1000年生きたんだ、なんの保険も用意していないと思ったのかい?   作:のののののむ

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頭ではちゃんと映像化出来てても言語化するのってムズカシイね...


外法の下り坂

「これは...」

 

乙骨、真希が仙台コロニーに着いて見たものは先の新宿を思い出させるものがあった。

ありとあらゆる建物が破壊され、見るも無惨な死体がそこらに飛び散っていた。

 

「憂太。もしこれが烏鷺の仕業なら、お前の責任でもある。それを忘れんじゃねぇぞ。」

 

(本気で殺りあった術師を生かして、得する事なんか一つもない。)

(甘すぎだ...乙骨。これは褒めてねぇぞ。)

 

乙骨はこの地で戦った術師との会話を思い出し、噛み締めていた。

 

「うん。真希さん、もしこれが烏鷺さんの仕業ならこれは僕が招いた結果だ。甘かった。本当に...甘すぎたんだ...」

 

乙骨は自らが招いたかもしれない惨劇を前に自分の過ちに歯を軋ませた。

その目には確かな覚悟と決意が浮かんでいた。

 

「来たのね。乙骨、隣のは...何、アンタの女?」

 

2人が荒れ果てた現場に残った残穢を調べようと動き始めた直後、2人の前に烏鷺は現れた。

 

「烏鷺さん...これは本当に貴女が?」

 

「えぇ、色々あってね。本当に色々...」

 

烏鷺は何処か悔やむような表情を浮かばせながら告げた。

 

「何でですか?貴女は誰彼構わず人を殺めるようには見えなかった。あの時だって殺していたのは術師だけだったでしょう!」

 

乙骨が怒りと後悔を滲ませながら怒号を飛ばす中烏鷺は静かに語り出した。

 

「乙骨。私はね、1度目の人生で利用されて使い潰された。そんな人生を悔やんで、恨んで、絶望して羂索の誘いに乗ったの。でも結局何も変わらなかったのよ、黄泉帰っても私は利用される側だった。自分の為だけに抗って、自分の信念を曲げたの。アンタの言う通りだった。限界が来たのよ、結局私には無理だった。他を顧みず生きる事なんて、出来なかったのよ。」

 

烏鷺は諦めたような目を向けながら語った。

そして持っていた呪具に呪力を込める。

 

「憂太」

 

「分かってる。今度は躊躇しない。それより真希さんあの呪具、普通じゃない。気をつけて。」

 

烏鷺は左手に握った呪具である槍の穂先を乙骨、真希に向け空を舞い始める。

 

「宇守羅弾。」

 

穂先の地点にある空がひび割れ始め、2人を中心に空を一周したあたりで烏鷺は技を発動させた。

直後中心地に居た2人の周りの空がひび割れた地点から一斉に叩きつけられた。

 

「チッ!」

 

乙骨はかつて喰らった烏鷺の技と比にならない威力に驚愕していた。

弾け終わった空が元に戻り、土煙が晴れ始める、そこには千切れた足を反転術式で治す乙骨と術式が発動する直前に空を飛びギリギリで躱した真希の姿があった。

 

「とんでもない呪具だな、あれ。」

 

釈魂刀を抜いた真希が鋭い目で烏鷺を睨む。

 

「うん、この間戦った時とは桁違いの威力だった。先ずあの槍を何とかしよう。」

 

呪具"飛天"

かつて両面宿儺が"神武解"と共に扱った呪具

烏鷺はその槍に刻まれた術式効果である

"穂先に流された使用者の術式を飛ばす"

という効果を応用し

"自らの掌で空の面を捉える"

という自らの術式効果を穂先に流す事により、穂先に空の面を引っ掛け移動することで術式対象である空をより多く捉えることが可能になっていた。それによって引き起こされる衝撃波は五条悟による呪詞詠唱無しの術式反転"赫"に並ぶ。

 

「ここまでして自ら首を差し出すなんて真似は出来ないわ。私は最期まで惨めに抗う。来い、乙骨。私を終わらせてみろ。」

 

「おいおい、私は仲間外れか?」

 

烏鷺の意識が乙骨に向いている隙に真希は空を跳び烏鷺に切りかかる。

 

「誰なのよアンタ。あとそこ、危ないわよ。」

 

突如、烏鷺に近づいていた真希の真横にあった空が爆ぜた。真希は咄嗟の衝撃に対応することが出来ず、地面に叩き付けられる。

 

"飛天"による遠距離への術式発動を応用し烏鷺は予め空の至る所へ"空を捉える"という術式を発動させ、烏鷺以外の人間が触れた瞬間に"宇守羅弾"が発動するように細工をしていた。

 

「チッ、機雷みてぇだな。」

 

真希は血の混じった唾を吐き捨てながら起き上がる。

 

「来い、リカ。全部だ。」

 

乙骨憂太によるリカの完全顕現。

自らの為に全力で生きる者、他者のために生きる者達との、5分間の決戦が始まった。

 

乙骨と真希が仙台で死闘を始めようとする中、羂索は愛知、名古屋コロニーの中まで到達していた。

名古屋コロニーの中心部まで来たあたりで羂索は足を止める。

 

「いいんじゃない?肉体強度もそこそこ、この程度なら呪力強化でどうとでもなる。流石に夏油傑とまではいかないけれど、術式も運用しやすいし応用も効くね。さて、準備運動といこうか。」

 

突如ビルの中から人影が飛び出し羂索に襲いかかった。

 

「なんだ?新しい泳者か?運が悪かったな!俺は呪術全盛平安の時代から黄泉帰った男だ!早速で悪いが死んd...」

 

男が勇ましく吠える中、羂索は投射呪法を用いた高速移動で男の体に触れた。

 

「誰?君。覚えてないし興味も無いね。」

 

羂索がそう言い捨てた直後、男の体が内側から爆ぜる。

 

「うん。やっぱり術式の相性が良いね。さぁて、じゃんじゃん行こうか!」

 

羂索による準備運動と称した泳者狩りが始まった。




ならなんで宿儺は使ってたん?っていう疑問に対しての言い訳

宿儺の"解"は"捌"の術式対象の拡張によって生まれたんじゃね?って考察は皆さんご存知でしょうか。
本来御厨子は"捌"と"竈"の2種類の効果しか無く、遠距離の攻撃手段を持っていない宿儺は、"捌"の術式対象を拡張して斬撃を飛ばすようになったっていうやつです。
(新宿決戦で虎杖が使う"解"が"捌"すぎたから生まれた考察だったはず)

それを流用させて貰い、平安の世で飛天を用いて捌を飛ばしていた宿儺が戦いの中で"解"を学んだ結果、わざわざ飛天で捌を飛ばす必要が無くなり、要らない子になってしまった。
その結果折角だからと羂索が渡そうとした飛天を嵩張るからとかいう理由で投げ捨てたって感じです。

書いててなんだけど投射呪法と無為転変、初見だとクソ技すぎない?
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