それとルイの友人ちゃんの名前を、感想にていただきましたので本文中で発表になります!
ーーー12月24日。世間ではクリスマス・イヴを祝い、大切な人と一日を過ごすか仕事に忙殺されるか、はたまた......。とまあ、とにかく今日はクリスマス・イヴ。今日はキヴォトス中がいつもより少しだけ、浮かれているように感じる。
......え?アタシ?そりゃあアタシは、いつも通り仕事だよ。25日は一日中、親友のマリとついでにアケミの三人でクリスマスパーティーをする予定だからな!そのために今日、頑張ってます。あと単純にイベント事に乗っかると、収入増えるしな。んでもって今はもう夜なんだが、アタシは店にはいない。じゃあ何処にいるかというと......。
「あぁっと......?この書類はこっちだな。んでこっちは......げっ、PDFの見本はあってもフォーマットねぇじゃん!仕方ねぇ、一から作るか......っし!完成!後は数字を入れるだけの簡単なお仕事っと!......ん?て、これ持ち込まれてるこの書類がミスあんじゃん!こいつは突き返し案件だな。他のはーーー」
”え、ルイめちゃくちゃ有能じゃん。もう私の代わりに先生やらない?”
「先生?......無駄口叩く余裕があるなら、さっさと手を動かしやがれ♪」
”あ、ハイ”
答えはシャーレにいます。......何でシャーレにいて、先生の仕事を手伝っているかって?......それはな?
「たくっ、なぁーにが”もう来ないから!”だよ。来ない代わりに、予約取ってまでアタシを呼びつけやがって......。お客様?出張サービスなんて、ウチは本来行っていないんですよ♪しかも業務外のことまで手伝わせるなんて......アタシはアンタの都合の良い女か?」
”ご、ごめんなさい......。で、でも!手伝いに関しては、ルイから申し出てくれたじゃないか......!”
「そりゃ泣きそうな顔で、アタシが入ってきたのにも気づかずに書類の山に埋もれてるんだ。ほっとけるかよ......」
先生が予約を入れてることに驚き、どうしたのかと先生に連絡を取った。そしたら、やたら疲れた声でアタシの名前を呼びやがるし......そんなん心配になって当然だろ!しかも来たら来たで、ホントに泣きそうな顔して仕事してるし!んな顔見せられたら、何かこう......胸が痛くなっちまったんだよっ!何か先生の暗い顔は見たくないんだよっ!
”......私、そんなに泣きそうな顔してた?”
「成人男性の情けない顔、初めて見たぞ♪」
”いやあーっ!?恥ずかしいぃーーーっ!!”
「あ、取り敢えずアタシに振られた分の仕事終わったんで、確認頼むわ」
”ホント君は切り替えが凄いね!?あと、あの量をもう終わらせたの!?”
「ん?あんなん、30分もありゃ余裕だろ。今は先生と話しながらだったから、少し時間取られたけど」
”ルイ、本当にシャーレに就職する気ない?高待遇を約束するよ?”
「先生?寝言は添い寝の時に言いやがれ♪」
そんなこんなで、そこから更に30分程かけて仕事を終わらせた。今は休憩を兼ねて、ソファーで先生に膝枕をしている。......お?ちゃんとアタシのアドバイス聞いて、髪の手入れしてるみたいだな!感心、感心♪
「それで先生?どうしてまた、ウチを利用しようと思ったんだ?聞かせてくれるんだろう?」
”実はね......?”
ーーー先生の話を要約すると、こうだ。
最近、ミレニアムである事件を解決した。最初は、ゲーム開発部という部活の手伝いをするだけのはずだった。
しかし、その過程でミレニアム近郊の「廃墟」に立ち入った事で事態は複雑化してくる。とある少女と出会ったのだ。
少女の名はーーーアリス。少女について詳しくは教えてくれなかったが、アタシはいわゆる原作知識でその辺の事情は識っているので、口を挟まず黙って聞いていた。
詳細は伏せられていたが、そのアリスをめぐりミレニアム内で生徒会長を務める「調月リオ」と対立することになったらしい。
”......リオはね、間違った事はしていなかったんだ。ただ誰かを頼ることを知らなかっただけで、たった一人で戦っていた......!それを分かっていたのに、私はあの子に寄り添わないで否定するような行動を取ってしまったッ......!!”
「先生......」
目元を腕で隠しながら、先生は後悔の念を吐き出し続ける。
”私は先生なのに......!生徒皆に寄り添って平等に、力になってあげないといけないのに......リオの心に寄り添うことが出来なかったッ!!私はッ......先生失格だッ!!”
「......」
......正直に言うとだ。アタシもその辺は、当時プレイしながら首をひねるところではあった。アリスを抹消するか世界を守るかという、極限の状況だったのは分かる。それでも、キヴォトスのために一人覚悟を決めて戦っていたリオを、突き放すような内容にもっと何か良い手はなかったのかと憤りもした。だけど、だけどさ......!
「先生、アタシは今からアンタに酷い事を言う」
”ルイ......?”
「自惚れるなッ!!」
”なっ......!?”
「先生だから、全ての生徒に寄り添わないといけない?力になってやらないといけない?アンタは何様のつもりだ?」
”何様って......だって私は先生で、そのためにキヴォトスに呼ばれて......”
「目の前のアタシを見ろ」
”君を......?”
「そうだ。アタシは別にアンタに導かれちゃいない。誰になんと言われようと、自分の心に正直に生きてきた。アンタじゃないが、側で支えてくれる奴がいたのもたしかさ。でも、アタシはちゃんと自立してアタシの人生を生きているだろう?」
”でもそれは、ルイが特別だからで......”
「特別な奴なんか、いるもんか!いや、いるかも知れないけど......。ああっ、もうっ!とにかくだ!先生、アンタはもっと生徒一人一人の可能性を信じなっ!」
”生徒の、可能性......”
「ああ。子供ってのは、常に大人が手を引っ張ってやらないといけない程、弱くない。先生だって、そうだっただろう?必要な時だけ、手を伸ばしている生徒の手を掴んでやればいいのさ。そのリオって子も、今回のことで一人の限界を知っただろうし、次はちゃんと誰かを頼れるさ」
”......これからも、私は先生をやれるだろうか?”
「アンタも自分を信じてやんな。まぁ、そうだね......それでも不安だっていうなら......」
”っ!!??る、ルイっ!?”
「アタシを頼りなよ、先生......。アタシは添い寝屋、疲れた人を癒すのが仕事さ。......先生の弱音も、不安も、全部受け止めてやるからさ?」
ーーー転生して、キヴォトスへ来たから思う。ここに生きる全ての人は、アタシを含めて皆ゲームのキャラクターじゃない。今を”生きて”いるんだ。先生だってゲームでは語られてなかっただけで、今みたいに苦悩していたんじゃないかと思う。だから、アタシの前で弱音を吐く先生を見て、アタシはたまらなくなりこの胸に抱きしめた。
「......だから、今は泣きたきゃ泣きな?ほら、アタシの胸大きいからさ。先生の顔くらい埋まって、誰にも泣き顔見られないから!遠慮なく泣いちまいな!」
”途中まで凄く良い話だったのに......。でも、そっか......。ルイは、私の止まり木になってくれるんだね......。ありがとう......”
感謝の言葉には答えず、黙って抱きしめ続けてやる。アタシの胸元には温かな雫が染みていたが、先生の泣き声だけは最後まで聞こえてはこなかった。
(声を出さないのは、男の意地ってか?たく、女の前で弱さを曝け出せるのもある意味、男の甲斐性だろうに......。いじらしい奴め!)
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〜12月25日 ルイの店兼住居〜
「ーーーてなことが昨日あったわけよ」
「お、御姉様!少々、異性に対して無防備すぎるのでは!?」
「えー?そうかぁ?」
「けっこう大胆なことしてると思うよ?まあでも、ルイはその辺は本当に疎いからねぇ。あ、最後のケーキいただきっ!」
「もうっ!マリさんも、もっと御姉様に注意するよう言ってくれてもいいじゃありませんか!......それはそれとして、そんなに食べると泣きを見ますわよ?」
「うーん......。でもルイだしなー?......ちゃんと計算して食べてるから大丈夫だもん!」
「そんときゃアケミ式ブートキャンプで絞ってやってくれ」
「では、今のうちにプランを練っておきますね」
「二人とも、私が太る前提で話すのやめてよっ!?」
そうやってマリをアケミと一緒に弄っていると、マリは話を変えるためにアタシに話題を振った。
「おっほん!......ところで、ルイ?ルイは「添い寝屋」として、先生のところに行ったんだよね?」
「露骨に話題を逸らしてきたな......。おう、そうだぞ」
アタシがそう答えると、ニヤリと笑ってマリは続ける。
「それじゃあ当然、添い寝。してきたんだよねー?」
「うん?したけど......それがどうかしたか?」
「いやいや、さっきの話的にただ添い寝して終わり!......なんてことはないでしょう?」
「た、たしかに......!!そんないい雰囲気の中、クリスマス・イヴの夜に男女が二人きり......!!そんなの、何も起きないはずはなく......!?」
「いや、二人とも何を期待してるのか知らんが、本当に添い寝した以外何もなかったぞ?」
「「ウッソだ〜」」
「お前らホント仲良いな......」
しかし、あの日なにか変わったことねぇ?......あ。
「あったわ。普段と違うこと」
「「なになに!?/なんですの!?」」
「ミニスカサンタコスで添い寝した」
「「は?」」
「いや、だってクリスマスだし」
「「ちょっとシャーレに用事ができたよ/できましたわ」」
「はーい、落ち着こうねー?」
「「私のルイが汚されたっ!!/私の御姉様が汚されてしまいましたっ!!」」
「汚されてねーわ。何なんだお前らは......。ほら、歯ぁ磨いてもう寝るぞー」
ギャアギャアとなおも騒ぐ二人の首根っこを掴み、洗面所まで引きずっていくルイ。
こうして先生の預かり知らぬ場所で、密かに何かのフラグが建つのであった。
〜シャーレ〜
「昨日のルイ、凄くセクシーだったな......。って、何を考えてるんだ私はっ!?ルイは善意でやってくれているのに、私ってやつはーーーっ!!」
その日、シャーレには先生の叫びが木霊したというーーー。
~マリの自宅~
「ぎゃああぁぁーーーッ!!体重がぁーーーッ!!」
別の場所では、マリの絶叫が響き渡った。
皆様、よい聖夜を!