何時の間にか終わっていた   作:ベジがぐてー

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泥濘

「おはよ、お昼久しぶりにご飯行かない?」

「ん、おはよ。……久しぶりだっけ?」

 

 炒飯行かなかったっけ?目覚めたばかりの脳でぼんやりと記憶を辿りながら、ゆっくりと目を開く。

 

 彼女はシーツだけで身体を隠してベッドに座っていた。私は向かい合うようにあぐらをかいた。冷えた身体を隠すのは億劫で。

 

「はい」

 

 数瞬私を舐めるような視線が走ったあと、ベッドから落ちていた下着が差し出される。

 

「うわ、べちょべちょじゃん、お風呂入ってくる」

「シャワーだけにしてね、私もベタベタしてるから」

 

 そう言って閉じたり開いたりする親指と人差し指の間は少し糸をひいていた。

 

 私はあまり見たくないそれから身体ごとターンして視線を逸らす。

 

「何食べたいか考えといて」

 

 背中にかけられる言葉にヒラヒラと手を振りながら逃げるように部屋をあとにした。

 

 

 

 ところどころ赤くなった肌を労るように流していく。

 

「はぁ……」

 

 ぼーっとしていると唯一2つあるシャンプーが目に入った。

 

 お互いの好みの匂いのものを送り合ったそれは詰め替え用の大きなもので未だ残っている。

 

「まだぁ?」

 

 耽っていた所に差し込まれた催促にハッとする。そのことを誤魔化すようにシャワーで音を立てた。

 

「まだ、あとちょっとだから待ってて」

「裸で寒いんだけど、誰かさんのせいでべたべただし」

「私のだけど私のせいじゃないから」

 

 品のない物言いに軽く溜息をついた。

 

 

 

 

「準備できた?」

「今終わったとこ」

 

 サッパリした身体と綺麗な衣服。どこか心もとないスカートだけど。

 

「可愛いじゃん」

「知ってる」

 

 私が着るのは何時も彼女の選んだものだ。そりゃそうだろう。

 

 あとにシャワーをしたはずの彼女は私より早く最低限のオシャレを済ませ、玄関へ向かっていた。

 

「何食べたいか決めてくれた?」

「……忘れてた」

「はぁ〜」

 

 彼女はいつもの少し呆れたような微笑を浮かべ、ドアノブを捻った。

 

 

 

「炒飯でいい?」

「前行ったじゃん」

 

 彼女に任せると大抵炒飯だ。何も考えていなかった私が言えることではないだろうけど。

 

「じゃあどうする?」

「……酢豚」

 

 少し痛い沈黙が走った。

 

「……いいんじゃない?私も炒飯食べれるし」

「……」

 

 微妙な慰めにガシガシとスネを蹴った。

 

 少し困った顔をする彼女を尻目に興味もない記事にスマホをスクロールする。

 

「いつか本場の炒飯食べてみたいよね」

「たいして変わらないでしょ」

 

 パンナコッタの方が興味あるかも。なんて言葉は飲み込んで、またスマホに視線を落とした。

 

 




ちゃんと小説の体裁で書く練習ナウ
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