東方転生魂   作:夢路

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ソロモンよ、私は帰ってきた!

と、いうわけで帰ってまいりました。
沖縄ですよ沖縄。やっぱ暑かったですよー。

さて、久々の東方転生魂!
しばらく見ないうちに評価を頂いちゃいました。
本当にありがとうございます!

今回はようやく新たな東方キャラが登場!
ゆっくりしていってね!


月での生活、二人の姫

 

「ふう・・・」

 

 

 

月の『表側』、静かの海―――――

そこは月でもっとも地球に近い、穢れのない海。

そこには魚といった生命の影はなく、あるのはただ、寄せては返す波と音だけ。

とはいっても、月の海はすべて穢れのない、言ってしまえば生命のない『死』の海だ。

ほかの月の民はそれでよしとしているが、やはり私は海には魚の一匹でもいてほしいものなのだが。

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

月に移住してもう何年もたつ。

何年も、とはいうが、正確な時間は把握していない。

永琳に聞けば答えてくれるだろうが、別にそこまでして知る必要もなし、とりあえずほうっておく。

 

 

 

さて、仕事もひと段落し、とくにすることもなかったのでここに来てみたが、そこにあったのはやはりいつもどうりの光景。海と波と音と、美しい青い星。

そこが穢れというモノに包まれた星だからといって、その美しさは微塵も変わらず。

そこが私の、私たちの生まれ故郷であるのも、純然たる事実だった。

 

 

 

「郷愁、かねえ?」

 

 

 

らしくない、といえる思考に、思わず苦笑が漏れる。

たとえそこがどんな場所でも、故郷を思うのは止められないのか。

事実私は今の暮らしを気に入っているが、いつかもう一度戻ってみたいとも思っている。

それが里帰りというものなのは当然知っている。

が、行こうとしても行けない里帰りというのは、なかなかおかしなものだ。

行こうと思えばすぐに行けるのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、私と永琳は月の都の中で不動の地位を築いていた。

永琳は『月の頭脳』と呼ばれる月随一の科学者であり、薬師になった。

その頭脳はますます磨きがかかり、この世のすべてを知っているとまで言われている。

そして私は『月の獅子』、誉れ高き『月最強の戦士』と呼ばれていた。

 

 

 

ツクヨミは月夜見と名を改め、ついに完全な神となった。

そのときのはしゃぎようは子供のようだったが、それも仕方がないだろう。長年の夢がようやく叶ったのだから。

まあ、そのあと調子に乗って「今度こそ獅音を倒してやる!」とのたまって向かって来たが。

とりあえず現実を教えてやった。やったな月夜見。また賢くなったぞ。

 

 

 

あと、月には先に住人がいた。

玉兎という人っぽいウサギだ。

最初はすわ妖怪かと身構えてしまったが、割と人懐っこい存在であった。

とりあえずあまり文明は進んでいないようだったので、月での私たちの労働力となる代わり、平和で進んだ生活を提供することを確約。共存関係となった。今のところ問題は起こっていない。最初はもつれ合いが起こるかとヒヤヒヤしていたが、何とかなったようである。

 

 

 

「あっ、ここにおられましたか」

 

 

 

声をかけられる。

振り向くと、そこにいたのは二人の女性。

一人は金の髪を持ち、少しおかしな帽子をかぶり、手に扇子を持っている。

もう一人は紫の髪を黄色いリボンで止め、腰に長物を携えている。

綿月豊姫と綿月依姫。

月で生まれた純粋な月人である。

 

 

 

彼女たちとの付き合いはそれなりに長い。

月でも有名な名家である綿月家の姫の家庭教師をしてもらいたいと、私と永琳に依頼が来たのだ。

まあわからんでもない。彼女たちの両親は月でも有名なおしどり夫婦だし、その子にも多大な愛情を注いでいるという。自分の子にいい教育を受けさせてやりたいのだろう。

多忙な身ではあるが、できる限り面倒を見てやろうと受け持った。

永琳も最初は渋っていたが、私が受けると自分も受けると言った。

しかし、なんだかすこし、目が据わっていたような気がしたが、はて?

 

 

 

とりあえず永琳は姉の豊姫を。私は妹の依姫を受け持つことになった。

二人はなかなか優秀だった。

豊姫は頭脳派で、私たちに準ずる知識を得た。何度か私が授業を受け持ったことがあるが、その予想外な知識の深さに何度か驚かされたぐらいだ。

依姫は武闘派。剣技に確かな才能を感じ、その身に神霊を宿すことのできる稀有な才能を持っていた。

二人とも吸収がよく、私たちを師と仰ぐ優秀な教え子である。

 

 

 

「どうした?なにかあったか?」

「もう、どうしたじゃありませんよ。せっかく獅音様に会いに来たのに自室にも職務室にもいない、それであちこち探してようやく見つけたんですから」

「お姉様、獅音様に失礼ですよ。連絡もしていなかったのですし・・・」

「あら、獅音様がいなくてがっかりしていたのはどこの誰だったかしら?」

「そ、それはお姉さまだって!」

 

 

 

姦しいなあ、と、私は二人に気付かれないように苦笑する。

ちなみに二人は私のことを獅音様、永琳を八意様と呼ぶ。わかりやすいようにとのことだが、初めて名を呼んだ二人の顔が妙に赤かったのはなぜだろうか。

 

 

 

とりあえず私は、今も仲良く言い合っている目の前の姉妹を見ながら、これから何をするか考えておくことにした。

 

 

 

 




綿月姉妹登場回。

次はあのキャラが登場予定。

あと何話かしたら新章突入予定です。お楽しみに~。
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