【悲報】都市に転生して喫茶店経営してたらネームドしか来ない() 作:しがないフィクサー
今度はリンバスのキャラクターじゃねぇかよぉ…とか思ってる方々…誠に申し訳ない。だって思い付かなかったもん…オリキャラ出しても良かったけどさ…名前と見た目とキャラ像しか出来てないのに書ける訳もなく…という訳で、この煙戦争終わりで書けそうなのはヴァレンチーナかなぁ…と
オリジナル設定モリモリです。ゆるして?キャラ崩壊モリモリです。ゆるして??何なら喫茶店にも行かないしオリ主すら出ない。ゆるして???
一部リンバス9章、ヴァレンチーナロージャ人格ストーリーのネタバレがあります!ご注意を!
感想と評価、お気に入りをお願いいたします!
ほの暗い地下、蜘蛛の巣と呼ばれる場所に私はいた
「…ふぅ」
私は煙を吐く。今、私は自分の部屋で酒を煽りながらシガーを吸っていた
「チケットの面倒を見る担当は…今日はマティアスか。まぁ、あいつならチケットを下手に扱わないな」
シガーを外し、グラスの中の酒を飲む
「…旨いねぇ…このオールドパーは。やっぱり、酒は嗜む程度がちょうど良い」
グラスをテーブルに起き、シガーを咥え直す。うん。このシガーは…少し質が悪いが…不味い程でも無いな
「ふぅ……」
煙をゆっくりと吐き出す。シガーの香りが、鼻を抜けて行く
「…ふっ」
私は今の状況には満足はしていないだろう。本当なら私はもっと旨い酒を飲んで、もっと美味しいシガーを吸っていただろう…だが、結局はこの掃き溜めのような場所で、私はそれなりの旨い酒と、少し質の悪いシガーを吸っている。あの時の…戦争の時の私を知る者が見ればなんとみすぼらしいとか思うだろうな
「まぁ、これぐらいの酒とシガーを楽しむのも一興だな」
私がそのように思っていると…
「ヴァレンチーナ。ヨシヒデを見てないか?」
私は声のする方向に目を向ける。入り口の辺りに黒いスーツに身を包んだ男、リアンがいた。私はそれに答える
「どうせチケットの奴を連れ回してチケットにオモチャでも買ってやってるんだろ?まぁ、心配いらねぇよ」
酒を煽る。うーん…何か良い酒のつまみあったか?私がテーブルの下を漁っていると、リアンは言う
「ふむ…そうか。なら問題ないな?…そういえばだ。ヴァレンチーナ…君に会いたいという人物がいる」
「はぁ?私に?何処の馬の骨とも知らねぇ奴にそう簡単に会う訳ねぇだろ?追い返せよ」
私はたまたまあったスモークチーズを取り出し、皿にのせる。よし、これであと二時間はダラダラと酒を楽しめるな。私がそう思っていると、リアンは言った
「馬の骨ではないな…東部親指のアンダーボス様だ」
それを聞いた瞬間、私は動きを止めた。ゆっくりとリアンの方向に顔を向ける。リアンの後ろ、その暗闇からコツコツと、足音が聞こえる。やがて、見えて来たその姿を見て…私は目を見開いた
「…レイダ…姉さん…!?」
「…久しぶりだな。ヴァレンチーナ」
私は直ぐ様立ち上がる。な、何でここに姉さんが…!?あ、しまっ、灰皿の片付けしてねぇ!?
「リアンと言ったか?ここまでの案内、感謝する」
「いえいえ。まさか東部親指のアンダーボス様の道案内を出来る日が来るとは…光栄でございます。…では、私はこれで失礼します」
そう言ってリアンの奴は戻って行く。姉さんは振り返り、私の目の前のテーブルの方を見て言う
「…ふむ…楽しんでいるようだな?ヴァレンチーナ?」
は、恥ずかしい…!来るなら何かしら連絡を来れよ…!何をやってるんだ親指は!
「ね、姉さん…何でここに…?私、姉さんにここにいること言ってないよな…?」
私がそう聞くと、姉さんは笑って答える
「ふん、親指のアンダーボスである私に隠し事は通用しないぞ?ヴァレンチーナ。…まったく、随分と萎びたな」
姉さんの手が、私の頬に触れる。や、止めてくれ姉さん…!!恥ずかしいから…!くそっ!こんな姿見せたくねぇから言わなかったのによぉ!!
「ね、姉さん…私に触れるのは止めた方が良い。…酒の匂いが移る」
「ふっ、実の妹に触れることはいけないことか?それとも、なんだ?私に触れられるのは嫌なのか?」
「ち、違う!そんなことはねぇよ!…たくっ…姉さんは何か変わったよな…私が知ってる姉さんはもっと、こう…」
私がガキの頃に姉さんは家から追い出された。その時の姉さんは弱々しくて、死を恐れて…失礼だが、本当に弱かった。だから、追い出された。でも、今目の前にいる姉さんにはそんな姿は見えない。面影すらない。まるで、揺るがない確かな信念を持っているようだった
「ああ…そうか。お前にはまだ言って無かったな。まあ、座って話そうじゃないか」
「あ、ああ…」
姉さんは近くにあったソファーに座る。私は向かい側のソファーに座ろうとしたが…姉さんが手で自分の隣をポンポンとしていたので仕方なく隣に座った。私が座ると、姉さんはテーブルの上の酒を持ち上げる
「…オールドパーか…良い酒だな。確か意味は…『決して倒れない』だったか?ふふ、ヴァレンチーナにぴったりだ」
「姉さん、嫌味ですか…」
私がそう言うと姉さんはケラケラと笑う
「嫌味?違うな。お前はまだ倒れて無いだろ?煙戦争では無類の強さを発揮してたらしいな?…決して倒れないはあながち間違いじゃないと思うがな?」
「そ、それは…その…昔の話だろ…?今の私は…」
私が言い淀むと、姉さんはテーブルにあったグラスを私に渡して来る。何をするのだろうと思った次の瞬間、姉さんがお酌して来たのだ。私は慌てて止める
「ね、姉さん!!?何をしてるんだ!?わ、私が姉さんにお酌するのは良いが姉さんが私にするのは違うだろ!?アンダーボスの自覚あるのか!?」
「…そう言うヴァレンチーナこそ、私をアンダーボス様と呼んでいないではないか」
「あっ!?…それは、その……!」
「安心しろ。自分の妹に手をかけるつもりはないさ。ここには私とお前だけしかいないのだから、ここでは姉さんと呼んでも何ら問題はない」
私はグラスに入った、姉さんがお酌した酒を見る
「…飲まないのか?」
「の、飲ませていただきます…」
私はグラスを口に運び、グイッと飲み干した。…くそ、何か恥ずかしいなこれ
「良い飲みっぷりだ。…さて、なんだったか。私がここまで変わった理由だったか?」
「あ、ああ…私が知らない間に、姉さんは凄く変わったから…何があったんだ?」
私がそう聞くと、姉さんはしばらく考えるように黙った後、こう言った
「好きな人が出来た」
…ん?なんだろうか。聞き取れなかったな??
「…すまない、姉さん。聞き間違いだよな?もう一回言ってくれ」
「だから…その…好きな人が…出来たんだよ」
「」
…駄目だ。理解出来ない。え?は?何それ?何なのそれ?え、ちょ、待って待って待って?つまり、何?その好きな人が出来たからアンダーボスまで登り詰めたってこと…??…まるで意味が分からないぞ!!?何を言い出すんだこの姉さんは!?狂ったのか!?いや、駄目だ!!目が完全に恋する乙女だ!!何だこの姉さんは!?私の知らない姉さんだ!!?
「…そ、そ、その好きな人って…ど、どんな…奴なんだ…?」
私が恐る恐る聞いた瞬間、姉さんの目が輝きだした。あ、これはヤバい
「っ!?気になるのか!?ああ!良いとも!教えてやろう!彼はな?裏路地で死にかけていた私を救ってくれた聖人のごとき人物でな?その立ち姿と品位は何物にも例えられないぐらい素晴らしい人物でな!?それに彼の淹れるコーヒーの味は格別でな!?深い苦味と酸味!その中にほのかに感じられる甘味がまた絶品でな!?しかも─」
「分かった!!姉さん!分かったから!!素晴らしい人なのは理解したから!!落ち着け!!」
「む…すまない。熱くなりすぎたな」
姉さんはゴホンと咳払いをして落ち着く。なんださっきの姉さんは…私の知らない姉さんの素顔がドンドン見えて来た…何だこれ、怖い
「まぁ、ともかくだ…私はその彼のおかげでこのようになれた訳だ」
「…そっか。…姉さんも、色々あったんだな」
私はグラスの中の氷を転がしながら言う
「なぁ、姉さん。少し私の長い愚痴に付き合ってくれないか?」
私がそう聞くと、姉さんは笑って答えた
「ああ、良いぞ?お姉ちゃんに沢山愚痴りなさい」
私はそれを聞いて笑い、ぽつぽつと喋りだす
「…姉さんはさ?今の私は姉さんの隣で、酒を対等に飲めるような存在だと思うか?」
私がそう言うと姉さんは笑って言う
「現に飲んでいるだろう?何を心配しているんだ?」
「それは姉さんに強制されたからだよ!…私が、元々は北部親指のアンダーボスをしてたのを知ってるだろ?…下の奴らを従えて、自分の絶対的権力を誰にも奪われないと思っていたんだ。正に自尊心の塊だった。…けど、私はアンダーボスの座から地に堕ちた」
私はあの時のことを思い出す
あの時の私はアンダーボスになって、どんな奴らも私に従う絶対的な権力を持っていた。その権力を使い、気に入らない奴ら、ムカつく奴らを次々と粛清した。これも全て、ゴッドファーザー様の為になると思って。…そんなある日、私の元に一人のコンシリエーレが来たんだ。そして、そいつは私にこう言った
『アンダーボス、ヴァレンチーナ様。ゴッドファーザー様への献上品で迷っていらっしゃるとお聞きしました…もし宜しければ私が選んでもよろしいでしょうか?』
私はその言葉を聞き、一瞬迷ったが…その時の私はアンダーボスという地位に溺れており、そのコンシリエーレに丸投げしてしまった。…でも、それが大間違いだった。ある日、私の元に一本の電話が来た。私が電話に出ると…
『…ヴァレンチーナ。貴様、やってくれたな…!!?』
ゴッドファーザー様の声だった。私は冷や汗をどっと流し、何をしてしまったのかを聞いてしまった
『…自分で理解していないのか?お前は、私への献上品に菓子を寄越したな?私はその菓子を娘にあげたのだ。しかし、それを食べた私の娘が!!お前の菓子のせいで倒れたのだ!!』
私は、その事を聞き驚愕した。私がコンシリエーレに丸投げして代わりに送って貰った献上品は菓子だった。その菓子は本来なら何の問題もなく食べられる物の筈だった。…けど、菓子の一つに…毒が仕込まれていたのだ。私は直ぐ様弁明しようとしたが…
『黙れ!私への菓子に毒を仕込み!あまつやそれを娘が食べて倒れた!!これは責任等という問題ではない!!貴様は生きている価値すらない!!よって貴様を─』
私が絶望した次の瞬間だった
『お父さん。私は無事だよ?少し苦しかったけど…』
『なっ!?キリナ…!まだ出歩いては…!』
『ん!お父さんは心配しすぎ!電話、貸して!もしもし?…お姉さん?あのお菓子、お姉さんが送ったの?』
私は震える声で、そうだと言った。死ぬ。私は、殺される。そんな恐怖で一杯だった。…けど、私の予想は外れた
『…ねぇ、お姉さん?私ね?お姉さんが送ってくれたお菓子にね?男の人がね?何かいれてるのを見たの!』
『…何…!?』
ゴッドファーザー様が驚いた声を上げる。彼女は続けた
『ねぇ、本当にお姉さん「が」送ったの?』
私は、本当のことを告白した。コンシリエーレに代わりに選んで貰い、送って貰ったこと。そして、毒が仕込まれているとは知らなかったことを
『…ありがと!お姉さん!…お父さん、お姉さんは悪くないよ?』
『む、むぅ…だがな…キリナ…?』
『…あーあ、お父さんが嫌いになっちゃうなぁ~??』
『すまん。なんでもない。今すぐそのコンシリエーレを粛清させるから許してくれ。…ヴァレンチーナ、お前が毒を盛っていないことは認めよう。…だが、私への献上品を他人に任せたことは容認出来ない。よって…お前をアンダーボスから下ろさせて貰う。これだけは確定事項だ!良いな!!』
そして、電話は切られた。私はしばらくの間、状況を理解出来ずにいた。でも、しばらくして私は拘束され、アンダーボスの座から下ろされた。私は命は助かったが、その代わりに多くの権力を失うことになったんだ
握っていたグラスにヒビが入る。腕がプルプルと震え始める
「私を今の今まで敬って、へっぴり腰で近づいて来てた奴らが、その瞬間から私を道端の捨てられた野良犬を見るかのような憐れみの視線が…私に対する嘲笑のあの視線が…!!堪らなく嫌だった!!」
グラスが砕け、ガラスの破片が手に刺さる。だが、私は手を開かなかった
「私は努力して!!努力して!!!やっとのことで…アンダーボスにまで登り詰められたのに…!!…なんで、なんでだ!!私には何が足りなかった!!?信用か!?権力か!?それとも武力なのか!!?……違う、全部…足りてたんだ…全部、全部…積み上げて来たんだよ…なのに…なのに…!!一瞬で崩れ去った!!私の全てが!!一瞬で…全部…!!」
悔しかった。虚しかった。たった一つのミスで、私の全ては崩れ去った。信用も、権力も、武力も…ほんの一粒の小石で…全て砕かれた。まるで、今までの全てを否定されたような感覚だった
「…姉さん…私はさ…?…戻りたいんだよ…あの場所に。…私を蔑んだ連中を、憐れんだ連中を…もう一度、もう一度…!!一泡吹かせてやりたいんだよ…!あいつらの舌を切り落として!!腕を奪って!!目を潰して!!とことん苦しませて!!…そして、そして…!!そして私に絶対的な服従を誓わせるんだ!!!二度と…二度と私を…!!馬鹿にさせない為に!!そして!!また私がアンダーボスとして返り咲くための犠牲になって貰うんだよ!!!」
私は肩を上下させ、ハァハァと息を荒くする。全て言い切るまで、息をするのを忘れていた。すると…
「…そうか」
姉さんは突如立ち上がり、私の前に立つ。私は不思議に思い話しかけようとして…
「…?姉さ─」
「…馬鹿者!!!」
瞬間、私の頬は鋭い痛みに襲われた。バチィイインという音が部屋に響く。私はあまりの衝撃に横に倒れ込む
「あ、っ…!?……え…?」
私は一瞬、何をされたのか分からなかった。私は…殴られたのか?…姉さんに…?
「…な、んで…?」
私が震える声で聞くと、姉さんは私を睨み付けながら言った
「なんでだと…?…私はな。お前と離れ離れになったあの日から、お前のことを思っていたんだ。お前が辛い目にあってたらどうしようと、ずっと心配していたのだ…そして、やっと再会が出来るかと思えばこんな地下の掃き溜めにいると聞いた私の心境が理解出来るか??ずっと思っていた妹が、こんな場所で、こんな扱いを受けていることは到底我慢出来なかった!だから、私はお前を連れ戻そうと思ってここに訪れたのだ。…だが、実際はどうだ?」
姉さんは私の胸ぐらを掴み上げる。私は力なく持ち上げられる
「お前は!!私の想像以上に腐っていた!!私の知っているヴァレンチーナはこんな女ではなかった!!もっと気高く!!もっと強い女だった!!しっかりと未来を見据えていた!!私の愛しい妹だった!!!…なのに、お前は…過去の栄光に執着し、それに加え自身を馬鹿にした者に規律での処罰ではなく、拷問を行うと宣言した!!」
「っ!…それ、は…!…あいつらが…!!私を馬鹿にした奴らが悪いんだ!!私は何も悪くない!!」
「まだ言うのか!!」
姉さんの腕が振られ、私は床に叩き付けられる
「が、あぁ…!?…っ、あ…!」
姉さんは倒れた私に向かって喋り続ける
「…ヴァレンチーナ…過去の栄光にすがる気持ちは理解してやろう。自身を侮辱した者たちを恨むのももっともだと肯定してやろう。…だがな、お前がやろうとしていることはアンダーボスとして返り咲くことではない。…ただの、復讐だ!復讐は何も生まないとは言わない!!ただするべき物としないべき物を見分けろ!!」
姉さんは倒れた私の上にまたがり、私を床に押さえ付ける
「例えお前を侮辱した者たち全員を屈服させたとしよう!!その後に何が残る!!」
「…っ…!!絶対的な支配力だ!!それがあれば─」
「それと同時に、自身に二度と消えない汚名も付く!!その汚名は永遠とお前を蝕み続け、再び地の底に落とされることになる!!」
「っ~!!!?」
私はそれを聞き、カッとなって姉さんを突飛ばし、逆に床に押さえ付けた
「なら…なら!!どうしろって言うんだよ!!私があの場所に戻る為にはそれしかないだろ!!?ずっとそうやって来たんだ!!それ以外に何があるんだよ!!なぁ!!?」
私は怒り任せに姉さんに怒鳴り付けた。姉さんは静かに、しかしはっきりとした声で、こう言った
「…過去を捨てろ…!」
「…は?…捨てる…だと…!?…ふざけてんの…!?私には過去しかないんだよ!!それすらも捨てろって言うのか!!?」
「どうして未来を見ないんだ!!お前は!!どうしてそこまで過去に固執する!!お前は過去でしか生きられないのか!?違うだろう!!お前は今を生きてるだろうが!!どれだけ過去に戻ろうとしても!!進んだ時間は簡単には帰って来ない!!」
「…未来を、見ろ…?…こんな、掃き溜めに…どんな未来を見ろって…!?…こんな場所に未来も糞もねぇだろ!!」
「…諦めるのか。お前は」
「っ!?」
姉さんが私を蹴り飛ばし、立ち上がる。私は壁にぶつかり、その場に座り込む。私は力無く、言葉を紡ぐ
「…諦めるだろ…?…こんな…こんな場所で…数年も過ごして…分かったんだよ。…ここに未来は無いって…何も、無いんだって…!…ここから先の、未来が…幸せになれる未来が…一切、見えないんだよ…!!」
最初こそ未来を見て、進もうとした。でも、どれだけ進んでも道は見えなかった。見えたかと思えば途切れたり、途中で崩れたり…全部が、上手く行かない。そんな毎日が続いて、私は未来に進むのが…進む、のが…!!
「…怖いんだな」
「…ああ、そうだ。…私は、怖いんだ…!!この先、必ず終わる私の命が…どんな無惨で、滑稽で、醜悪な死に方をするのか…怖くて、仕方ないんだよ…!!」
そう遠くない未来で私は必ず死ぬ。きっと、惨たらしく死ぬ。そんな未来が訪れると思うと…未来を見たく無くなる…!!それなのに、この目が…この、『未来を見る眼』が…無理矢理未来を見せてくる…!
「…はぁ…予知眼を持ってるお前が、未来を恐れるとはどんな皮肉だ。…だから、過去に固執するんだな。ヴァレンチーナ」
「…理解して、くれたなら…もう、帰れよ…!……二度と、私の目の前に─」
瞬間、姉さんが私を強く抱き締めた。私は目を大きく見開いた。姉さんが優しい声で言う
「…すまなかった。…私が、もっと早く…お前と再会出来てれば…そこまで、追い詰められることはなかったかもしれない。私の、落ち度だ…!」
私は困惑した。何故謝られている?謝るべきは私の方なのに…!
「…なん、で…姉さんが…謝るんだよ…?…姉さんは、何も…悪くないんだ…悪いのは…弱い、私なんだよ…!…だから、謝らないでくれ…!!…姉さんは、私とは違うんだ…!」
「違わない。何もな。…私も、諦めかけたことが何度もある。もう死んでも良いと思ったことが何度もな。…だが、生きている。私は、諦めずに生きているんだ」
姉さんは私の肩を力強く掴み、私の目を見て言った
「…ヴァレンチーナ…諦めなければ、人生はとんでもない方向に進むことがあるんだ。それが良いことか、悪いことかなんて自分でも分からない。…でも…過去よりも、良いことに繋がる」
姉さんの目には、絶対的な信念が見えた。その信念の目は、私の心の何かを…少しずつ、しかし確実に何かを動かした
「…で、も…私に…未来は…」
「なら、私がお前の未来を作ってやる」
「えっ…?」
姉さんは微笑む。その笑顔が、とても眩しくて、優しくて…昔の…私をあやしてくれていた姉さんと、そっくりだった
「…ヴァレンチーナ、私はお前のお姉ちゃんなんだ。妹が困ってるなら、助けるのが姉の仕事でもある。そうだろう?」
「…でも、それは…姉さんに…迷惑を…!」
「妹を助けることに迷惑もクソもある訳ないだろう!!」
姉さんは再度私を抱き締める。今度は優しく、大切な物を扱うかのように
「…ヴァレンチーナ…お前は、本当に立派な妹だ。私の愛する、最愛の家族だ。ずっとな…」
…ああ、くそ…!なんで、どうして…!!
「…姉、さん…!…私、私…!!」
私の抑えていた感情が、涙が一斉に溢れだした。私は姉さんを強く抱き締める
「っ、あ…!!怖かった!!ずっと、怖かったんだ!!嫌われたくなくて!捨てられたくなくて!!沢山頑張って!!ずっと、ずっと…!!認められたかったんだ!!…なのに…なのに…!誰も、私を誉めてくれなかった!一家の奴らも、誉めてくれなかったんだ…!沢山頑張ったのに!沢山辛い思いをしたのに…誰も、誰も…!!」
目から涙がボロボロと溢れだす。姉さんはそんな私の頭を優しく撫でながら言った
「…なら、私がお前を認めてやる。お前の頑張りを肯定してやる。沢山誉めてやる。沢山、沢山…お前を愛してやる」
瞬間、私の中で渦巻いていた感情が晴れていくのを感じた。…ああ、そうか…私は、誉めて欲しかったのか。…私という人間を…認めて欲しかったのか…!!私は、私は…愛して、欲しかったんだ
「…う、あ…!!うああぁあああぁあぁあ!!!!」
私は泣いた。泣き続けた。やっと認められることに、私を愛してくれると言ってくれたことに、泣き続けた。ずっと、求めていたのは…絶対的な地位でもない。権力でもない。…ただ…誉めてくれる人が欲しかったんだと私は気付けた。そして、その時には…私の心は、完全に晴れ渡っていた
しばらくして、私は目を覚ます。多分、泣きつかれて寝てしまったのだろう。そして、体を起こそうとして…
「…おはよう、ヴァレンチーナ」
「…姉さん…?…なっ!?何で私に抱きついてんだよ!!?」
私を後ろから頭を撫でながら姉さんが抱きついていた
「だって、久しぶりの再会なんだからこれぐらいはさせてくれないか?ん?…ふふふ」
「ま、やめ、やめろぉおおお!!?恥ずかしいから!!私はもう子供じゃねぇんだぞ!?誰かに見られたら─」
私がそう思った瞬間だった。遠くからパタパタと走る音が近づいて来た。そちらを見ると…
「おかあさーん!!」
「!!?!!?」
入り口の方からチケットがこちらに向かって走って来ていた
「ち、チケット!?」
「…?おかあさん?何やってるの?この人はだれ?」
私は慌てて姉さんから離れようとするが…万力のごとく力で全然離れることは出来なかった。すると姉さんは笑って答えた
「はじめまして。私はヴァレンチーナのお姉ちゃんだ。よろしくな」
「わぁ!おねえちゃん!?おかあさんのおねえちゃんなんだ!!」
「ち、チケット!姉さんの前でお母さんって呼ぶのは…!」
そして、次の瞬間に、私は絶望に叩き落とされた
「おーい!娘ちゃーん!!何して……あっ」
「…あっ」
入り口の方からサングラスをかけた銀髪の男、マティアスがこちらを見た。今の私は姉さんとの取っ組み合いで服が少し乱れ、泣き腫らして目の下が赤くなっている状態だった。そして、しばらく見つめあった後…
「…娘ちゃん。こっち来て。これは見ちゃ駄目だ」
「?わかったー!」
「おいまてぇ!!何を勘違いしてんだお前ぇ!!?やめ、ちょ、姉さん!!離して!!?頼むからぁ!!」
私は羞恥心のあまりジタバタと暴れた。けど、動けなかった
「…ヴァレンチーナ、お前さ……いや、なんでもない。恋の形は人それぞれだからな…楽しめよ。行こうか、娘ちゃん」
「うん!またねおかあさん!」
「待て!待ってくれぇえええ!!!!」
「ふふふ、可愛い妹だな」
その日、私は別の意味でドン底に落ちた
はい(はいじゃないが)
どうしてこうなった(はい、私のせいです。ごめんなさい)な、何かヴァレンチーナとレイダを絡ませてぇなぁ…とか考えて書いて見たらこうなっちゃった…何か色々壊れ始めてないか??(いまさら)まぁヨシッ!!
以下登場人物紹介
蜘蛛の巣 親指親方 ヴァレンチーナ
元々は北部のアンダーボス…だったという設定。何処のアンダーボスなのかも分かってないし、何ならどうしてアンダーボスを3日で降格させられたのかの本当の理由すら分からない。ので適当に設定を追加した。今回のレイダとの会話と喧嘩で過去に固執しなくなった。何ならめっちゃスッキリしてる。多分将来的にルチオに暴力を振るわない、レイホンを嫌わない、目上の相手にはしっかり敬意を払うヴァレンチーナが出来上がる(なにやってんだてめぇ!!)ついでにだが、ヴァレンチーナが10代とかそこら辺にオリ主と会ってたら姉同様に惚れてた。何なら姉同様に自力でE.G.Oを発現したかもしれない。因みに蜘蛛の巣内でヴァレンチーナがお姉ちゃんが好きとか言う噂が広がるのは別の話
東部親指 アンダーボス レイダ
ヴァレンチーナの姉であり、長女にあたる人物。今回の元凶。ちょっと久しぶりに再会した妹を見てあまりにも腐ってたからカッチーンと来て矯正という名の立ち直りをさせた。これに関してはオリ主悪くない!!間接的には関わってるけどほぼレイダが悪い!!え?レイダがこうなった原因…?…オリ主が悪いな!!()因みにこの後ヴァレンチーナに狼たちを見せて驚かせたりする
親指 ゴッドファーザー様
特に情報無し!!いつか出てくるのだろうか…。この作品のゴッドファーザー様は娘には甘々である
親指 ゴッドファーザーの娘 キリナ
レイダの部下のカポllllのキリナと同一人物。この子のおかげでヴァレンチーナは助かった。実は結構頭が回る子。お父さんに強い
親指 コンシリエーレ
死んだ。慈悲は無い
蜘蛛の巣 人差し指親方 リアン
今回は影が薄い。そのうち書くつもりです。いつになるかは知らない
蜘蛛の巣 中指親方 マティアス
ヴァレンチーナとレイダが抱き合ってる所を見て「あっ」ってなってヨシヒデを急いで退避させた。そういう関係なのかぁ…って思ってる。恋の形は人それぞれやからね。仕方ないね()
蜘蛛の巣 ヨシヒデ
まだ子供なのでカタカナで表記してます。チケットとか娘ちゃんとか、色んな呼び方され過ぎよね。ヴァレンチーナとレイダを見て「仲良しさんだ!!」としか思ってない
以下駄文
レイダ「見てろよ?…来い!狼たち!」
狼たち『ワオーン!!』
ヴァレンチーナ「うおっ!?…な、なんだこの狼!?…あ、かわいい…」
レイダ「狼たち?撫でさせてあげて」
狼たち『ワフッ!』
ヴァレンチーナ「え、良いのか?…ふわぁ…モフモフだぁ…」
マティアス(あいつあんな顔するんだ…)
リアン(ヴァレンチーナってあんな顔するのか…)
カリスト(あの狼どういう原理なのでしょう…?)
ヨシヒデ「私も撫でるー!!」
オリ主「…なんか、嫌な予感が…??」
イオリ「気のせい気のせいw」遠隔で見てる。ちょっと面白すぎてニヤついている
オリ主「何笑ってんだよ」
ご視聴ありがとうございました!!