京ちゃんは死にたくない! 作:清水の舞台からパラシュートで降りたい部
これに関しては原作読んでみてください。
レ描写が一巻に6回くらい出てきますから、マジで。
至極京。
彼は公務員の父と専業主婦の母の元に生まれ、沢山の愛を与えられて育ってきた。
だが、何故こうなったのか。
小学六年生となった彼はクラスメイトである漆間俊という男子を「実験体A」と呼び、グループぐるみで日常的にいじめていた。
実験の内容は単純明快。
「実験体Aがどこまで追い詰めれば自殺するか」
冬場に冷水を浴びせたり、漆間が拾った子猫を取り巻きの一人に殺させたり。
限界が来た漆間はいじめのことを親に打ち明け、転校手続きの間は学校を休むことになった。
だがこんなイカれた実験を考え出す至極がそのまま県外へ逃げさせることなどするわけもなく、ある日彼は行動に出た。
漆間の両親とその弟が乗っている車を待ち伏せ。
そして、彼らがギリギリ避けられそうなタイミングを見計らって、一緒にいたヒロを車道へ突き落とした。
目測なので避けられるかは分からないが、いつもケヒャケヒャ煩かったし正直ここで死んでも問題はなかったので。
幸いと言ってもいいのか、運転手は反応した。
ガードレールの破断音が鳴り響き、車はそのまま崖の下へ落ちる。
だが、至極はそれだけで終わらせなかった。
慎重に崖を降りて車に近寄り、軽傷だった漆間の弟を何度も何度も何度も何度もその辺の石で殴った。意識を失うまで殴り続けた後は、頭から血が出た程度で済んだヒロからマッチ棒を借りて車に火を放ち、徒歩でそのまま家まで帰った。
漆間俊の両親は確実に死んだ。
弟は…もし生きていたなら近々殺せばいい。
至極はほの暗い達成感に酔いしれ——
——ることなく青ざめた。
あっ終わった。
ひっきりなしに脳裏に流れ込んでくる前世の記憶に対して、最初に頭に浮かんだのはその言葉だった。
至極京。
男の娘みたいな可愛い顔しておいて、その中身はやべー思想持ちのサイコパス。
『十字架のろくにん』で最初から最後まで外道として描かれ、無料公開されていた最終話ではウェルダンに焼かれて死んでいた男。
何でよりにもよってこのタイミングで思い出してしまったのだろうか。
もう少し早ければ、あそこまで苛烈な復讐をされなかったかもしれないのに。
「なら今から謝れば親もとりなしてくれるだろうし…あっ」
ダメだ。
肝心の親は俺が殺した。
漆間が両親をブッコロリした俺への殺意を滾らせる未来しか見えない。
ほとぼりが冷めた頃に、殺してやるぞ至極京されるだけだ。
ち、違くて…あっ漆間の怒りは正当なんだけどね、その対象は俺じゃない!そ、そう!俺じゃない俺がやった!!
…これもダメだな。
冷静に考えて非現実的な話を信じてくれるわけがない。
言い逃れ判定されてジ・エンド。
ざんねん!京ちゃんの冒険はここで終わってしまった!
「あれ、ここから入れる保険は…?」
思わず声が漏れる。
そこにないならねーよカス、とニッコリ笑いながらバーナーを向けてくる漆間の顔が浮かび上がってきた。やめて。
考えうる限り詰んでいる。
最悪な気分だ。
今の俺にできるのは、力なく枕を叩くことだけだった。