【悲報】都市に転生して喫茶店経営してたらネームドしか来ない() 作:しがないフィクサー
今回はオリジナルキャラクターです。南部ウーフィ協会とか出てきてもいないから完全にオリジナル設定ですわ…そこら辺許して!
今回は結構長くなっちゃいました。読みにくかったらすみません!!
感想と評価、お気に入りをお願いいたします!!
J社、そこは無限の夢と希望の詰まった都市随一の極楽浄土であり、地獄だった。この翼で大成した者はいかなる物も金で買えると言われている。ある者は特色フィクサーを自身の側近に、またある者は翼との利益提携を結んだ者もいた。そして、そんな希望にすがりつこうと日夜この翼では歓喜、安堵、疑惑、嫉妬、焦燥…あらゆる感情が渦巻いていた
…そして、そんな感情の濁流の中、流れ見極め、監視し、時には止めることを躊躇わない者がいた。紫色のスーツを内に纏い、その上に羽織った紫色と金色の入った上着の袖を揺らし、卓の間を悠々と歩く男。金色の縁取りのモノクルに宝石の入ったピアス。いかにも成功者という風柄の男…リカーナである。…とまぁ自分語りしてみたんやけど…あんまり似合わへんな??自分で成功者とか言うのはどうなん?恥ずかしいわぁ~…まぁ、そんなことよりもや。今は立会い立会い~!…お?
「よっしゃ!!ツモ!!国士無双十三面待ちぃ!!」
隣の卓から声が上がった。どうやらその卓で和了った男がいたらしい。上家、下家、対面の者たちは各々に怒号をあげ、焦燥、緊張、嫉妬の感情が見えた。ふーん、ブルー•ダイヤモンド卓やってのに…この三人、ダイヤモンドから上がったばかりやな?ダイヤモンドとブルー•ダイヤモンドとは訳が違うのを知らん顔やな。…もし、素人や普通の人間ならば「おお、運が良い」としか思わないやろなぁ…まぁ、でも…
「ちょっと、兄ちゃん…手の中のそれ…見せてくれます?」
僕は和了った男に近づいて手の平を見せるように促した。男は露骨に嫌な顔して笑って言った
「なんだお前?って、ウーフィかよ…俺がイカサマしたとでも?」
「いや、確認ですわ。やましいことないなら見せてくれますよね?」
「…ちっ。ウーフィが言うなら仕方ねぇ…ほらよ」
男はパッと手を開いて見せた。…何も無し…か。ふーん?
「ほーら、何も無かったろ?そもそもこのブルー•ダイヤモンド卓でイカサマなんてするわけ─」
男が言いきる前に、僕は男の腕をぶった切った。卓にいた他の者たちが狼狽える。目の前で人の腕切ってこれぐらい反応やったら中身はゴールド卓やな…たまたま運が良かったか、それとも金の暴力でここまで来たのか…まぁ、それはええか。切った腕を見てみる。血は出てない。義手やな
「…てめぇ!!何してくれてんだ!!この義手高いんだぞ!!払えんのか!!あ!?」
「すんまへんなぁ…でもな?兄ちゃん…この義手の親指に何か仕込んだやろ」
僕は腕を広いあげる。普通の人間には見えないやろうが…このモノクルなら見える。親指の所…モヤがかかっとるな。これは認識阻害の技術か?…「帳幕」やな。存在そのもの…まぁ概念とかも施錠出来る技術や。しかも三重。なかなか高い筈やのに…まぁ、これで種は分かったわ
「ちょっと、この施錠を開きますね」
「なっ、やめ─」
僕は指に付けていた指輪を義手の親指部分に当てた。すると…「ガチャ、ガチャ、ガチャ」と音が鳴った。さすがF社の特殊開錠妖精やな。これぐらいなら問題無いか。さて…全部開けれたな
「ほな、皆様…ご覧ください」
僕は義手を逆さまにして持った…瞬間、バラバラと大量の牌が落ちてきた。おーお、おーお…これはP社とW社の技術の合わせ技か?何ともお金のかかることを…
「なっ!?てめぇ!!やっぱりイカサマじゃねぇか!!」
「通りでおかしいと思った!!前の局で大三元決めたのに国士無双十三面待ちだぁ!?ふざけんな!!」
「しかも1局目は天和だったな!?あれもおかしいと思ったんだ!!」
同じ卓の三人が立ち上がり男に怒号を浴びせる。男は顔をしかめ、こちらを睨んできた。はぁ…僕を見るなや…
「て、てめぇのせいで全部パアだ!!ふざけんじゃねぇぞ!!俺の金を返しやがれ!!あぁ!!?」
男は僕に掴みかかってきた。うわぁ…こういう奴嫌いやねん。自分のせいやのに他人のせいにする奴とか糞でしかないわ。…はぁ…しゃあない
「他の卓の皆様!ちょっと騒がしくなりますわ!汚したらすんまへん!」
僕は周囲の卓に声をかける。僕が声をかけると他の卓の人たちは一斉に動きを止めて立ち上がり、壁際に寄った。ええ人達やわぁ…さてと。僕は男を振り払って、懐から紙を取り出して読み上げた
「えー、読み上げるで?当カジノで不正行為…まぁイカサマや破壊行動、殺害などを行ったお客様においては…処刑することになっとる」
僕は懐からナイフを取り出す。その鈍く光る刃先に男は怖じ気づく
「あ、因みに金払っても意味ないで?イカサマで得た金とかこっちも欲しくないわ。…あ、あと…イカサマによって不利益を被ったお客様たちには不正行為した本人の財産の5倍を違反者本人がそれぞれに渡すことになっとる」
それを聞いた男は目を開いて声を荒げた
「はぁ!?無理だろそんなこと!!財産の5倍を三人分!?ふざけんな!!どうやって用意しろと─ごぁっ!?」
僕は喚く男の土手っ腹に渾身の一発を入れて黙らせた。男はそのまま倒れ混む。僕は頭を掻きながら言う
「ピーピー、ピーピー喚くなや…ヒナ鳥かぁ?…そりゃあ勿論あんたの家族やら血縁関係の人達にキッチリ払って貰いますわ。あんたの親も、あんたの息子も、その孫も、そのまた孫も…まぁ、一生かけて払って貰いますわ」
男は顔を青ざめる。まったく…そんな顔するんやったらイカサマなんてしなければええのに…。僕は男にゆっくり近づいて行く
「ひ、ひぃいいい!!!?」
男はよろよろと立ち上がり、逃げ去ろうと走り出したが…
「ちょいちょい…逃げるんは無しやで?」
僕がナイフを軽く振った…瞬間。男の足が、飛んでいた。男はそのまま倒れ、苦悶の叫びを上げた。僕はそのまま歩いて近づき、話しかけた
「あのなぁ…僕から逃げれる訳ないやろ?ウーフィ協会の部長やで?お前…随分と嘗め腐ったことしてくれはるなぁ?」
「ひ、ぁ、ぁあ…!?…ゆ、ゆるして…!ゆるし─」
「処刑執行や」
僕は男の言葉を遮って、男の首にナイフを通した。スッと刃が入り、男の首を切断した。切れた首はゴロゴロと横に転がった。意識が残っていた男の首は…しばらくして動かなくなった。…ふぅ…処刑完了やな!!
「いやぁ、皆様!ご迷惑おかけしましたわ!どうぞ続きをお楽しみください!!」
そう声をかけると壁際に寄っていた人達は何事も無かったかのように卓に戻り、ゲームを再開した。…さてと。僕は耳に付けていたインカムに話しかける
「あー、あー、聞こえるか?部長のリカーナや。死体が出たから処理班を寄越してください。場所はブルー•ダイヤモンド卓のA-666です。あ、あと違反者の家族に支払い請求送っといてください。ほな」
懐にナイフをしまい、この卓の残りの三人に目を向けた。三人はすっかり怖じ気づいていた。うーん…やっぱり金で登って来た感じやな?こいつらは…警告したろ
「おめでとさん。あんたら三人はこの男の全財産の5倍をそれぞれ受け取れる訳や!嬉しいやろぉ??…でも気を付けろよ。あんたらがここまでどうやって来たんかは聞かんがな…ブルー•ダイヤモンドを嘗めるなや。あんたらみたいなド三流が来て良い場所ちゃう。今回はたまたま運が良かっただけやと思え…ええな?」
「「「は、はぃいいい~!!失礼しましたぁあああ~!!?」」」
三人はドタバタと音を立てながらこの場から逃げ去るように帰って行った。ふっ…ここに来るなら俺に認められてからやで…!ゴールドからやり直しなはれや!と、僕がそう思っていると
「部長…お疲れ様です」
後ろから凛々しい声が聞こえた。振り替えると紫色と金色の刺繍が入った黒スーツ、そして紫色のネクタイを着けた女性。その目は何事も見逃さないという信念を感じる程だった。そこにはウーフィ協会の副部長のマナカちゃんが立っていた。その側には処理班が控えている
「おお!お疲れ様やなぁ!マナカちゃん!!」
僕はヒラリヒラリとマナカちゃんに近づいて後ろに回り込み…尻を思いっきり叩いた。パァンと綺麗な音が鳴る
「ひゃあん!!?///な、何を…!!」
マナカちゃんは顔を真っ赤にしてこっちを見て来る。僕は手の感触を確かめ…こう言った
「安産型やね!!」
「どらぁっしゃぁああああ!!!」
「ぶべぁ!!?」
直ぐ様めっちゃ痛いカウンターが来た…いやぁ!!日に日に良いパンチになっとるで!!その調子やとその内人を殴り殺せるんちゃうんか??あ、ちょ、また拳構えないで!!
「部長…!!あなたの契約等の約束事に関しては圧倒的の信頼を寄せれることは認めましょう…!!ですがどうしてこうもセクハラをしてくるのですか!!プラス評価とマイナス評価が釣り合って普通状態ですよ!!?」
「あ、それでも普通はあるんや…嬉しい…って!?あ、ちょ、脇腹ツンツンやめて!」
脇腹は弱いねん!!許してぇ~!!
「まったく…!!…はぁ…まぁ良いですよ。…処理班の皆さん。掃除をお願いします」
マナカちゃんが言うと控えていた処理班は死体に駆け寄って片付けを始めた。まぁ3分もすればピカピカやな。するとマナカちゃんが言った
「違反者の家族への支払い請求を送りました。まぁ、少なくとも支払い額の6割は払えるかと」
「あと4割はぼちぼちか…ままえやろ。しっかり払ってくれるなら問題あらへんよ」
僕は懐から懐中時計を取り出す。時間は十二時…お昼時やな。僕は時計をしまってマナカちゃんに向き直る
「お昼時やしご飯にしよか!マナカちゃん!!」
「ふむ…確かにあと5分で休憩時間ですね…外食中は1課の職員たちに任せるのも手かと」
ほぉ?それは名案やな!最近家の職員らは鈍って来ているしなぁ…ちょっと鍛え直してやらな
「ほならマナカちゃんの方から連絡しといて。あいつらもブルー•ダイヤモンドの立会い出きるんは嬉しいやろ。あ、さすがに5人ぐらいこっちに送れよ?僕とマナカちゃんは100卓ぐらいなら一瞬で把握出来るやろうけど、さすがにあいつらはせいぜい一人75卓ぐらいが限界やろ?人数足りへんよ」
僕がそう言うとマナカちゃんは「わかりました」と言ってインカムに連絡を入れた。僕はそんなマナカちゃんを尻目に何処に食事に行こうかと考える。ここから近いんやとJ社のハンバーガー屋とか…あとはハムハムパンパンやな。あそこのサンドイッチはまた絶妙なんや…でも今はその気分ちゃうなぁ…さて、何処にしたもんやろか…。僕が悩んでいるとマナカちゃんが言った
「…ぶ、部長…ここに行って見たいのですが…!!」
マナカちゃんが懐からチラシを出して見せてきた。その目には期待と緊張がこもっていた
「ほぉ?珍しいな、マナカちゃんが自分から言うとは…何々?ちょっと見せて?」
チラシを受け取り内容を見る。…喫茶店のチラシやな。しかもなかなか風情のある感じのや。…特段変な場所は…いや、あるな。モノクルが反応してる…でも何の技術や?催眠…いや、これは違うな。じゃあ認識改編…?いや、それは紙一枚に込める物ちゃうわな…なーんか変な感じやね。このモノクルは見た景色で違和感のある場所を白く曇らせるって奴やし…実際このチラシは薄くやけど白く曇っとるな。…警戒のしすぎやと思うけどこれはスルーやな。そもそも軽食って気分でも無いし
「マナカちゃん。ごめんやけどこれはスルーで─」
僕がそう言った瞬間、マナカちゃんの目から光が抜け、顔を俯かせた
「えっ…あ、う、あぁ…はい…」
え?は?何その悲しそうな顔!?何でや!?僕何かした!?悪いことした記憶一切ないぞ!!…あ、そういえば最近やけにマナカちゃんが僕を食事に誘って来たり、お菓子焼いて持って来たり…一体どうしたんやマナカちゃんは…!?あ、ちょ、涙目になっとるがな!!え、なんでや!?
「ま、マナカちゃん!!やっぱ行くわ!!そこまで腹減って無かったし!!なっ!?小腹満たすんにはちょうどエエわ!!」
僕がそう言うとマナカちゃんはパアッと顔を明るくし、直ぐ様いつも通りの顔に戻った
「かしこまりました。私も支度してきますね」
マナカちゃんは後ろを振り返って歩き出した。その足取りは実に軽やかで、まるでお出かけをする犬の様やった。僕はそんなマナカちゃんをしばらく見て思った
「…何か良いことあったんかなぁ…?」
僕は頭を掻きながら出かける支度をしに行った。何か周りのお客様から「わかってねぇなこの男」みたいな視線向けられた気がするけど…気のせいやな!!
「ここか?マナカちゃん」
僕とマナカちゃんは私服に身を包んで例の喫茶店の前に来ていた。隣のマナカちゃんを見ると…なんやろ、何かオシャレして来てはるな?なかなか可愛い見た目やなぁ…やっぱエエことあったんやろなぁ。…マナカちゃん個人の依頼で大当たりのが来たんかな?
「はい。チラシに書かれてるのはこの場所です。…あの、何故じろじろ見ているのです?」
「ん?いや、可愛いなぁと思ってな?」
僕が素直な感想を伝えるとマナカちゃんは一瞬顔を真っ赤にして、目を見開いた…が、直ぐ様落ち着いて顔を整えた。なんやこのマナカちゃんは…変やなぁ…いつものカッチリとした君はどこ行ったん?
「と、とにかく!!入りましょう!!ほら!!」
「ん!せやな!」
マナカちゃんに急かされて、僕は喫茶店の扉を開けた
カランカラン
「いらっしゃいませ。二名様で宜しいですか?」
扉を開けると店主と思わしき男が話しかけて来た。…変な所は無し。しいて言うなら落ち着いてるわな。僕は店主に向かって言うと
「はい。二人ですわ。席の指定とかあります?」
「いえ、お好きな席へどうぞ」
それを聞いて僕たちは近くのテーブル席に座った。…店内を見てみたけど…人少ないな。見たところ経営維持出来るぐらいは稼いどるらしいな。まぁ、いわゆる知る人ぞ知るって奴やな。さて、メニューは…あれ?メニューが置いてないんか?
「あ、家はメニュー置いてないんです。作って欲しい物があればお作りしますよ」
ほぉん?なかなか攻めた商売やな…こういう店はだいたい博打要素強いんよな…本当に旨い店とハズレの店は当たり外れが激しすぎるからな…
「なるほど…では私は…あ、サンドイッチをください。それとコーヒーを。部長はどうします?」
マナカちゃんが注文を終える。む、むぅ…!なかなかに勝負するやんマナカちゃん…!サンドイッチは喫茶店の実力を示す一つの指標やと思ってる僕からしたら…これで外れたら二度と行かへんと思ってしまうぞ?…ふむ…サンドイッチを取られたか…となると他に分かりやすい判断材料は…あ、あるやないか…!!喫茶店と言ったらのあれが…!!
「…店主…プリン、お願いします。それとコーヒーを」
瞬間、店主の目が見開かれた。ふっ、この店主分かっとるな…喫茶店のプリンは時には多くの客を呼び込むためのNo.1商品になることがある。卵、牛乳、砂糖…あらゆる素材を完璧なまでに使いこなしたその喫茶店独自のプリン!!それこそが喫茶店のランクを格付けする中で一番必要な要素!!(※個人の感想です)
「…かしこまりました。しばらくお待ちください」
店主は覚悟を決めた顔をし、店の奥へと消えていった。…ふっ…!なかなかの博打をしたで…!するとマナカちゃんが話しかけてきた
「プリンだけですか…?お腹空きますよ?」
「ふっ、ええんやでマナカちゃん…僕はプリンで勝負や」
「何故賭博みたいなことを…普通に楽しみましょうよ。…足りなかったら私のサンドイッチを分けてあげますからね」
ふっ、マナカちゃん…嬉しい気づかい感謝やで…でもリスクは取れへんねん。ここでお腹空いたからナポリタンとかドリアとか頼んでみいや。味が絶妙に美味しくなかったら食欲湧かへんやろがい…!でも勿体ないからしっかり食べきらなアカンというちょっと辛い時間になっちまうんや…ふっふっふっ…これはリスクよりも安全策を取った僕の勝ちやな!!
「…楽しそうですね。部長」
「そういうマナカちゃんこそ。何か良いことでもあったんか?今日はやけに機嫌良いやんか」
僕がニヤニヤと笑いながら聞くとマナカちゃんは顔を赤くして慌てて答えた
「な、な!そんな訳無いじゃないですか!!!何もありませんよ!!」
手を前に出して慌てて否定するマナカちゃん。…ほぉん?もしかして…!!
「…好きな人が出来たんか?」
「!!?!?!?!!?///」
ほぉら!!大当たりや!!一瞬で顔を茹でダコみたいに真っ赤にしとるで!!頬に手まで当てちゃって!!いやぁ…!!まさかあのマナカちゃんにそんな相手がなぁ…!!僕は嬉しいで…
「ぶ、部長!!やめてください!!もう!!」
いつもの落ち着いたマナカちゃんから想像出来ない程取り乱していた。ふっふっふっ…ええなぁ…楽しそうやなぁ…これは青春や…若いうちに楽しんどいた方がええで…!!僕、応援しとるからな!!
「…はぁ…さっさと気付いてよ…///」
「ん?なんか言った??」
「なんでもありません!!!」
しばらくして店主が奥から戻って来た
「お待たせいたしました。こちら、サンドイッチとプリン、コーヒー2つでございます」
マナカちゃんの前に置かれたのは喫茶店で良く見る三角に切られたパンに食材を挟んでる物だった。うんうん、シンプルやね。そして、僕の目の前に置かれたのは…
「…おぉ」
サンデーグラスにプリンが乗せられていた。プリンにはカラメルソースがかけられており、その上にはホイップクリーム、そしてホイップクリームの上にチェリーの砂糖付けが乗っていた。まさに由緒正しい喫茶店のプリンという見た目…ええやないか。独創性とか度外視に味で勝負しに来たわけやな?
「…ええやないか…この勝負、受けるで」
僕はスプーンに手を取り、プリンをすくう。…なるほど、しっかり固いタイプのプリンやな…では
「…いただきます」
口にプリンを運ぶ。…瞬間、衝撃
「っ!?…こ、これは…!!」
卵の濃厚なコク、そしてミルクの上質な甘味が口の中に広がる。舌の上で溶けるだけではない、ゆっくりと広がり、溶ける。何と言う口溶け…!!甘さは控えめなのが嬉しい…だが、その甘さを引き立てるのがこのカラメル!ほろ苦い風味がプリンと見事なコンビネーションを生んでいた。控えめな甘さがカラメルの苦味により引き立てられ、かといって甘過ぎず苦すぎずの完璧なあんばいを作っていた。…ここにこのホイップクリームを乗っけて食べるとどうなるのだろう…
「…おぉ…!!?」
ホイップクリーム、近頃の店のパフェ等ではかなり甘い物が多い。時には他の食材を邪魔する甘さの物まである。しかし!このクリームはどうか!…甘過ぎない!!いや、むしろこれで良い…!!この砂糖とかほぼ入ってないよ!みたいな味付けが完璧である…!!そしてこのホイップクリームの甘さとプリンの甘さ、カラメルの苦味…それら全てが互いに互いを支え合い、完璧な布陣を作り上げていた!!
「…最高や…!最高やで店主!!」
思わず立ち上がってしまう。こない最高なプリン食ったことないぞ!!高級スイーツ店のあの唯一無二感も好きや!自分で作った下手クソなプリンも美味しい!!でも、でもや…!!僕が求めていたんはこのプリンやったんや!!この懐かしくも恋い焦がれるようなこのプリンが…!!ずっと食いたかったんや!!
「…店主、なんちゅう…なんちゅう物を食べさせてくれたんや…!!これに比べたら僕の作ったプリンはカスや…!!」
僕は感動の余り涙を流す。それを見ていたマナカちゃんは驚いてオロオロとしだした
「ぶ、部長!?大丈夫ですか!?な、何かされたのですか!?…き、貴様ぁ!!部長に何を─」
「静かにせぇ!!マナカァ!!これでも食えぃ!!」
「むぐぅっ!?」
僕は店主を掴みかかろうとしていたマナカちゃんの口にスプーンの上に乗ったプリンを突っ込んだ
「…?…っ!!!?!?///」
しばらくの間何が起きたのか理解出来ていなかったマナカちゃんは、ボンッと顔を赤くし、その場に座り込んだ。顔面を手で抑え、プルプルと震えている。やっぱりな…!!マナカちゃんも分かるか…!このプリンの素晴らしさが!!
「な、なな、何を…!?何をするんですか!!!?いきなりスプーンを口に突っ込むのは非常識でしょう!!」
「でも旨かったやろ?」
「っ!!?…ええ、まぁ、その…美味し、かったです…!///」
ふふふ…流石僕が見込んだ次期部長候補や…僕と同じ味覚を持ってるとは恐れ入るでぇ…!僕はマナカちゃんの口にまだ突っ込まれていたスプーンを引っこ抜き、そのままプリンをすくい、口に運ぶ。…うーん!!旨い!!僕は店主の方を見てケラケラと笑いながら言った
「店主!最高やわぁ!!やっぱりこういうプリンが一番─」
「あ、あの?お客様?お客様!?前!前見て!!」
「ん?なん…マナカちゃん…??」
僕が店主に急かされて前を向くと、マナカちゃんがまさに怒髪天と言う他ないオーラをかもしだし、その顔はまさに般若のように変化していた。しかも真っ赤な。なんや真っ赤な般若て!?
「あ、あの…マナカちゃん…?なしてそんな顔を─」
「…チョークスリーパーとバックドロップ…どっちにします?ああ、コインで決めましょうか。ええ、そうしましょう」
おもむろに懐から硬貨を取り出すマナカちゃん。ちょ、それどっちに賭けても僕死ぬんやないか??え、ちょ、マナカちゃん!?何でそない怒っとるねん!?僕何かしたか!?あ、ちょ、店主!?奥に逃げないで!?
「表がチョークスリーパー、裏がバックドロップですね。では…賭けてください。部長」
指で弾かれる5秒前の硬貨。マナカちゃんの目がガチや…!!
「いや、あの、マナカちゃん?ここは穏便に─」
「賭けろボケカス」
「あ、はい。表にします…」
「では私は裏を」
そして、硬貨は跳ねあげられた。頼む!まだチョークスリーパーなら気絶で済む!!バックドロップは普通に死ぬから嫌や!!頼むぅ…!!そして、硬貨は床に落ちる。結果は…
「…立った…?」
まさかの落下の勢いそのまま垂直に直立した。は?どういう理屈やねんこれ。え?これどうなるん?
「…なるほど…どっちもですね!!」
…ん??聞き間違いかな…どっちも?今どっちもって言った気が…あ、聞き間違いちゃう?…あ、ふーん…スーッ…そっかぁ…
「…マナカちゃん。ちょっとトイレ行ってくるわ」
僕は立ち上がり、その場から走り去ろうとした…が
「逃がすわけないだろ、この野郎…!!毎日毎日セクハラしてきては私に殴られてるのに懲りずに尻だの胸だのを揉んで来て!!それなのに時々見せる男らしさ!!そしてそのカッコ良さのせいで私の性癖が捻れたんですよぉ!!責任を!!取れ!!この…!!天然朴念仁がぁああああ!!!///」
僕はマナカちゃんの腕に捕まれ、そのまま技をかけられる。痛い痛い痛い!!ちょ、あかん!!これは死ぬぅ!!?
「え、ちょ、待って!誰か!誰か助けて!!ちょ、持ち上げないで!許し、あっ─!?」
次の瞬間、僕の意識は途切れた。なんでやぁああああ!!!
はい(はいじゃないが)
何か今回もギャグ回だった気が…でも都市の厳しさもしっかり書いたので良し!!()
以下登場人物紹介
南部ウーフィ協会 1課 部長 リカーナ
ウーフィ協会の部長。ウーフィ協会で出てる情報って薬指とかが関わってたり、定事務所と協力関係だったりするとか、契約などの立ち会いに関わるとか…まぁそんな人たちだと言うのが分かってる。今回書いた南部ウーフィ協会1課部長のリカーナはJ社の一番権利のあるカジノで立ち会い兼監視&警備を担当しているという設定。いつもヘラヘラしてるけど賭博や戦闘の時はめっちゃ頼りになる。契約なども絶対に破らないため信頼が大きいのもGod!なお副部長へのセクハラはスキンシップ()ついでに鈍い。今回のマナカの暴走でようやく気付いた
南部ウーフィ協会 1課 副部長 マナカ
リカーナの色んな意味での被害者。見た目は図書館のハナフダの髪をポニテではなくショートにした感じ。リカーナとはそれなりの付き合いで同時期にウーフィ協会に入った同僚みたいな関係。仕事の時もだいたい一緒なので周囲からは「もう付き合っちゃえよ!!」と何処ぞの僧侶みたいなことを言われてたりする。カジノの客も思ってる。何なら本人も思ってる。とまぁそんなことは置いといて…リカーナのせいで色んな所がダメになったせいで好きな男の男性像が「ヘラヘラしてるけどやるときはやってくれて、それでいて約束はしっかり守ってくれる。でも時々セクハラしてくるけど下手にやり過ぎなくてちょうど良い距離感をたもち続けて来る男性」とかいうリカーナしかいないという状況にされた。可哀想()なお賭博になると人格が変わって口調が荒くなるのはご愛敬♪今回のリカーナの行動で吹っ切れた
以下駄文
リカーナ「」チーン
オリ主「し、死んでる…!?」
マナカ「自業自得ですよまったく!!モグモグ」残りのサンドイッチを食べている。ついでにプリンも食べてる
リカーナ「お、俺の…プリン…!…ガクリ」
オリ主「…お疲れ様。…女の扱いには気を付けるやで」
マナカ「何か分かりませんがあなただけは言ってはいけないと思います」
オリ主「何で!?」
ご視聴ありがとうございました!!