タイトルの意味がわかるのはもう少し後になるので、しばしお待ちを。
目が覚めた。
「・・・・」
見慣れた木目の天井を視界に写し、今日も自分を待ち受けているだろう膨大な量の書類を想像して顔をしかめる。
「(いかんいかん。起きてすぐに仕事のことを考えるとは・・・。仕事を恋人にした気はないんだがなぁ)」
どうせたんまり用意されてるんだ。さっさと終わらせて修行しなければ。
などとと考え、自分の隊服の袖に腕を通す。
形こそいつも着ている服ではあるが、決定的に違う点を言う。
「やっぱり軽いな・・・。自分たちでしたこととはいえ、技術の進歩を肌で感じるよ」
私、八意獅音(やごころしおん)は、自分で言うのもなんだが、天才だ。
自分一人でいくつもの技術を作り上げてきたし、妹の永琳(えいりん)が生まれて自分よりも頭がいいと分かってからは技術関係のことは永琳にまかせてはいるが、私は、いや私たちは天才だ。
永琳は武もいい線いっているが基本的に知が売りの人間だ。
対して自分は知もいけるが、武が突出しているので軍事関係の役職に就いている。
軍師と武将と言えばわかるだろうか。ようするにそれぞれ得意な分野のほうに進んだ、というわけだ。
もちろん専門が違うとはいえ、私たちは基本的に苦手な分野がないため、二人で協力して解決した物事はたくさんあるし、兄妹仲は良好だ。この歳になるまで兄妹喧嘩を一回もしたことがないというのはなかなか凄いことじゃないかと思っている。
さて、今袖を通している隊服は、昨日永琳が持ってきたもので、新しい素材でできている最新のものらしい。
曰く、「生地の軽さを今までの半分にして、なおかつ防刃性、耐火性、耐水性を強化したの。下級妖怪程度の攻撃ならびくともしないわ」とのこと。
やはりさすがである。
「さて、さっさと用意しなくてわな」
今日も私の朝は早い。
顔を洗ってリビングに着くと実においしそうなにおいがしてくる。
今日は永琳が食事当番だったが、この分だと今日も素晴らしい出来だろう。楽しみだ。
「おはよう兄さん。よく眠れた?」
「ああ、ぐっすりだ」
「それは良かった」
目の前にいる銀髪の美少女が、私の自慢の妹、八意永琳だ。
まだ13歳ではあるものの、私を超える頭脳をもつ天才少女である。
「ああ、それと新しい服だが、なかなかいいぞ。とても軽いし、まるで羽を纏っているみたいだ。これで性能も良くなっているというんだからすごい」
「まあ、勿体ない言葉だわ、研究所の人たちも喜ぶでしょう」
「ああ、よろしく言っておいてくれ」
「わかりましたわ」
永琳は都市一番の研究施設で研究主任を務めている。少し前までは家族以外の人間と話すのに若干の苦手意識を持っていたようだが、この分だとうまくいっているようだ。
「さ、朝食はできていますので、いただきましょうか」
「ああ。今日もうまそうだ」
「ありがとうございます。でも、私は兄さんのほうがおいしそうに作るのですよ?私も兄さんの料理のほうが好きですし」
「そうか?私は永琳の料理のほうが好きなんだがなぁ」
自慢ではないが、私も料理ができる。そんじょそこらの料亭にも負けないと自負しているが、永琳には負けると思っている。
しかし永琳は私の料理のほうがうまいという。
どうもここら辺は昔から意見が分かれるのである。以前ツクヨミに食べ比べてもらったことがあったのだが、何時間も悩みに悩んだ結果、結局引き分けに終わった。
ちなみに今でも納得していない。
「ま、とにかく食べようか――――仕事あるし」
「はい、食べ始めましょう――――仕事がとってもありますし」
しばらくブルーな気分になる私たち。
最近仕事が恋人と化してきている現状に、兄妹そろって落ち込むのであった。
今日の投稿はここまで。
明日も投稿しますのでご期待ください。
誤字脱字があったらご連絡ください。