光無きところに手を伸ばしてみれば   作:狐ノ陽炎

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プロローグ
1話 救護騎士団副団長 城羽ライ


こんにちは、鷲見セリナといいます。トリニティ総合学園、救護騎士団所属の二年生です。そんな救護騎士団は今………。

 

トリニティ自治区のとある場所で、救護活動の真っ最中です。

 

 

「救護ー!!!!」

 

ドガーンッ!!!

 

あの救護とか言いながら叫んでるのが救護騎士団の団長、蒼森ミネ団長です。あ、間違えました。叫んで破壊している人ですね。

 

救護騎士団のモットーとしては『救護が必要な場に救護を』なのですが、何故か『ミネ団長が破壊して騎士団が治す』という事になっておりまして……。まあ、何故か以前に理由は明白ですが……。

 

バゴーンッ!!

ダンッ!ダンッ!ダンッ!

 

あぁ、今日も今日とて大量の救護者を救護しなければならないのですね……。後輩である朝顔ハナエちゃんと一緒に救護して……っと。

 

あ、でも実はもう一人いるんです。

 

「今回は少し数が多いですね。私も手伝いましょう!」

 

救護騎士団の副団長、城羽(しろはね)ライ副団長です。

 

「ライ副団長!? ですがミネ団長に現場関与を止められているんじゃ……」

 

私にもよく分かりませんが、最近のライ副団長は何故か救護する事をミネ団長に止められています。悪い事をしたわけではないと思うのですが……。

 

「だからと言って目の前の救護対象を救護しないわけにはいきません!」

 

何かと勘違いされがちなミネ団長とは違い、ライ副団長はトリニティでは珍しくそのままの姿で評価されているお方。誰に対しても優しいですし、頭もいいんです。ビジュアルも完璧ですし、名前もかっこいいのでファンも多いと聞きます。

 

最近は部活内外問わず後輩の悩みをよく聞いているらしいです。シスターフッドの懺悔とはまた違うらしいのですが……。かく言う私も救護の事で何度か相談をしています。

 

ライ副団長の救護する速度は誰よりも早いんです。それこそ私達の仕事が無くなるくらいには。その救護に対する姿勢と、どうやったらそんなに早く救護できるのか、よく相談しているんです。

 

「ライ副団長~!救護対象は全員ミネ団長がやっつけたのですが……」

 

 

「ミネ団長が止まりませんー!」

 

「分かりました!私がミネちゃんを止めます!皆さんは引き続き救護をお願いします!」

 

 

ミネ団長とライ副団長は小さい頃からの幼馴染と聞いています。現状、暴走を続けるミネ団長を即座に止められるのはライ副団長だけです。

 

……と、今は目の前の救護に集中しましょう!

 

 

 

 

ミネちゃんの暴走癖は今に始まった事では無いのですが、私がいちばん後ろに居てしまう事でミネちゃんを止めるまでの時間が長くなってしまうんです。それが今の悩みでもあります。

 

っと、やっと最前線に追いつきましたね。

 

ドガーンッ!

 

「救護ォー!!!」

 

「ミネちゃーん!もう救護終わってますよー!」

 

この程度の暴走であれば一声で耳を傾けてくれるはずです。

 

「ライ!? どうして前に……!」

 

「もう終わりましたから、止まってください」

 

「……わかりました」

 

さて、ミネちゃんも止まりましたし。皆さんの救護活動をここで待つとしましょう。

 

救護騎士団は毎日こんな大掛かりな救護をしているわけでは無いのですが、こういう大きな救護の日は激動の日です。

 

まずミネちゃんの指示で救護活動場所へ移動し、救護活動を始めます。救護活動終了後は事後処理をします。主に救護者の人数確認と容体確認、トリニティの生徒会『ティーパーティー』への報告ですね。必ず最後に行うこの報告は『報告書』と共に行います。

 

少し前まで私が書いていたのですが、最近は一年生か二年生の誰かが数人で書いているようです。

 

 

 

 

「ミネ団長!報告書を書き終わりました!」

 

「わかりました。確認します」

 

 

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・救護報告書

 

報告書製作者 鷲見セリナ

 

1. 負傷者数 85人

2. 救護者数 85人

3. 救護者内訳(分かる範囲でいい)

 ・蒼森ミネ  5人

 ・城羽ライ  43人

 ・鷲見セリナ 22人

 ・朝顔ハナエ 5人

 ・その他   10人

 

4. 反省点

道が狭かったため、破壊した建物の数が増えてしまった。救護活動に対して加減をする必要は無いが、建物に対しては加減が必要である。

-------------------------------------

 

「……ライさん?」

 

「ん~?どうしたのミネちゃん?」

 

普段なら少し確認してティーパーティーへ報告書を提出すると立ち上がるのですが、今日は違うみたいですね。私に用があるみたいです。はて……なんのことでしょうか……ね?

 

「しばらくの間救護しないでくださいって言ったじゃありませんか!!!」

 

「やっぱり!!?」

 

「やっぱりではありません!!!」

 

「後輩に救護を経験させる為にもしばらくは様子を見るように伝えていたではありませんか!!?」

「で、でも目の前で見せる事も大切だと思って…」

「実際に"救護をさせる事"こそが!! 経験を積むとはそういう事なんです!!!」

 

「ご、ごめんなさ~い!」

 

「……確かにライの救護は私でさえ見習うほどの完璧な救護です」

 

「ですが!!!」

 

「貴方の救護は()()()()んです!!! これでは後輩達が救護する間もなく貴方の救護で全てが終わってしまいます!!」

 

で、でもそれはいい事なんじゃ……ないかな?救護対象者はどれ程の怪我をしているか分かりませんし…。

 

「とにかく!これからも救護は控えるように!もしライが必要な場合は私が事前に言いますから」

 

「はぁーい……」

 

納得は出来ませんが、ミネちゃんの言ってる事は多分正解なので。納得は出来ませんが……。

 

「それでは、ナギサ様へ報告に行って参ります」

 

ぶすっとした私のツラを見飽きたように一度小さく息を吐き、そのままティーパーティーへの報告に向かった。

 




ゲヘナ学園のやつを書いてるのでね。トリニティ側も何かしら書きたいなと思った次第です。
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