もしも孫悟空の娘が伝説の超サイヤ人だったら   作:上司はメロニキがいい

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最近DB小説が一気に増えて続々更新されてて嬉しすぎる

その方々に比べて文才がなさすぎて1秒ごとに自信をなくしたり復活したりしてるんですが、これはこれで需要があると信じて初投稿です


A New Hero. A New Legend.

 

 

 結婚した悟空とチチ。

 一人のかわいい()にも恵まれ、家族3人幸せに暮らしていた。

 

 

 

 そんなある日のこと。悟空とその娘は筋斗雲に乗り空を駆ける。目的地のカプセルコーポレーションに到着すると、そこには何やら慌ただしそうな様子のブルマが待ち構えていた。

 

「あ、2人とも来たわね。

 早速なんだけど、この荷物車に積んでおいてくれる?丁寧にね」

 

 よろしくねー、と建物内に駆け出していくブルマ。悟空はありゃあ、と頭を掻き、ブルマが指差した荷物の山を見た。

 

「こりゃあ随分あるなあ。結構重いし。

 いけそうか?ソラ(・・)

 

「うん、お父さん。2人でやればすぐに片付くよ」

 

「へへ、そうだな!とっととやっちまうかあ」

 

 ソラ、と呼ばれた少女は彼女の母・チチに似たくりくりとした大きな瞳をきゅっと細め、長い黒髪とともに茶色の尻尾(・・)をゆらりと揺らめかす。

 悟空は自分と同じように跳ねた髪をわしゃわしゃと撫で、一つ100キロはゆうに超える荷物たちを運び始めた。

 

 

 

 荷物を重いものから順に3つ重ねて軽々と運び、細いパイプのような部品を尻尾に絡ませて運ぶソラは、疑問に思っていたことを口に出す。

 

「ねえお父さん、今日はブルマさんに呼ばれて、ご飯を食べに来たんだよね?」

 

「おう。そうだけど?」

 

「何かパーティーでもやるの?ブルマさんとそのご両親以外の()をたくさん感じるんだけど……

 クリリンさん、亀仙人さま、ウーロンさん、ヤムチャさん、プーアルさん……」

 

「あ、あーえーっと、なんだろうな?オラも分かんねえや」

 

 あは、あはは、と笑ってごまかす悟空。わたわたと身ぶり手ぶりまでして慌てだした父の様子にきょとりと首を傾げながらも、そうなんだ、とソラは純粋に飲み込むことにした。

 

 

 

 

 

 荷物も運び終わり暇ができ、周りを壊さない程度に軽く組手を始めた2人の元に、先程よりすっきりとした面持ちのブルマが顔を出した。

 この修行バカ親子、と呆れつつ、ブルマは胸を張ってカプセルコーポレーションの横、自宅の入り口を掌で指し示した。 

 

「さあ!ソラちゃん。入ってごらんなさい」

 

「え、私ですか?」

 

 自分を指差し、自分だけの名前を呼んだブルマの意図を掴めず目をぱちくりと瞬かせるソラ。悟空はそんなソラの背中をひひ、と笑いながら軽く押す。ソラはされるがままブルマ宅のドアの前に立つと、自動ドアが開いた。

 刹那、ぱあん、とクラッカーの音が鳴り響き、飛び出した色とりどりの紙がソラの特徴的な髪に引っかかった。

 

「「ソラ!10歳の誕生日おめでとう!!!」」

 

「え……あ、そうだった!ありがとうございます!」

 

「おめえやっぱ忘れてたんか……」

 

 中で待っていた仲間たちが笑顔でソラを出迎えた。

 亀仙人が酒瓶で背中を押し、食事でいっぱいのテーブルにソラを導く。

 

「ほれほれ中に入れ。

 細っちい見た目にそぐわず大喰らいのお主や悟空でも食べきれんほどの食事が用意されとるぞ。酒もあるからの」

 

「未成年に酒飲ませようとせんでくださいよ武天老師様……

 ソラ、久しぶりに見たけどあんまり変わってないな。悟空も急に成長したし、それと同じなのかな」

 

「ヤムチャ、レディは突然オトナになるものなのよ。何もおかしくなんてないわ」

 

 ねーっ、とソラに同意を求めるブルマであったが、ソラはヤムチャの「悟空も急に成長した」という部分についてのことだろうと認識し、「そうかもしれません」と真顔で答えた。自分が求めていた反応と違ったものを返されたブルマは少し凹んだ。

 

 話を聞いていたウーロンは、足元に落ちたクラッカーの紐を拾いながらソラの体躯をしげしげと眺める。

 

「まあこの様子なら、相当な別嬪になるんだろうなあ。そしたらパンツを……」

 

「ウーロン、いくらおめえでも許すもんと許さねぇもんがあるぞ」

 

「じょ、冗談だってば……目が怖いぞ悟空」

 

 あははは、といつものようにどんちゃん騒ぎを始める一行。

 だからお父さんもお母さんもなんだかそわそわしていたのか、と今更ながら腑に落ちたソラは、今日で10歳の誕生日を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 たらふくご飯を食べ、片付けの手伝いを申し出たところ「あんたは主役なんだから」と追い出されたソラは、悟空とともに青く澄んだ空を見上げていた。

 

 そこにクリリンがやってきて、ソラの隣に座る。

 

「ソラ、また強くなったよな。気が前より強くなってる」 

 

「ありがとうございます。お父さんと修行して強くなるの、楽しいんです。お母さんはちょっとイヤな顔するけど……」

 

「ソラはほんとに強くなってるぞ。

 時々怖いくらいに楽しそうなカオするときは、特にヒヤッっとしちまうな……

 それでオラもソラも夢中になっちまってチチに怒られちまうけど、まあ楽しいからいいよな!」

 

「それ、チチさんは怒るだけで済んでるのか……?」

 

 クリリンの懸念を聞いたソラは、それに関しては、とチチと同じ姫カットの横にある左側の前髪を止めている赤いヘアピンと、ハーフアップにした髪を結ぶ赤いリボンを指さす。

 

「勉強もちゃんとやることと、これが壊れたら修行禁止、っていう約束で修行してるんです」

 

「なるほど、頭部にダメージがないようにしてるんだな」

 

「これ考えたのソラなんだぞ!すげーよな」

 

「それでチチさんを説得したってわけか。やっぱ賢いなあお前。

 勉強も好きって言ってたし、学者にでもなればいいんじゃないか?」

 

 髪をわしゃわしゃと撫でる悟空の腕に、嬉しそうにしゅるり、と尻尾を巻き付けるソラ。学者かあ、と少し困ったように首をかしげた。 

 

「お母さんにも言われたことがあるんですけど、まだ分からないんです。

 学者さんもいいけど、ブルマさんみたいな発明にも興味があるし、食べるのも大好きだから農家さんでも良いと思うし……」

 

「あはは、悪かったよ。困らせたかったんじゃないんだ。

 まだ10歳だろ?そんなのじっくり考えればいいさ」

 

「クリリンさん……ありがとうございます」

 

「クリリン、おめえすげーな。父ちゃん向いてるんじゃねーか?

 でもソラはやらねえぞー」

 

「やらなくていいよ……悟空、お前はもうちょっと教育ってもんを考えたらどうなんだ。

 ソラが賢かったからよかったものの、一歩間違えたら不良になってたんじゃねえか?」

 

「そんなことねえって。な?」

 

「お父さんはお父さんってだけで十分だよ」

 

 にひひ、と笑いながらソラを抱きしめる悟空。娘に甘やかされてるな、と薄目で悟空を見るクリリンであった。

 

 

 

 

 ソラはこの日常が大好きだった。

 

 お父さんと、お母さんと、その仲間たち。その完結した世界で、ご飯を食べ、勉強して、修行して、お風呂に入って、眠りにつく。そんな日々が大好きだった。

 こんな日々がいつまでも続いていくことを疑う余地もなかった。

 

 

 しかし、少女は幼かった。その『当たり前』は、些細な歯車の軋みで簡単に崩れ去ることを知らなかった。この平穏が崩れ去る恐怖を、少女は知らなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如、感じたこともないとてつもなく大きな()が猛スピードでこちらに迫ってくるのを3人は察知した。素早く立ち上がり、悟空はソラを背中に回してクリリンも前に出る。

 空から飛来したのは、尻尾を生やした一人の男。

 

「ようやく会えたな、カカロットよ」

 

「……オラそのカカなんとかってのじゃねえ、孫悟空だ」

 

「なに……記憶を失っているのか。そんなことだろうとは思ったがな。

 ならば教えてやろう。きさまはこの星の人間ではない。宇宙一の戦闘民族『サイヤ人』だ。そして俺はお前の兄、ラディッツだ!」 

 

 ラディッツと名乗った男は、サイヤ人とは何か、そして己の仕事について語り始めた。生業である星々の地上げをするにあたり人手不足となり、弟のことを思い出し、こうして迎えに来たという。

 

 

 逃げなければ。

 

 

 ソラは悟った。この人はとても強い。そして父を狙ってきたとすれば、自分には人質以外の価値はない。

 しかし、悠々と喋っているようで男にはまるで隙がなかった。騒ぎを聞きつけたブルマに抱きしめられながらできる限り尻尾を見せないようにする他、ソラにできることはなかった。 

 

「さっきから気になっていたのだが、そのガキはカカロット、お前の娘だな?」

 

「……違う」

 

「ごまかしてもムダだ。尻尾が見えていた。サイヤ人の血を引く証拠だろう」

 

「だから、何だっていうんだ!」

 

「父親のお前の聞き分けが悪いのでな。娘を貸してもらおう」

 

「ソラに手を出そうってんなら、許さねぇぞ!!」

 

 悟空はラディッツに肉薄した。しかしラディッツは目にも留まらぬ速さで移動し悟空の鳩尾に打撃を加える。

 たった一発の攻撃。その攻撃に悟空はのたうち回った。腹を突き破るような衝撃に耐えることができなかった。

 

 

 そんな父親の様子を見て、ソラはぐらりと脳が揺れる感覚がした。近づくラディッツの頬目掛けてパンチを繰り出す。が、腕を捻られ捩じ上げられる。

 

「くうッ……」

 

「おおっと、中々威勢がいいな我が姪よ。

 カカロット、コイツは預かっておく。半日以内に返事をよこせ。色良い返事を期待しているぞ。

 期待した返事でなければ……この星を破壊し、この中々使えそうな娘だけ貰っていくとするか」

 

「ソラ……ソラを、返せ!!」

 

「逆らおうなどとは考えんことだな」

 

 ラディッツは蹴りを入れようとするソラの腹に一撃を食らわせ気絶させ、空へと舞い上がった。

 大人たちは、それを眺めることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 内臓が、いたい。

 喉に迫り上がるような痛みを感じながらソラは目を覚ました。薄暗く狭い場所。何かの中に入れられているようだ。

 

 外から音が聞こえる。そして気配を感じる。ひとつ、ふたつ、みっつ。ひとつは自分をここへ連れてきたサイヤ人を名乗る男の気。もうひとつは分からないが、最後のひとつは大好きな父の気だ。私を助けに来てくれたんだ。

 

 父とピッコロと呼ばれている人の気はどんどん小さくなっていく。力の差がありすぎるのだ。どうやら尻尾の弱点も克服されていた(・・・・・・・)ようで、形勢を逆転する一手(魔貫光殺法)を持っていても当てることができないらしい。どうしよう、このままじゃ、お父さんが、お父さんが、死んでしまう──

 

 涙が出そうになるのを堪えるように拳を握りしめていると、ラディッツの高笑いが聞こえる。

 

「ふははは、無様だなカカロットよ!弱い、あまりにも弱すぎる!

 力が弱く、知略も巡らせず、非情な手段も採ることができない。とんだグズだな」

 

「あっ……ぐっ……ッッ」

 

「どうだ、これで兄の言うことを聞く気になったか」

 

「誰が……お前なんかの……!!」

 

「ふん、ならばお望み通りにしてやる。せめてもの慈悲だ。選ばせてやろう。

 頭を貫かれるか?」

 

 

 やめて。

 

 目尻が熱くなり、ぱたぱたと地面に涙が吸い込まれていく。

 

 

「四肢を捥いでやろうか?」 

 

 

 やめて、やめてよ。

 

 

「このままじわじわと踏みつぶされるか?」

 

「がっ……ぐあああ!!!!」

 

 

 おとうさんが、しんじゃう。そんなの、そんなの。

 

 

「うあああああああああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如として、子供を閉じ込めておいたポッドが緑色の(・・・)光線を噴き出し、粉微塵に爆発した。

 そこに現れたのは。

 

「そ……ソラ……?」

 

 髪や眉は緑色に(・・・)点滅し、目は正気を失って(ハイライト)が消えている。身体中に緑色のオーラ(・・・・・・)を迸らせ、子供とは思えぬ筋肉質になった身体を浮かび上がらせ、垂らした両手に緑色のエネルギー弾(・・・・・・・・・)を構えた狂戦士がそこには立っていた。

 

 ピピピピ……と音を立ててラディッツのスカウターが戦闘力の計測を始める。数字は限度を知らず高まっていき、計測値を超えてエラーの音とともに……スカウターは爆発した。 

 

「な……戦闘力、計測不能だと?!ありえない、そんなはずはない!!」

 

 焦り冷や汗を垂らすラディッツを横目に、ピッコロも言葉を失う。

 

「あれは……あれは本当に、孫悟空の娘なのか?」

 

「ソラ……おめえ……」

 

 狂戦士はおもむろに左手のエネルギー弾を打ち出す。それは空間をも切り裂くような唸り声を上げながらラディッツの頬をかすめ、山へと衝突した。そして、山はエネルギー弾の爆発によって吹き飛び、辺り一面が更地となった。

 

「な……なんだ……あの破壊力は……!!」

 

 小さな気弾ひとつで、この威力。

 ラディッツは狂戦士の姿と感じたこともない威圧感を見て、あるひとつのおとぎ話を思い出す。

 

 

 サイヤ人の中に千年に一度現れるという、『伝説の超サイヤ人(超戦士)』のおとぎ話。

 

 

 いや、そんなバカな。あれは、ただの作り話であって、実在するはずがない。

 しかし、なんだ、このプレッシャーは……!

 

 

 

 

 一方、地球を破壊しかねないパワーに悟空も唖然とするが、すぐに思考を切り替える。ラディッツに不意打ちはできない。パワーでは到底敵わない。弱点もない。そうなればもう、賭けるしかない。

 

 チャンスは、敵が狼狽えている今しかない!

 

 悟空は最後の力を振り絞ってラディッツの背後に回り、両脇に腕を差し込んで取り押さえた。そしてありったけの力を込めて叫ぶ。

 

「ソラ!!聞こえてるか分からねえけど、コイツが一番の敵だ!貫けええええ!!!」

 

「カカロットきさま、正気か?!お前諸共吹っ飛ぶぞ!!」

 

「なに、それでこの地球とソラが助かるなら、それでいいさ……!!」

 

 狂戦士は不気味に口角を上げ、右手を前に差し出し、エネルギー弾をビームに変えて発射した。

 

 

「ぐわあああああああ!!!!!!!」

 

 

 そしてそれは、見事に心臓を貫いた。

 ラディッツとカカロット、兄弟二人の心臓を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どさり、と二人が倒れると、狂戦士はピッコロの方を向いた。

 正気を失っているにも関わらず、目が、合った感覚がした。

 

 

 化け物。

 

 

 この三文字がピッコロの脳裏を横切った。奴は動くもの全てを破壊する戦闘マシーンと化した。それもそのパワーは折り紙付きときた。

 

 ピッコロが死を悟ったその瞬間、狂戦士はパタリと倒れ身体は萎み、彼女の髪は完全な黒を取り戻した。ピッコロは思わず駆け寄り脈を確認するが、とくとくと音を立てていた。

 

 

 一体何が起こったのだ、と困惑するピッコロだが、また背筋が凍る感覚がした。

 

「ぐ、うう」

 

 聞こえないはずの、獣のような唸り声が聞こえたのだ。

 声のもとに視線をやると、ラディッツがピクピクと指を動かし立ち上がろうとしていた。

 なんという生命力だ。

 

 

 しかしそれは悟空も同じだった。く、そ、と絶え絶えの声を漏らしながら、ラディッツを止めようと必死に身体に鞭を打つ。

 ラディッツは吐血しながらもこちらを嘲笑う。

 

「勝った気に、なるなよ……約一年後、同胞がこの地球と先程きさまらが話していたドラゴンボールとやらを求めてやってくるだろう……!」

 

「なぜそう言い切れる?そいつらはドラゴンボールのことなど知らないだろう」

 

「故障したが……俺の付けていたスカウターには通信機能がある。この戦闘はすべて同胞に届いていたのだ!」

 

「な、くそ、ドラゴンボールのことを迂闊に話すんじゃなかった……!」

 

 悟空とピッコロはぐ、と歯を食いしばる。

 

 たったの、一年。たったの一年で、今ようやくくたばった奴より強い者が2人も襲来するというのか。

 

 

 ピッコロは横で呑気にも寝入る少女の姿を見た。完全に正気を失ってはいたが、この年と体躯にしてあれだけの潜在能力を秘めたコイツであれば、なんとかなるかもしれない。

 

 それどころか、あの時のコイツの力は悟空、ピッコロ、ラディッツのパワーを合計しても全く足りないどころか、全く次元の違う力であるように感じた。

 例えるならば、羽虫が3匹で恐竜に挑むような、そんなレベルの違いだ。

 

 

 ピッコロはこの人間の少女に可能性を見出していた。

 コイツを自ら育て言うことを聞かせてしまえば、この地球どころか、宇宙でさえも。

 

 

 

 

 

 そんなピッコロの降って湧いた計画をよそに、悟空は枯れた声で娘の名を呼ぶ。3度ほど名を呼ぶと、それに呼応するかのように彼女はゆっくりと目を開けた。

 

「あれ……?あ、ピッコロ、さん?」

 

「……おいきさま、きさまは何者なんだ」

 

「え?えっと、私は孫悟空の娘の……そ、そうだ、お父さんは!」

 

「孫は……お前の父は……」

 

「ソラ……」

 

「あ、お、お父さん……?!」 

 

 かろうじて息をする父を見つけ、血相を変えて飛び出していくソラ。悟空はそんなソラの様子を見て薄く笑い、まろい頬を撫でる。

 

「ソラ、よくやったぞ……あんなに強かったなんてな……」

 

「え?」

 

「小娘、きさまがこれをやったんだ。父親ごとな」

 

「……え?」

 

 倒れ伏すラディッツと悟空を交互に見やり、状況を理解できずただただ困惑の表情を浮かべるソラ。

 

 しかし嫌な予感はしているのか、額には冷や汗をかき、悟空の腕を弱々しく握る手は小刻みに震えていた。

 

「わたし、が、おとうさんを……?」

 

「ソラ、後悔することはねえ。悪いやつは倒せたし、オラはドラゴンボールで生き返れる。

 ほんの少しの別れさ」

 

「あ……え……」

 

「孫、お前が復活するまでの間、こいつは俺が修行をつけてやる。こいつの力に興味が湧いた。いいな」

 

「ああ……残念だがおめえにしか頼めねえ。頼む、ピッコロ。ソラに力の使い方を教えてやってくれ。

 ソラ、帰って母ちゃんともう一回パーティーするつもりだったのに、できなくてごめんなあ」

 

「おとうさ……」

 

 悟空の腕から、力が抜けた。

 

 

 

 

 荒野は静まり返った。ひゅるひゅると風が舞い、乾いた土の表面を攫っていく。

 

 ソラの両の目から溢れる涙が落ちる音が響いてしまうのではないかというくらい、静かで、昏く、こんなにも広い荒野なのに閉塞感で息が辛い。

 

 ソラは、声も出せずに泣いた。そんな状態の小娘を連れ去ることは、ピッコロにもできなかった。

 

 

 




暴走時イメージは「ハ ザ ー ド は 止 ま ら な い」

本当は某映画で悟空が「かぁ気持ちわりぃ やだおめぇ」と言っていた通称『青ブロリー』の状態で出したかったのですが、緑色にしないと読者目線で分かりにくかったのでこうなりました。技量不足。


ソラ(通常時)のこの時点での戦闘力は200くらいかな?(亀仙人が139、悟空・ピッコロが400程度なのでこれくらい)
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