「明けない夜は無い」
お父さんはいっつもそれを言っていた。
私はごく普通の家庭に生まれた普通の女の子。
弟もいる。
お母さんは弟を産んだ後に死んじゃったからお父さん一人で育ててくれた。
あの日知らない人が家にやって来た。
「彼女を私達の施設に入所させてもらえませんか?」
「何をいきなり。」
「入所させればこれだけの額は用意できますよ?」
「嫌ですよ、いきなり押しかけて来て・・・何なんですか?」
「入所させて下さい、無駄な争いは嫌です。」
「だから嫌だと言っているだろう。」
「なぜですか?あなたの家は困窮しているのに・・・不思議だ。」
「金なんかどうでもいい、家の娘は渡さない、信用できない輩なら尚更。」
「・・・それがあなたの選択ですか?」
「ああ、貴様みたいなクズに大事な娘をやれるわけないだろ。」
「そうですか・・・残念だ。」
「出ていけ、この人さらいが。」
あの日の事はよく覚えている。
あの時お父さんは今まで見たことないくらい怒っていた。
だけどそれを私の前で見せることは無かった。
何時も優しいあのお父さんのことだ、ヤケ酒でもしてたんだろう、翌日頭痛いって言ってた。
あの日から十年後、またあの知らない人がやって来た、今度はISという兵器を持って
「さあ、娘さんを渡してください。」
「・・・」
「お、お父さん?どうしたの?」
その時お父さんは少し私の方を見つめると・・・
『逃げろ、弟を連れて、一番近い交番まで。』
何時もお父さんが私たちに教えていたハンドサインでそう伝えるのが見えた。
だから家の裏口からまだ幼い弟を連れて逃げた、一番近い交番まで走って逃げた。
家から一番近い裏山で何度も火の手が上がった、それが何なのかわからないわけではない。
走って、走って、横腹が痛くなっても走り続けて、ようやくたどり着いた交番に着いた私の第一声は
『お父さんを・・・はぁはぁ・・・助けて!』
翌日
父は血だらけで発見された。
そこから今まで、目を覚ましていない。
???視点
「おや、娘さんはどちらに?」
「教えるわけ無いだろ馬鹿。」
「それもそうですね・・・では死んでください。」
先程まで話していた女がISを展開しブレードで切りかかりその刃は男へと吸い込まれるように『ガギン!』行かなかった。
「んなぁ!?」
「明けない夜は無い。」
「だったら・・・耐えるしかないよな?」
「何を!」
その時女は男の手を見ていなかった、先程まで無かったはずのナイフがその手に握られている。
町は見知らぬIS反応を確認したことによりサイレンが鳴り響いている。
「父親が・・・カッコ悪い所を見せられるかってんだよ!」
「ガァッ?!」
そういい姿を消した男、次の瞬間護衛の1人が喉から血を流して死亡した。
「超振動は波長によればISのシールドはおろか絶対防御すら貫けるそうだ・・・俺は思ったそれ人力でやれないか?」
男の手に握られているナイフには血の一滴もついておらず、それどころかナイフがぶれて見える始末。
「か、かかれ!」
ISの絶対防御を貫くことが出来ると分かった以上舐めた真似は出来ない、全力で潰しにかかる。
「遅い」
「ギャァ!」
「狙いがぶれてる。」
「ガハァ!?」
「ひっ・・・ひ!!!!」
バン!
「狙いはいい、だが安定を取り過ぎたな。」
ビシャビシャ
「なっ!?貴様・・・まだ死なないのか!」
それもそのはず男の腹にはでかい穴が開いていた。
「こんなもん娘と息子が感じた恐怖に比べたら些細なもんだ。」
そう言いタバコに火を付け紫煙を吹かす。
「次はお前の番だ。」
「わ、私は・・・成果を上げなければならんのだ!それを・・・特殊部隊崩れに邪魔されてたまるかぁ!」
そう言うとISを宙に浮かせて距離を取り遠くから射撃を始めた。
ガガガガガガ!!!
これはたまらんと咄嗟に家の中に入る男
その後を追うISが家の中に入る
「・・・ふ、血の跡でバレバレだぞ。」
ISのハイパーセンサーで血の跡を追いかけひとつの部屋にたどり着く
何処にも物音がしない中微かな音をISのハイパーセンサーが拾う。
「そこか!」
ガガガガガガガガガガガガ!!!
弾倉に込めてある弾薬を全て打ち尽くし、穴だらけになった男を思い浮かべながら立ち去ろうと『ガバッ』
「ガッ・・・かはっ!?」
背後から首に腕を巻き付けナイフを手にしている男が現れた。
「侮ったな、自力で超振動を起こせる人間ましては娘と息子がいる奴は負けないんだよ。」
「そっ・・そんな事をっ・・・あってっ・・たまるか!」
完全な死角それはISにおいても存在している、それはハイパーセンサーが対象を捕らえない場合だ。
ISによっては単一能力で可能かもしれない、だがそれをISではなく生身でやろうとしているのだからやる手段はただ一つ。
自分の身体を高速で震えさせ細胞すら感知できないように小さく纏めた。
首の締め付けを回避しようと出鱈目に飛び出したISに男は必死にしがみつく。
「ガ・・・ガァっ!!?」
バギッ!
「グフッ・・・」
振り落とされてしまい壁に激突、息も絶え絶えの男に止めを刺そうと近づく女。
「ゲホッゲホッ・・・は~・・・手間取らせやがって・・・さっさと死ね!」
「死ぬのはお前だ。」
死に体の身体を無理やり動かし、胸に刺していたナイフを思いっ切り殴りつける。
「ガ!・・・あ・・・あ・」
「あばよ。」
女の視界は黒くなった。
「っち・・・腕はぐちゃぐちゃになったな・・・」
戦いになっても傷を付けさせなかった胸ポケットから写真を取り出す。
「・・・やっぱり・・・うちの子は・・・可愛いな、そうだろ・・・歩。」
そう言うと男の視界もまた、黒く染まった。
登場人物はご想像にお任せします。
続ける?
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続ける(なお筆者は死ぬ)
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知らんな