超常黎明期にTS転生   作:野原ひろしと思い込んでいる殺人鬼

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#1 産まれる時代を間違えた

 知らない天井だ。

 

 え、いや、なにこれ。

 

 思わずお約束のモノローグが出てしまったけど目を開けたら視界を深緑色の液体が満たしている。

 

 俺自分の部屋でニコニコ見てた筈だぞ?

 

 まじで知らないぞこんなこと……病院?みたいな所だな。光源はあるけど自然の物じゃなくて人口的な物だ。

 

 どぅわ!?いきなり持ち上げられた!?

 

 ん?この大和撫子さんは誰?

 

 あれ?何か急に眠気が――

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

 転生してから10年経過した。

 

 俺は今、奥羽山脈の名も無き山の中で家を立てています。

 

 どうしてこうなった!?

 

 この世界に産まれて分かったのは俺には前世の記憶がある事、この世界は「僕のヒーローアカデミア」の世界と言う事、原作開始時点よりも100年以上前の超常黎明期に産まれた事。

 

 う~ん。

 

 終わった☆

 

 ヒロアカに転生するならせめて主人公と同世代にしてくれよ。何でAFO(ラスボス)が全盛期の時代に転生するんだよ。本編開始する頃には俺死んでるよ?まっ、個性のおかげで死なないけどね。

 

 

 閑話休題

 

 俺が転生したのは藤原財閥と言う日本有数の財閥だ。前世で言う戦前の三菱レベルの大財閥だ。えっ?そんな良い所に産まれたのに何で奥羽山脈で土木してるのかって?

 

 答えは簡単、”個性”があったからだ。

 

 俺が転生したのは超常黎明期の最初期だ。本編の時代みたいに個性が当たり前では無くて、「個性を持ってる人間はヤバイ奴」と言う認識が主流な時代なのだ。

 

 さて、そんな時代に日本有数の財閥の跡取りが個性を持って産まれたらどうなるか?

 

 答えは簡単、捨てられる。

 

 個性があるのが当たり前の時代じゃないしね。こうなるのは何となく分かってたよ。

 

 俺は産まれた時から異形の体と2つの発動系個性を持っていた。赤ん坊の俺を見た一族の人間は即刻殺処分すべきみたいな雰囲気だったけど、俺の祖母――藤原財閥当主のおかげで10歳頃まで養育した後に捨てられる事になった。

 

 祖母曰く、「両性具有とか神様の遣いに違いない」と、別方面でヤバそうな事言ってたけどそのおかげで殺処分は免れて10歳になったら奥羽山脈の山々の権利書と共に山に追放されました☆

 

 一族的にはそのまま山の中でひっそりと死んで欲しいのだろう。

 

 だが、ここで神様仏様ことおばあ様が助けてくれた!一族からは権利書だけ持って追放されたけど、祖母の息が掛かった人間により、色んなサイズの男用の着物や下着・洗剤や調味料・山での生活の仕方を纏めた本等が用意されていた。

 

 おばあちゃんマジ神。コレがなかったら俺一週間で死んでたと思う。

 

 ………不満があるとすれば、おばあちゃんは俺を神様の遣いだと信じているから服が着物しかない事だ。ぶっちゃけ動きづらい。

 

 そんな贅沢言ってる余裕がある程俺の生活は快適だ。家はまだ建て終わって無いけどあと2ヵ月もしたら完成するだろう。

 

 ぶっちゃけた話、俺はこの山だけで生活するつもりは無い。

 

 こんな何も無い所で暮らしてたら多分飽きるし、俺の個性の関係上寿命で死ぬ可能性も低い。

 

 俺の個性

 【()

 その名の通り、全てを無に還す個性。正確には自身の身体から広がる実態の無い黒い霧が飲み込んだ物を砕き無に還すというもの。無機物も有機物も関係なく全てを無に還す事ができる。

 

 【操命(そうめい)

 その名の通り、触れた生物の身体能力・体質・寿命等を操る個性。

 

 この説明を聞いた皆は思っただろうえっ何それチートやん…と。

 

 そうですが何か?産まれながらのチートですよ。

 

 あと、お前両性具有って異形型じゃないの?とか思った奴!その考えは完全に間違いだ。

 

 母が妊娠中、検査の結果産まれてくるのは”双子”だとされていた。

 

 だが、事実は違った。産まれて来たのは女にも関わらず陰茎が生えていた俺と………タツノオトシゴの様な身体で人差し指程の大きさしかなく、死産していた弟だ。

 

 医師曰く、お腹の中で既に弟は死に、陰茎や筋肉量・個性等は全て俺が引き継いだのだ……と。

 

 これだけ話せば何故俺が個性を2つ持っている理由も両性具有の理由も分かるだろう。

 

 少し重い話をしたが、俺は別段後悔はしていない。むしろ、死んだ弟の分まで楽しんで生きる事が俺の人生目標だ。

 

 そろそろ夜も更けてきたな。晩飯の準備と洗濯物を取り込まないと。

 

 

 




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