IS<インフィニット・ストラトス> ~明日への翼~ 作:ラプラス0912
暇があったらよろしくです。
第1話~男は辛いよ、いやマジで~
アラスカ条約に基づいて日本に設置された、IS操縦者育成用の特殊国立高等学校。操縦者に限らず専門のメカニックなど、ISに関連する人材はほぼこの学園で育成される。また、学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約があり、それ故に他国のISとの比較や新技術の試験にも適しており、そういう面では重宝されている。ただしこの規約は半ば有名無実化しており、全く干渉されない訳ではないというのが実情である。
敷地内にはIS訓練用のアリーナの他、2人1部屋の学生寮や食堂、大浴場も設けられている。
IS学園の制服は個人でのカスタムが自由となっている。学年毎に胸元のリボンの色が違い、1年は青、2年は黄、3年は赤となっている。一方、水着と体操着は学園から指定されているものがあり、紺色の旧型スクール水着とブルマーが指定されている。
専用機を所持しているのは1年生7人、2年生では2人、3年生では1人のみ。
ざっとこんな感じのIS学園、その校門の前で一人の青年が立っていた。
昭人『なんだここは…。』
彼の名前は”水嶋昭人”。
ISを動かすことのできる第二の男子。しかし、声明を出していないため世間は彼を知らない。故に彼は周りから違う意味で大注目を浴びていた。
昭人は目の前の光景に目を疑っている。それもそのはず、ただでさえ敷地の広い学園に驚いているのというのに、辺りをいくら見渡しても女子しか歩いていないのだから…。
一部の生徒からは何やら冷たい視線を向けられている。俺なら今すぐ回れ右で帰宅しているのだが、そんなことしたら終わってしまう。故に昭人は進みます。いや進ませます!
昭人『なんなんだ一体…少子化対策でもしているのか?』
問題発言は慎みましょう!
どこの某エロゲ!?
許可証持ってますってか!?
昭人『まあいい…えっと、俺は1組か。』
自分のクラスを確認する昭人。未だ女子からの視線はやまず、昭人はため息混じりに欠伸をしながら1年1組の教室へ向かっていくのだった。
昭人『どういうことだ…?』
今期二度目の驚愕time!!
女子女子女子女子女子女子女子女子男子女子女子女子女子女子…女子女子俺…
お花畑に迷い込んだ子猫ちゃんの気持ちになれるよホント。
席に着いたのはいいが、周りからの視線に昭人は動揺していた。
もう一人の男子に関してはどうしていいか分からずにオロオロしている。
昭人『確か…織斑一夏だったか?』
そう、彼こそ世間の注目の的、ISを動かすことのできる男子“織斑一夏”である。
昭人も動かせるが、束曰く…
束『えぇ~~~バラすの~!?そんなの束さん的にはつまらないのです!!』
だそうだ。
まぁ、この話はひとまず置いておこう。肝心なのは次である。
昭人『織斑一夏及び彼に繋がる人々の監視と護衛か。束も面倒なことを押し付けてくれたものだ。』
昭人はそう言って今期最大のため息を吐いた。
考えても見てください。会ったこともない人を護衛だよ?見返りもなにもないんだよ?引き受けるだけ無駄でしょ?どんなお人好しだよまったく…
まぁ、そんなお人好しが昭人君なんですがね。
昭人は机に突っ伏し、HRが始まるのを待つことにした。
???『…ん。み…くん。』
昭人『ん…。』
声がする…。女性の声だ。
恐らく誰かを呼んでいるのだろう。何回も同じ名前を呼び続けている。
昭人は、まさか自分が呼ばれているなんて思いもせずに欠伸をしながら上体を起こした。
???『み、水嶋君?』
昭人『ん…?なんだ?』
周りはあまり気がつかないが、昭人はかなりのイケメンくん!
そんなイケメン男子の寝起きは可愛いもので…
???『はわわー///す、すみませんっ!!可愛いとか食べちゃいたいとか、これっぽっちも思っていませんからっ!!///』
大人の女性はこんな感じに母性が溢れてしまうんです。
周りの生徒も例外ではなく、皆頬を赤くしていた。男の一夏でさえ顔を…ってそれはないか。
昭人『あぁ、先生でしたか。俺になにか?』
いやー、マイペースっていいですよね。こう、なんというかカッコイイ!!
後にわかったが、彼女は山田真耶。1年1組の副担任だそうだ。常にオロオロしていて危なっかしいが、頼りになるというよくわからない先生だ。しかも回文!!
前から読んでも後ろから読んでも「やまだまや」なのだ。
現在昭人に詰め寄り中!!
真耶『あっ、はい!!えっと、今は自己紹介を出席番号順にしていて、次は水嶋君の番だから自己紹介してもらえないかな?ダメかな?』
昭人『はぁ、分かりました。』
言って昭人はスっと立ち上がり周りを見渡す。
昭人『水嶋昭人、質問等は直接聞いてください。ちなみに激しい絡みと群れを嫌うのでよろしくお願いします。』
言い終わって軽く息を吐いてから再び机に突っ伏す昭人。後に出席簿という使う人を選ぶ殺傷兵器を持つ女性に頭を破壊されたのは言うまでもない。
???『痛いか?愛のムチだ、覚えておけ。』
昭人『初対面でいきなり愛を込めるなんて、全世界探してもあなただけですよ。』
???『それはありがたいな。晴れある第一号だ、祝ってくれ水嶋。』
昭人『寝言は寝てからにしてください先生。それよりも、いいんですか?自己紹介終わりましたよ?』
???『そうだな。それでは水嶋、SHRが終わったら私のところに来い。いいな?』
昭人『わかりました。』
昭人がそう言うと女性は軽く笑いながら教壇に向かっていった。
千冬『諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育て上げるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。君たちが何をしようと構わないが、私の言うことは聞け。いいな?』
織斑千冬が軍の命令的な口調で堂々と声を発する。クラスは一瞬にして静寂に包まれた。誰よりも静寂を好む昭人にとっては喜ばしい限りである。しかし、この静寂が一種の死刑宣告であることを昭人はまだ知らなかった。それ故に…
『キャーーーーーー!千冬様、本物の千冬様よ!』
『ずっとファンでした!』
『私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!』
『千冬様がいれば、私死ねます!!』
昭人『…痛い。』
女子達の黄色い…いや黄金の声に耳を撃破されてしまったのだ。
てか、四人目アカン!!
昭人同様、一夏も耳を抑えていた。千冬も呆れたようにため息を漏らしていた。
千冬『はぁ…毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?』
誰が見てもわかる。あの千冬がリアルにうっとうしがっている。
命知らずな奴らめ!!さっきの『死ねます』もあながち嘘ではないようだ。
昭人はそんな光景を見ながらため息、そして…
昭人『寝るか…。』
どこからともなく現れた耳栓をはめて机に突っ伏すのであった。
バシーーーーンっ!!!
昭人『…痛い?』
千冬『疑問形にするな!!』
昭人『すまん…えっと、一限は確か家庭科だっけか?』
千冬『もう放課後だ!!しかもなんだ、家庭科だと!?そんな教科ここにはない!!』
昭人『さいで…それよりも何か用ですか?』
仲良すぎだろ…。初対面だったのに、一体なにがあったんですかい??
タメ口について触れないのはなぜ?
突っ込みどころ満載でお送りしています。
千冬『まったく、朝のホームルームが終わったら私の所まで来いと言ったのを忘れたのか?』
そう言えばそんなこと言ってたような気が…作者の俺が忘れる事態、カオス!!
昭人『あぁ、忘れていました。すみません。それにしても、何故すぐに起こさなかったんですか?』
千冬『束から大まかな説明は受けていたからな、疲れているのかと思って放置していたんだ。』
昭人『ありがとうございます。まぁ、ここまで三日は飲まず食わずで来ましたからね…。』
千冬『…ご苦労。』
昭人、そんなに苦労してたんだね。母を訪ねて何とやらとはよく言うが、学校求めてなんて泣けてくるよ本当に。
昭人『ここで話します?』
千冬『そうだな。ちょうど二人だけだからいいか。』
千冬はそういうと、何やら資料のようなものを出して再び口を開いた。
千冬『お前は既に専用機を所持しているのだな?』
昭人『はい。影縫です。』
昭人は首元からシルバーのチェーンにかけられた漆黒のリングを千冬に見せる。
漆黒でありながら魅力的に輝くそれに、千冬は思わず目を見開いた。
千冬『す、すまん。あまりにも綺麗でつい見入ってしまった。』
昭人『いえ、大丈夫ですよ。』
千冬『特徴は?』
昭人『外見的にはありませんが、能力面ではありますね。』
千冬『話せるか?』
昭人『詳しくは束から口止めされてるので無理ですが、まぁ高性能マルチロックシステムだったり、全距離全方向対応レーザーなどは特徴的ですかね…。』
千冬『単一仕様能力(ワンオブアビリティー)は?』
昭人『使ったことはありませんが、纏影相喰(てんえいそうは)というのがあります。いずれ見せる機会はあると思うので、今は秘密です。』
作者の俺でさえ知らないのに、他の人に知らせるのは感心しないからお仕置きタイムなので覚えておこう!
千冬は昭人の言葉を、軽く頷きながら聞いていた。
千冬『わかった。そういえば、お前は軍人だったのか?』
千冬が言った途端、昭人の目が変わった。まるで何かを警戒するような鋭い目で千冬を若干睨むように見る。
昭人『なぜそれを?』
言いながら無意識に千冬へ殺気を飛ばしてしまった。
その場の空気が一瞬凍ったかのような雰囲気…
千冬『っ!?い、いや、身のこなしから推測しただけだ。私も昔は軍にいたからな。』
昭人『納得。』
そういって直ちに殺気と睨みを解除した。
千冬は安心のせいか、思わず息を漏らしていた。
千冬『ふむ、そろそろ終わりにするか。言い忘れていたが、お前の部屋番号は1028だ。これが鍵だが、無くしたら…まぁ無くすな。』
昭人『どうも。』
無くしたら…なんなの!?
昭人もすんなり受け取るんじゃないよ!!
千冬『本来は二人部屋なんだが、お前は一人だ。広すぎるかもしれないが自由に使って構わない。』
昭人『了解。』
千冬『それと、最後なんだが…。』
昭人『ん?』
昭人は軽く首をかしげる。
千冬は申し訳なさそうに口を開いた。
千冬『来週の月曜日に、第三アリーナで決闘してもらうぞ。』
昭人『…は?』
Oh freeze…
千冬『相手は織斑一夏と、イギリスの代表候補生であるセシリア・オルコットだ。』
昭人『説明求む…。』
千冬『最初はクラス代表を決めるときに、織斑とオルコットの言い争いが原因で二人の決闘が決まろうとしていたんだがな…。』
昭人『…。』
千冬『「わたくしの話を聞かずに寝ている、そこの無礼な猿も参加させてください」とのことで、参加が決まった次第だ。』
昭人『…。』
昭人はクラスにいた女子の顔を思い出す。
任務のためとはいえ、顔と名前を短時間で大体覚えているのが昭人のすごいとこ。
その中からイギリスっぽい顔を探し、そしてたどり着いた。
昭人『ちっ、あの金髪ロールか…やってくれたな。』
千冬『どうする?』
昭人『…殺す。』
千冬『ふっ。』
何笑ってるんですか、千冬さん!
それより、セシリアの扱いを金髪ロールにするのがツボってしまう…。
昭人『オルコットだかタオルケットだか知らんが、不快なやつは殺す。』
あの、オルコットですよ。
まぁ、結局は殺せないのが昭人くんなんですけれどね。
昭人『俺を怒らせたのが間違いだな。奴の汚いドリルは俺がへし折る。いいですね?』
千冬『あぁ、やりすぎず盛大に頼むぞ。』
やはり姉か、弟が馬鹿にされて怒っているためにノリノリだ…教師だよね?
昭人『了解しました。それでは、また…。』
千冬『あぁ。』
昭人は千冬に背を向けて教室を出ていき、自分の部屋である1028号室に向かった。
昭人『…ここか。』
部屋到着。
さっそく鍵を開けて入室した。
昭人『やはり広いか。荷物も届いているな。』
束が必要最低限の荷物は送ってくれていた。
昭人はまず、部屋の整理をはじめた。
しばらくして整理は終わり、汗を流すためにシャワーを浴びた。
シャワーから出て、部屋着に着替えて、そして机のノートパソコンを起動させた。
昭人『イギリス代表候補生…セシリア・オルコット。』
どうやらネットで対戦相手であるセシリアの情報を調べているようだ。
その顔は先程とは打って変わって真剣なものだった。
昭人『使用IS…ブルー・ティアーズ。』
次から次へと昭人の頭の中に情報が入り込んでいく。
武装から基本的な戦闘スタイル、その他もろもろの情報である。束といつも一緒にいればハッキングだってお手の物!!
その後、すべてを調べ終えパソコンを閉じる昭人。満足なのか若干口元が緩んでいる。
昭人『…ちょろいな。』
かすかな静寂に響く声、そのつぶやきによって戦いの火蓋が切って落とされた。
どうでしたか?
毎回駄文で申し訳ありません!!連載しながら成長していこうと思っているので、応援よろしくお願いします。
さてさて、いよいよ次回はセシリアとの決闘。怒りの果て、昭人は叫ぶ。
次回、第2話~纏影相喰~
お楽しみに!!