入れてたつもりが忘れてました。申し訳ない。
今回はちょっと短いです
シアの背後から飛び出しそのままソードスキル『サイクロン』を発動する。走りながら使うのは初めてだったのでうまくいくか心配だったが、うまくいったようでソードスキルのシステムアシストの感覚が身を包み込む。
だが今までよりも明らかに何か違う、早いんだ。昨日使った時やついさっきまでつかってたものよりも幾分も早い。俺の剣はいつもどうりの青色のエフェクトを纏い、ただいつもよりも速く、振りかぶるホーンベアーの左腕をはじいた。
「下がって回ふ──」
「スイッチ」
ホーンベアーの左腕と接触した後も完全に剣を振りきるまでシステムアシストは終わらない、いまだ残光を残す剣を尻目にシアに回復を促そうとしたがそれはさえぎられた。まだ俺に硬直すら来ないようなタイミングで先ほどまでのでの俺の剣と同じ、青い光を纏た槍を構えたシアが前に飛び出したのだ。
「それ俺のセリフ、てか回復は!」
「いい!このまま押し切る!」
シアの放ったソードスキルは硬直中のホーンベアーの右胸を貫く。これで2本目のHPバーももう半分が消えた。確かにこのまま押し切れるかもしれないがさっき俺同じようなこと言って殴られたんだよな……
「それもう使うな、縁起が悪い」
「イヤだね、1月は擦ってやる」
硬直から回復したホーンベアーの張り手を右によけながら肘の辺りを切り上げる。やっぱあいつ性格悪いだろ。
てかさっき俺、硬直中も前に動いてたよな……なんでだ?
普通ソードスキルの硬直中は歩けないはずなんだけど、何が原因だ?走りながら使ったからか?
さっきの不可解な現象について頭の片隅で考えながらホーンベアーの攻撃を捌く、時折後ろから伸びてくるシアの槍が攻撃を逸らすが、攻撃はさらに激しさを増し完全に回避することが難しくなってきた。
「ソードスキルあと何回で殺せると思う?」
「まあ4.5回ぐらいじゃね?」
ホーンベアーの張り手を剣で受けて左に逸らすと今度はアッパーのような攻撃が来るがそれはシアが全力の突きで逸らす。それに合わせてさらに肉薄、ソードスキルを使わずにホーンベアーの胸を二度、クロス状に切り裂く。
右からくる薙ぎ払いに対して剣で受け止めながら後ろに飛び去る。俺が後ろに下がるのと変わるようにシアが前に出て二連続の突きを打つ。
その突きは二発とも左腕を振り抜いた状態のホーンベアーへと綺麗に突き刺さる。これでホーンベアーのHPはざっと4割弱ほどになった。
再度右からくる今度は下から振り上げるような薙ぎ払いをバックステップで交わしてシアの方を見ると察したのかオッケーと軽い返事が返ってきた。本当にわかってんのかな。
もう何度も見た左腕の薙ぎ払いに対して両手剣を全量で握りしめて下からかち上げる。ホーンベアーとともに俺自身も若干硬直するが問題ない。
「スイッチ」
剣を振り上げながらも今日だけでもう何回目かもはや言い慣れた合図を送る、のと同時に青い光を纏った槍を構えたシアが前に飛び出しホーンベアーの顔に槍を振り下ろした。
「スイッチ」
間髪入れずに俺も飛び出す。姿勢は変わらず剣を振り上げたまま重心を前に向けて倒れるように体を前に出す。いつもはもっと落ち着いてしっかりソードスキルの型を作るのだがまあいけるだろう。ほらきた。
ソードスキルのアシストが身を包み、もう使い慣れた縦斬りの『コラプス』けれど今までのものとは違う。剣を振るう速度も体の動きも踏み出す脚も早くなっている。やはり勢いがついた状態でソードスキルを使うと通常よりも動き全体が速くなるのかもしれない。
通常よりも幾分か早くなった俺の剣がホーンベアーの頭、さっきシアがソードスキルを当てた少し上、眉間の辺りに振り下ろされる。今までの攻撃だったらここで止まるが今回の青白い光を纏った剣はとまらない。頭の次は胸、そして腹までを切り裂こうとしている。俺はそのままシステムアシストに抵抗しない範囲で力を込めて振り下ろした。
ホーンベアーのHPバーが削れていって全てが灰色になるのを横目で確認すると、丁度ソードスキルのシステムアシストが終了して硬直が来た。その場でしゃがみ込みながら、無事終わったことに安堵しつつも違和感が拭えない。何やら様子がおかしい。
経験値もコルも入手できていない。硬直中の体を無理矢理動かし、顔だけシアの方は向けようとした時、俺の体を影が覆った。
前に向き直るとホーンベアーは未だ現在、今にも振り上げた両手を振り下ろそうとしていた。HPバーを見るがやはり全損……いやよく見るとほんの少し、僅かにまだ赤い部分が見える。ミリ残しだ。
咄嗟に飛び退こうとするがまだ体は動かない。完全に油断してた、まずい死———
未だ硬直で動けない俺にホーンベアーの両腕が振り下ろされようとする瞬間。カツンと軽快な音とともにホーンベアーの額に槍が突き刺さった。
のと同時に硬直が解けその場から飛び退く。着地した時にはもうホーンベアーはポリゴンの塊となり消えていて、シアを見れば前に手を突きへたり込んでいた。
「……ありがとう」
「ユートお前これで二度目だからな……今度奢れよ」
二度三度、ホーンベアーがいた場所に転がる槍とへたり込むシアを見比べる。俺は今日2回もシアに命を助けられた、俺は震える左手で頭をかきながらシアに対してもちろんと応え、槍を拾った。
「疲れたな……」
「まあデスゲームなんてこんなもんでしょ、……てかユートが油断しすぎなんだよ」
「すまんな、……本当にありがとう」
拾った槍をシアに手渡す。
シアから文句というか愚痴というかが飛んでくるが反論のしようがない。
「まあ無事に終わったから問題ないけどさ、前衛してるんだから危険なのはしょうがない。謝る必要はないよ。」
「じゃあ油断とか言うなよ……」
「それはそれ、これはこれ」
この戦いを無事に生き残ったことに安堵しながらもお互いに回復ポーションを取り出し飲みきる。辺りにはもうモンスターはいないようで武器を背中に背負い直す。
本来はもっと面倒なのだろうがここは仮想世界。背中のベルトを緩めてまた締め直すなんてことはしなくてもいい。もう何回も思ったことだが、こういった所は本当に便利だ。
「てかホーンウルフはどこ行ったんだろう」
シアの疑問にさあなと返しつつもそのことについては確かに俺も疑問に思う。まあ所詮数ヶ月前のベータテストの知識、思い違いの線もあれば変更点だってあるだろう。まあ明日キリトには連絡しとこうか。
そうして俺たちは麦畑を後にした。空を見上げれば満点の星空そして1層の壁と2層の床の隙間からは右側だけが光り輝く月がのぞいていた。
あの戦闘の次の日、クエストの報告をした村長宅から出たシアの背中の武器は初期装備の槍ではなく木の柄に獣の角、そして金属で補強されたような姿の槍に変わっていた。
「やっぱ新しい武器ってのはテンション上がるよな、早く俺もグレートソードが欲しいな~」
昨日みたくまた倉庫の掃除クエストを受けようと町の入り口の方へ歩きながら少しいじけたような声を出す子供じみた菅家だが羨ましいのは羨ましいのだ。
シアからの返事は来ない、俺の子供じみた考えにあきれてしまったのだろうか、……後ろからバタンと何か大きなものが倒れる音が聞こえてきた。何かあったのかと後ろへ振り向くと音の主はシアで、その体は舗装も何もされていない、茶色い地面の上にうつぶせで倒れていた。
「おい!シア、大丈夫か?……どうなってんだ?」
話しかけても、肩を揺すってみても全く反応がない。まるで眠っているように体には力が入っていなくて、どんなことをしても反応は返ってこない。
一体何が………まさか、現実の方で何かあったのでは?
俺の脳裏によぎるのは二つの可能性、一つは2日目にしてもう俺たちを助ける手立てができて順次ソードアート・オンラインから強制ログアウトさせられている可能性。そして考えたくはないがナーヴギアの不具合によりシアがゲームから切断されてしまった、と言うものだ。もしかしたらゲームオーバー扱いで現実の蒼の頭がレンジでチンされてしまうかもしれない。そんなことはいやだ。
正直、今の俺ではそのどちらもしくは別の可能性なのかすらわからない。パニックになっているというわけではない。もともとこういったことを考えるのは苦手なのだ。
そして今の俺にできることはせめて悪いことではありませんようにと心の中で祈りながらシアに話しかけることぐらいのことだった。
そうして突然シアが倒れて1.2分ほど経った時、俺にも異変が現れた。
突如体が動かなくなり視界がおかしくなる。目がくらむ、立ち眩みのような感覚が俺を襲ってくる。昨日受けた脳震盪のデバフと同じような感じだ。ただ、別に気持ち悪いわけじゃない。あまりうまく説明はできないが点滅というか暗転というかゆがむというか、説明しずらいおかしな現象が俺を襲っていた。俺は思わず目をつぶる。
再び目を開けると、真っ暗闇の、夜寝る時、瞼を閉じた後のような具合の、それでいてしっかりと目を開けているような不思議な感覚が俺を襲っている。
そんなおかしな空間の中で、突如目の前の空中に赤文字の警告文が現れた。
電源が切断されました、内部バッテリーに切り替えます。
スリープモードもしくは低電力モードに切り替えることを推奨します。
内部バッテリー完全放電まで 04:59:52
そしてさらに一拍おいてもう一つ
ナーヴギア本体の電源もしくは回線からの切断が確認されました。
30分以上この状態が続いた場合、強制的にゲームオーバー時の処理を施します。
ゲームオーバーまで 00:29:51
一気に心拍数が上がる、早くこの状況をどうにかしなければ、どうにか今の状態から脱しなければならないのだが体は動かない、動かせるのは視界だけでそれ以外は何もすることができない。
この状態が20分弱ほど続き、なんとかソードアート・オンラインの、こんなことが起きるまでシアと話していた町中のあまり整備されておらず、砂利道もしくは泥道というような場所で目が覚めるまで生きた心地がしなかった。
アンケート協力ありがとうございます。このアンケートは第1層のボスを討伐するまで続けようと思います。
アンケートをしておきながらですが実際にアンケート通りになるかは作者もわかりません。実力不足です。
2月からは暇が増えるのでせめて週1で投稿出来ればな,無理かも。
やっぱヒロインっていた方が花があるよね、でも思いつかないんだ。
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アルゴルート
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シノンルート
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シリカルート
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リーファルート
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ヒロインなし