1000年生きたんだ、なんの保険も用意していないと思ったのかい?   作:のののののむ

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明けましておめでとうございます、新年早々体調崩して寝込んでました;;


月に叢雲、花に風

「それじゃ、契約成立ってことで。」

 

羂索は領域を解き新しく適当な車を探し始めた。

 

「待て、私の腕は」

 

気だるそうに羂索は答える。

 

「はぁ...焦らなくても治すって。ただ私が京都に着いてやる事やった後にね。今治しちゃったら乙骨に気付かれるだろう?マーキングは済んだ。術式の遠隔発動で治すから、安心しなよ。」

 

烏鷺は失くした腕の付け根をさすりながら舌打ちする。

 

「チッ、分かった。んで私は何すればいいのよ」

 

「そうだねぇ、とりあえず腕が治ったら暴れまくってよ。術師、非術師関係無しに殺しまくっちゃって。勿論直ぐに高専の術師がやってくるだろう。乙骨とかね。」

 

「...私、自分で言うのもなんだけど勝てないわよ。乙骨には一度負けてるし。」

 

「はははっ、知ってるさ。君弱いし。」

 

羂索は高笑いしながら烏鷺にある呪具を投げ渡した。

烏鷺は苦虫を噛み潰したような顔をしながら呪具を受け取り、羂索を睨みつけた。

 

「ッ!これは...」

 

「くくっ、彼に渡そうと思ったんだけど、嵩張るから要らないってさ"もう片方"を手に入れたから事足りるって。君の術式と相性良いと思うよ、使うのは胸糞悪いかもだけどね。」

 

〜東京都立呪術高等専門学校〜

 

両面宿儺討伐後、数日が経過しており高専術師達は暫くぶりの休息を...とはいかず日々呪霊の討伐、危害を加える泳者の対処に追われていた。

その中、乙骨憂太、禪院真希は久しぶりに任務の無いつかの間の休息を過ごしていた。

雑談や、戦闘訓練。久方ぶりに訪れた平穏を楽しんでいた中、乙骨はとある違和感に気づいた。

 

「間違いない...僕の模倣から烏鷺さんの術式が無くなってる。」

 

「誰だ?そいつ」

 

「仙台で戦った受肉した術師だよ、その時に術式模倣したんだけど...無くなってるね」

 

「なんでだ?別にお前の模倣は相手が死んでも術式効果は途切れないはずだろ?現に羂索の術式は模倣出来てたじゃねェか。」

 

「うん。考えられる可能性は僕が模倣した時に使った左腕の呪術的価値が無くなった...つまり烏鷺さんが反転術式を習得したかそれ以外の何らかの方法で腕を再生させたかしか考えられない...」

 

その言葉を聞いた真希は眉間に皺を寄せ、怒りながら乙骨に問いただした。

 

「は?待て待てお前殺してないのかよ、そいつ。受肉したタイプ尚且つ点も持ってたんなら生かしといちゃマズいだろ!」

 

「うぅ...ごめんよ真希さん...虎杖くん達が規則追加してくれて、今持ってる点そのまま渡して大人しくしててくれるなら、命までは奪う必要無いかなって、そこまで極悪人って感じじゃ無かったし...」

 

乙骨は申し訳なさそうに弁明する。

 

「はぁ...お前がお人好しなのは知ってるからまぁしゃあねぇか。その烏鷺って奴がどうやって無い腕生やしたのかは知らねぇけど、もしまた暴れたら分かってるよな?」

 

「うん、次は殺すよ。」

 

高専入学時には無かった術師としての冷酷さを乙骨は既に手に入れていた。

友人や大切な人を害されるのであれば殺さなくてはならないという覚悟を込めて乙骨は言い切った。

 

「ま、どうにか反転術式でも覚えたんじゃねえの?ここ1ヶ月くらいで反転術式使う奴目の前で山程見てきてるからな、昔程高等技術感無えんだよな。」

 

「ははは...どうだろうね、虎杖くんとか元々使えなかった人達が反転術式を使えるようになったのは憂憂くんの入れ替え修行のお陰だし、一から習得するってなると本当はかなりの技術と才能が必要なんだよ?」

 

「お前は入学して割とすぐに使ってたけどな、反転術式。」

 

「あれは里香ちゃんが居たから...大当たり中の秤先輩みたいな感じだよ、ほら先輩って反転術式習得して無いけど、大当たり中は無尽蔵の呪力が体を勝手に修復してくれるでしょ?それと同じ様な原理で里香ちゃんが僕の望んだ形に呪力を変質させて僕がそれを出力してただけなんだ。」

 

「へぇ〜、まぁ私にゃ良く分かんねぇけど。」

 

「失礼します。」

 

「伊地知さん?なんかありました?」

 

「はい、仙台にて死滅回遊の泳者が無差別に暴れ回っているようです。被害は甚大かと。」

 

「さっきの話と無関係じゃあねぇよな。」

 

「うん...多分そうだと思う。(おかしい...仮に烏鷺さんだとして彼女は術師以外も無差別に殺すような人間では無かったはず...何かが変だ)」

 

「上はこの事態を特級案件と認定しました。今直ぐに動けるのはおふたりしか居ないため出動をお願いしに参りました。」

 

「分かりました。直ぐに向かいます。」

 

「ったく、超特級片付けたばっかなのに嫌になるぜ」

 

〜京都 禪院家跡地〜

「ふぅ、やっぱりこの体は残しておいて正解だったね。術式のコツ、取り扱い方も彼に聞いておいたし、運用に問題は無いね。さて、どうやって愛しの息子に会いに行こうかなぁ。」

 

禪院真希によって壊滅させられた禪院家、伏黒恵の体に受肉した宿儺の"浴"の為に訪れた際、羂索はそこにあった術師の遺体を自らの術式対象としていた。

その場で呪霊化しようとしていた"彼"により強力で自我を残したまま呪霊化出来るように協力する事を条件にその体に刻まれた術式の取り扱い方、禪院家の相伝術式、一族の奥義に至るまでを聞き出したのだ。

 

「さて、準備運動がてら東京にでも向かおうか。」

 

羂索はその身体に刻まれた"投射呪法"を用いた高速移動で走り出したのであった。

 

 




死滅回遊アニメ始まりましたね!ドルゥヴと乙骨の戦いをアニオリでいいのでやって欲しいです。
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