もしも孫悟空の娘が伝説の超サイヤ人だったら   作:上司はメロニキがいい

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評価・コメント・誤字修整ありがとナス!
特に2話は誤字が酷すぎてオラおどれぇたぞ……(地産地消)

???「俺が化け物……?違う、俺は悪魔だ」



時は満ちた

 

 

 デンデの案内により、最長老のもとに辿り着いたソラとクリリン。

 

 クリリンはドラゴンボールを譲ってもらえた上、潜在能力を引き出してもらい数段パワーアップしたことに歓喜していたが、ソラは潜在能力を引き出すことを恐れていた。

 

「最長老さま。私は……大丈夫です」

 

「なんでだ?お前もやってもらえばいいだろ?」

 

 同じく潜在能力を覚醒させたデンデも首を捻っている。

 ソラは口籠ったが、たどたどしくも言葉を紡ぐ。

 

「私のその『眠っている力』というのは……きっと、悪魔のような力なんです。見境なく周りを壊し、何もかもを失くしてしまうような」

 

「……もしかして、暴走するかも、って思ってるのか?」

 

「ほう。暴走、ですか」

 

 最長老がそれならば、とソラを手招いた。

 

「貴女のことを少し探らせてもらってもいいかな?

 その様子だと、自分のその力についてはよく分かっていない様子。無理に起こしたりはしませんので、力の解明に協力させてください」

 

「本当ですか?それはとても有り難いです。ぜひお願いします」

 

 ソラは緊張を顔に出しつつも喜んだ。この忌まわしい力について何かわかるのであれば僥倖だ。

 

 

 

 

 

 

 

 最長老はクリリンとデンデの力を引き出したときと同じように、ソラの小さな頭に触れた。

 

 最長老に流れ込んできたのは、暴走時の記憶。ソラはそれを思い出すことはできないが、その目に映っていたものは最長老の脳内に鮮明に映し出された。

 

 

 そして、彼女の心の奥深くを探ると、何かが2つ(・・)輝いている。ひとつは金色(・・)の光。もうひとつは緑色(・・)の光。

 

 

 金色の光は今にも目覚めそうなほどにきらきらと輝き、緑色の光は鳴りを潜めてはいるが、見ているだけのはずなのにずしりと重みを感じるかのような圧倒的なエネルギーが充満していた。

 

 金色の光は燃え盛るように熱を発しているが、まだきっかけ(・・・・)が足りないようで表に出ていない。

 緑色の光は奥で静かにしているくせに、ソラの意識の隙を虎視眈々と狙っているかのような殺気と破壊衝動がひしひしと伝わってくる。彼女が言う「悪魔のような力」とはこれを指すのだろう。確かにこれは、劇物だ。

 

 

 というより、この緑色の光のエネルギー量を抑えられているのは奇跡に近い。戦いに身を置き、この破壊衝動を少しでも刺激してしまえば、普通であれば即座に人格は掻き消され目の前のもの全てを破壊するだろう。

 この力を抑え込めているのは、ひとえに彼女の強靭な精神によるものだ。彼女は強い。本当に。

 

 

 最長老は、この力の強大さと幼い少女の心の強さに戦慄した。

 

 

 

 

「……ソラさん、と言ったかな」

 

「はい」

 

「今の貴女には、2つの大きな力が宿っています」

 

「2つ?」

 

 その回答は完全に予想外だったのだろう。ソラは眉をひそめた。

 

「ひとつは、貴女の言う『悪魔の力』。

 もうひとつは、『金色の力』」

 

「金色……?」

 

「ええ。

 この2つは似て非なるもの。金色の力はきっかけさえあれば発動するでしょう。貴女はこの力であれば、きっとうまく使うことができる」

 

「そう、ですか……『悪魔の力』は」

 

「とにかくとてつもなく大きな力の塊、としか言いようがありません。残念ながら、現時点ではなんとも……

 しかし、『金色の力』を扱えるようになれば、『悪魔の力』も上手く使えるようになるかもしれない」

 

「そう……でしょうか」

 

「『悪魔の力』はまるで別の人格のように貴女の心を巣食っている。貴女が心身ともに強くなれば、コントロールできる日がくるかもしれない。

 ただし、一朝一夕ではできません。貴女の言う通り、この力には手を加えないほうが良いでしょう」

 

 最長老はそういいつつも、はっきり言ってこの力は自分でどうこうできるような代物ではない、と確信してしまっていた。

 

 

 同じ力を持つ者(・・・・・・・)同士が引き合えば、あるいは。

 しかし、このような莫大な力を持つ者が、この宇宙に2人といるはずがない。

 

 

 それを言ったところで、彼女の不安を煽るだけだ。彼女の精神力で抑え込んでいる現状では、彼女を不安にさせるのはとんでもない悪手である。

 

 

 

 

 

 ソラは納得がいったような、いっていないような複雑そうな顔をした。クリリンがそんな彼女の肩をポンポンと叩く。

 

「ま、なるようになるさ。ひとまず『悪魔の力』のことは忘れて、その『金色の力』?ってやつに期待しとこうぜ」

 

「クリリンさん……ありがとうございます。

 そうですね、ドラゴンボールも回収できたし、お父さんと合流しましょう。

 最長老さま、ありがとうございました。ドラゴンボールは必ず守ります」

 

「……いいえ、お役に立てず申し訳ない。

 それと、貴女は今でも十分に強い。あまり無理をしないようになさい」

 

「ありがとうございます。でも、守りたいものを守るためなら、なんだってやります」

 

 少女はにこりと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クリリン!!!」

 

「悟空!ソラ!!」

 

 フリーザが、にやりと嘲笑った。

 爆発のあと、飛び散った欠片のあとに、クリリンはいなかった。

 

 

 

 クリリンは、死んでしまった。

 クリリンは二度死んだ。もう二度と生き返ることはできない。

 

 激情が、渦巻く。

 やさしいひとから死んでいく、そんな虚しい世界なら、わたしは。

 

 

 緑色の光が、ソラの心を侵食していく。怒るのならば、悲しいのならば。全てを無に帰すと。

 

 

 クリリンとの思い出が蘇る。

 

 やさしいひと。誰にでも平等に接してくれるひと。

 私のような化け物じみた力を抱えた人間を、一人の女の子として扱ってくれる、やさしいひと。

 

 そんなやさしいひとは、私が激情のまま相手を破壊することで、喜んでくれるのだろうか……?

 

 隣にいるお父さんは?私が殺したも同然なのに、生き返って会うなり頭を撫でてくれたピッコロさんは?怖がりながらもここに残ってくれているブルマさんは?どうなる?

 

 

 

 

 ────静かであれ。激しい怒りを持ちながらでもいい、穏やかな心を決して忘れるな。

 

 

 

 

 

 ソラと悟空の気が急激に跳ね上がり、身体中から湯気のように立ち昇った。髪は金色(・・)に変わり、目は青色に。

 

 

 親子は、金色の力……『超サイヤ人』の力を、手にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前たち……その姿は」

 

 フリーザの攻撃を受け痛手を負ったピッコロが呟く。悟空とソラからとてつもない大きさの気を感じる。

 

「これはベジータが言ってた……超サイヤ人ってやつだな」

 

「ピッコロさん……私とお父さんで、フリーザを倒します。ピッコロさんはブルマさんと一緒に、この星から脱出してください」

 

「だが、お前たちはどうする気だ?」

 

「……宇宙船なら、フリーザたちのものがあると思います。私たちはどうにでもなりますから。

 今度は、ピッコロさんを私に守らせて。どうかブルマさんと地球のドラゴンボールを、お願いします」

 

 ソラは迸る気には似合わないくらいの穏やかな笑みを浮かべた。

 ピッコロはしばしソラを見つめたあと、ふ、と力を抜いた。

 

「この俺が敵前逃亡など……と言いたいところだが、ここはソラの顔を立ててやる。孫、しくじるなよ」

 

「ああ、必ず」

 

 ピッコロが飛び立っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 ピッコロとブルマを逃がすため、フリーザを泳がせる2人。

 フリーザはそもそも2対1な上、攻撃は避けられる、当てたと思えば弾かれる、受けたと思えば平然としている……と人生最悪の状況に置かれていた。

 

 

 2人が攻撃をいなしていると、突然空が暗くなった。

 この雰囲気は……神龍(ポルンガ)だ。きっと地球のドラゴンボールでナメック星の神龍が蘇り、3つのうち最後の願いを叶えようとしているんだ。

 界王の声が、悟空とソラにも響いてくる。そして2人は地球への移動を断り、ここで決着をつけると宣言する。2人の圧倒的な力を見た界王はそれを了承し、ベジータを含めたナメック星に居る者たちは地球へと転移した。

 

 

 攻撃をしても刃が立たず孤立無援状態のフリーザは、成人男性である悟空に翻弄されていることすら我慢ならないというのに、女のチビガキ(ソラ)にも温度を感じない目で見られる始末。宇宙の帝王は頭の神経という神経がブチギレそうになっていた。

 

「ぐぬぬぬ……ソラとか言ったか!きさま何なんだ!雌猿の分際で!」

「……ただの猿かどうかは、あなたが今一番分かってるんじゃないの?」

「ぐぐぐぐ、おのれぇぇ!!もう出し惜しみはナシだ!

 100パーセントのフルパワーで叩きのめしてくれる!!」

 

 ソラと悟空は正直、興醒めしていた。この場に自分ひとりならともかく、己と同等の力を持った者が2人いるのだ。どう足掻いてもフリーザに勝ち目はないだろう。

 

 

 そんな中、フリーザにとっての転機が訪れる。

 

 

 

 

「「?!」」

 

 

 

 

 突如として猛スピードで近づいてくる、大きな気。

 

 

 

「フン!見苦しい姿になりやがって。フリーザ、お前は我らコルド一族の恥だな」

 

 

 フリーザによく似た体躯。しかしフリーザより背が高く、筋肉質で目つきも険しい。

 

 

「く、クウラ(・・・)兄さん……?!」

「兄さんだと……?」

 

 さすがの悟空とソラも呆気にとられた。

 クウラ、と呼ばれた男はフンと鼻を鳴らす。

 

「最早きさまを弟とは認めんわ。

 だが……なるほど、これは確かに興味深い。下等生物にも可能性というものはあるものだな」

 

 クウラは悟空たちより高い位置から見下し、じろじろと品定めするかのように悟空とソラの強大なパワーを発する姿を眺めた。

 

「だが、サイヤ人の星である惑星ベジータではこのような姿は一人も発見できなかった……

 となれば、『地球』とかいうド田舎の星に原因があるのか。ふむ、お前たちを殺したあと、その星を探るのも良いな」

 

「探る?」

 

「ああ。作り替えてしまうのさ、俺の星としてな。そうすれば探索も容易かろう」

 

「貴方たちは……なぜそんな考え方しかできないの?

 そんなこと、させるはずないでしょう!」

 

「吠えるな、下等生物が」

 

 クウラは全身に力を込めはじめる。

 細い身体は膨張し、角が生え、マスク状の装甲が口元を覆う。

 

「まずはきさまらを片付けてからだ。

 さあ始めようか、圧倒的な蹂躙を!」

 

 

 

 

 

 ソラは突如襲来した新たな敵を見据える。確かに強い。きっと今のフリーザよりも強いだろう。そして傷1つない万全の状態だ。勝率は、低いかもしれない。

 

「お父さん、お父さんはフリーザの方をお願い」

「いやダメだ。オラがあっちをやる」

「ううん。私がやる。

 お父さんはクリリンさんの仇を討って」

 

 そう言われては、悟空は何も言い返せない。

 

 きっとフリーザとの決着の方が早く着くだろう。そうすればお父さんを逃がして、『悪魔の力』を解放してでも勝てばいい。幸いここと地球は離れている。私が暴走しても被害は及ばないだろう。

 

 

 差し違えてでも、勝つ。

 

 

 クウラに向けて構えたソラの手を、悟空の大きな手が握った。

 

「ソラ、変なこと考えるなよ。必ず一緒に(・・・)、地球に帰るんだ。母ちゃんも、ピッコロも、待ってるんだぞ」

「…………!」

 

 悟空がにっ、と悪戯っぽく笑った。

 ソラはそれに笑って頷くと、クウラから目を離さずに宙を舞い、悟空から引き離す。

 

「一対一をご所望か、小娘が。いいだろう、叩き潰してくれるわ」

 

 クウラとの1vs1の戦いが、幕を開ける。

 

 




クウラ乱入の元ネタはゼノバース2より。あのゲーム、オリ主入り二次創作大好き民にとって最高のゲームや。最近超ブロリーとのギャルゲー()も追加されたらしい。
旧ブロリーとのギャルゲーも追加してくれないかな。


アニメならこの親子2人の変身のときに「運命の日 〜魂VS魂〜」流れてます。おお救世主。


今回のソラの思考回路は、

「強くて優しい奴だって大勢いた。
 みんなこの世界を守ろうとして必死だった!」

「……そんな奴から先に死んでいった!」

のオマージュ?です。駆紋戒斗は本当に良いキャラクターだと思います。
 
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