【悲報】都市に転生して喫茶店経営してたらネームドしか来ない() 作:しがないフィクサー
今回はローランですよ。いやー、やっとローランですよ。幕間とか挟みすぎたか…?まぁ良いとして…ローランとオリヴィエは一緒に訪れますがローラン視点だけです。オリヴィエはなぁ…書きたいけど…まぁ追々考えます
なんかローランの小物臭が凄い…とか思ったがこの時のローランってほぼモブなんよな…深く掘り下げるなら煙戦争の後ぐらいになるかと思います。ローラン推しの人、許してぇ…!!
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暗い下水道。水が滴る音
「…あー…」
俺とオリヴィエはそこにいた。依頼の最中だった
「…くそっ、こいつは…」
物陰から覗き見ると死体の山が見えた。男、女、子供、関係ない。それを貪る人の形をした…「何か」。こちらにはまだ気付いていない
「…ローラン。これは少なくとも…」
「ああ、都市疾病クラスだな…依頼だと都市怪談って聞いてたんだが…」
恐らくこの数日間で急激に成長したんだろう。あれはいわゆる…
「血鬼だな」
「だろうな…どうする。殺るか?」
オリヴィエがそう聞いてくるがさすがに無理だ。少なくとも3級以上が相手するべきだろう。俺たちみたいな6級が相手していい奴ではない
「無理だろ…とりあえずハナに報告だな。…逃げよう」
俺たちがその場から立ち去ろうと振り返った時だった
「…人間ノ、匂いダぁ」
後ろから化物の声がした
「…オリヴィエ!全力疾走だ!!」
俺たちは直ぐ様出口に向かって全力で逃走する。背後から明らかに追って来ているのが分かるが振り返る余裕は無い
「ローラン!!スタングレネードを使え!多少は役に立つ!」
「はぁ!?あれ高いんだぞ!?…っ!!分かったよ!!」
俺は懐からスタングレネードを取り出し、
「おーい!!これでも食っとけ!!」
俺は後ろに向かってスタングレネードを頬り投げる。瞬間、閃光。背後から血鬼の悲鳴が響く
「くそぉ!!給料半分消し飛んだー!!」
「命あっての金だ!!早く出るぞ!!」
俺たちは角を曲がり、目の前の梯子を登る。背後からはまだ追って来ているようだ
「ローラン!!早くしろ!」
「分かってるよぉ!!今、マンホール持ち上げる…!!おらぁ!!」
マンホールを押し飛ばし、外に出る
「オリヴィエ!」
俺は直ぐ様オリヴィエの手を握り、引き上げる
「っ!!まだ追って来ているぞ!!」
梯子を登ってくる血鬼が見える。俺は直ぐ様マンホールで蓋をし直すが時間稼ぎにしかならないだろう
「オリヴィエ!!どっか隠れられそうな場所は!!」
「っ!この近くで安全な場所…?…そういえば…!!ローラン!!この近くに喫茶店があるはずだ!!そこに逃げるぞ!!」
喫茶店だと…!?くそっ!!何でも良いか!
「案内してくれ!!」
オリヴィエの跡をついて行く最中、背後から地面を突き破る音が響く
「っ!!もう出てきやがった!!」
「もう少しだ!!もう少しで…!!あった!!」
数十m先、目の前に喫茶店らしき建物が見える。背後から血鬼が近いてくる
「うおおお!!!」
俺とオリヴィエは喫茶店の扉を蹴っ飛ばし、中に入った
カランカ「ドガッシャーン!!」
「あだぁ!!?」
「ぐぅっ!!」
体勢を崩し、体を床に打ち付ける
「っ…!!いでで…!」
体を起こすと店主らしき男がこちらを驚いた顔で見ていた。俺は店主に言った
「店主!!少し世話になるぞ!!」
「修理費は払う!!」
俺たちは店の奥へと逃げて行こうとした。だが
「…貴様ら」
俺たちは気付いていなかった。そこに、他の客がいることに。赤いコートをたなびかせ、シガレットを加えた女がいた。側には三人の赤い服を着た男女。…くそっ、こいつらは…
「親指…」
「…ローラン、俺のせいだ…さらに絶望的な状況になった」
オリヴィエがそのように言うが俺は苦笑して言った
「ははは…こんなの誰も予想出来ないだろうが…お前は悪くねぇよ」
目の前の親指は明らかに怒っている。いや、まだ、まだ態度を改めれば…
「…貴様らは、私に気付かなかっただけでなく。彼の…私の大切な人の店の扉を蹴り飛ばした…!!万死!!弁明すら受け付けん!!」
…終わったわ。もう無理だこれ。そう思った瞬間、背後の扉が吹き飛ぶ。振り返ると…
「…捕まエたァ…!!」
血鬼が立っていた。血鬼の背中から赤い鞭のようなものが蠢いている
「しねぇエええ!!」
赤い鞭が振り下ろされる。ここまでか…と、思ったが
「…『処分』」
瞬間、血鬼の体が細切れになるのを見た。血鬼の死体の前には親指の女が立っていた。顔色を一つも変えずに立っていたのだ
「…まじかよ」
俺が腰を抜かしているとオリヴィエが言う。血鬼って少なくとも相当な強さなんだが…?するとオリヴィエが俺に言ってくる
「…ローラン、今思い出した…あの女は…ボニャテッリ家の長女…親指のアンダーボスの、レイダだ…!」
ボニャテッリ家。都市でも有名な7つの代表的家系の一つだと聞いたことがある。主に剣技に優れた家系の…その長女…親指のアンダーボス、レイダの噂はかねがね聞いていた。ボニャリッテ家としては珍しい剣技と銃をあわせて使う特殊な戦闘をする女…それが、目の前に…いる
「…ふぅ…エル、アンダー、キリナ、このゴミを掃除しておけ」
目の前の女がそう言うと三人の男女が血鬼の死体を片付け始める。女は俺たちに振り返り、向かってくる
「……貴様らは死ぬ。異論はあるか?」
明らかな殺気。もはや命乞いは無意味だと察する。俺たちは何とか立ち上がり、目の前の女を見て、答える
「…いや、異論はないよ…どうせ遅かれ早かれなんだ…死ぬなら死ぬで楽だろうよ…」
俺は諦めたように言う。隣にいるオリヴィエも覚悟を決めたらしい
「…そうか、では」
「待ってください」
女が剣を振り上げようとした時、店主らしき男がそれを止める。女は驚き、手を止める
「■■■さん…!…い、良いのですか…!?だって、こいつらは」
「良いんですよ。恐らく先程の化物から逃げて来たんでしょう。故意ではないでしょう。レイダさんにも気付かなかったのも焦っていたからですよ」
店主は俺たちの前に歩いて来て、こういった
「今回は誰も悪くないですよ。ただの事故ですので」
「いや、でも…良いのか…?扉が」
俺は壊れた扉を見る。もはやボロボロすぎて原型が無い
「ああ、業者に頼みますよ。腕の良い方がいましてね」
男はなんとも無いように言う。女はそれを見て、剣を納める
「…彼がそう言ったのなら、私も文句はない。…失せろ」
「っ!…わ、わかりましたぁ…オリヴィエ!行くぞ!」
「あ、ああ!店主!世話になった!感謝する!!」
俺たちはその場から逃げ去るように走り出す。なんとも無様な姿だろうか。だが生き残ったなら上場だ…まだやり直せるんだから
「オリヴィエー!今度は依頼をもう少し見極めようぜー!」
「分かっている!とにかく帰るぞ!もう今日は何もしたくない!」
今日の失敗を糧にまた進む。そうやって生きるのが、俺のような底辺の人間のやり方だ。そうすれば…いつしかまともな人生を歩めるようになる
「オリヴィエ!今日は飲むぞ!!生存祝いだ!」
「…よし!とことん飲むからな!お前の奢りだ!」
俺たちは明日の朝、二日酔いに悩まされることなど考えずに歩みを酒場に向けるのだった
■■■視点
俺は走り去って行くローランとオリヴィエの背中を見送る。するとレイダが話しかけてくる
「…■■■さん。店の修繕費用は私から出しましょう」
「いえいえ、良いんですよ。資金はあるので」
「む、むぅ…分かりました」
すると掃除を終えたエル、アンダー、キリナの三人が話しかけてくる
「アンダーボス様。掃除が完了しました」
エルがそう言うとレイダは頷き、こちらに振り返ると何かを手渡す
「■■■さん。こちらを」
手渡されたのは赤いハンカチのようなもの。よく見ると親指のマークが描かれている
「これは?」
「そちらは親指の関係者に渡すハンカチです。渡すのを忘れておりましたので」
ほぉ…つまりこれは何を意味するんだ?
「そちらを所持していれば親指はあなたに危害は基本加えません。いわば親指のお墨付きの証明です。店に飾れば下手な客は避けて行くでしょう。先程の有象無象のようなやからなどですね」
有象無象って…まぁあのローランはまだ1級フィクサーじゃないだろうしなぁ…親指のアンダーボスからしたら有象無象か
「ありがとうございます。レイダさん。大切にしますね」
俺がそういうとレイダは顔を少し赤くする。が、すぐに戻る
「っ!そ、そうですか…!では、私たちはこれで…お前たち。行くぞ」
そう言ってレイダとカポの三人は店から出ていった。しばらくした後、俺は安堵のため息をつく。にしても危なかった。まさか扉を蹴破って来るとは…しかも親指のアンダーボスがいる時に…何とも運が悪い…まぁ何とかなって良かった
「さて、扉を直しますか」
俺は床に落ちたドアベルを鳴らす。すると扉はみるみるうちに元に戻って行く
「よし、直ったな」
ドアベルをつけ直した後、俺は近くの椅子に座り考え始める
「そろそろ煙戦争が始まるだろうな…喫茶店には客はパッタリ来なくなりそうだな」
何ならまだロボトミすら始まってないのだ。道は長い
「まっ、まずは煙戦争を乗り越えることを考えるかー…現L社には絶対に負けて貰わないとな…少しだけ手出しするか」
はい(はいじゃないが)
今回の話、どうですか?気に入らないなら許してぇ…!ローランの話が面白いのはアンジェリカと出会った後何ですよぉ…!絶対に、絶対にまたローランの話書くので…!許してぇ…!
以下登場人物紹介
ローラン
まだまだ駆け出し。特に書くことないな…あ、ちゃんと認識阻害マスクを付けてます。が、ずっと付けっぱなしって訳じゃないです。付けっぱなしになるのは煙戦争の後です。依頼中には付けてる設定です
オリヴィエ
「落ち着ける」の人。まだハナ協会に所属していない。罪の重さオリヴィエにはお世話になりました…
レイダ
たまたま訪れていた時にローランたちが来た。実はボニャリッテ家出身。ヴァレンチーナは次女にあたる。『処分』に関してはボニャリッテ家の上澄みなら誰でも使えると考えたので使えるようにしました
次回は…どうしようかと思ってます。煙戦争の話を書きたい気持ちはあるんですがあまり分かってないんだよなぁ…煙戦争の出来事…まぁそこら辺は考えておきます!次回をお楽しみに!
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