1000年生きたんだ、なんの保険も用意していないと思ったのかい?   作:のののののむ

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忙しいよぉ;;
感想めっちゃ嬉しいです、設定矛盾とかあったら遠慮なく言ってください。


仙台コロニー②

「宇守羅彈!」

 

開戦の火蓋は落とされた。

空を移動し羂索の背後を取った烏鷺の術式が発動する。

空が割れ、羂索の体がガードレールに叩きつけられた。並の術師ならこの一撃で決着が着いていたが土煙の中気だるそうな羂索が何事も無かったかのように立ち上がる。

 

「はぁ...何時だって退屈なものだよ、君のように自分の為だけに生きる術師との戦いは。

そもそも戦闘向きの肉体じゃあないからって君達如きに勝算があるとでも思っているのかい?」

 

「(おかしい...いくら片腕と言っても私の最大出力の"宇守羅弾"だぞ...乙骨にすら傷を付けたんだ、あの体でダメージが無い訳がない...)」

 

「強がりかしら?私に呪力総量、出力共に負けてるのに、そんな事言われたって怖くも何ともないわよ。

(ダメージが無いなら何度だって叩き込むッ!)

宇守羅弾!」

 

再び羂索に叩き込まれる烏鷺の術式、しかし何度叩き込んだところで羂索は面倒臭そうに土煙を手で払いながら起き上がってくるだけだった。

 

絶え間なく宇守羅弾を発動させながら烏鷺は思考を巡らせていた、そしてある結論に辿り着く。

 

「"領域展延"か!」

 

"領域展延" 術式を付与しない結界を自分の体に纏わせ相手の術式を流し込むことによって威力を軽減する技である。

 

「馬鹿な...展延で威力を抑え込んだからといって私の術式を完全に無効化する程の結界を纏える訳が...」

 

今の羂索は夏油傑の肉体を使っていた時より呪力総量、出力共に圧倒的に劣っているが、千年に及ぶ呪術のノウハウ、天元と同レベルの結界術が失われた訳ではない。

 

「君の術式は私に直接触れるというより私の近くに存在する空の面を叩く術式だ。だが展延でそこを包み込んでしまえば君程度の呪力出力で私にダメージを与えることは不可能だよ。今私が使用している術式すら知らないのにそんな体で私に挑んできたなんて、正気を疑うね。」

 

「領域展開"胎蔵遍野" はい、お終い。」

 

羂索はつまらなそうに反叉合掌の印を結び領域を展開する。宿儺と同じ結界を閉じず領域を展開する神業。烏鷺は片腕を失った事により領域を展開するための掌印、"彌虚葛籠"発動の為の掌印共に使用が不可能になっていた。

が、腐っても元 藤氏直属暗殺部隊"日月星進隊"の隊長、領域に対抗する術を失くした彼女は新たに対抗策を見つけ出していた。

 

「シン・陰流 簡易領域!」

 

受肉後に彼女は自身の死後に開発された弱者の為の領域を使う術師との戦闘を通じて簡易領域を習得していたのだ。

 

「だから?紛い物で私の領域に耐えられると?」

 

「クソッ!」

 

烏鷺の簡易領域発動後、瞬く間に簡易領域は剥がされた。そのまま羂索が領域に付与した"無為転変"を発動させ、勝負は決着するはずだった。

 

「なんだ...?簡易領域が剥がされた時点で付与されていた術式効果が止まった...?」

 

「君に選択肢をやろう、このまま殺されるか。私に協力して生き延びるか。今ならおまけで君の失くした腕も元に戻してあげよう。」

 

「...ふざけるな!"アイツ"がいる時代でこれ以上恥を晒して生きるつもりはない!

殺せ、そもそも私の腕は他者の反転術式で治せる範囲を超えているだろう。」

 

「う〜ん。まず前者についてだが、彼は死んだよ。今度こそ間違いなくね、呪物化もしていない。」

 

「...嘘だな、負ける訳がないだろう。"アイツ"は生物として逸脱していた。自分が強者として生まれ生きる事がさも当然であるかのように、自身の力で他者を踏み潰す様を私は体感し、目撃したんだ。お前が強いのは認めるが、奴はお前がいる天井を突き抜けた遥か先に立っていた。

そんな"怪物"が敗北したと?冗談はその縫い目だけにしろ」

 

「面倒臭いなホントに、疑うなら自分で見てみればいいだろう」

 

羂索は仕舞っていたスマホを烏鷺に投げ決戦の最期を見るように促した。

 

「まさか...本当に...!」

 

烏鷺は驚愕と僅かな笑みを混ぜたような複雑な表情で画面に釘付けになっていた。

 

「くくっ、良い顔するね。さて後者についてだが、今私が使っている術式は少々特殊でね、魂に直接干渉する術式なんだ。君がこの提案を断れば私は術式を発動させ君の魂を無理やり変える。体は変えられた魂に引っ張られる事になるから、まぁ死ぬだろうね。そして逆に君が提案を受け入れた場合も術式を発動させる。この術式を使用して君の魂の形を弄って腕を生やす為にね。もちろん受け入れのであれば"縛り"は結んでもらうよ。」

 

烏鷺は画面から目を離し羂索を見つめながら思考する

 

「(宿儺が死んだのならば、まだ生きていける希望は残っている。そして腕も戻ってくるならそこら辺の術師に殺される確率もほぼ無くなる...羂索の提案ってのが引っかかっるけど、他に選択肢も無しか...)」

 

「分かったわよ、受け入れるわ。けど私が何をすれば良いのかを先ずは教えてちょうだい。」

 

「ちょっと京都に用があってね。私が京都に行く間、高専術師達の気を惹いておいて欲しいんだ。」

 




羂索、仙台から京都へ爆走決定!
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