仮面ライダー龍騎 ~EPISODE Kanon Another~ 作:龍騎鯖威武
合わせ鏡が無限の世界を形作るように、異世界は無限に存在する。
少しずつ違う世界もあれば、全く違う世界もある。
そして、その違いは多岐に渡る。
ある世界は人の進化の歴史から、またある世界は誰かのちょっとした選択から。
今回語られるこの物語は、前者の差異はない。
つまり、誰かの選択で変化する世界。
夢…。
夢を見ている…。
毎日見ている夢。
終わりのない夢。
赤い雪、赤く染まった世界。
夕焼け空を覆うように、小さな子供が泣いていた。
せめて、流れる涙をぬぐいたかった。
だけど、手は動かなくて。
頬を伝う涙は、雪に吸い込まれて。
見ていることしかできなくて、悔しくて、悲しくて、大丈夫だから、だから泣かないで。
約束だから…。
それは誰の言葉だったろう…夢は別の色に染まっていく。
キィィン…キィィン…
鏡と金属を擦るかのような嫌に聞こえる音。
それは無知な人々には届かない。
「はあっ!」
とある建造物のガラス窓に赤い影が映る。
その声も姿も、無知な者には見えないし届かない。
彼が居るのは鏡の奥だからだ。
鏡の奥では非現実的な世界が広がる。
「ミラーワールド」
そこは総てが鏡合わせ。
建物も太陽も風も、全てが現実の世界とは逆に存在する。
さらに、植物以外の現実世界の生命が存在しない。
代わりに存在する生命は…。
無機質な鎧を髣髴させる皮膚で身を覆われた異形の生命体。
今、赤い影はその生命体を相手に戦っていた。
<FINAL VENT>
「はああああああああああぁ!」
赤い影は飛ぶ。赤い龍と共に空高く。
「だああああああああああああああああああああぁ!」
雄叫びと共に、赤い影は、異形に向かって突撃した。
別の異形は、凄まじい爆発と共に消え去った。
「はぁ…」
戦いが終わった安心感か疲労感か、深い溜息をついた赤い影は、近くの鏡に向かう。
彼はまるでそこが何もない場所のように鏡の中に飲み込まれていく。
そして現実。
先ほどの場所と鏡合わせになったところから影が現れた。
しかし、その姿は赤くない。何処にでもいるような少年だ。
「行こう…。止めなきゃ…」
近くにおいていたスクーターに乗り、再び目的地へと走らせる少年。
彼は願っていた。
これ以上、人の命が失われないように…。
雪…
雪が降っていた…
思い出の中を、真っ白な結晶が埋め尽くしていた…
数年ぶりに訪れた、白く霞む街で…
今も降り続ける雪の中で…
おれは、あの娘に出会った…。
続く…。
次回!
追われてるんだ…。
いや、それって…。
わ、びっくりです。
帰り道、教えてくれないかな?
お、おばけ!?
逃げて、早く!!
あれって…!?
変身っ!!
第2話「雪の街」
戦わなければ生き残れない