完璧な僕の嘘を、嫌われ者の君だけが「正論」で壊した   作:テレサ二号

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こんばんわ、テレサ二号です!
いつも御愛読いただきありがとうございます(*・ω・)*_ _))ペコリ

投稿がしばらく空いてしまって、すみません!
仕事が忙しかった、体調を崩して寝込んだ、筆が乗らなかった、の三点が重なってとても時間がかかってしまいました。

あと、今回も文字数が多い(13000程度)ので『あぁ、いつも通りか』くらいの暖かい気持ちで読んでいただけると助かります笑

では、本編です!!



第十二話:石上優は隣に立ちたい

 

体育祭前日の生徒会室。

 

体育祭の事前準備を終えたかぐやは、生徒会室の整理をすると言っていた耀を労うために生徒会室に向かっていた。

 

しかし西陽に照らされた廊下は暖かみがあるオレンジ色に染まっているが、生徒会室の扉の前だけは、まるで空気そのものが凍りついたような異様な拒絶感を放っていた。

 

「…………っ」

 

扉に手をかけようとしたかぐやの指先が、わずかに震えて止まる。

 

四宮家の帝王学を叩き込まれ、数多の修羅場を潜り抜けてきた彼女の直感が警鐘を鳴らしていた。

 

(……この気配は何かしら?冷たく、鋭く……まるで吹雪の谷底に一人で立たされているような……)

 

かぐやは一度深く息を吸い込み、覚悟を決めて重い扉を押し開けた。

 

室内には、誰もいなかった。

……ソファに座る一人の少年を除いては。

 

「あぁ、四宮先輩。……お疲れ様です」

 

耀がゆっくりと顔を上げる。

 

その瞬間、かぐやは背筋に氷の楔を打ち込まれたような戦慄を覚えた。

 

耀の瞳が『絶対零度』に凍りついていた。

 

感情の欠片も見当たらない。

ただ無機質に、そして触れるものの温もりを奪うような残酷なまでに澄み渡った青い眼差し。

 

彼が机の上に広げていたのは一冊の薄いノート。

そこにはびっしりと、ある少年の過去が綴られている。

 

『生徒会マル秘レポート〜完全版〜』

 

かぐやはそのタイトルを目にした瞬間、喉の奥が乾くのを感じた。

 

「杉原くん。それは……」

 

「四宮先輩。……あなたは、どこまで知っていたんですか?」

 

耀の声は静かだった。

静かすぎて、かえって心臓を直接掴まれるような威圧感があった。

 

彼はノートの1ページを指でなぞる。

そこには石上優が守り抜こうとした真実と、それを踏みにじった者たちの実名が克明に暴かれていた。

 

「ずっとおかしいと思っていたんです。でもやっと辻褄が合いました。笑っちゃいますよ。この学園の大人たちも、生徒たちも……パズルのピース一つ満足に嵌められない無能ばかりだ。石上くんが、これだけの不利益を被ってまで守ったものを誰も見ようとしなかった」

 

耀が顔を上げる。

そして、解けないパズルを渡された子供がその構造を不思議そうに観察するような表情を浮かべた。

 

「ダメじゃないですか、こんなゴミを掃除せず残しているなんて」

 

「…………っ」

 

かぐやは息を呑んだ。

耀の口角が嘲笑うようにわずかに吊り上がる。

 

「四宮の名が穢れる事を恐れたんですか?……消してきましょうか? 荻野コウとかいう社会のゴミを。心配はいりません、僕の脳とコネクションを使えば証拠は残しません」

 

その言葉が落ちた瞬間、生徒会室の空気が物理的な質量を持って重く沈んだ。

 

耀の瞳には、殺意すらも通り越した作業的な無機質さが宿っている。

 

「……っ、やめなさい! 杉原くん!!」

 

かぐやの声が室内に鋭く響いた。

そして、耀の腕を強く縋るように掴んだ。

 

「その手を離しなさい、杉原くん。いいえ……その思考を今すぐ捨てなさい! あなたがそれを実行すれば、あなた自身が修復不可能な怪物になってしまうわ!」

 

かぐやの瞳には、恐怖が宿った。

それは耀が相手を消す手段を持っていることへの恐怖ではない。

 

それを『正しいパズルの解き方』だと信じて疑わない、彼自身の倫理観の欠如そのものに戦慄していた。

 

「……なぜ止めるんですか?ゴミが消えれば、石上くんの尊厳は保たれる。四宮先輩にとっても、悪い話ではないはずだ」

 

耀が腕を掴んだかぐやの手を冷たく見下ろす。

その視線の冷たさに、かぐやは指先が凍りつくような錯覚に陥った。

 

「悪い話です! 冗談でもそんなことを口にしてはダメ! 私は四宮の人間として、数多の汚いやり口を見てきました……。けれど、あなたのそれは『闇』ですらない。ただのあなたの自己満足よ!」

 

かぐやは声を震わせながら、耀の目を真っ直ぐに見据えた。

 

「お願いよ、杉原くん。石上くんを救う方法は、排除だけではないはず。彼が身を削って守ったものを、あなたが汚してどうするの。……あなたが守りたいのはその正しさから来る正義なの?それとも正しさから目を背けてでも守ろうとしている想いなの?」

 

「......四宮先輩の言い分も分かります。しかし...」

 

そこから先の言葉は、白濁した吐息となって消えた。

 

耀は視線を落とし机の上のノートを凝視したまま、石像のように硬直する。

 

「…………っ」

 

不意に、彼の肩が小さく震え始めた。

 

それは、泣いているようにも笑いを堪えているようにも見えた。

だが、彼を正面から見据えるかぐやには分かっていた。

 

それは、脳が導き出した『抹殺』という完璧な解をかぐやが突きつけた『石上の想い』という非合理な重石で無理やり抑え込んでいる……その理性の軋みなのだと。

 

「僕は許せない、正しい行いをするものが不当に扱われ、正しくひょうっ......」

 

耀の脳内で何かがカチッと噛み合う音がした。

 

そして幾許の沈黙が流れ、耀の瞳に温度が戻ってくる。

 

「すみません、冷静をかきました」

 

耀はタブレットを取り出すと何かメモを取り出した。

メモの内容は見えなかったが、完全に静まった耀の殺気にかぐやは胸を撫で下ろす。

 

「何を思いついたんですか?」

 

「秘密です。では、僕はやる事があるのでお先に失礼します」

 

耀は荷物を纏めると生徒会室から出て行こうとする。

 

「明日の体育祭、敵同士ではありますが頑張りましょう」

 

扉を開いてからかぐやに挨拶をして、いつも通りに退室すると生徒会室はかぐや1人だけになった。

 

耀が一人で行動を起こす前に止められて良かったという安堵と、耀の底知れぬ怪物性を目の当たりにして、かぐやは表現し難い気分になっていた。

 

 

 

 

 

体育祭当日、耀は生徒会代表としてミコは風紀委員代表として生徒会代表テントに陣取っていた。

耀は体育祭に視察に来るであろう来賓対応の為、ミコは発生しうるトラブルに迅速に対応するためである。

 

「テント内にいても熱中症になる可能性あるから、水分補給だけはちゃんとしてね?必要に応じて、冷却ジェルシートも使ってね?」

 

「うん、ありがとう」

 

耀はミコにスポーツ飲料を渡して、救急箱を指さした。

 

その瞬間、ミコは昨日話した恋バナを、耀は冥として聞いたミコの言葉を思い出し、お互い視線を逸らす。

 

そんな2人の思考を遮るように耀へと声がかかった。

 

「おや、耀くん! こんなところでサボりかな?今の生徒会は優秀な生徒が集まっているのか、随分と余裕があるようだね」

 

藤原千花の父である大地は片手をヒラヒラと振って陽気に挨拶をする。

 

その笑顔は底抜けに明るいが、背後のSPたちの鋭い視線が彼の存在がただの陽気な父親ではないことを雄弁に物語っている。

 

耀は隣のミコを庇うように半歩前に出ると、完璧な角度で一礼した。

 

「藤原先生、お疲れ様です。本日は公務の合間を縫ってのご視察、恐縮です」

 

「ハッハッハ! 硬いことは言わないでおくれよ。今日は娘の千花を応援しに来た、ただの父親だよ。……しかし耀くん、君の評判はかねがね聞いている。君が中等部の頃から裏で捌いてきた案件の数々……この前なんて、財務省の連中が君の分析資料を見て舌を巻いていたぞ。いやはや、実にいい仕事をする!」

 

大地は耀の肩をポンと叩き、その笑顔のままミコへと視線を向けた。

 

「おや? こちらの可愛いお嬢さんは?」

 

大地の視線が耀からミコに移る。

 

「生徒会、会計監査兼風紀委員の伊井野ミコさんです。こちら、藤原先輩の尊父の藤原大地先生です」

 

「は、初めまして!伊井野ミコと申します!」

 

「君が千花が話していた、新加入の可愛い後輩ちゃんか!」

 

「藤原先輩にはいつもお世話になっております。ご迷惑もたくさんおかけして」

 

「迷惑だなんて! ……ところで耀くん」

 

大地は再び耀に向き直ると周囲に聞こえないよう、少しだけ声を落とした。

笑顔は変わらないがその瞳の奥は真剣そのものだった。

 

「先日、君の御父様に君をうちの事務所で預かりたいと打診してみたんだがね。彼は『耀の将来は、杉原家の戦略上の最重要事項だ』と言って、首を縦に振らなくてね。実に欲張りな男だ」

 

「……っ!」

 

隣で聞いていたミコが、思わず息を呑む。

 

目の前の明るい笑顔の裏で、こんなにも生々しい取引が行われていたのかと、背筋が凍った。

 

「ハッハッハ! だが耀くん、君の実家の家系は少し……理想が高すぎるし、思想が古すぎる。君ほどの才覚があればもっと自由に、それこそ『藤原』の看板を使って好きに暴れてみたくはないか? うちの三姉妹、誰でもいい。君が選ぶなら、私は全力で君を息子として迎え入れよう。うちなら君は、君が望む未来を最短距離で手にできる。どうかな?一度ゆっくり、料亭ででも話をしないか?」

 

大地は陽気な調子を崩さないまま、しかし言葉の端々に、耀を迎え入れたいという明確な意思を滲ませる。

 

耀の頬が、微かに強張る。

 

「お戯れを。藤原家の令嬢との縁談など身に余る名誉ではありますが、今申し上げた通り僕の縁談は父の数少ない切り札の1つなので、厳しいと思われます」

 

「完璧な回答だ。さすがは杉原家の最高傑作と呼ばれるだけの事はある」

 

「勿体なきお言葉です」

 

耀は大地に深々と頭を下げる。

しかしミコは大地が口にした『最高傑作』と言う言葉が引っかかってしまった。

 

「……っつ、失礼です!!」

 

鋭い抗議の声。

ミコが自分より頭一つ分以上大きな大地に向かって、一歩も引かずに食ってかかった。

 

大地は意外そうに目を丸くし、耀は静かに瞬きをした。

 

耀にとって『最高傑作』という言葉は、物心ついた時から自身への評価として受け続けてきた指標の1つだった。

 

優秀であることは義務であり、完璧であることは前提。

その言葉を投げかけられても耀の心には何の波紋も起きない。

褒め言葉としても呪いとしても、もはや新鮮味すら感じないほど彼はその評価を冷徹に受け入れていた。

 

だが、隣に立つ少女にとっては違った。

 

「藤原先生。あなたは先ほど、杉原くんのことを『最高傑作』と仰いました。……冗談じゃありません。彼は、誰かに評価されたり、家の看板のために磨き上げられたりするための『作品』なんかじゃありません!」

 

「おやおや、伊井野さん。私は彼を最大限に褒めたつもりなのだがね?」

 

大地は困ったような笑顔を崩さない。

 

「いいえ! それは彼を誰かの一所有物として見ている言葉です! 私の知っている杉原くんは……自分の利益や、家の戦略なんてことよりも、仲間のために泥を被ることを選べる人です!」

 

ミコの脳裏には会長選の日、嘲笑の矢面に立たされた自分を助けるために、すべてを捨てて壇上に上がった耀の姿が焼き付いていた。

 

「彼は完璧なエリートなんかじゃない。自分の正しさを貫くために不器用なほど自分を追い込んで、一人で責任を背負おうとする……。そんな彼を、私は尊敬しているんです。実家の理想だとか、藤原家の看板だとか、そんなもので彼を縛らないでください! 」

 

耀は自分の隣で肩を震わせるミコを、初めて見るものを見るような目で見つめた。

 

自分ですら『そういうものだ』と流していた言葉。

 

誰もが自分をラベルで判断することを当然だと思っていた。

 

それを彼女は失礼だと怒り、耀を杉原家の作品から一人の人間として引きずり戻した。

 

耀の瞳の奥で無機質だった光が、少しだけ熱を帯びる。

 

「……ありがとう、伊井野さん。もう十分だから」

 

耀はミコの肩をそっと後ろから掴んだ。

震えを止めるように、優しく、丁寧に。

 

大地は数秒間、ミコを値踏みするようにじっと見つめていたがやがて噴き出すように笑った。

 

「ハッハッハ! いやはや、久しぶりに見た耀くんの表情が昔と違ってシステマチックじゃないなと思っていたんだ。そうかそうか、君のような素敵な人が隣にいてくれたか!」

 

大地は満足げに頷くと、踵を返した。

 

「……今日の所は引き下がるとしよう。だが耀くん、君がその『日常』を守りたければやはり力が必要になる。その時はいつでも連絡してくれたまえ。僕で良ければ後ろ盾になるよ。それと……伊井野さんと言ったかな?千花をよろしく頼むね」

 

大地の背中が遠ざかり、SPたちの威圧感が消えると、ミコは膝の力が抜けそうになるのを必死に堪えた。

 

「わ、私ったらなんて失礼な事を...」

 

政治家である藤原大地に啖呵をきった自らの行動を、ミコは心の底から後悔していた。

 

「ありがとう、僕のために」

 

「べっ、別に杉原くんの為じゃないから!...そのっ、私的にも納得できない言葉だったからつい...」

 

ミコはボソッと呟く。

 

耀はミコに人として大切な物を取り返して貰った気がして、また何かお礼をしなければなと思うのであった。

 

 

 

 

 

応援団による応援合戦を終え、石上のもとにミコを除く生徒会役員が集合していた。

 

「石上くん、女装似合いますね!」

 

「でしょう?私がメイクまでしたのだから、可愛く仕上がっていると自信を持っています」

 

藤原とかぐやが石上を弄る。

 

「それなら杉ry....モゴモゴ」

 

「そこまでだ、石上くん」

 

「???」

 

石上の口から滑って出そうな『杉原くんの方が似合いますよ』と言う言葉を耀は事前にせき止めた。

 

「お疲れ様でした!着替えてからあとはゆっくり紅組を応援しましょう!」

 

「僕も生徒会代表用のテントに戻るよ。お互い応援頑張ろ!」

 

「会長はこの後、リレーでしたよね?」

 

「あぁ、足腰には自信があるからな!誰よりも前を走る自信があるぞ!」

 

白銀は目を輝かせながらかぐやに1位宣言をする。

そんな白銀を中心に皆が石上のもとから離れていった。

 

その直後、石上がこの世で最も聞きたくない人物の一人の声がした。

 

「ずいぶん楽しそうにやってるんだね....石上くん」

 

石上の暴力事件の被害者である、大友京子がそこに立っていた。

 

 

 

 

生徒会代表用テントにいた耀が石上を視線に捉える。

先程までの笑顔はどこへやら。

自分を見失っているようにも見えた。

 

「石上くん?」

 

耀は先程から数分しか経っていないにも関わらず、全く別人とまで言えるような石上の表情の変化に戸惑っていた。

 

そこにミコが合流する。

 

「石上は、風野団長のケガで団体対抗リレーのアンカーを務める事になったんだって。だから、ガチガチに緊張してるみたい」

 

いつものように石上を罵倒した発言をするミコであるが、その声は僅かに震えている。

ミコも石上を心の底では心配しているのだと、耀は察した。

 

(だがおかしい...。アンカーは確かに大役ではあるが、日頃から周囲の冷たい視線に慣れている石上くんが、風野先輩の代役を任されたくらいであそこまでなるのは辻褄が合わない)

 

耀は石上の周囲を見渡した。

そして数瞬後にはその原因を視線に捉えた。

 

石上の暴力事件の真相について書かれていたマル秘ノートに載っていた大友京子がいた。

そして耀は石上と大友京子の間に何かあったのだと察して、石上に駆け寄ろうとした。

 

(大友京子はずっと被害者意識のままなんだ。君がどれだけ石上くんに救われているかも知らずに...)

 

耀の瞳が少しだけ温度を下げようとした。

その刹那、かぐやの言葉が耀の脳内で再生された。

 

『彼が身を削って守ったものを、あなたが汚してどうするの』

 

耀の足がその場に止まる。

 

石上の不安や汚名を晴らしたい。

そしてその元凶の大部分を占めている張本人が今この場にいる。

しかし、それを晴らす事は石上が半年近くに渡る停学を受け続けていた苦労や、今日までの我慢の日々を踏みにじる事になる。

 

いつもは各企業や政界の無理難題を、持ち前のスーパーコンピュータのような脳みそで解決してきた男が、この場では正しい答えを導き出せずにフリーズしている。

 

自分でも答えは分かっている。

耀がここで動くことは自己満足でしかないと言うことを。

それでもなお、間違いを正したいと思う衝動を理性で抑え込んでいる。

 

「どうかしたの?」

 

隣にいたミコは耀の顔を覗き込む。

そしてミコは驚いた。

 

耀の表情は、いつもの穏やかなものではなかったからだ。

 

彫刻のように整ったその横顔は、今にも砕け散りそうなほど硬くこわばり、その瞳は見たこともないほどの激しさとそれを力ずくで封じ込める絶望的な自制心の間で揺れていた。

 

石上が積み上げてきた沈黙。

その重みが、耀の胸を締め付ける。

 

何も知らない大友京子の無責任なまでの『被害者』という立場が、耀の冷徹な理性と熱い感情をかき乱し、火花を散らさせた。

 

「……っつ、ぐっ……」

 

脳が焼き切れるような葛藤。

 

石上の意思を尊重すべきだという正しさが、耀自身のなかにある『正義』と衝突し、逃げ場のない熱量となって彼の内側を駆け巡る。

 

不意に、耀の口元から赤い筋がこぼれた。

 

「あっ……」

 

ミコが短く悲鳴を上げた。

 

耀は自らの激情を殺すために、下唇を無意識に、けれど容赦なく噛み切っていた。

 

白磁のような肌に鮮烈な一筋の紅が滴り落ちる。

 

鉄の味が口内に広がり激痛が走り抜けるが、耀はその痛みにさえ気づかない様子で大友京子を、そして立ち尽くす石上を凝視している。

 

「……杉原くん、血が……! 唇、切れてるわよ!」

 

ミコが慌てて自分のハンカチを取り出し、耀の口元に押し当てる。

 

その布越しに伝わるミコの体温に耀の衝動が和らぎ、一気に理性がその脳内を制した。

 

正しくあるべきと警報を鳴らす最高傑作を、人間味を持った新たな側面が抑え込んだ。

 

「ごめん、ありがとう伊井野さん。今日は君に救われてばかりだ」

 

耀は椅子に倒れるように座り込んだ。

そして改めて冷静に石上を見た。

 

(石上くん、それは君の1番の問題だ。僕が手出しするべき所では無い。君なら乗り越えてくれると信じてるよ)

 

 

 

 

 

 

放心状態の石上を残し、いよいよリレーがスタートした。

次々と走者がその場から消えていき、刻一刻と石上の出番が近づいていた。

 

「あれ?ハチマキが無い。どこからバトンを受け取ればいいんだ?僕はどこに居たら...」

 

一人孤独な闇の世界を漂うような感覚。

 

そんな闇を一筋の光が切り裂いた。

 

「石上!アンカーがハチマキしてなきゃ、締まらんだろう」

 

後ろから白銀が石上に自身のハチマキを巻く。

その布越しの熱量が石上を暗闇から引きづり出した。

 

「行ってこい、周りの視線など気にするな」

 

白銀は石上の背中を押す。

 

「汗でしっとりしてて気持ち悪いんですけど」

 

「うるせぇなっ!」

 

石上は想いの籠ったハチマキを受け取り、照れて少しだけ意地の悪い言葉を返した。

 

この白銀との短いやり取りで、石上は自分を取り戻していく。

 

そして、石上がアンカーのポジションに入る。

 

「風野くんじゃないの?」

「最悪、風野くんが走るところ見るの楽しみにしてたのに」

「アンカー石上とかマジ下がる」

 

周囲の声が石上の耳に届く、そしてそこに更なる追い討ちが来た。

 

「顔からコケちゃえ!クソ石上!」

 

そこには再び大友京子が立っていた。

 

「アンタが変なことしたから私フラれたんだからね。...私、結構根に持つタイプなんだから。全部アンタのせいだ!」

 

石上の想いはもうそこには無かった。

今この瞬間から、自分の止まっていた時間が動き出すような感覚。

そして石上の口から自然と言葉が出てきた。

 

「うるせぇばーか」

 

「なっ!!」

 

大友京子は驚いた表情を浮かべた。

そしてその直後、反論に転じようとした。

 

「アンタねっ!?」

「頑張れ石上くんっ!!」

 

大友京子の抗議や周囲からの代役が石上であることへのアンチテーゼを、スピーカーからの大声による声援がかき消した。

 

石上がマイクのある放送席側に目を移すと、耀が放送部からマイクを強奪して叫んでいた。

 

それはいつものように穏やかで、冷静沈着な杉原耀の声ではなかった。

 

喉を裂かんばかりの剥き出しの感情。

 

テントでマイクを握りしめる耀の口元からは、先ほど噛み切った傷から再び鮮血が滴っている。

 

「……走れっ! 周りの声なんか聞くなっ! 君の隣にはいつだって僕たちがついてる!」

 

その瞬間耀は我に返り、マイクを丁寧に返してから顔を真っ赤にして自分の椅子に戻って行った。

 

(全く...彼って人は...。ホント、欲しい時に欲しい言葉をくれる。カッコよすぎるんだよ)

 

石上の口元が一瞬だけ緩む。

そしてすぐに気持ちを切り替えた。

 

(悪いけど大友、もう後ろだけ見るのはやめる。僕の後ろには、会長も杉原くんもいないから)

 

石上がバトンを受け取り加速する。

 

(ここで勝って証明してみせる。僕だってここにいていいんだと。2人の隣に立っていいんだと!)

 

みるみる先頭との距離が縮まっていく。

 

「行けぇ!石上くんっ!」

「がんばれ石上」

 

耀のひたむきに応援する姿にミコもあてられて本音が出てきた。

 

「......石上って結構速くない?」

 

周囲の否定的な声が少しずつ減っていく。

 

「抜けぇ!石上くんっ!」

 

耀の声援が届くと同時にゴールテープが切られる。

僅かではあったが石上は1位の走者に追いつけず、2位でのゴールとなった。

 

「くそっ!くそっ!」

 

普段、あまり感情を表向きに出さない石上が珍しく悔しさという感情を剥き出しにする。

 

その石上のもとへ耀とミコが寄ろうとするが、それを白銀と藤原が優しい笑顔で制した。

 

「優ぐんっ!優ぐんっ!おじがったでぇ!優ぐぅん!」

 

同じ応援団であり、3年生である子安つばめが涙を流しながら石上の肩に手を乗せた。

 

「えっ?子安先輩泣いてんですか?」

 

「だって!ゆぅぐんがぐやじぞうにしてるのみだら......わだぢもずっごくぐやじくなっちゃでぇ...」

 

ひたむきな石上の想いや行動が、応援団のメンバーにいい意味で突き刺さり、元々石上が持たれていた誤解を解き放った。

 

これは紛れもなく、今回の体育祭で努力し続けた石上自身が勝ち取った正当な評価である。

 

応援団のメンバーが石上にかける優しい言葉をすぐ近くで聞いていた耀は、自分の事のように嬉しくなったのか、それとも子安つばめに当てられたのか定かでは無いが、人生で初めて感極まってもらい泣きをしてしまった。

 

 

 

耀は自分自身がもらい泣きをしている事に気がつき、恥ずかしさのあまり、咄嗟に顔を隠すようにその場にうずくまった。

 

その一部始終を見ていたミコが耀に声をかけた。

 

「大丈夫?」

 

「み、見ないで欲しい...。今の僕は最高傑作と呼ぶにはかけ離れた所にいるから」

 

「そう?確かにいつもの整った顔立ちでは無いけど、いつもより何倍も男前だと思うけど?」

 

ミコが耀の頭を撫でる。

 

「よく頑張ったね」

 

「......その言葉はかける相手が違うと思うよ?今日、誰より頑張ったのは石上くんだから」

 

「うん、そうね。だけど...」

 

ミコの耀の頭を撫でる手に、更に少しだけ熱が加わる。

 

「今日はずっと、あなたは何かと戦っていたように見えたから」

 

ミコの的を得た発言に、耀の身体が一瞬だけ強ばる。

 

「あなたが何と戦っていたのかは分からない。でもさっきの涙が、その答えなんでしょ?石上の頑張りが報われて、嬉しくなっちゃったんでしょ?応援団のみんなが石上を称えてくれてる、でも頑張ったあなたをあなた自身も褒めないから、こうやって私が褒めてるの」

 

耀の人生で初めてかもしれない。

結果ではなく過程を褒めれたのは。

 

今日は人生で初めての経験ばかりである。

 

しかし今日の耀は、その余韻と頭の上にある心地よい温もりに今はその身を委ねる事にした。

 

 

 

 

 

しばらくすると石上に風野が再び声をかけた。

 

「石上、ちょっといいか?」

 

「団長、どうしたんですか?」

 

「実は俺、最後の選抜リレーのアンカーも任されていたのを忘れててな?おかわり頼めるか?」

 

「えっ?おかわりですか?」

 

「おぉ、そうだ。頼めるか?」

 

「が、頑張ります...」

 

久しぶりの全力疾走の後で、石上の膝が笑っている。

 

そんな石上と風野に耀が声をかけた。

 

「その大役、僕に努めさせてくれませんか?確か、代役は同じ紅組だったら誰でもいいんですやよね?」

 

「杉原くん?」

 

「杉原!?任せていいのか?」

 

「はい、任せてください。きっと紅組に勝利を届けてみせますよ」

 

耀は石上の巻いているハチマキを取り、自分の頭に巻く。

つまりこのハチマキは、白銀から石上に、石上から耀にと、想いが紡がれたハチマキである。

 

「杉原くん、運動は苦手じゃなかったっけ?」

 

「まぁ好みはしないかな。でも大丈夫だから、任せてよ」

 

「今日は玉入れ以外には出ないって言ってたじゃないですか?」

 

「うん、そのつもりだったんだけどね...」

 

耀の瞳に炎が宿る。

 

「出してみたくなったんだよ。本気ってやつ」

 

普段、冷静沈着や明鏡止水といった言葉が良く似合う頭脳派のこの男が、今日だけは情熱的な戦士の顔つきに変わった。

 

『ただ今より、選抜リレーを始めたいと思います。選手の皆さんは集合してください。なお、選抜リレーのアンカーは200mとなっております』

 

「200mか...。長距離走だな...」

 

石上優、なおも不安!!

 

 

 

 

そんな石上の不安を残しながら、最終競技である選抜リレーがスタートする。

今の状況は白組が僅差でリードしており、このリレーの勝者が優勝という大一番を迎えていた。

 

耀は自分の出番を待ちながら、一人で考え事をしている。

 

(今日一日、ずっとどうやったら石上くんの汚名をそそげるか考えていた)

 

耀はチラッと石上に視線を向ける。

そこには応援団の中心で、楽しそうに声出している姿を視線に捉えた。

 

(今の彼の笑顔と周囲の彼を受け入れた姿勢は、彼自身が勝ち取ったものだ。そんな素敵な今日を、負けなんかで終わらせていいはずがない)

 

耀はこういう事態に備えて、念の為、事前に陸上日本代表の選手の動画をチェックしていた。

その動作、筋肉の使い方など既に頭の中にインプットされている。

 

しかし、耀には一点不安があった。

 

それは耀のトレース能力は言わば、意図的に自分の脳によるリミッターを無理矢理外す行為に等しい。

 

先日のかぐやとの弓道の勝負でも、その能力は三投分という短い時間しかもたなかった。

そしてその反動は数日間の激しい全身筋肉痛。

ハッキリ言って見返りが合わない。

 

耀はずっと疑問に思っていた。

なぜ神様はこんな『1か120か』のような極端な能力を自分に与えたのだろうかと。

 

でも今なら分かる気がした。

 

きっとこういう場面で、誰かの想いを叶えるために授かったのだろうと。

 

ただ、今回は200mという耀にとっては長距離走とも言える距離である。

そんな長い時間、自身のリミッターを外したらどんなリターンが待っているか想像もつかなかった。

 

いよいよ、リレーも終盤。

耀の出番が迫ってきたので、耀は所定の位置につく。

耀の前走者は2位の位置につけている。

 

(そういえば、この前石上くんに見せて貰ったアニメの主人公はなんて言ってたっけ?)

 

こんな緊張するような場面でも、耀のメンタルはいつも通り冷静で、全く違うことを考えていた。

 

(そうだ、思い出した!)

 

「投影・開始(トレース・オン)」

 

耀の口元がニヤリと緩む。

バトンを受け取ると、陸上日本代表の選手の動きを99%再現した。

 

「行けぇ!杉原くんっ!!」

 

石上を筆頭に紅組のメンバーの声援が耀へと送られる。

 

耀は自分でも驚くくらいの最高速で、1位の走者を抜き、景色はグングン加速していく。

 

そして150mを過ぎた所で、耀に一気に疲労感が押し寄せて来た。

 

(黙ってろ!今、いい所なんだよっ!!)

 

耀は先程、噛み切った所を再び噛み切った。

 

そして、その痛みとアドレナリンで無理矢理疲労感を黙らせた。

 

そして耀は1位でゴールテープを切る。

その指は1位を意味する、人差し指を天高く掲げての派手なゴールパフォーマンスとなった。

 

その瞬間、紅組の逆転優勝が決まりグラウンドにこの日1番の歓声が爆発した。

 

 

耀はその足で石上のもとへ駆け寄ると、彼に飛びつきそのまま天高く咆哮を上げた。

 

「やった!やったよ!石上くんっ」

 

「見てたよ!ちくしょうっ!カッコイイとこ全部持って行きやがってっ!!」

 

2人はこの瞬間、もっとも堅い信頼と友情で結ばれた気がしていた。

 

しかし、優勝した喜びと役割を全うできた事への安堵からか、耀の体に今まで経験した事のないレベルの疲労感が押し返して来た。

 

「あっ、ごめん石上くん。申し訳ないけど、僕を医務室に...」

 

耀の視界が熱く輝いた光景から、真っ暗な世界へとブラックアウトした。

 

 

 

 

 

耀が目を覚ますと、医務室のベッドの上にいて隣のイスには石上が座っていた。

 

医務室の扉には『生徒会役員以外入室厳禁 四宮かぐや』と書かれた高札(お触れ)が貼られていた。

 

「知らない天井だ...」

 

「そんなボケができるくらいなら、大丈夫そうですね」

 

石上は一瞬だけ冷ややかな視線と言葉を耀に向けてから、笑顔になった。

 

一方の耀は、全身の激しい倦怠感で今はマトモに動けそうな気がしないでいた。

 

「今日まで色々ありがとうございました。会計の仕事も代行して貰っちゃったし」

 

「僕がしたくてしただけだから、お礼を言われる事じゃないよ」

 

「でも、結果的に色々救われたのも事実なので」

 

耀と石上は同時に『ああ言えばこう言う』と言わんばかりに小さく溜息をついて、それがおかしくて同時に笑いあってしまった。

 

「今日の体育祭、どうだった?」

 

「いい事も嫌な事もありましたけど、終わってみたらいい事しか覚えてないです。それに...」

 

自分のために涙を流してくれた、子安つばめの顔が石上の脳裏をよぎる。

 

「それに?何かあったのかい?」

 

耀がニヤニヤしながら石上に回答を催促する。

石上は『なんでもないですよっ!』と誤魔化してから、話を変えた。

 

「ところで、気絶しちゃうくらい運動するデメリットがあるなら、アンカーに立候補なんてしなかったら良かったのに」

 

「まぁ、それはそうかもしれないけどさ。きっと石上くんが僕の立場でも同じことをしたさ」

 

「全く...お人好しと言うかお節介と言うか...」

 

「それは君だけには言われたくないな」

 

「なんでですか?」

 

「さぁ?自分の胸に聞いてみなよ?」

 

そしてまた、耀の体に強烈な睡魔が襲ってきた。

 

「...ごめん、石上くんっ。...ちょっと...起きてる...の...しんど...くなっ...」

 

耀が規則的な寝息を立て始める。

石上は耀が完全に眠るのを待ってから、影に控えているミコに声をかけた。

 

「伊井野、いるんだろ?」

 

一瞬だけ驚いて、ビクッと体を強ばらせたのを整えてから、ミコは石上の前に出てきた。

 

「なによ?」

 

「伊井野さ?ぶっちゃけ、杉原くんの事どう思ってんの?」

 

「ハァ?なんでアンタなんかにそんな事言わないといけないのよっ!」

 

「まぁ、伊井野が杉原くんをどう思ってるとかはどうでもいいんだけどさ?」

 

少しだけ石上の表情が真剣な面持ちとなる。

 

「杉原くんは僕の大事な親友だから、もし伊井野が彼を傷つけるような事をしたら絶対に許さないから」

 

石上からミコへ初めて圧のある言葉を放った。

その言葉の重みに、ミコはいつものように悪態をつく事ができなかった。

 

そして、いつも通りの柔らかい表情に戻してからミコに提案をする。

 

「だから、伊井野は杉原くんをどう思ってるのか、ちゃんと自分が納得のいく答えを出してよ。......さてと、僕は応援団の後片付けが残ってるからそっちに行く。杉原くんの看病は任せていいかい?」

 

「う、うん。大丈夫...」

 

「んじゃ、後よろしく」

 

石上は医務室を後にした。

室内には耀とミコの2人きり、そして室内には耀の小さな寝息だけが規則的に鳴っている。

 

ミコは耀の顔を覗き込んだ。

 

そこにはいつも通り、キメの細かい整った顔立ちがある。

 

初めて見る耀の無防備な姿に、ミコの体温が少しずつ上がっていく。

 

ミコは耀の頭を撫でた。

指先をすり抜ける髪の感触が、驚くほど滑らかで心地いい。

撫でれば撫でるほど、自分の指の腹が吸い付いていくような錯覚に陥る。

まるで上質な絹を愛でている時のような充足感が、ミコの胸をじんわりと満たしていく。

 

この充足感と高まった体温が、ミコから風紀委員という立場の理性をこの瞬間だけ奪い去った。

 

耀はとても疲れていて深い眠りについている。

なので、ミコに頭を撫でられても目を覚ます素振りが全くない。

 

ミコは撫でている手を頭から、頬に移動させる。

頭を撫でていた時よりも、直に耀の温もりを感じて、ミコは鼓動を早めて体温を更に上げた。

 

少しだけ、自身の頬の温度が上がり高揚しているのを感じる。

 

そしてミコは、耀の唇への指を伸ばした。

薄く、整った唇の輪郭を丁寧に1周なぞった。

 

ミコの鼓動がこの日1番の早さに高まる。

 

ミコは自らの理性で行動を制御できず、欲望の赴くまま耀の唇をなぞっていた指を自らの唇に重ねた。

 

彼の熱を自分の体温で上書きしていくような背徳的な悦び。

 

風紀委員として積み上げてきたはずの正論も理性も、このわずか数センチの接触の前では、脆い砂の城でしかなかった。

 

唇に触れる指先の震えは、彼への恐怖かそれとも自分自身の本能への驚きか。

 

外界と遮断された医務室は、今や二人だけの誰にも汚せない聖域と化していた。

 

外界の喧騒も、風紀委員としての誇りもすべては扉の向こう側。

 

『この熱をもっと知りたい』

 

ミコの脳内が欲望に支配されていく。

 

自らの唇に重ねていた指を今度は再び、耀の唇に近づける。

 

自分の唇で温めた指先が耀の唇の端へと吸い寄せられていく。

 

「……っつ」

 

触れるか触れないかの境界線が溶け、指先が彼の唇の柔らかさにほんのわずかだけ沈み込んだ。

 

その瞬間、ミコは熱に浮かされたようにゆっくりと瞼を閉じた。

 

指先から伝わる彼の鼓動が、自分の罪の証のようにいつまでも熱く脈打っていた。

 

 





いかがでしょうか?

今回の話で、耀・石上・ミコの3人が色んな面で変化が起こりました。

これからの進展を楽しみにしてくださるととても嬉しいです( *´꒳`* )

引き続き、お気に入り登録・高評価・感想をお待ちしております!

では、また次回!!
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