アレックスの
「クソ! クソっ!!」
アレックス――生き残るためなら僕を蹴落とすとも言った彼が、何故……!?
「神機も持ってねえ奴がカッコつけやがって! 神機持ってる俺が逃げ帰っちまったら、なんのためにゴッドイーターになったかわかんねえじゃねえかよ……!」
キュルルル……
化け物がアレックスへ向き直る。まずいぞ。攻撃目標を僕から彼に変えたのか……?
「来いよクソッタレ! タダで食われてテメエのクソになると思うなよクソが!!」
アレックスの挑発に対し、化け物は二つの
「くっ!!」
アレックスが大盾を展開。その
ゴギィィン!!
激烈な金属音が周囲に響き渡る。化け物の太い爪がアレックスの大盾を殴りつけ、彼を後方へ吹き飛ばした!
アレックスは屋上から階下に繋がる塔屋に背中を叩きつけられ、反動で頭から地面に倒れ込んでしまった。
神機の盾部分は大きくへしゃげ、黒い体液のようなものを流しながらバチバチと火花を上げている。
「ぐ、うううぐ……!」
ぶるぶると震える両腕でゆっくりと体を起こすアレックス。頭からは
このままでは食われる――僕が注意を引かなければ!
しかしその時、ヘリの上からまたしても声が届く。
「くたばれ! このクソバケモンが!!」
ヘリから軍服姿の男性が体を出し、肩に担いでいたランチャーを発射!
発射された弾は
「クソォっ!」
あの杭は……もしかすると、ゴッドイーター以外の軍人が使う兵器なのか? たしか、
だとすればあれは……ヤツに対抗する武器になる!
僕は刺さった杭に向かって全力で疾走した!
「馬鹿野郎! 出てくんじゃねえっ!!」
アレックスの声。化け物がこちらへ振り返る。周囲の景色がスローモーションになったかのようにゆっくりと流れる。
化け物がこちらへ駆け寄ってくる。恐ろしい二つの
その牙が、僕の肩に触れるより先に――僕は地面に向かって跳んだ!
牙が肩先をかすめ、服を肌を斬り裂き、おびただしい血が吹くのを視界の端で見た。けれど――取った!!
寸前で化け物の攻撃を避け、同時に地面に刺さった杭を掴み、転がった勢いで引き抜いた!
僕は素早く立ち上がり、杭の先端を化け物に向けて構える。流血する左肩。しかし痛みは感じない。痛がるよりも集中するべき相手がいるのだ。
キュイイイイイイイルルルルル!!
化け物が猛烈な勢いで突進!
僕は――覚悟を決め、鋭く息を吐き、攻撃を繰り出した!
ヤツの顔面――いや、ヤツが僕達を追うために酷使した、鼻の穴の奥へ杭を突き刺す!
ギュアアアアアアッ!!
僕は突き刺すと同時にヤツの腕、顔面から生える金管楽器のベルのような部位を蹴り、さらに頭を蹴ってヤツの突進を跳んで回避。勢いのまま空中で一回転したのち、片手をついて地面に着地した。
化け物は鼻に刺さった杭の痛みに
――アレックス!
僕は急いで彼に駆け寄り、未だにダメージが残る彼の腕を引いてなんとか起き上がらせた。
ヤツがダメージを負っている今だ。逃げるなら今しかない!
「こっちだ! 早く
ヘリから先ほどの男性が身を乗り出し、ロープラダーを僕らの前に再び降ろす。
アレックスは自分の神機を拾い上げてラダーに登る。僕も続いてラダーに掴まると、ヘリがゆっくりと上昇。高度を上げ、地面を転がるあの化け物からどんどん距離を取っていく。
逃げられた……助かった!
ヘリの動きと風に煽られながらも、僕はなんとかラダーからヘリの中へと辿り付くことができた。
軍服姿の男性がラダーを回収し、ヘリの扉を閉めた時、温かな
生きている……生きてまた帰ることができた……!
近くには荒い息のままヘリの
「とんでもねえ……あんな化け物が第二支部の近くにまで来てたなんてよ……」
軍服姿の男性がヘリの窓から外の様子を
ヤツは怒り狂ったように周囲を破壊し続け、ついに屋上の床面すら崩壊させた。化け物が落ちると同時に、広大なショッピングモールの建物はバキバキと歪み、ついには建物全体が崩壊してしまった……
……あの場に残っていたらと思うとゾッとする。崩落に巻き込まれて死んでくれれば良いのだが、あの化け物がそう簡単に死んでしまうとは思えない。
ともかく逃げおおせることはできた。今後、あいつに出会わないことを祈るばかりだ。
「……お前ら、3人だけか? 他に仲間はいないのか?」
軍服姿の男性が問うてきた。アレックスもイリアも口を開かない。なので僕が「そうです」と返答した。
……隊長は、もういないから……
「そうか……命が助かっただけマシだな。俺達は、衛星支部にアラガミが現れたってんで出動したが、このザマだ。アラガミの群れがいるなんて聞いてなかった。住民は逃がすことができたが……部隊で生き残ったのは俺だけだ」
男性は悔しさに歯がみし、両手を強く強く握り締めていた。
やがてゆっくりと顔を上げ、僕の方へ向き直り、己の名を告げる。
「俺の名は……フリードだ。ストレイドッグ隊を率いていた。お前達はゴッドイーターだな?」
僕が
「お互い
僕の肩の傷は
フリードさんの