【悲報】都市に転生して喫茶店経営してたらネームドしか来ない()   作:しがないフィクサー

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どうも。作者です

今回は幼少期のシャオ編です!書いて欲しいと言ってた人がいたので書いてみました!シャオの幼少期とか書きましたが現在のシャオの年齢としては7歳くらいの設定なんですよねぇ…まぁ幼少期か!

シャオ視点が基本ですがオリ主視点も間に挟まってきますのでご了承ください。相変わらずオリジナル設定モリモリですので…許して…!許してぇ…!

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小さな龍 シャオの視点

 …私は不出来な子だと言う。親のようになれず、何もなせないという。

 私の母は龍だった。炎を操り、雷を操り、水を操り、地を天を操る無双の龍だった。私はその母の元に生まれた。10人の兄妹だった。私は10人目、一番最後に生まれた子だった。私は願った。母のような龍になることを

「お母様、私は…お母様のようになれますか?」

私が母に問う。母は笑って答えてくれた

「ええ、あなたはきっと…立派な龍になれるわ」

母の言葉を信じ、私は努力した。兄妹たちよりも、何倍も努力した。でも、兄妹たちは龍でこそないが、それぞれ自身の能力を発揮していた。1人はどんな重い物でも背負えた。また1人はどんなに遠くでも見ることができた。他にも色々な力を、皆が持った。残されたのは、私だけ。母は笑って言った

「大丈夫、あなたは龍の子よ」

私はその言葉を信じ、さらに努力した。努力した。努力した。努力、努力、努力、努力…幾重にも重ねられた努力の果てに、私は…何も得ることが出来なかった

「…お母様…私…は」

「黙りなさい」

母は私を見なかった。龍になれなかった、他の兄妹たちばかりを見ていた

「…あなたは、私の子じゃない」

拒絶された。子じゃないと。否定された。龍ではないと。では…私は何だ?誰の子だ?何になれるのだ?

「あなたは、不出来な子です。消えなさい」

私は、私は………不出来な子だ。私は…私…は…何も…なせない

 

 

「シャオ!」

「っ!はい!!」

ふと大きく、私の名前を呼ぶ声がする。正面に目を向けると、フオイェンさんが私を見ていた

「…迷いが出ているぞ」

そうだ、今は座禅の最中だった

「…すみません」

私は謝る。するとフオイェンさんは「はぁ…」とため息をつく。怒らせた。私は、怒らせたのかもしれない

「あ、あの…!「シャオ」っ…はい…!」

ああ…嫌だ、また一人になりたくない。また、私は追い出される。私は、私は…

「…シャオ、私について来い」

「…え?」

「…ついて来いと言ったのだ。…少し休憩しよう」

休憩、休憩なんてして良いの?努力しないと、死ぬまで努力しないと、何も、私は、自分を…

「…分かりました」

私は座禅を解き、フオイェンさんについて行く。歩いている最中、フオイェンさんが言った

「シャオ、君は何に成るのが望みだ。という初日の質問、答えは出たか?」

「っ…!…私は……私、は…」

言葉に詰まる。龍になりたいとは言えない。私はもう龍になれないから。…じゃあ…私が、なりたいのは……何?

「…まだ、思い付かないか」

「っ!い、いえ!私、は!1級、フィクサーに…!」

「無理をするな。まだ、時間はたっぷりある」

フオイェンさんはそう言ったまま、歩いて行く。私はそれについて行くので精一杯だった。私は、こうやってついて行くことしか出来ないのか…私は…自分では、何も成せないのか…

「…少し歩くぞ。私から離れるな」

「は、はい!」

リウ協会に所属…いや、保護されてから数週間ぶりの外の世界。人が生きるのには、凄く厳しいと聞いた裏路地に、フオイェンさんは歩いて行く。巣を出るのが初めてだった私はつい、フオイェンさんの裾を掴む

「…怖いか?」

「…怖く…ないです」

「…ふっ、そうか。強いんだな。シャオは」

嘘だ、本当は凄く怖い。ここに捨てられてしまうのではないか、ここで殺されるのではないか。そんな恐怖が、私を襲っている。ああ、こんなにも私は弱いのかと思った。フオイェンさんは、何とも無さそうなのに…

 

しばらく歩くと一つの店が見えて来た。フオイェンさんはその店の前で立ち止まる

「ここだ。ここで休憩しよう」

「は、はい…」

初めて入る店だった。私は、フオイェンさんの裾を強く握り、店の中に入って行った

 

 

カランカラン

 

 

「いらっしゃいませ。…おや、フオイェンさん」

フオイェンさんと私が入ると男の人が話しかけてくる

「昨日ぶりだな店主。紹介しよう。シャオ、自己紹介だ」

「は、はい!」

私は男の人の目の前に立ち、こう言った

「シャオ、です!リウ協会に…!所属、しています!よろしく、お願いします!!」

私は深くお辞儀をすると…

「はい、宜しくね。シャオちゃん」

男の人は優しく返してくれた。少し、嬉しい

「店主、私はコーヒとサンドイッチ。勿論トーストでな。シャオには…何か甘い物はあるか?」

「わ、私!苦い飲み物も!大丈夫です!」

私がそう言うと男の人は笑ってこう言った

「ふふ、強い子だ。なら苦味を抑えた茶葉を使いましょうか。緑茶にしましょう」

男の人がそう言うと私はうなずいた

「ふむ、それを頂こう。シャオ、他には…何か食べたい物はあるか?」

フオイェンさんに聞かれて、私は困る。食べたい物?私が、食べたい物………

「甘くて…すっぱい…食べ物」

私がそう言うとフオイェンさんと男の人がポカンとした表情をする。変なことを、言ってしまった…!でも、男の人が笑って言った

「なら…苺大福なんてどうでしょう。甘くて、酸っぱいよ」

「え、あ、はい!食べます!」

私が返事すると男の人は笑う

「ふふ、ではお待ちくださいね。あちらのお席へどうぞ?」

私は男の人が指さしたテーブルの席に座る。フオイェンさんと男の人は少し話している

「店主、苺なんて豪華な物…本当に良いんですか?」

「ええ、実は私の…まぁ古い知り合いに大きな組織に所属している女性がいましてね。彼女が毎月のように野菜やらフルーツやらを送ってくれるんですよ」

「そ、そんな人物が…?…ちなみに…どんな組織に?」

「…赤い服の…規律に厳しい組織です」

それを聞いた瞬間、フオイェンさんの顔が真っ青になっていった…何でだろうか?

「て、店主…君はどういう人脈の持ち主なんだ……まぁ良い。感謝するよ」

「いえいえ…」

なにやら話が終わったらしい。フオイェンさんは私の目の前の席に座る。私は聞いてみた

「フオイェンさん。あの男の人は…ご友人ですか?」

私がそう聞くとフオイェンさんは言う

「友人ではないが…まぁ私は彼の店の常連でな。仲が良い程度さ」

「なるほど…」

私は意外だと思った。いつもはフレムさんやプルコさん相手に怒っているのに…まぁ良いか。今は苺大福っていう物が来るのを楽しみにしよう

 

 

しばらくすると男の人がトレーを持って戻ってくる

「お待たせしました。コーヒと緑茶、サンドイッチトーストに苺大福です」

私の目の前に湯気を立ち昇らせるお茶と真っ白いお餅が置かれる

「わぁ…!」

「ゆっくり食べてね。喉に詰まらせないように」

「わ、分かりました…いただきます!」

私は餅を手に取り、一口かじる

「!…おいしい!」

あまいあんこの味が口に広がる。甘いけど、甘すぎない…って言うのかな…?とにかく、なんか、ちょうど良い!

「あれ?…苺は?」

「ああ、食べ進めれば分かるよ」

男の人がそう言うので食べ進めて行くと…

「!すっぱい!」

苺が中から出てきた。でもすっぱい…

「ははは!それはあんこと一緒に食うんだぞ、シャオ」

「え、一緒…に?」

フオイェンさんがそのように言うので試してみると…

「……っ!!?な、なにこれ!?」

あまいのにすっぱい!でもおいしい!!

「どうだ?おいしいか?」

「おいしいです!凄く、おいしいです!!」

私は夢中になって食べる。こんなに美味しい物があるなんて…!

「そうか…美味しいとのことだぞ、店主」

「ええ、喜んでくれて何よりですよ」

「て、店主?さん!本当に美味しいです!!」

私がそう伝えると男の人、いや、店主さんは嬉しそうにしてくれた

「シャオ、お茶もちゃんと飲みなさい」

「あ、はい!」

私はお茶のコップを持ち、飲んでみる

「…苦い…」

「あはは…苦み抑えたんですがね…」

「文句を言うなシャオ。飲みなさい。飲まないと強くなれないぞ」

私はその言葉を聞いた瞬間、苦いのを我慢した。苦いのも耐えないと強くなれないなら、我慢しないと…でないと…何も成せないから

 

 

■■■の視点

 

「…フオイェンさん。彼女…シャオちゃんは…何かあったんですか?」

俺は目の前で、さっきまで美味しそうに苺大福を食べていた少女、後のリウ協会南部1課部長、シャオがフオイェンの「強くなれないぞ」という言葉を聞いた瞬間に、人が変わったようになったのを見る

「…親との間で何かあったらしいが…それを教えようとはしてくれない」

「…なるほど」

つまり幼少期シャオは親に虐待やら何やらされていた訳だ…これはいけない。シャオの目には先程までの子供らしい光が消えている。このままでは…この先起こる出来事に耐えられないのではないか?…ふむ

「フオイェンさん。私が何とかして見せましょう」

「…実はそれを頼みに来たのだ…頼む。彼女を…シャオをリラックスさせてやってくれ」

俺はその言葉を聞き、頷く。シャオの目の前まで向かい、立ち止まる

「…シャオちゃん」

「っ!はい!」

俺は屈み、シャオの肩を軽く掴むとまっすぐ目を合わせる

「…君は、何を成したい」

その言葉を問いかける。シャオの目には明らかな動揺が走る

「え…わ、私…は…!」

言葉が詰まっている。何か詰まらせるような原因が過去にあったのだろう。親からの虐待か、それとも別の要因なのか…

「…聞き方を変えよう。…君の夢は何だ」

「…私の、夢…?……私の…夢は…」

…まだ駄目か。ここまではしたく無かったんだが…仕方ない。将来、シャオにはE.G.Oを発現してもらわないといけないんだ…この心では「ねじれ」てしまう

「…シャオちゃん。手を開けて?」

「へ…は、はい…」

俺はポケットに手を突っ込み、手のひら一つの飴を作り、まるでポケットから取り出したかのようにし、彼女に与える

「この飴は「干し梅飴(ファーメイタン)」だ。君がもし、辛い時、悲しい時はこの飴を舐めなさい。そして舐め終わるまでに、その辛さが、悲しみが収まらない時は、仲間を頼りなさい。それでも、それでも辛い時は…自分自身を、頼りなさい」

「…自分…自身…?」

「そうだ。君は強い子だ。例えどんな困難が立ちはだかろうとも、例え何を失おうとも、決して折れない最強の剣だ」

シャオの目から少しずつ、光が戻って行く

「でも…私は…不出来…で」

「それは君のことを見ようとしなかった者が言ったのだろう?私の目には、君の背に、燃え盛る太陽が、そして巨大な龍が見えている」

俺がそう言うとシャオが驚いた顔をする

「…龍…?私…の…背中に…龍が見えるの?」

「ああ、見えるとも。君は龍だ。望めばどんな龍にだってなれる。燃え盛る炎を操るか、荒れ狂う大波を操るか、それとも雷撃を操るか、もしかしたら天と地すら君は操れる龍になれる」

シャオが恐る恐ると、口を開き、こう聞いてくる

「…私は…龍に…なれるの…?」

その質問に、俺は答える

「ああ…信じるんだ!自分の可能性を!例え!どんな地獄だろうと!君は!龍になれる!」

 

 

シャオの視点

 

目の前の視界が、歪む。涙が、溢れてくる。私は、肯定された…!!私は、龍に、なれる…!!私は、私は…!!

「私は…!!龍に!!なりたい!!」

ああ、私は…龍になりたいんだ…!誰が何と言おうとも関係無い…!!私が、どんな龍になろうと誰も文句が言えないくらいに…!強くなれば良いんだ!!

「…ありがとう…!ございます…!!」

私はその日、私の中で…熱い、熱い炎が、荒れ狂う水が、光轟く雷が、天と地の暴れる音が渦巻くのを感じたのだった

 

 

 

「店主、感謝するよ」

「いえ、私の教訓を教えただけですので…シャオちゃん。自分を信じれる?」

私は大きな声で答えた

「はい!!もう、悩みません!!私は!自分のなりたい姿に!なってみせます!!」

「!…それは良かった!」

「…シャオ、私も全力で応援するぞ。…帰ったら練習再開だ!」

「はい!!フオイェンさん!!」

私はフオイェンさんの手を引き、店から出る。ああ、帰ったら沢山努力する!なりたい自分を、自分で掴み取るために!!

「し、シャオ!早い!早いぞ!…はははは!!」

その日、私は今までの人生で、最高の笑顔をしたのだった

 

 




はい(はいじゃないが)

とんでもないことになっちゃった…シャオがめちゃくちゃ強化されたよ…どうすんだよオリ主ぃ…!

以下はキャラクター紹介

シャオ
 今回でめちゃくちゃバフを盛られた子。飴玉を舐めながら帰宅中。なお飴玉にも精神安定の効果を付与した。本来はこれだけ与えようとしたが…元気付けようとしたら…とんでも強化されちゃった。これはひどい

母親
 シャオをあんな風にした元凶。原作に登場しないオリキャラ。元ネタは龍生九子の親の龍。この先登場はしない

龍の子供たち
 同じくオリキャラ。元ネタも同じく龍生九子の龍の子供たち。なおシャオは九の数から溢れた十人目。他の子が龍になれないならねぇ…?

オリ主
「飴ちゃん舐めさせてせめて辛いことに耐えられる程度にはしてあげるかー」

なお結果


次回はまだ決まってません。気長にお待ちください!

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