IS<インフィニット・ストラトス> ~明日への翼~ 作:ラプラス0912
昭人『腹減った…。』
説明しよう。
この俺、“水嶋昭人”は空腹に犯されていた。
理由としては、IS(インフィニット・ストラトス)という女性にのみ扱えるパワードスーツを開発した人物である“篠ノ之束”という人物を見つけ出し、暗殺しろという命令が下ったからである。
ちなみに、俺はとある暗殺部隊に所属している。
誕生日?9月12日です。
歳?13歳ですよ。
本当なら今頃普通に中学校生活を楽しんでいたはずなのにさ。2年前に上官にあたる人から『ディンときた!!』とか言われて無理やり拉致されたのだ。
それからというもの、俺は訓練に明け暮れる日々を送っていた。
なんでか?決まっている。弱い奴は死ぬ。強い奴は生きるんだ。訓練途中、上官が言った。
『水嶋、こいつを殺せ。』
そいつは俺の寮のルームメイトだった。正直殺したくなんてなかったが、俺を囲うように上官たちが拳銃を構えていたため、撃つしかなかった。
そんな日々が続くに連れて、俺には変化が現れた。
感情が閉ざされたのだ。人を殺すことも、仲間を殺すことも躊躇なく行ってしまうようになった。
それから2年という短くも長い月日が経った。
最初は数えるのに一苦労だった仲間の人数が激減し、5人だけとなった。
俺たちはチームではなく個人での任務が与えられた。次々と任務を与えられる仲間たち。
そして俺に与えられた任務が今回の篠ノ之束暗殺任務だったってわけ。
昭人『はぁ、もうかれこれ二週間は飲まず食わずか…。』
篠ノ之束がいるとされている研究所を発見し見張ってはみたものの、出てこない。
普通少しくらい外出するだろ!!
こちとら2週間前からずっとスタンバッてるんだよ!!
出てくる気がないならその気になるまで飯くらい出せよ!!
昭人『乗り込もう。』
我慢の限界now。
俺乗り込みます、はい。
俺はアサルトライフルを背中に、拳銃を手に持ち研究所に向かう。
そして入口にやってきました。
昭人『鍵は…。』
ガチャっ
無防備すぎるんじゃないか馬鹿まるだし博士!?
鍵かけないとか何!?美味しいお茶でも用意してますってか!?
しかも今は夜ですよ!?
気を取り直して研究所に潜入した俺。
足音を立てないように慎重に奥へと続く廊下を進んでいく。
昭人『ん?』
俺は何かに気がつき歩みを止める。
シャーー…
昭人『シャワーか?』
鍵開けっ放しの上、シャワーかよ!?
何?誘っているのか?しかし、男に誘われてもいい気にはならん!!
俺は音のする方へ行く。
やはりシャワールームのようだ。
俺はバレないようにシャワーを浴びる人物の後ろまで近づき、カーテンを勢いよく開けた。
昭人『手を挙げろ!!』
???『へっ!?』
Oh freeze…
昭人『お前、女か?』
???『は、はい!!束さんはバリバリの女の子であります!!』
少々間が空いたが気にするな。
てか、目の前のナイスバディを見て男だと思うやつは一回死ね。
てか、いま名前言ったよね?自分で束って言ったよね?
てか、なんで敬礼してるんですか篠ノ之束!!
てか、色々隠しきれてないよ!!危ないよ!!
昭人『あんたが篠ノ之束だな?』
束『そうだよ。私が超天才の束さん。』
昭人『その、なんだ…これ着とけ。』
俺は着ていたジャケットを脱ぎ、束にかけてやった。
なんて優しいんだ!!
束は自分の置かれている状況が理解できていないのか、笑顔で俺のジャケットを羽織っていた。
束『そういえば君は誰かな?』
昭人『俺は水嶋昭人。一応アンタを殺しに来た。』
束『そっかー。“あっくん”は私を殺しに来たんだね。だが断る!!』
束は全力で頬を膨らまし、腕をばってんにしている。
しかも何だ“あっくん”って…
昭人『俺も、まさか篠ノ之束が女だとは知らなかったからな。命拾いしたな。』
束『ん?あっくんは女の子は殺さないの?』
昭人『殺さないんじゃなくて殺せないんだよ…ん?』
俺は女性を殺すことができない。とある事がきっかけでな。
そんなことを考えていると、何やら違和感を感じた。
束『どうしたの?あっくん。』
昭人『しっ!少し静かに…。』
そう言うと束は真剣な顔になって黙った。
どうやら多少はTPOを考えられるらしいな。
それより、この違和感は一体…
俺は目を閉じ気配を探った。
俺は昔から察知能力が異常に優れていた。
精神を集中させ、ある程度の距離内の動いている生物や物体を粗方認識できるというもの。
昭人『数にして20…それぞれが武装しているな。詳しくは分からないが、一言だけ言えるのは……危険だ。』
束『冷静な顔で言うと危機感倍増だね。』
あの束が苦笑い!?
今までの束を知らないから、あの束がどんな束かも知らないけどな!
昭人『まだ攻撃してくるような姿勢は感じないから、今のうちに逃げるぞ。』
俺は束の手を引いて小走りで行動を開始した。
昭人『とにかくアンタは着替えてこい。』
束『了解であります!!』
そう言って一瞬で消えた束。
…絶対楽しんでるよこの人!!
怖いよ、将来この人みたいには絶対なりたくないよランキング1位だな!!
束『完了~。』
昭人『早っ!!』
思わず口に出す俺。
今何秒だった!?
世界新記録じゃないか!?
しかも格好にも問題ありだ。着ぐるみだよアルパカの!!
昭人『脱出経路は?』
束『脱出?そんな機能この機体には付いてn…。』
昭人『…。』
束『あっくん反応してよ!!』
昭人『やかましい!!ふざけてる場合か!?』
マジでふざける余裕ないからね!!
しかもなにパロってんの!?
Gダムネタだよそれ!!
束『えへへ、すみませんでした。』
昭人『それで?脱出経路は?』
束『こっちだよ、付いてきなさい!!』
束はスキップで案内を始めた。
生きて帰れるのかな?
束『これなのだよ!!』
昭人『なんだ?』
束が胸を張って何かを指差すとそこがライトで照らされた。
現れたのは…ロボット?
無駄な装飾はなく、真っ黒な機体である。
昭人『ロボットか?』
束『惜しいけど違うよ。これこそIS(インフィニット・ストラトス)だよ!!』
昭人『これが…。』
俺はその機体に近づき、触れた。
すると俺を包むように光が放たれた。
束『な、なに!?』
光はたちまち強さを増し、俺を完全に飲み込んだ。
“我が名は影縫(かげぬい)”
影?
どうりで真っ黒なわけだな。
“汝、我を扱う器となりて共に戦う意志はあるか?”
意志とか関係なく、ここもうすぐ襲撃されそうなんだよね。
お前を置いていったらこの建物ごと破壊されかねないから連れて行くよ。
質問の答えは後でするからさ、今は脱出に協力してくれないか?
“…よかろう。”
次第に光は治まった。
完全にバレたよね今ので。
気配近づいてるし…
束『あっくん…?』
束は驚いている。
無理もないよな。女性にしか扱えない代物を男性の俺が身にまとってるんだもん。
昭人『話は後だ。逃げるz…っ!!』
俺は敵から攻撃が放たれたのに気がつき、咄嗟に束をかばうように伏せる。
それとほぼ同時にミサイルらしきものが研究所を襲った。
次から次へと襲撃を受ける中、俺はISの最適化と初期化を行っていた。
無事に一次移行(ファーストシフト)を済ませ束に目を向けると、束は震えていた。
昭人『お前…。』
束『えへへ…。怖いよあっくん…。』
その時、俺の中で何かが弾けた。
そして思った、この人は死なせてはいけないんだと。
俺は束をそっと抱き寄せる。
昭人『大丈夫だ。』
束『あっくん…。』
昭人『お前は俺が守る。』
束『あっ…///』
なんか恥ずかしいな俺。
まあいいか。俺は束を抱いたままミサイルによって空けられた穴を通って上空に飛翔する。
『目標発見!!』
『何だあれは!?』
『ISだと!?』
『直ちに迎撃しろ!!』
敵集団から驚きの声が聞こえる。
その中の数人が俺たちにミサイルを放つ。
昭人『ロックオン…。』
瞬時に影縫がミサイルと敵集団が持つ武装をすべて補足する。
昭人『狙い撃つ!!』
途端、影縫から無数のビームが放たれた。
全てを破壊し、残ったのは戦意喪失寸前の無防備な敵集団だけ。
束は驚きを隠せずにいた。
ISを起動させてから間もない俺が武器制御を正確に行ったからだ。
俺は束を抱えてその場をあとにした。
そこは先ほどの研究所から数百キロ離れた山奥。
束曰く第54研究所らしい。
何回引越ししてんだよ!!
束『今回はありがとね。あっくんのおかげで助かったよ!!』
昭人『そりゃどうも。』
束『それでですね、あっくんさえよければ…これからも束さんと一緒に居てくれて構わないんだよ?』
なんだか頬が赤いよ束さん!!
俺は少し考える。
今回の任務は恐らく失敗になるのだろう。
そして帰還したらこっぴどく叱られるんだろうな。それはいいとして、束はこの先どうする?
生存が確認されている今、一人でいるのは危険すぎる。
そして言ってしまった。
“お前は俺が守る”と。
そして襲撃された時の束の震える姿を見てしまった。あんな姿を見せられてしまっては退くにも退けない。
昭人『アンタと居ると退屈はしないだろうな。それにIS動かしたんだ。暗部に帰って何されるか、想像しただけで自殺志願しそうだ。』
束『それじゃぁ…。』
昭人『あぁ。これから世話になる。』
束『やったー!!あっくんと同棲だぁ!!』
本当に子供だな。いくつだよまったく。
俺はため息と一緒に自分の口元が緩むのを感じた。
つくづく女に甘いな…俺は。
こうして束との生活がスタートした。
基本的に束の研究の手伝いと家事全般を俺が行った。
そして毎日自分の相棒のメンテナンスなども欠かさず行った。
なんだかんだで楽しい日々が続き、2年が経った。
水嶋昭人(みずしまあきと)
15歳
昭人『なんだここは…。』
IS学園前にて、絶賛驚愕中!!
さて、ほんの出来心から始まりましたIS二次創作。
駄文で申し訳ないのですが、何卒よろしくお願いします!!
次回、第1話~男は辛いよ、いやマジで~
お楽しみに!!
あ、ちなみに次回からのナレーションは作者さんにお願いしています!