黒を基調とした重厚なダークネイビーと深紅のコントラストが際立つ、威厳と危険性を兼ね備えた貴族服の上に、光沢のある黒絹の内側に鮮やかな血のような深紅の裏地を覗かせているマントを羽織った、黒いメッシュの入った赤髪の男性だった。

 

「ハッハッハァッ‼︎ 確かに、意思の持ったディスクは予想外でしたな‼︎ 我等が首魁‼︎」

「……キュアリスか」

 

 その貴族らしい男性──キュアリスが高らかな笑い声を上げる中、女性は目を疑っているかのように驚きの表情を浮かべていた。

 

「キュ、キュアリス……⁉︎ 何故貴方がここに⁉︎ 私達に何も言わず、突然姿を消したはずなのではなかったのですか⁉︎」

「ありゃ? 置き手紙を置いたはずなのに、誰かが間違えて処分したのか? まぁいいや」

 

 最後の一言で怒りを覚えたのか、女性は拳を握りしめながらスッと立ち上がり、怒りと懐かしさが混じった視線でキュアリスを睨みつけながら、ゆっくりと彼に近づいた。

 そして突然勢いよくキュアリスの胸元へと飛びつきながら、彼の身体を何度も殴り始めた。だがそれはパンチではなくポカポカと叩きつけるような動作であり、寧ろ再会を確かめているかのような優しい感触だった。

 キュアリスは飛びつかれた事によって少しよろめいたが、彼女の顔は怒りのものとは異なっているかのように赤らめており、目には涙が浮かび始めていた。

 

「良くありません‼︎ 貴方がいなくなった事で、組織内は一時混乱状態だったのですよ⁉︎ 貴方の部下達がどれほど慌てていたのか‼︎ 首魁がどれだけ心配したのか‼︎ 私がどれだけ哀しい想いをしたのか……‼︎」

「悪かった、悪かったって……いや怒っているにしては、今のその表現は弱くね? 大きなミスした他の部下にはビンタをしていた時のお前は何処行った?」

 

 謝罪の態度がそれなりに軽くも、キュアリスはその女性の頭を撫でながら内心での謝罪の対応をすれば、女性は軽く頬を膨らませながらキュアリスを上目遣いで睨みつける。だが一瞬だけ微笑んだかと思えば、怒りが収まったのか落ち着きを取り戻し、彼からゆっくりと離れていった。

 それを見て安堵したキュアリスは、首魁の方を向きながら右手を心臓部につけ、彼への謝罪も込めて一礼した。

 

「とりあえず……我等が首魁。報告が不充分のままアジトから去って行ってしまい、誠にすみませんでした。1ヶ月前、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()調()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

()()()()()()()()()()()()()()()だと?」

「はい、こちらになりますぜ」

 

 キュアリスがそう言いながら、疑問に疑い僅かに首を傾げていた首魁にとある物を差し出していた。その数は10数個となっていた。

 それらは全て、オリジンディスクやレガシーディスクと形状は同じながらも、黒い星の模様と共に灰色に縁取られ、中心にある少し小さめの丸いスイッチが黒となっていた。

 そして、オリジンディスクやレガシーディスクに描かれている仮面ライダーや、シンジケートがデシアゴーレムを生み出すために作られたディスクに描かれている怪人のイラストの部分は、全て真っ白となっており何も描かれていなかった。

 

「これは……我がデシアディスクを完成させる前のディスクや、ライダーと契約する前の時のレガシーディスクと似ているな」

「ですがこいつらは、謂わばブランクディスクとも呼べる起動前のディスクとは異なり、そのブランクみたいな見た目でも、レガシーディスクやデシアディスクみたいにエネルギーの探知が可能なようです。現に俺が回収しに向かいに行ったように、こちらのディスク探知装置にも反応していましたもので……」

「ふむ……」

 

 どうやらキュアリスが独自に回収してきたという、イラストの描かれていないウィッシュディスクは、一般的らしい使用不可能なディスクとは異なっている模様。

 外見が使用不可能な状態に見えているだけかつ、ただ未だに使用可能かどうか不明なだけであって、その状態ながら契約成立後・錬成後のディスクと同じく探知可能なエネルギーが宿している謎のウィッシュディスク達。

 もしもそれらが全て、自分の考察通りのシステムとなっているのであれば、大金星を掴めたと言っても過言ではないだろう……

 そう解釈した首魁は、フードの中でニヒルな雰囲気を醸し出すかのように口角を上げ、即座に表情を戻してから口を開いた。

 

「願いを叶えるのに必要なディスクか否かは分からぬ……だが、目覚めていない力が吹き込まれていたり、新たな勢力となるディスクを造る事ができたりする可能性もある。一度あの科学者に相談するとしよう」

 

 そこまで語れば、首魁はキュアリスの頭を撫で、彼を評価した。

 

「良い結果だったぞ、キュアリスよ。このディスク、是非有効活用する事を約束しよう」

「ははーっ‼︎ ありがたき幸せー‼︎」

 

 自身を評価した上司に感銘を受けたのか、キュアリスは歓喜の声を上げながら右膝をつき、改めて敬意を示しているかのような対応を取った。そうする程に、首魁への信頼性が高いというのだろうか。

 しかし、成果(それ)疎忽(これ)とは別だ。

 

「ただし、アジトを出ての遠出に関する報告手段を怠り、組織を混乱させた罰だ。暫しの間、ウィズラブと共に行動。彼女の指示も任務外でもある程度は引き受ける事だ」

「了解………………えっ? 任務外でも?」

「任務外でも」

 

 首魁の指示を聞き入った途端、豆鉄砲を喰らったかのような表情を出したキュアリス。

 ふと背後に視線を向ければ……そこにて先程自分に対して泣きながら怒っていた女性──ウィズラブが、目をハートにし頬を赤らめ、惚悦とした息を吐きながら両手を頬に当て、鋭い視線でキュアリスを見つめていた。

 

「さぁキュアリス……? 今夜は貴方がいなくなった事で寂しくなり、空いていた私の心……私が満足するまで埋めていただきますよ……♡」

「………………………………はい」

 

 この後ウィズラブに何をされるのかを察したのか、キュアリスの瞳は活力を失ったかのようにハイライトがなくなり、何かを諦めたかのような様子を見せていた。

 その日の夜、ウィズラブの喘ぎ声とキュアリスの悲鳴が、アジト中に響き渡ったのだが……それはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

「───であるからして、古代インドは前4世紀のマウリヤ朝を皮切りに、クシャーナ朝、グプタ朝、ヴァルダナ朝が統一王朝として興亡。マウリヤ朝のアショーカ王による仏教保護や、グプタ朝のヒンドゥー教文化の確立など───」

 

 レガシーディスク所持者であるデセオ・ウォーズの参加者との談義を終えた休み明け。

 俺達は今、暗い青色の髪と瞳を持つ、ファイアーエムブレム花鳥風月の女性主人公かつ俺達の担任のベレス先生の、世界史の授業を受けている。

 だがしかし、俺は一応黒板に書かれている内容をノートに写せてはいるものの、いつもよりは授業の内容が頭に入っていない感じだ。

 ウィックスが授業中に語りかけてきているから? その理由は断じて否だ。彼が俺の現状を把握する事のできない馬鹿ではないし、寧ろ自ら公共の場で無闇に喋ったりして注目されたりするのを避けている感じだ。良い子だよこいつ。

 クラスメイトにディスク所持者がいて、いつ襲われてもおかしくないから? その理由も否。彼等も時と場所を弁えているし、何より談義で言われたように、善人から半ば無理矢理奪い取るような真似はしない主義らしい。

 なら何故、俺が授業に集中できていないのか? その理由は、とある考えが、どうしても頭の中で過ってしまっているからだ。

 

 

 ───やっぱり俺も、自分自身が叶えたい願いを持った方がいいのかな……?

 

 

 それに、前々から不思議に思っていたんだ。

 前世は『出世したい』だとか『人気のある絵を描けるようになりたい』とか、そういう願望を叶えられるように頑張ってきた。

 それなのに、転生してからは最近、俺の将来のビジョンが頭の中から全く浮かんできていない感じになっている。生きたいという活力まで削がれる程ではないが。

 これはあくまで憶測だが、それはこの学校に入学したからかもしれない。様々な二次元のキャラがこの世界にいると知った事による喜びが爆発していたから、それが将来への情熱をも持っていってしまったのかもしれない。

 だからこそ……なのかな。『二次元のキャラに会いたい・仲良くなりたい』って想いが願い事として換算され、気付かぬ内に『願い事は叶い終わった』と勝手に解釈してしまったのかもしれない。

 ……我ながら難儀で馬鹿馬鹿しい話だな。

 

「……ん? どうかしたの立向居君。授業に集中したいのにそれが出来ずに、どうしても別の気になる事を考えてしまっている……そんな感じになっているんだけど」

「えっ? そ、そうですか?」

 

 突然ベレス先生に声を掛けられ、俺は思わず呆気に取られたような声を出してしまった。

 しかも俺が今思っている事の一部を見透かされていたため、今の俺の表情は腑抜けたような感じになっている事だろう。

 というか、なんで俺の心境を理解しているんですか貴方。いくら教師だからってそこまで心境を理解できますか? いくら教師でも生徒の事をそこまで把握できる人は限られているかと思いますが……

 

「いや、あの……すみません、そんなに大した事ではない事だと思いますが……黒板に書かれてあるのは全部書けてはいますし……」

「そう……何か困った事があったら、先生や周りの人に相談してよね? 貴方を信じて話を聞いてくれる人はたくさんいるから」

 

 あ、あぁ……それは嬉しいんですけど、デセオ・ウォーズ関連の事を隠しながら相談するのがまだできないので、相談するにもできないんです……その事を話しても信じてもらえるかも怪しいし……

 でも、やっぱり相談してくれそうがいるってのは嬉しいな。力になってくれる人が多い程、心の支えができて余裕が生まれるというか……

 

「はい。すみません、ありがとうございます。とりあえず授業に集中します」

「えぇ。授業も大事だけど、あまり無理しないでよね?」

「はい、本当にありがとうございます」

 

 この後些細な会話でもしてくれたのが良かったのか、思考に余裕が生まれ、この後の授業には集中する事ができた。やっぱり些細な会話も良い事なのだな……

 

 

 

 

 

 

 授業が全て終わり、この後の予定がないとの事で、俺はそのまま帰ろうかなと思っていたところ……俺と同じクラスメイトでカフェで会話に参加していた転生者・優一が俺のところまで来た。

 

「浩司。この後時間あるか?」

「ん? あぁ、今日はバイトとかも休みだぞ? それがどうしかしたか?」

「そうか」

 

 優一がそれだけ呟くと、顎に手を当て一瞬考えているかのような態度を見せてから再び口を開いた。

 

「お前、ライダーになったのは昨日が初めてだろ? なら俺が鍛えてやる。お前がそのライダーの力をある程度引き出せるようにな」

 

 あ、つまり特訓として俺を指導してくれるって事ですか。それは嬉しい事だ。俺もウィックスの力に使い慣れたいからな。

 ウィックスの力に慣れたり強くなりたい……んだけど。

 

「……ダメだったらディスクを奪う……とか考えないのか?」

「お前は俺を何だと思っているんだ……」

「いや、まだ全員を信じていいのかどうか分からなくてな……つい」

 

 疑り深くなるのは良くないとは分かっている。けど、だからといって何もかもをあっさり信じるのも良くない。だからきちんと考えて判断しないといけないんだ。

 仮面ライダーの世界でなくとも、二次元の世界なら尚更だ。だって非常識な要素のある世界で何を信じればいいのかなんて、そんなの分かりづらいわけだし……

 

「ならこうしよう。もしこの特訓で、お前が俺を納得させる事のできる闘いができたのなら……俺が持っているレガシーディスクを1つ、お前にプレゼントしてやる」

「物で釣るな。ってか正気か? もしそのような事態が起きたら、損するのはお前だぞ?」

 

 お前、自分の願いを叶えるためにそれらを集めているんじゃないの? しかも奪う対象を限定しているから、手に入れれただけでも結構貴重かと思うんだが……

 

「構わない。俺が叶えたい願いは、たとえディスクを全て集められなかったとしても、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「………………? すまん、それってどういう……?」

「いや、気にしないでくれ。大した内容じゃないからな」

「そ、そうか……」

 

 うーむ……自分なりに要約すると、優一の願いはそれほどスケールがデカいわけじゃないけど、自分の努力も含めて叶えようとしている……って感じか?

 実際には分からないけど、詳しい事は聞かない方がいいよな。人々が叶えたい願いにもプライバシーってものがあるし。

 

「まぁとにかく、ウィックスの力に慣れるのにもってこいだな。よし、分かった。優一、俺を鍛えてくれ‼︎」

「……言っておくが、俺は忖度無しにお前の闘い方を評価するからな」

 

 あっうん、忖度する気がない事は想定しているから。仮面ライダーが生半可な気持ちでやっていいわけがない事も理解している。だから甘口評価はやめてくれよな?

 

 

 

 

 

 

 そして数分後。俺は優一について行き、とある森の奥地へと辿り着いた。ここには熊のような猛獣はいなさそうだし、静かだし、特訓するにはもってこいの場所なのかもな。

 

『しかし、変身して2回目でデセオ・ウォーズ参加者の先輩と手合わせとはな……この経験、私も為になるように努力せねば‼︎』

「とりあえず、お前の能力について闘いながら教えてくれよ? そうじゃないと俺、アドリブでどうにかしてお前の力に慣れないといけなくなるから」

『うむ‼︎ 正直に言って私の力がどれほどのものなのか、自分でも分からずにいる‼︎ が、覚えている範囲は教えられるように努力する‼︎』

 

 ……いや、大丈夫なのかそれ? すっごく不安なんだが……

 

「準備はいいか? いくぞ」

「あっおう‼︎」

 

 声を掛けられたため、俺は咄嗟に返事した。何はともあれ今成すべき事に集中しないといけないからな。

 そして優一は懐から、レガシーディスクとも言える金色に縁取られたディスクを取り出し、そのボタンを押した。

 

レガシー・ヴァルバラド・ディスク!!

 

 優一が変身するライダーはヴァルバラドか。確か、最初から正義側の怪人っぽい奴が、闇堕ちする前に仮面ライダーとして覚醒した姿……って認識でいいんだっけ? ガッチャードそんなに見た事ないからわっかんね。

 そんな事を考えていたら、優一の腰周りに投影されたレガシーライダーバックルが装着された。

 

セッティング・オーケー!! レガシーライダーバックル、アクティベート!!

 

 レガシーライダーバックルが起動したのと同時に、そこにある凹凸にレガシーディスクを差し込んだ。さすがはデセオ・ウォーズの先駆参加者、ここまでの動作が早いな。

 

ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!

 

 そして優一の周りを、1人の戦士の映像が、複数に分かれて様々なポーズで投影された。そしてそれぞれの背後にはその戦士が映し出されているいくつかの映像が。

 それに合わせるかのように、優一は右腕を払い、両腕を高く掲げた後に正面に手を突き出して三角を作り、静かに宣言する。

 

「変身」

 

 それを合図に、装置の両端となる銀色のレバー状のパーツを力強く押し込んだ。

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーヴァルバラド!! レディ・ゴー!!

バースト!! ヴァルバラド!!

 

 発生する2種類の活気ある音声。それに合わせるかのように、投影された映像全てが優一と重なり合い、光が弾け飛んだ。光が収まるまでの間、優一の身体は黒い炎に包まれ、その中で引き寄せられた装甲を次々と身に纏っていく。

 

 こうして、優一は1人の戦士へと姿を変えた。その姿は、漆黒の炎を装甲にして覆った重戦士のようだった。

 頭部は鋭い角のようなアンテナが左右に突き出し、複眼の輝くマスクが紫炎の揺らめきを宿している。

 その頭部の右半分は炎の渦巻くようなデザインで、左半分はレンチを思わせる機械的な構造が露わになっており、5つの目がエンジンの如く覗いている。

 肩から胸にかけてはタイヤの溝を模したパターンと、銀色の排気管のような装飾が施され、全体に黒と紫のグラデーションが影のように広がっている。

 腕部は力強いシリンダーを連想させる筋肉質のフォルムで、脚部は鬼《オーガ》のような牽引力を秘めた重厚なブーツに包まれ、背中には黒い炎のマントが靡くかの如く、エネルギーの奔流が感じられた。

 

 仮面ライダーヴァルバラド。鋼鉄の錬金術師が憎しみと絶望を乗り越え、自らの力……黒い炎を物にした戦士。

 その(オーガ)の戦士が今、俺の目の前で、漆黒の鋼鉄に紫の炎が宿っているかのようなグラデーションを纏った、ギザギザとした鋸歯の刃が無数に連なっている凶悪な巨大レンチの形態を呈していた武器──ヴァルバラッシャーを構えていた。

 

ヴァルバラッシャー!!

「さぁ、お前も早く変身しろ」

「お、おう‼︎ いくぞウィックス‼︎」

「了解したぞ浩司君‼︎」

 

 ヴァルバラドの姿に感銘を受けてしまっていた俺は、優一に呼びかけられたため慌ててウィックスのオリジンディスクを取り出し、それを起動させた。

 

オリジン・ウィックス・ディスク!!

セッティング・オーケー!! ウィックスオリジンドライバー、アクティベート!!

 

 ディスクが起動したのと同時に、ウィックスオリジンドライバーが投影され、俺の腰に装着される。そこの凹凸部分に起動させたオリジンディスクを差し込み、さらにその機能を発揮させる。

 

ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!

 

 そして俺のところにも、様々なポーズを取っているウィックスの映像・彼が闘っている場面(をイメージしているような感じだと思う)の映像が、俺の周囲を旋回していた。

 そんな中で、俺は俺は掌を真っ直ぐに伸ばした両腕をクロスさせながら……高らかに叫んだ。

 

「変身‼︎」

 

 それを合図に、装置の両端となる赤色のレバー状のパーツを力強く押し込んだ。

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーウィックス!! レディ・ゴー!!

デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!

 

 活気ある音声が、2回連続で発生する。それに合わせるかのように、投影された映像全てが俺の身体と重なり合い、光と何処からか秘められていた炎が弾け飛んだ。

 これにより、俺はウィックスへの2度目の変身を果たした。

 ……やっぱり、今でも俺が仮面ライダーに変身できるだなんて、夢にも思わなかったな、うん……

 いや、今はとにかく特訓に集中だ。とりあえずまずはウィックスガンソードを呼び出そう。話はそれからだ。

 

ウィックスガンソード!! バサッ!!

 

 早速剣の状態──スプレードモードのウィックスガンソードを呼び出し、こちらも構えの態勢を取る。こうやってきちんと向き合っての闘いは初めてだな。なんか緊張するぜ……

 

「それじゃあ……指導の程、よろしく頼む‼︎」

『虎の威を借る狐のつもりでゆくぞ‼︎』

「あぁ、来い」

 

 この言葉を皮切りに、俺達は同時に駆け上がり、互いの武器をぶつけ合い、鍔迫り合いを始めた。

 この特訓を機に、俺はウィックスの力を使い熟してみせる‼︎

 




簡潔なキャラ紹介


首魁
シンジケートを創立させた悪の組織のボス。とある目的でウィッシュディスクを集めたり、自らが造り上げたデシアディスクからデシアゴーレムを生み出したりしている。notパワハラ派

ウィズラブ
シンジケートの幹部。キュアリスとは恋仲。冷徹な分析力でウィッシュディスクを集めているが、キュアリス相手だとかなりデレデレ。名前の由来は『愛を込めて』。

キュアリス
シンジケートの幹部。ウィズラブとは恋仲。少々嫌味を感じさせる俺様系だが、組織内からの信頼度は高い。名前の由来は『好奇心が強い』。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。