アイズさんは好きだけど負けヒロインが可哀想すぎるからいっその事誰も選ばない展開にしてやろうという妄想こじつけ話。   作:わさびこんぶ

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ス、スランプゥゥ…。5話目でスランプとか早すぎませんか?短くて中途半端ですが、とりあえずここで投稿させて下さい。

タイトルミスってたから直しました。


第5話 もしや…ファン?

第5話

「うぅ」

「やっと泣き止んだ……。」

 今は早朝。普段ならばヘディンさんやリューさんと鍛錬している時間だが、今朝は特にフィオリアの機嫌が悪くて行けなくなってしまった。

「はぁ……。」

 この頃の赤子はまだ自我が薄い。だから、急にギャン泣きする理由に特に意味は無いらしい。こういうのは黄昏泣きと言うんだそうだ。

(しんどい……)

 泣き止むまではひたすらあやすしか無い。当のフィオリアといえば、すっかり笑顔になってひたすら手足をばたつかせている。

「おい、愚兎。」

「ま、師匠(マスター)?」

 ほんとに不可侵条約はどうしたのだろうか。普通に寝室(というかリビング)に入ってきている。

「そいつは、何だ。」

「あ、この子は……ん?」

 何だって、なんだ?フィオリアが誰の子かという話は、シルさんからしてくれているはず。種族名の話か……?いや、なんだか違う気がする。もっと根本的な─────

「う!」

「っ!!」

「え?」

 フィオリアの声に、師匠がビクリと震える。

「あ〜」

「ふん、醜い顔をしているな。無駄な贅肉が頬についていて怠惰が透けて見える。」

「んぅぅ!」

 フィオリアを見るなりいつもの暴言をかますヘディンさん。フィオリアが抗議するように腕を振り上げる。……少しだけ、僕もムッとしてしまった。

「あの、ヘディンさん。何か用が……?」

「お前に用などない。将来的にシル様の娘になるであろう存在を見物しに来ただけだ。」

「……」

 (もう何も言うまい。)

 ヘディンさんが屈んでフィオリアを覗き込む。

「いくら手足をばたつかせようと、その軟弱な腕では無駄な足掻きだ。」

「ぶぅ!」

「ふん、言葉も発せない分際で何を言おうと、私に伝わることなど無い。」

「発せないどころか、意味なんてないですけどね……。」

 ヘディンさんはどうやら、フィオリアを敵視しているようだ。

 (……なんで?)

「おい」

「はい!」

「こいつを抱き上げろ。」

「え、こ、こうですか?」

「よし、下ろせ。」

「は、はい……。」

 いったい、なんなんだろう?フィオリアは抱っこして貰えたと思ったら下ろされてしまったので、少しだけグズっている。

「ふぇ、うぅん」

「……」

「へ!?」

 なんと、あのヘディンさんが、フィオリアを抱き上げようとしている。恐る恐る、頭を支えて、腰に腕を回す。なんて事ない動作のはずだが、滅多にない師匠の険しい顔に思わず固唾を飲んで見守る。

「……!」

「師匠、すご───」

「うあ”ぁぁぁぁん!!!」

 腕に収まったかと思えば、次の瞬間、ギャン泣きしてしまった。

「へ、ヘディンさん、違いますこれは!赤ちゃんには顔認識があって、慣れてる人じゃないと不安を感じてしまうだけなんです!別にヘディンさんが嫌だったとかじゃ……!」

 フィオリアをあやしながら、大慌てで弁明する。

「うぇ、ふん、ふん」

「……泣き止んだな。」

 僕の腕の中で息を整えるフィオリアを見て、ヘディンさんがつぶやく。

「えと、ヘディンさん……。」

「今日の護衛は私だ。何かあればお前を殺す。」

「え」

 その言葉を残し、ヘディンさんは去っていった。

「ほんとになんだったんだ……。」

 ある日の早朝の一幕であった。

 

 

 オラリオに戻ってきてから数日が経った。今日は、アイズさん達を護衛としてジュリエッタ達が到着する日だ。入場門の内側で、彼らの訪れを待つ。フィオリアはファミリアの皆に見てもらっているので、今は1人だけだ。

「ベル!」

「ジュリー!」

 ジュリエッタがこちらに向かって大きく手を振っていた。

「みんな命に別状なしで辿り着いたわよ!さすが護衛に〖剣姫(けんき)〗と〖凶狼(ヴェルガナンド)〗がいてくれただけあるわ!」

「2人とも、ありがとう。」

 双子がアイズさんとベートさんに感謝を告げる。

「僕からも、ありがとうございます。そしてごめんなさい、途中で押し付ける形になってしまって……。」

「ううん、平気。オラリオで過ごしてる時に他派閥から襲撃される方が、地上のモンスターよりも何倍も大変だから。」

「あはは……」

 闇討ちとか平気で有り得るのがオラリオだ。苦笑する事しかできない。それにしても、2人と双子は、なんだか親密になったような気がする。警戒心とか気まずさが無くなって、前よりもずっと仲良さげだ。

「アイズさん、ベートさん、今度またお礼させて下さい。」

「あ”?別にいらねぇんなもん。」

「じゃあ私だけご飯に────」

「おや、英雄様じゃないかい?」

 飛び込んで来たのは、セクシーな彼女の声。

「アイシャさん!」

 これまた久々の再開だ。

「白兎、英雄になって早々あんなスキャンダルを作るなんて、アンタもやるねぇ。」

 嫌な予感がする。

「スキャンダル?」

「なんだい〖剣姫〗、知らないのかい?英雄様には隠し子がいるらしいよ。どうりで誘っても答えないわけだ。アンタには、心に決めた相手がいるんだろう?」

「え、そ、そうなの?……ベル……」

 アイズさんの目が据わる。

「いや、これはっ!」

「ちょっとベル!どういうこと!?フィオリアを育てるって言ったのは、既に子供を育てているからなの!?」

「ちが、ジュリー、隠し子だと思われてるのは───」

「フィオリアって、もしかしてアンタが母親かい?」

「母親は俺だ。」

「え!?」

「何言ってるのジェイ!?違いますからね?!」

 少なくとも心当たりのある赤ん坊の正体はこの中で共有されているはずなのに、アイズさんの天然とジュリエッタの頭の悪さが話をややこしくしている。ジェームズは完璧に理解しているのに、完全に面白がって場を引っ掻き回していた。

 (あぁもう!なんで毎回こうなるんだ!)

 モルドさんの話はどうなったのか。いやでも、マシになった方なのだろうか?そう無理やり納得していると、にわかに辺りが騒がしくなった。

「ねぇちょっと、あそこ見て!」

「ん?ありぁあ〖最後の英雄(The White Rabbit)〗じゃないか?」

「〖剣姫〗に〖凶狼〗に、〖麗傑(アンティアネイラ)〗もいる。すごいね!」

「違う、あの双子!」

「え!あれって……」

「美麗なる双子だ!」

「なんだそれ?」

「知らねぇの!?『太陽の方舟』だよ!」

 ──────まずい。冒険者として名声をあげて民からの期待を勝ち取っていく僕らと違い、劇団役者の双子には明確にファンがつく。その熱量は……僕らが受けるものとは比べ物にならない。

「「「きゃああああ!!!」」」

 1人目を皮切りに、叫びながら突進してくる人々。

「……やば。」

「終わりだ……。」

 絶望した双子の声。しかし、僕は諦めてはいけない。

「アイズさん、ベートさん、それでは僕たちはこれで!ありがとうごさいました!」

 なぜなら、もうすぐでフィオリアと離れてから一時間が経つ。別に何かあるって訳では無いが、やはりちょっと不安だ。早く帰りたい。ファンの方々への対応は、今度にしてもらおう。

「きゃっ!」「っ!」

 双子を担ぎあげて跳躍する。

「なっ!」「待ってぇ!」「ジュリエッタちゃぁぁん!!」「ジェームズ様ぁぁぁ!!!」

 黄色い悲鳴が、たちまち絶望の叫びに変わる。

「すいませェェェん!!」

 僕達はオラリオの空へ消えた。

 

 




1週間後とかいいながら2週間後になってごめんなさい!この後の展開はちゃんと用意してるんですが、どうにも望まぬ方向にキャラがズレていってしまうんですよね。ダンまちもう1回読み込んで、文章力、てかキャラ力!鍛え直してきます!次話は上手くいけば2週間後です!これからは2週間更新にしますね!
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