添い寝屋やってたら先生が来た   作:秋月 ヒカリ

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 今後とも、ルイ達の物語にお付き合いください!


「あれ?アタシって、もしかして......?」

 〜夜 シャーレにて〜

 

 

 「補習授業部?」

 

 ”うん。トリニティのティーパーティーに招待されて、足を運んだんだけどさ?その時に、その部のことを任されてね”

 

 「まーたそうやって、安請け合いしたわけ?今でもこうやって、アタシが”バイト”って形で手伝いにこないと手が回らないクセに......」

 

 ”その件に関しては、本当に感謝しております......!”

 

 「はぁ......。それで?その話、続きがあるんだろ?」

 

 ”実はですね......?”

 

 

 前回シャーレに訪れた際、先生の仕事量が一人で捌くには多すぎる量にアタシは先生に提案した。

 

 ”なあ、先生。アタシをバイトとして雇わないか?”

 

 シャーレに就職しないかと言ってきたぐらいだ。提案を受け入れてくれるだろうと思っていたアタシに、先生はこう言いやがった。

 

 ”ルイにそんな迷惑はかけられないよっ!?””......あ?”

 

 アタシは先生の言葉に、自分でも吃驚するくらい冷たい声が出ていた。その反応を見た先生は小さく「ヒェッ」と、声を漏らしていたっけな。

 

 んで、先生のその反応に意地でも首を縦に振らせてやると意気込んだアタシは、先生をたっぷり3時間ほどドロッドロに甘やかした。途中何度も逃げ出そうと身を捩って抵抗していたが、その度にアタシはガッチリと先生を抱擁したまま耳元で「黙ってアタシに身を任せな......」と囁いて軽く甘咬みしてやった。

 

 その時の先生の反応......今思い出しても、ゾクゾクするんだよなぁ......。

 

 最終的に陥落した先生に契約を交わさせ、平日の20時から23時で働くという形で今に至る。自慢じゃないが、アタシなら3時間もあれば余裕で片付けられるからな。......あ。言っとくけど、エッチな事はしてないからな!?

 

 

 ーーー閑話休題(話を戻そう)ーーー

 

 

 先生の話によると、暫くはトリニティで泊まり込みの仕事になるからバイトはその間は無し。自分の本業に専念してほしいとのことだった。話は分かったけどさぁ......。

 

 

 「先生、お仕事大丈夫そ?」

 

 ”......よ、余裕だよ!心配しないで!”

 

 「本当かなぁ......」

 

 

 一抹の不安と、一緒について来てほしいぐらいの一言でも欲しかった不満に、アタシはモヤモヤとした気持ちでその日は先生に添い寝するのであった。

 

 

 

 

 

 **********************

 〜数日後 マリ宅〜

 

 

 「......いや、アンタら早く付き合えよッ!!」

 

 「今の話聞いて、何でそうなるんだよ?」

 

 「恋人なのっ......!いやむしろ、夫婦のやり取りでしょうがっ!そんなん!しかも、新婚さんくらいのっ!!」

 

 「大丈夫か、マリ?よしよし、アケミのブートキャンプが辛すぎたんだな......」

 

 「確かに、アケミちゃんのダイエット法は辛かったけどもっ!ルイはいい加減に、自分の気持に気づけバカっ!!あと、頭撫でるだけじゃなくて、ハグもプリーズっ!!」

 

 「はいはい......。にしても、自分の気持ねぇ......?」

 

 

 ”むふー!”と、アタシに抱きついたまま幸せそうに顔を緩ませるマリを見ながら考えてみる。

 

 思い出すのは、出会ってから今までの先生とのやり取りの数々。それを客観的な視点で俯瞰してみる。......ふむ。

 

 アタシはマリを一旦自分から離し、俯く。

 

 

 「る、ルイ?俯いて身体震えてるけど、大丈夫......?具合悪くなっちゃった?」

 

 「......じゃん」

 

 「え?」

 

 「......きじゃん」

 

 「ごめん、ルイ。声小さくて聞こえなーーー」

 

 「アタシ、先生のこと好きじゃんっ!!??」

 

 「うわ、うるさっ!?......てか、やっと!?どんだけ鈍感なわけ?」

 

 「え?え?え?アタシ、先生に対して......というか異性に対して何してた!?添い寝はいいとしても、この間なんか3時間も......うわあぁーーーっ!!??」

 

 「いや、添い寝も大概だからね?ていうか、こんなに取り乱したルイを初めて見たなー。あ、動画撮っとこ♪」

 

 

 いやね?おかしいなー?とは思ってたんだよ?原作に関わる気は無いとか決めてたのに、先生と関わることに全然抵抗感なかったし!むしろ自分から積極的に関わってたし!?......いや、後悔はしてないよ?先生の側にいると胸がぽかぽかするし、安心するし。生徒には気を張って頑張って大人らしく振る舞ってるけど、アタシには情けないとこも見せてくれるし。そんな先生を見てると、”アタシが支えてやんないとなー”とか、”この人を癒してやりたいなー”とかいう気持ちがとまらなーーー。だから、どんだけアタシは先生が好きなんだよっ!!

 

 

 「あうあうあう......」

 

 「え、何この可愛い生物。でも、私の知らないルイを引き出したのは先生なんだよなー......よし、会うことあれば一発殴ろう」

 

 「......先生を傷付けたら、マリでも怒る」

 

 「くそっ!これが俗に言うNTRかっ!!」

 

 「......うん。何か、アンタを見てたら急に冷静になってきたわ......」

 

 

 あー......。でもどうするかなぁー......。これ、絶対次に会う時に気不味くなるやつじゃん......。まあ都合いいことに、暫くはどうせ会えないしその間に気持ちの整理を......。ん?ちょっと待て?先生、今、何処に行ってたっけ......?

 

 

 「あああぁぁッーーー!!??」

 

 「今度は何っ!!??」

 

 

 そうじゃん!?先生、今トリニティじゃんっ!?先生が撃たれちゃうじゃんっ!?先生がトリニティに行って何日経った!?......どうするアタシ?助けるか?助けて良いのか?その場合、物語はどうなる?この世界はゲームじゃない。現実だ。アタシの軽率な行動で全てがーーー。

 

 

 「ーーールイってばっ!!」

 

 「うおっ!?どうしたんだよ、マリ?今アタシは考え事を......」

 

 「これっ!見てっ!」

 

 「テレビ中継?んなもん今はどうでもーーー」

 

 『皆さん!ご覧ください!エデン条約調印の場に......ミサイルです!ミサイルが撃ち込まれましたっ!!現場は炎に包まれ、参列していた方々の安否も分かっておりませんっ!!参列者の中にはシャーレの先生もーーー』

 

 「ーーーごめん、マリ。アタシ、行くわ」

 

 「へ?行くって、まさか......ちょっと!ルイっ!!」

 

 

 ーーー中継に映し出された瓦礫と、火の海。それを認識した途端、頭の中にはもう悩みはなかった。

 

 

 (原作がどうとか、この後のこととか......そんなのどうでもいい。アタシは、先生が傷付くことを許容できないっ!!)

 

 

 アタシはマリの家から自宅まで走った。先生の元へ向かう前に、”着替え”を行うためだ。

 

 

 (アケミから貰ったアレはーーーあった!)

 

 

 アケミがクリスマスに、プレゼントとして渡してきた「純白の特攻服」。渡してきた本人は「私の赤い特攻服の色違いです。紅白で縁起が良いですよね♪」とか言って浮かれてたが......。

 

 態々コイツに着替えに来たのは、アタシの「覚悟」を示すためだ。最後に額に白いバンダナを巻き、アタシは先生の元を目指し疾走る。

 

 

 「久しぶりの全力全開だ......!何もかもーーーーーー振り切るぜッ!!!!」

 

 

 一瞬、アスファルトを深く踏み込み溜めをつくり......消える(・・・)

 

 アタシの身体は言葉通り何もかもを振り切り、置き去りにし、先生の元を目指す。......愛した男を救うために。

 

 

 

 

 

 **********************

 〜トリニティ某所〜

 

 

 「トリニティとゲヘナの主要人物は全部片付いた。残りはもう貴様だけだ、シャーレの先生」

 

 

 そう言って目の前の人物は、銃口を私に突きつける。

 

 襲撃者たち......アリウス分校の生徒たちから私を守り続けてくれたヒナも、力尽きて倒れている。

 

 明確な「死」が目の前に突きつけられているのに、私が最後に考えていたことは......。

 

 

 (ルイ、君にもう一度だけ......会いたかったよ......)

 

 

 せめて最後まで目は開いておこうと、目の前の銃口を真っ直ぐに見つめる。

 

 

 「さようなら、シャーレの先生」

 

 

 ーーー銃声が鳴る。

 

 

 ......しかし、放たれた銃弾は先生を貫くことはなかった。何故なら......。

 

 

 「な、んで......。何で、君がここに......?」

 

 「ふぅー......。間一髪だったなぁ......!」

 

 「誰だ、貴様はッ!?いや、それよりも貴様、手で銃弾を弾いて......!?」

 

 「アタシが誰かって?......いいぜ、教えてやる」

 

 

 答える人物は、純白の特攻服をはためかせ告げる。

 

 

 「癒夜志ルイ。ただの通りすがりの添い寝屋だ......覚えなくていいぜ?」

 

 「ルイ......!」

 

 「悪いな、先生。話は後にしてくれ。......そこのゲヘナっ娘、動けるか?動けるなら、ここはアタシに任せて先生を安全なトコまで連れてってくれ」

 

 「ぐっ......!ええ、動けるわ。先生、セナがもう直ぐ着くはずよ。行きましょう」

 

 「......ルイっ!!」

 

 「んー?」

 

 「......必ず、帰ってきてくれ」

 

 

 先生の言葉に、アタシはサムズアップで応える。

 

 

 「先生!ヒナさん!早く乗ってください!!」

 

 「どうやら、お迎えが来たみたいだな」

 

 「行かせるかッ!!」

 

 「やらせないって」

 

 

 アタシは先生を狙う奴の正面に素早く割り込み、全ての銃弾を打ち払う。

 

 

 「しゃ、シャーレの先生が行っちゃいますよ〜っ!!」

 

 「ちっ!ホント何なの?コイツッ!!」

 

 「......」

 

 「貴様......ッ!!よくも、邪魔をッ!!」

 

 「黙れ」

 

 「「「「!!??」」」」

 

 

 怒りと憎悪に染まった瞳でアタシを睨みつける少女ーーー錠前サオリを含めたアリウススクワッドへ圧をかける。

 

 

 「お前らの目的も何もかも、アタシにはどうでもいい」

 

 「何だと!?」

 

 「どうでもいいが、お前らはアタシの大事なモンを傷付けた。......お仕置きは受けてもらう」

 

 「お仕置きだと?......巫山戯るなッ!!ミサキ、ヒヨリ、姫!!全員でこの女を潰すぞッ!!」

 

 

 サオリの命令でそれぞれがアタシに向かって、銃口を向ける。

 

 

 「覚悟は良いな?......乱入者ァッ!!」

 

 「んなもん、とっくに......出来てるよッ!」

 

 

 お互いの覚悟を示す戦いが今、幕を開けた。




 癒夜志ルイ【覚悟】、参戦!

 おかしいなあ......。ただの添い寝物語のはずだったのになぁ......。(遠い目)
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