病室がいっぱいになり、母親がみんなと話している最中にトイレに行ってくるとだけ言って、病院の屋上までやってきた。
「…良かった…」
誰もいない屋上で涙を浮かべながらそう呟く。
こんな姿…誰にも見せられないし見せるわけにもいかないから…。
「…光司…大丈夫…?」
「梨花か…大丈夫。トイレ行って空気を吸いに来ただけだから」
「…嘘でしょ?」
そう言って、梨花は隣までやってきた。
「何年幼馴染やってきたと思ってるの…そうやって1人で抱え込むのが光司の悪い癖だよ」
「分かってるけど…」
「無理もないよね。叔母さんが倒れたって聞いた時、私だって慌てて、石神が来てなかったらどうなってたか分からないし。まして、当事者である光司は私以上に苦しんだ筈だもんね…」
「梨花…」
何故のぞみが出て来たか分からないので、聞いてみた所、梨花もあの後すぐに家を出ようとしたタイミングでのぞみ達が来たとの事。
そして、梨花を説得し、石神さんと鏑木さんの運転でこっちまで来たとの事。
「それで思ったよりも早かった訳か…のぞみとろこちゃんにはお礼をしないとね」
「それはそうなんだけど…今は悲しくないの?」
「それを聞いてくるって事はさっきの独り言も涙も見てたなお前…」
「ごめん…見るつもりはなかったんだけど…」
「いいよ。見られた事に変わりはないし。梨花なら別に気にしないから」
「光司」
「ん?」
「泣きたいなら、泣いていいんだよ」
「…いや、いいよ。これ以上情けない姿を見せるわけにも行かないから」
「なんで…なんでそう言うの…」
「梨花…」
「さっきも言ったけど、そうやって言いたい事を言わずに抱え込むのは良くない癖だって言ったでしょ!それなのに、なんでまだ抱え込もうとするの?」
「はぁ…お前には敵わないな…完敗だよ」
「光司…」
「梨花…今から情けない姿を見せるかもしれないけど…それでも良いんだな?」
「…だから何年幼馴染やってきたと思ってんの。そういう姿だって見てきたんだからね。ほら、私の大きいおっぱい貸してあげるから言いたい事を全て言って」
梨花の言葉にリミッターが無くなった僕は梨花の胸でたくさん泣いた。
言いたかった事も抱え込んでいた物も全て
*****
「りかしぃ、こんな所に居たんだ。光司君のお母さんが呼んでるよ」
「あっ、本当?でも….どうしよう…」
「うん?光司君、なんでりかしぃの膝で寝てるの?」
「それは内緒…」
「梨花様〜光司様の事は私に任せて行ってください。事情は遠くからですが聞いていたので」
「エリコニさん…なんで聞いてたんですか…居たなら言ってくださいよ」
「行こうとしたんですよ?そしたら、光司様と目が合ってしまって…」
「事情を聞いてるんでしたらいいですけど」
と言って梨花はエリーに光司を引き渡した。
「エリコニさん後は頼みました」
「はい。光司様の事は私に任せてください」
と梨花と呼びに来た石神は、光司の母親の元へと向かっていった。
「…エリーか…さっきの話聞いてたのか…」
「…はい、全部聞いてしまいました…」
「そうか…」
「光司様」
「ん?何?」
「私達…いえ、私の事をもっと頼ってください。何の為のメイドなんですか」
「それとこれとはまた別の問題じゃ…」
「いいえ、私は光司様の事が好きだから言ってるんです!もっと頼ってください」
「はい…」
エリーの圧力に負けた僕はそう答えるしか無かった。