【悲報】都市に転生して喫茶店経営してたらネームドしか来ない() 作:しがないフィクサー
随分お待たせしてすみません…ちょっと受験で忙しくて…本当にすみません!!
今回はミリネさんですよ。初めて声聞いた時は年齢と違って案外若々しい声でびっくりしたわよね。もう少し落ち着いた声かと思ってた。職員と表記してるのはまだ下積み時代のミリネさんという設定でございます。え?ロボトミ編なのになんで図書館勢なのかって?…じゃあ幻想体出せってか!?無理だべ!ホーエンハイムもユーリもまだL社に就職してないだろうし!なんならL社設立したばかりの頃の話あまり語られてないせいでロボトミ関連の話が展開出来ないのだ!あー!リンバスで語られないかなぁ!!
ミリネ視点で進みますわよ。ご了承頂きたいです!!
ルイナのネタバレありなのでご注意ください!!
感想と評価、お気に入りをお願いいたします!!
それは、雨の日だった。私は、裏路地で産まれた。母は優しく、私を大切に育ててくれた。父はフィクサーで、家族の為に沢山働いていた。ああ、いつまでも、いつまでもこんな日々が続けば良いのに。そう思っていた。でも、私のそんな願いは…あの日を境に砕かれた
『ミリネ!!逃げるんだ!!早k─』
父の首が体から滑り落ちた。母は私を裏口に逃がす。時刻はもう夜だった。掃除屋たちが来るかもしれなかった。でも、母は私を必死に抱き上げ、裏口の前まで連れて行ってくれた
『ミリネ…!お父さんとお母さんは、いつもあなたの側にいるからね…!!…大丈夫…!お母さん、強いから…!!…行って…!!』
母は私に、母が大切にしていたネックレスを渡してくれた。そのまま、私は家の裏口から飛び出した。背後から悲鳴と、何が飛び散る音がした。でも、私は振り返らなかった。一瞬…ほんの一瞬だけ、声が聞こえた
『…悪いな。ミリネさんには、強くなってもらわないとなんだ…せめて、苦しまないように…』
それ以上は聞き取れなかった。その声は、酷く落ち着いていて…そして、不思議と心地よかった。私の足は止まらないまま、裏路地の夜を駆けていった
あれから数年が経った今。ハナ協会南部3課。そのオフィスに私はいた。周囲からは慌ただしく走り回る他の職員たち。あの煙戦争から数ヶ月経った今でも、まだその影響は収まっていない
「新L社の動向は!他の翼はどうしている!」
「現在確認出来ているのはW社、T社、P社、そしてR社と業務提携していることだけです!!」
「おい!!旧L社の職員が暴動起こしたらしいぞ!!」
至るところから声が上がる。あの煙戦争から数ヶ月経った後、旧L社の土地に新しく新L社、Lobotomy 社が設立された。旧L社と同じくエネルギー企業だが、そのエネルギー産出量は旧L社とは桁違いであり、エンケファリンと呼ばれる物質はこれまでのどのエネルギー源よりも優れていた。エンケファリンは瞬く間にあらゆる翼に浸透し、多大なる影響を与えた。エンケファリンを得た翼たちはさらなる実験を行い、新たな技術を産み出して行った。…恐ろしいと私は思った。新L社はたった数ヶ月で都市の半分を掌握したようなものだ。もし新L 社がエネルギー供給をやめるなどと言えば、他の翼は大打撃を受けるだろう。だから他の翼は新L社に下手なことは出来ない。新L社もそれを理解しているのだろう。今日までそのような行動は一切していない。そして、時々思うことがある。…もし、新L社が何らかの理由で折れたとしたら…この都市はどうなる?と
「…はぁ。やめやめ!」
私のようなハナ協会の一職員が考えるようなことじゃないわね。私は手元の資料を整理し始める。新しい都市災害の発見、8人のシェフの近況報告に…は?どれこれも都市の星案件じゃない!!
「…はぁああ…!!」
頭が痛い…ただでさえ煙戦争明けと新L社のことで忙しいというのにこういうことは起きないで欲しい!!…まぁ、やるしかないが…
「…ふぅ。よし!やるわよ…!!」
私は頬を叩き気合いを入れる。まずこの新しい都市災害発見という者はどっかのフィクサーに頼もう。そうした方が早い。8人のシェフの調査報告に関しては2課に送ろう。あそこのケルン部長ならば問題無く処理する。そしてこれは…下水道での被害報告…?
「何々…?下水道に人間が引き摺り込まれていた…友達が下水道に消えた…頭から赤い結晶が生えていた…血を全て抜かれた者が見つかった…ふむ?」
何処かの研究施設の実験体でしょうかね…赤い結晶、血…血鬼?いや、血鬼ならこんな表には出てきませんね。こうなると部長やフィクサーたちに任せるような依頼ではない。概ね都市伝説ランク。となると…
「…私で対応する他無さそうですね…はぁああ…!」
今ハナ協会から出せるフィクサーはあまり多くない。フィクサーのほとんどが煙戦争によって死亡してしまったからだ。そのため生き残ったフィクサーたちに皺がよっていた。まぁその残ったフィクサーたちが軒並み化物揃いなのですがね…特にサルヴァドールというフィクサーは今月に入って都市疾病と都市の星関連の仕事を8個こなしてますし…戦々恐々とはこのことですね。彼ならこの程度の依頼でも受けてくれそうですが…
「そんな彼も、今は別の仕事が振られてますからね…はぁあ…」
私は重い腰を上げ、書類を懐にしまい立ち上がる。そのまま武器保管庫に行き、自分の装備を手に取る
「…調査ですし、他の人員は必要無いかな。何かあれば直ぐ逃げれば良いし」
私はそう思い、必要最低限な物質だけを持って報告のあった場所に向かった
暗い、下水道。私はそこを歩いていた。足元のヌルッとした感触が気持ち悪い。そんな下水道を歩いていると目的地につく
「…この辺りのマンホール周辺で人が行方不明になり、人が引き摺り込まれていた…か」
天井を見上げるとマンホールが上に見えた。近くには梯子もある。…しかし、特段変わった物は見られない。他の場所も見てみるが、どのマンホールも普通だった
「マンホールには異常無し…となるとこの下水道そのものに何かあるのかしら」
そう思いさらに奥へと進む。下水道のさらに奥。だんだんと雰囲気が変わって行く。そして歩き続けること3分ぐらいだった
「…ん?」
足に変な感触がある。泥や汚れなどのような気持ち悪い感触ではない。少し弾力があり、それでいて熱があるような…そんな…気色悪い感触だった。私は足元を見たが暗い。ライトを取り出し、そこを見ると…赤い糸のような物が無数に広がっていた
「っ!?こ、これは…!」
未知の物質かと思い、直ぐ様足に武装を展開する。まずい、何かされたか…!?…そう思ったが、しばらくしても何も起きなかった。私は再度待ち、一時的な安全を確認して武装を解除した
「…問題無し…未知の物質では無さそうですね」
私はその場に屈み、その張り巡らされたソレを見る。…赤い糸、その中に混ざる青い糸も見えた。それは熱を持ち、動いていた。その糸の所々から赤い液体が漏れだしていた。…ああ、分かった。この地面に張り巡らされているこれは─
「ああ、人間の血管だとも。人間の女よ」
私の後ろから、声がした。ああ、くそっ…!!?
「っ!!」
私は直ぐ様その場から走り出そうとして…目の前の景色に唖然とした。先程まで暗かった下水道には血管が至る所に張り巡らされ、明るい赤で照らされていた。そして、進む先には血管と肉で作られたであろう壁と、動く人間の─…いや、あれはもはや人間とは呼べない。頭から、目から、腕から…体中を赤い結晶で覆われた何かがいた。…ああ、間違いない。あれは…血袋だ
「…古い資料で見ただけでしたが…ああ、本当に…運が悪い…!!」
私の背後から女…いや、血鬼が不気味な笑顔を向けながら歩いて来る。その血鬼は言った。私はいつの間にか足に血管と肉が纏わりついているのに気付いた。っ!動けない…!!
「初めましてだな。人間の女。私は…ふむ、古い名だが…エレナという。なぁに、お前たちが言う「血鬼」という者だ」
目の前の血鬼は淡々と喋る。何か、ここから逃げる方法は無いか?武装を足に展開して逃げるか?無理だ、壁と血袋に阻まれる。そもそもこの足の拘束を解かないと…!
「血鬼について説明した方が良いだろうか?血鬼とはお前たちが言う「人ならざる者」の一つだと私は認識している。間違いないな?」
ならばこの血鬼を殺して逃げる?無理だ、私では到底勝てる相手ではない
「無言は肯定と捉えよう。さて、続きだ。…遥か昔だ。そこに一人の少女がいた。少女は一つの館で他の人間と一緒に過ごしていた。…その館には、人の血を啜る化物たちがいた。人間の血を貪った罪で永遠の渇きに苦しむという罰を与えられた者たちだ。…全てが始まったその屋敷で、人間たちはその者たち…怪物になった者たちを恐れた。そしてその少女もだ。何せ私たちの知る正常から大きくかけはなれた存在だったからな」
どうする。どうすれば良い?救援?無理だ、ここから動けない。ならば耐えしのぐ?厳しいだろう。増援が来る前に私は死ぬ。なら、何が…出来る…?
「…しかしだ。今考えてみればその考えは本当に馬鹿らしかったものだ。私たちが思っていた正常という幻想は、いったい何なのだ?極端な話、9割の人間が血鬼になり、残りの1割だけが正常な人間だとすれば…その少女が思っていた正常という認識は崩れ去るだろう」
考えろ。ここから助かる方法。生き残る方法。考えろ、考えろ。どうする?何を、何をすれば良い?何をすれば…!!
「…人間の女よ、お前に聞こう。…お前にとっての正常とは…なんだ?私たちのような「人ならざる者」がいないことか?それとも死すら恐れることのない日常か?ああ、それとも…この都市を支配する者たちに見守られ、企業が人々を搾取し、悪人が人々を殺し回るのが、お前にとっての正常なのか?」
…ああ…考えて…分かった。…私は、助からない…何度も次号したけど…ここから助かるのは…絶望的だ。…どうして、こうなった…?…私が、私が油断したからだ…。たかが調査だとたかをくくった…私の…
「……答えられない、か。…ああ、そうだろうな。今まで食って来た者たちもそうだった。…お前たちにとっての正常とは…」
血鬼の腕が、振り上げられる。あ、あぁ…私、私は、こんな…ところで…
「己が生きていると、確信出来る時だけだったな」
……ああ…爪が、赤い爪が…落ちてくる。…死ぬ。死ぬ。死ぬ。…あ、あぁ…!!?いやだ、死にたく、ない…!私は、こんな…ところで…!!こんなところで死にたくない!!父と母に救われたこの命が、こんな…こんな、ことで…!
「死にたく…ない…よ…!」
私は、首にかけていたネックレスを握りしめた。その爪が、私に触れようとし、反射的に目を閉じた。…しかし、いくら待っても爪は私に触れなかった。私は恐る恐る、目を開いた。そして、私の目に移ったのは…
「…危ないなぁ…!勝手に死にかけんじゃねぇよ!!」
「…え?」
見知らぬ男だった。その男が、私に触れようとしていた爪を…その血鬼の腕を掴んでいた。血鬼は目を見開き、言った
「…お前は…なぜ、ここに…!?」
「エレナ。積もる話はまた後でだ。取り敢えず、その爪納めてくれないか?」
「……お前が言うならば…そうしよう」
目の前の血鬼は男に言われたまま、腕を引いた。私は、その現状を理解出来なかった。男がそれを確認すると、私に向き直る。何を、される?私は、どうなる?そんな思考が頭を駆け巡る。男の手が、近づいて来る。私は身構えた。が、私のその行動は無用だった
「…大丈夫か?」
「あっ…」
男の手が、私の頭に触れる。その手は、暖かくて、安心出来て…それでいて、優しかった。死の恐怖が、ゆっくりと薄れて行く。不思議だ。知らない人なのに、何故か心が引かれる。安心出来てしまう。私がそう思っていると、目の前の彼が言った
「…少し、寝ててくれ。目が覚めたら、安全な場所だ」
瞬間、コーヒーの匂いがして…私の意識は、そこで途切れたのだった
■■■視点
「…ふぅ、危なかった…!!」
俺は目の前で横になって寝ているミリネさんを見ながら言った。いやぁ…まさかエレナこと血染めの夜の第一発見者がミリネだったとは…さすがに予想外だったぜ…間に合ってよかった…!
「…あなた、いえ…『語り部』。どうやってここが?私はここを伝えたつもりが無いのだが」
「ん?ああ、俺の知り合いに色んなことを知ってる人がいてな。ここまでの道を開いてくれた」
俺は壁の方を指差す。そこには空間が裂かれたような跡があった。いやぁ、イオリが教えてくれなかったら本当にミリネさん死んでたぞ
「…昔から、お前の親友には変人が多いな。あの『騎士』も、お前の親友なのだろう?」
「いや、あれはどちらかと言えば向こうから話しかけてきたから…いや、まぁ…知り合いということにしてくれ」
エレナは血袋たちにミリネを外に戻すように伝える。うーん、血鬼って結構便利だよなぁ…眷属作れるし、血袋は基本的に増産できるしで。俺がそう思っているとエレナは微笑み、俺の頬に手を当てて言った
「…この力に興味があるのか?…なら、私の純血の血を分けてやる。お前なら大歓迎だぞ?私の一番最初の第2?眷属にしてやろう。どうだ?」
心底楽しそうにエレナは俺の頬を撫でる。俺は頬に触れたエレナの手に触れ、嫌味っぽく言った
「あいにく、まだ血に飢えちゃいなんだよ。エレナ。…お前からのお誘いはまたの機会にだ」
「…つまらない男だな。…ふっ、まぁそれがお前らしいぞ?『語り部』」
一瞬、眉間に皺を寄せていたが直ぐ様微笑みを取り戻した。うーん、案外話が分かるじゃねぇのエレナ。まぁ血鬼だから受け入れられないのは仕方ないのだが……するとエレナが言った
「…『語り部』…お前の考える正常とは、なんだ?」
…ああ、懐かしいな。初めて会った時も、この会話だった。俺は昔言った時と変わらないまま、それを答えた
「正常?そんなの、無いに決まってる。これまでも、これからもな」
それを聞いたエレナの瞳には……歓喜の色が見えた
はい(はいじゃないが)
なんかミリネの話とか言ってるのに後半はエレナの話になりましたねぇ…そのうちエレナ視点も書こうかな?まぁ追々ですわ
以下登場人物紹介
ハナ協会南部3課 職員 ミリネ
まだハナ協会に就職してから1年程度の新人(新人って読んで良いのかわからん)でまだ行動が粗雑な頃のミリネさん。どうせ都市伝説か悪くて疾病ぐらいだろとか思ったら都市の星出てきて絶望していた。可哀想に…まぁ楽観視したミリネさんが悪いね!
幼少期に父と母を殺されている。ミリネ本人は「落ち着いていて、不思議に心地良い声の奴が両親を殺した」と認識している。一体誰なんやろなぁ~(すっとぼけ)
血染めの夜 エレナ
後に黒々夫婦に敗走する人外。昔オリ主に会ってからかなり気に入っている。エレナの産まれに関しては正直分からぬ…取り敢えず一番最初の血鬼たちの一人ということぐらいか?作者にはそれぐらいしか分かりません。許して!!詳しくは図書館やってくれたまえよ!!
オリ主
なーんか暗躍してますねぇ…はい、勘の良い人は分かると思いますがミリネの両親殺したのこいつです。理由?つよくなってもらわないとだからね!!仕方ないね!!だってあのままぬくぬく育ったらただの美人で事務仕事してるお姉さんになっちゃうからねミリネさん。だから両親を殺す必要があったんですね(メガトン殺人)今回バレ無かったのは認識阻害仮面と変声機のおかげ。なおエレナにはもろバレした
名前だけ登場してる方
ハナ協会南部2課 部長 ケルン
詳しくは18話の幕間のハナ協会がやって来たで見てくれ
『騎士』
誰なんやろなぁ…分からないなぁ~(すっとぼけ)
[まぁ、私が出るのはまだまだ先だろうね。楽しみに待ってるよ]
割り込んで来ないで??
以下駄文
ミリネ「目が覚めたらハナ協会の前だった件」
ハナ協会職員「何やってんのミリネ??」
ミリネ「…恥ずかしい…!!」
エレナ「ニッコニコォ~」
オリ主「そ、そんなに嬉しいのか…?」
エレナ「ふっ、なぁに…同じ意見の存在がいてくれて嬉しいだけさ」オリ主の腕を抱く
オリ主「おう、さりげなく血を注入しようとすんな」
イオリ「早く帰って来なこのバカ息子」
オリ主「いつから俺はお前の息子になったんだよ」
ご視聴ありがとうございました!!