添い寝屋やってたら先生が来た   作:秋月 ヒカリ

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 タイトルが全てなんです!ルイは”添い寝屋”。つまり、癒しの達人なんですよ......!
 ようはご都合回です。

 ......お気に入り登録が急増してて、楽しんでくれている方がこんなに!?と嬉しい気持ちと、混乱で書き上げました。ありがとうございます!


「殴り合いが始まると思ったか?アタシは”癒し専門”だぜ?」

 「姫......ミサキ......ヒヨリ......?嘘だろう......私は、夢でも見ているのか?」

 

 「リーダー......。ごめん、私はここまでみたい......」

 

 「あっあっあっ......。もう、無理ですぅー......。おしまいですぅー......」

 

 「......」

 

 

 ......錠前サオリだ。何だ?何が起きた......ッ!?

 

 私の目の前で起きていることに、私の理解が追いつかない。ミサキは瓦礫に背を預け、息も絶え絶えになっているし、ヒヨリは乱入者......ルイ、といったか?に拘束されたまま今にも意識を手放しそうだ。

 

 姫に至っては、仮面を着けたままなので表情は分からない......。が、横たわった仮面の隙間からは荒い息遣いが聞こえ、ぐったりとしたまま身動ぎ一つしない。しかも何が恐ろしいかというと......。

 

 

 (私たちはアリウススクワッド、アリウスの精鋭中の精鋭だぞッ!?それをヤツは、無手で私たちを圧倒し無力化するだとッ!?ありえないッ......!?)

 

 「......さて。どうやら後は、お前さんだけみたいだな?」

 

 「ッ!!舐めるなぁッ!!」

 

 

 私は言い知れぬ恐怖を振り払うように叫び、目の前の女へ銃弾を浴びせかける。

 

 しかし、それを女は「おいおい......。そんな風に滅茶苦茶すると、お仲間に当たるだろうが......」と呆れ顔で、全ての銃弾を掴み取っていく(・・・・・・・)。化物めッ......!!

 

 目の前の存在から感じる重圧(プレッシャー)に、私は自分の銃が弾切れであることにも気づかずに荒い息を繰り返しながら引き金を引き続けていた。

 

 私は浅い呼吸を繰り返し、銃を構えたままカチカチと軽くなった引き金を引き続けている。すると、フッ......と目の前に影が差した。

 

 

 「あ......あぁ......。ヤダ、来ないで......!来ないでよぉ!!」

 

 「んな、バケモンでも見るような目でガチ拒否すんなよ......。アタシだって傷付くんだぞ?たくっ......。ほら怖くない、怖くない......」

 

 「グスッ......。え?」

 

 

 ......何だ?この全身を包む、安心する温もりは......?今の今まで感じていた冷たい恐怖が、温かな感覚にじんわりと溶かされていく。

 

 

 (あれ......?私、何をしていたんだっけ?......ううん、もういい。考えたくない。もう......どうなってもいいや......)

 

 

 私はいつの間にか銃を手放し、目の前の温もりに身を任せて意識を手放した......。

 

 

 

 

 

 **********************

 〜???〜

 

 

 ーーー私は、暗闇の中をひたすら走っていた。

 

 

 「ミサキッ!ヒヨリッ!アツコッ!みんな何処だッ!?何処にいるんだッ!?」

 

 『何をしているのですか?サオリ......』

 

 「ま、マダム!?いえ、その......他のスクワッドメンバーがいないのです!今は、捜索中でッ......!」

 

 『他のスクワッド?何を言っているのですか、アナタは......』

 

 「マダム......?」

 

 

 暗闇の中に、忽然と現れたマダム。そのマダムへ状況を話すと、手に持つ扇子で口元を隠しながら呆れた様子で返される。

 

 その態度に私が困惑していると、マダムは私の背後へ指を指すと嘲るような口調で告げる。

 

 

 『いるじゃありませんか。ーーーほら、そこに』

 

 

 その言葉に私は嫌な予感がしながらも、ゆっくりと振り向く。......確かに、皆はいた。

 

 

 「ぇあ......は?み、皆?何で、そんなところで寝てるんだ?......ほら、起きろ。早く、おきーーー」

 

 『現実を見なさい、サオリ。ただの肉の塊(・・・)が、返事を返すわけがないでしょう?』

 

 「あ、あぁっ!?あああぁぁーーーッ!!??」

 

 

 皆はいたんだ......。血の海に、真っ赤に染まった身体を横たえて。光の消え失せた虚ろな瞳で、私を見つめながらーーー。

 

 

 『全く......。貴重なロイヤルブラッドを失わせるとは......。サオリ?アナタにはソレ(・・)の代わりになってもらいます。さあ、その身を私に捧げーーー』

 

 「ーーー汚え手で、この子に触んじゃねえッ!!オラァッ!!」

 

 『ガッ!?ガアアアァァァッ!!??』

 

 「......誰だ、アナタは?」

 

 「アタシか?ただの通りすがりの添い寝屋だ」

 

 「添い寝屋......?」

 

 「そんなことより、汚えババアは消毒したし。さっさとここを出るぞ」

 

 「......出て、どうなる。もう、皆いないのに......。私一人では、もう......」

 

 「この......おバカっ!」

 

 「痛っ!?な、何をするんだっ!?」

 

 

 急に現れ、マダムを殴り飛ばして消滅させた女性。その彼女が、私の言葉を聞いた途端に頭を小突いてきた。......痛い。

 

 

 「あのなぁ。よく見てみ?そこ」

 

 「......何も、無い?」

 

 「そらそうよ。あれは、お前の心が生んだ幻影なんだからな」

 

 「幻影......」

 

 「ほら!皆待ってんだから、いつまでも呆けてないで行くぞ!」

 

 「あっ......!」

 

 

 呆けて固まっている私の腕を女性が掴んだ瞬間、辺りを眩い光が包んで塗り潰していったーーー。

 

 

 

 

 

 **********************

 

 

 「ん......。ここは......?」

 

 「お?起きたか。調子はどうだ?」

 

 「あ、ああ。よく分からないが、すこぶる調子が良い。こんなに調子が良いのは、初めてだ」

 

 「そいつは良かった♪(さっきの謎空間の事は記憶にないみたいだな。でもアタシへの態度が軟化しているから、無意識下では覚えてるのかもな)」

 

 

 私は、柔らかなものに包まれて目が覚めた。

 

 どうやら、目の前の女性に抱きついて気を失っていたらしい。......女性の胸というものは、ここまで柔らかくなるものなのか?私のものとは、随分と......。

 

 

 「......リーダー?」

 

 「んんっ!?み、ミサキか!皆は無事か?」

 

 「まあ、うん。無事。......そこのお姉さんに、腰砕けにされてただけだから」

 

 「言い方よ......。アタシは癒しのプロとして、君達を天国へ招待しただけだぜ?」

 

 「その言い方も誤解を生むと思うんだけど......。それよりリーダー、これからどうすんの?」

 

 「うわーん!先生を逃がしちゃって、添い寝屋さんにも負けた私たちはきっと、マダムに粛清されちゃうんですー!どうせ粛清されるなら、最後に添い寝屋さんに添い寝してもらって現実逃避したいですー!」

 

 「サっちゃん......ううん、サオリ。......もう、いいんじゃないかな?」

 

 「姫っ!?どうして仮面を!しかも、喋って......」

 

 「このお姉さんに癒してもらって、不思議なんだけどね?マダムへの恐怖も、今までのありとあらゆる負の感情も、消えてたんだ。サオリもそうじゃない?」

 

 「......確かに。まるで、最初からそんなものが無かったかのように消えている......。これは一体?」

 

 「そら当たり前だろ。君らが感じていた絶望は全て......とは言わないが、殆どが後付だ。んな胸糞悪りぃモンは、アタシにかかればワンパンってもんよ!(本当は何でそうなったかは、アタシにも分かんないことは黙っとこう......)」

 

 「そうなのか......。アナタは凄いな」

 

 「お、おう。(んんんんんーーー!純粋な瞳が眩しいーーー!)」

 

 

 いや、マジで自分でも理解できてないのよ!それに、何だよあの謎空間!?キヴォトスに生まれてこの方、フィジカルのこともそうだが、謎が増えたんだがっ!?

 

 

 「皆?話を戻すよ。......私たちは任務に失敗した。本当は、このまま撤退するのが良いんだろうけど......」(チラリ)

 

 「ん?勿論、逃さねえよ?」

 

 「......て、ことだし。この際、今回の罪を償うために亡命しても良いんじゃないかなって。どうかな?」

 

 「いいんじゃない?もう色々と疲れちゃったし......。私はアツコに賛成」

 

 「わ、私も、アツコちゃんとミサキさんがそれでいいなら......。それに、捕まっちゃっても三食ご飯は貰えるんですよね?えへへ......楽しみです」

 

 「ヒヨリは別として、私たちの意見はこうだけど。サオリはどう?」

 

 「私は......」

 

 

 私は考え込んでしまう......。確かに、自分を縛り付けていた暗い鎖からは解き放たれた。だけど、それでもマダムにより刻み込まれた恐怖を、私は......!

 

 ーーーぽんっ!

 

 

 「ん......。添い寝屋......?」

 

 「ルイでいい。......サオリ、お前は一人じゃない。仲間がいるだろう?」

 

 「仲間......」

 

 「仲間がいてくれる限り、お前さんは大丈夫だ!ま、それでも不安だってなら......」

 

 

 ーーーアタシを頼んな?

 

 

 ......ああ。そうか。この大人は、信じていい大人なんだな......。

 

 私は自分の頭を撫でるルイの手を取ると、自分の頬へ持っていく。

 

 

 「ああ......頼らせてもらおう。よろしく頼む、ルイ」

 

 「おう!任された!」

 

 

 こうして私達はルイに連れられて、先生が運ばれたであろう場所へ向かうのであった。

 

 それにしても、途中で襲ってきたミメシスを腕を振った風圧で薙ぎ払うのは、どうすれば習得できるのだろうか?




 ベアトリーチェ、瞬殺ルート開拓......!!

 えっと、ご都合回なんで細かいことへのツッコミは無しでお願いしますね......?
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