「明けない夜は無い」
それが父さんの口癖だったらしい。
昔起きた事件のせいで今でも病院から離れられない身体になってしまった父さん。
俺は父さんの声を知らないし母さんの声も聞いたことが無い。
父さんは俺が物心ついた時には既に病院で意識不明の重体で入院。
母さんは俺を産んだ時に死んだらしい、千冬姉が言うには元々病弱だったからだそうだ。
だけど千冬姉が辛いことがあった時に必ず言う言葉だけは知っている。
「明けない夜は無い、だったら明けるまで耐えるだけだ。」この言葉だけは知っている。
千冬姉がISの世界大会モンドクロッゾの日本代表になった。
元々ISの適正が高かったらしいし、そこで国のお偉いさんにスカウトされて日本代表になった。
千冬姉はISを使わない生身でも強い、いつもやっている家族稽古の時は勝率何て五分五分だ。
そして今日わざわざプライベートジェットで迎えに来た千冬姉と一緒にISの世界大会モンドクロッゾの開催地、ドイツに向かっている。
「どうだ一夏?学校には慣れたか?」
姉の問いには正直に答えなければならないだろう、なので正直に言う事にした。
「正直に言って・・・女優男卑の奴らが一定数いるのはどこの学校でも一緒だ、でも。」
「俺のことを織斑千冬の弟として見るんじゃなくて一人の人間だと思ってみてくれる人もいる。」
「だから大丈夫だよ千冬姉、少し辛いけど頑張るよ。」
でも流石に暴力振るうやつのことは言わない方がいい、言ったが最後そいつは血祭りに上げられるからな。
「そうか良かった、だが辛いときは言え、何てったって家族だからな。」
「ありがとう千冬姉。」
会話を終えるとジェットの外の景色を見る千冬姉が呟く。
「皆で居れば怖くない・・・お父さん。」
【皆で居れば怖くない】これも父さんの口癖らしい、らしいというのはまあ・・・千冬姉が小さくて怖がりな時に父さんと一緒に寝た時に言ったらしい。
本人は恥ずかしくて余り言ってくれないがそこが父さん的には可愛い所何だろう俺は勝手にそう思っている。
俺はドイツにつくまで少し眠る事にした、千冬姉の邪魔はしたくない。
千冬sids
機長に起こされてドイツに着いたことを確認する。
・・・不甲斐ない眠ってしまったようだ。
「一夏、着いたみたいだぞ・・・一夏?」
だが返事はない。
「おい貴様!一夏をどこにやった!!」
最悪の可能性を悟った千冬は機長に掴み掛る。
「何のことでしょうね?」
そういいながら機長が取り出したタブレットには頭に銃を突きつけられた一夏の姿があった。
「き、貴様!一夏をどうするつもりだ!!!」
「なに、少し実験に協力してもらうだけですよ、何しろ史上初の男性操縦者ですもんねぇ?」
「・・・どこでその情報を知った!」
「お~怖い怖い、そんなに怒らないでくださいよ。」
「私はただ実験に協力してもらいたいだけでしてね、この人たちの気が変わらないうちに早くいったらどうです?モンドクロッゾに。」
「・・・何を今更!?」
だがしかしタブレットには別の言葉が綴られていた。
(この会話は聞かれている。私は貴方の味方だ、諸事情によりスパイ活動をしている。)
「・・・どうして一夏を狙った、私でも良いだろう。」(要件は?)
彼らは言葉を交わさずに会話する、これは父のおかげだ。
「そうですねぇ、元々貴方は女性、我々は男性操縦者を求めていたんです。」(ただ一つ、織斑一夏を救出してください、ただし貴方では彼らに気づかれてしまう。)
「だがどうやって一夏がISを動かせることを知った。」(じゃあいったい誰が?)
「すみませんねぇ。企業秘密です。」(貴方のお父様です、千冬様、恐らく見込みはあったんじゃないですか?)
「分かった・・・要件を飲もう。」
「それは良かった。」
遠い島国で
ある病院の一室でうさぎが跳ねていた。
ウサギの背中には腕輪が付いている。
やがて病室が光に包まれた。
男は目覚めた、父親としての責務を全うするために。
良かったすか?
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うん大好きサ!
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ダメだね~ダメよ~駄目~なのよ