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CLIMAX PHASE
Scene9・一切両断
怪物を切り伏せた“一切両断”は、凍った湖を足場にして竜巻きへと迫る。
特注カーボンブレード――『
霧散する竜巻き。青いかけらが周囲へ散らばり、それは皮肉にも美しさを覚える後継だった。
開けた氷上の中央には、一人の青年が立っている。
“一切両断”笹原慧を忌々しく見つめるそれは、“豪雪の化身”という名を捨てた強欲。
――“
GM:一際大きな風が鳴って、竜巻きが消えると、細宮夏樹は冷めた目で貴方を見つめる。
笹原:……。
GM:「恐れいったよ。ここまでたどり着くとはね」
笹原:「残念だけど、あの程度じゃあ……俺の足止めはできない」
GM:「(頷く)しかし、随分な無茶したんじゃないか。それとも町を放ってきたかな?」
笹原:「まさか。――放ってきたんじゃない。任せてきたんだ」
目覚ましい成長を祝福する理性も、情も、“強欲の化身”には残っていなかった。
眉をひそめ、ただひたすらに、不快感を示すのみ。
笹原:「言っちゃなんだが、俺はこの時のためにここまで刃を研いできた」
GM:「うん……。それでも、満身創痍なのは変わりがない。それにここは僕の領域だ。まずはその心を凍て付かせよう」……彼はエネミーエフェクト《冷静と情熱の間》を宣言。感情を一つ増幅させるエフェクト。ここで、“
笹原慧の脳裏に懐かしき凄惨な過去がフラッシュバックされる。
ちょうど今くらいの時期だったか。
悪夢に覚めた少年は、半日かけて丁寧にどうしようもない孤独を確かめた。
そして
誰もいない研究所の果てを――少年は確かめ尽くした。
そして少年は壊れた果てに、清純な宝石を見た。
気付くと、氷の上に立っていた。
GM:目の前に立っているのは、街一つを葬り去ろうとする怪人。フラッシュバックは今も残響している。衝動判定、難易度は12。――この衝動判定に“強欲の化身”はEロイスを宣言。〈E:原初の恐怖〉
笹原:ふーむ……。
GM:衝動判定で上昇する進率を2d10から1d10+覚醒増加侵蝕率……この場合18に変更します。
笹原:……なるほどね……。かぶりを振って、一度強く、右の手で胸元を叩く。〈I:リーダーズマーク〉を宣言。精神判定の直前に使用、達成値プラス5する。
GM:はっはー、素晴らしいね。オーケー。
笹原:〈I:思い出の一品〉と〈カスタマイズ:ブランケット〉でさらにプラス2で判定。……25。
GM:……いやあ、支部長だよ。
笹原:「(支部長としてのエンブレムを握りしめる)――悪いが、それはもう乗り越えた」
GM:「気に障る顔を、してくれる」
笹原:(無言で鯉口を切る)
GM:彼の周囲に氷雪が渦巻き始める。「――豪雪をもって相手してくれよう」
“
| (5m)
“一切両断”(行動値10)
GM:戦闘終了条件は細宮夏樹の戦闘不能。セットアッププロセスはこっちからだね。エフェクトを宣言、《万色の檻》と《黒曜の鎧》。このラウンド間あらゆる判定数にプラス4、そして装甲値がプラス12。ただし行動値が下がる。
笹原:ふん……同値か。PL優先で?
GM:うん。こっちは9.9というところで。
笹原:じゃあセットアップ、【高材疾足】を宣言。
コンボ【高材疾足】
《神速の息吹》
笹原:“
GM:やーべえ~~(笑)
笹原:やばいねぇ(笑)イニシアチブプロセスで宣言。
コンボ【螻蟻潰堤】
《軍神の一手》
攻撃が出来ないメインプロセスを即座に行なうエフェクト。
〈I:ツインシンク〉を使用し、“強欲の化身”とエンゲージして終了。
対する“強欲の化身”は《ヒートシフト》を宣言。ラウンド間あらゆる判定のC値をマイナス1する。
両者準備を整えたところで、笹原の手番は変わらず待機宣言。
豪雪へ、反撃の構えを取る。
GM:こっちのマイナーアクションは宣言無し。メジャーアクションでコンボを宣言。
コンボ【豪雪領域】
《マインドエンハンス》+《サイレンの魔女》+《雨粒の矢》+《完全なる世界》+《焦熱の弾丸》
最終的な達成値は41。
長考の末【影月】を宣言。ドッジを行ない、風雪を風で振り払っていく。
間合を詰めて、笹原慧の手番直前のイニシアチブプロセス。
笹原はコンボを宣言し、追加行動を行なう。『虚鏡』による斬撃が、立て続けに細宮夏樹を襲った。
コンボ【騏驥過隙】
《ブリッツクリーク》
笹原:メジャーアクションでコンボ宣言。
【朧月・百折不撓】
《CR:ノイマン》+《コントロールソート》+《隼の爪》+〈I:ダイドウェポン〉
笹原:えー、C値減らした。精神ダイス増やした。達成値伸びてる。うん振ります。
GM:はい、どうぞ。
笹原:125!
GM:うぅーん。出るねえ……! じゃあ、細宮夏樹はドッジを宣言。《リフレックス:オルクス》と《幸運の守護》を使用*1する。
笹原:やばいなぁ……。
GM:《万色の檻》のダイス増加も乗る。……46。いや、躱せんな……。OK、ダメージをどうぞ。
笹原:このタイミングで『燃ゆる焚き木』の効果を宣言。
『燃ゆる焚き木』
解説:貴方の風を、花病君影は焚きつける。
タイミング:ダメージロール直前
シーン中、貴方の攻撃は装甲を無視し、ダメージに2d10される。この効果は貴方が攻撃によるダメージを受けると終了する。
シナリオ一回まで使用できる。
笹原慧が拾った、自分の住む街一つを奪われた少年のNPCカード。
笹原:ダメージがプラス2d10。で装甲無視。
GM:装甲無視ちゃんと嫌だ……。
笹原:117点。
GM:出すなー。ダメージ適用前にエフェクトを宣言。《氷雪の守護》。HPダメージを4d10軽減させます。
微々たる軽減と言わんばかりに、笹原は手堅くダメージを与えていく。
メインプロセスが終わり、手堅いダメージの手堅くない代償を払う時が来た。
笹原:《ブリッツクリーク》と〈I:ダイドウェポン〉で侵蝕率5d10上昇。……34、はは! 跳ねるねぇ!
GM:やぁ……(絶句)
笹原:ロイス減らせねえなこれ。侵蝕率230。
処理も終わり、笹原慧の本来のメインプロセス。
先程と同じコンボで達成値はぴったり100を叩き出す。
一方のドッジは54と、リアクションにしては健闘するも、笹原の達成値には遠く及ばない。
笹原:15d10(しかもC値7)でドッジしてくるボス。普通にクソボス扱いになるはずなんだけどなー。ダメージは125点。
GM:たっっけえ~~! が、まだ立ってる!
笹原:んー! 行動済み、何もない。
人の生命活動が一切考慮されない絶寒の嵐に“一切両断”は果敢に斬り込んだ。
致命的な攻撃を躱し続け、一太刀、二太刀と浴びせていく。
その光景は“強欲の化身”の劣勢と、誰もが判断するだろう。
――当人達を除けば。
GM:細宮夏樹はEロイスを宣言するよ。〈E:さらなる絶望〉*2
笹原:ふん……。
「どうやら君は間に合わなかったようだ」
笑った細宮の視線は、笹原の背後に向いていた。
そこには、手傷を負った緑髪の男。“スコープレス”の姿があった。
GM:――ここで笹原慧はアイテムを取得します。
笹原:ふん? (確認する)……んんなるほどね。
第二ラウンド。
細宮夏樹はFH専用エンブレム〈I:ラストラン〉で、変異暴走*3を受ける代わりに自身を大幅強化。
“
|(同エンゲージ)
“一切両断”(行動値10)
GM:「(一層険しい顔をして)ギアを上げていこうか」
笹原:不敵な笑みで返そう。身体と刀に纏わせていた風は鳴りを潜めてる。手番は待機。
GM:じゃあこっちの手番だ。さっきと同じコンボ、たださっきよりもあり得んぐらいのダイスが増えている! ……あり得んぐらいのダイスが増えている(達成値38)
笹原:ここで、殺す。
GM:ほう…………。
『遺産凍結保持者』
攻撃を単体へ変更(これによりカウンターの対象となる)
コンボ【空天・朧月】
《CR:ノイマン》+《コントロールソート》+《隼の爪》+《カウンター》
対象の達成値と対抗し、成功すれば攻撃を行なう。
コンボ【百折不撓】
クリティカル値を減少させる。
〈I:リーダーズマーク〉
達成値を上昇させる。
部下の期待が、己の努力が、立場が、その剣に圧し掛かる。
さりとて百折不撓。
幾度の不幸に塗れようとも、その志は高く、決して願いを――。
笹原:これで最後。【根源呼応】――〈D:賢者の石〉の効果を宣言。
GM:ここで使ってくるか!
――ジャームに成り果てた細宮の首を落とし、解放する。
酷く歪な願いを、貫き通す。
笹原:達成値138。このタイミングで『無銘鍛冶』とコンボを宣言。
『無銘鍛治』
解説:貴方の握る剣は天津功刀の炉を潜っている
タイミング:判定最中
判定のダイス目のひとつを10に変更する。
シナリオ一回まで使用できる。
刀鍛冶として活動する者のNPCカード。
コンボ【天上照覧】
《勝利の女神》
達成値を上昇させる。
笹原:――達成値、296! これに対して何かある?
GM:ない。
笹原:(深呼吸)じゃあダメージロール振ります。
手に埋め込まれた賢者の石が、願いに呼応する。
青年が求めるのは唯一つ。恩師の解放。
然して、理性の欠けたその男は――笹原慧の一切を拒絶する。
GM:ダメージ算出直後に宣言。オートアクション《空蝉》……HPダメージを0にする。
ハヌマーンの力がぶつかり合う。
枷を外したレネゲイドコントロールは荒れ狂うようにして“一切両断”の風を封じ込めた。
二人の激突は刹那。
生半可なオーヴァードでは介入は不可能。手傷を負ったスコープレスは、ただその嵐を見つめた。
見つめ、次第に――――人指し指を向けた。
『
解説:雪色の指弾は、人知れず忍び寄る
タイミング:エフェクト使用直前
エネミーエフェクトを除くタイミング:オートアクションの効果を打ち消す。
この効果はシナリオ三回まで使用できる。
また、このアイテムを所持中、貴方の行なう攻撃のダメージを+2d10する。
《擬態の仮面》を解いて姿を現したのは、卓越した暗殺者、朝露花火。
“スコープレス”の姿を騙った
その場に残されたのは、間合を詰められた青年と、間合を詰めた剣士。
GM:251点……流石に落ちるしかない!
笹原:ふう……!
GM:だが、《燃える魂》を宣言。HP40で復活する。
笹原:『死を想え』で止めます。
GM:エネミーエフェクトだからこれだけは通るっ! 《蘇生復活》を宣言。
噴き出た鮮血は風に攫われる。
“強欲の化身”と“死を想え”は、奇しくも声を重ねて、互いの怪物性を認め合った。
笑みを浮かべて刀を構える“一切両断”のみが――手抜かりなく、次の一撃を備えていた。
笹原:『触媒:鏡花水月』の通常効果を宣言。《ブリッツクリーク》の回数を回復して、侵蝕率上昇を0にする。ここで殺せないと帰って来る目がない。
GM:おーらい。
笹原:【望月・百折不撓】……うーん低い! 56。
GM:それなら出せるんじゃないかあ!? ラストランの効果でダイスが10増えてる。21個のダイスをC値7でドッジ判定! ここで殺すっ!
笹原:んんんまずいっ!
GM:87、はっははは……!
笹原:応じ手無し……ッ。
優しく背中を押されたように、笹原慧のレネゲイドに力がみなぎった。
しかし、嘲笑うような冷たい笑みを携え、細宮夏樹は未だ立つ。
GM:ラウンド回ってそっちの手番。
笹原:同じ。【望月・百折不撓】宣言。……63、う~んまずい!
GM:同じくドッジを……。
笹原:いや! 《勝利の女神》を宣言。達成値90。
GM:いやいやいやキツい。キツいのでー……ここだな使いどころは。
技量の満ちた剣筋、正しく取ったはずの間合が――収縮する錯覚を覚えた。
オルクスシンドロームの《スモールワールド》
手練手管を用いて、徹底的に笹原慧を潰しにかかる。
GM:達成値を20マイナス。
笹原:(長考)…………うん、使おう。『死を想え』の最後の効果を宣言。《スモールワールド》を止めてもらおう。
GM:OK……ドッジ判定だ。
繊維までに細かくなった“死を想え”の身体が、因子操作を阻害していく。
しかし届かなかったか。『虚鏡』の太刀筋は空を切る。
否。本命は二段目――。
切先を跳ね上げるように振り上げた刀は、纏う氷すらも両断した。
「“
GM:……青白い身体に大きな鮮血が走り、細宮夏樹は後ろへ倒れる。
笹原:起き上がらないのを確認した後に、刀に纏わりつく血を拭って鞘に収める。
GM:吹き荒れていた風は段々と止んでいき、貴方に張っていた霜も、作っていた氷も全て霧散していく。その光景を見上げながら彼は呟いた。
「本当に忌々しい。だが君の剣に夢を見れた。それだけは、君を敵にしてよかった」
「こちらこそ。貴方のために剣を研いでおいて、よかった」
笹原:ロイスを取得。“
GM:OK。
“
そこに突如、笹原の頭に向け“
「キミには分かっているはずだ。笹原慧としての死がすぐそこまで迫ってることを。それを、俺は正しく葬るべきだ。と」
「――ああ、任せるよ」
笹原は鞘ごと刀を投げ渡した。
向けていた指先は、それを掴み取る。
友情を向け合う彼らは、確かに生死の分水嶺に立っていた。