英雄たちのヴィクトリーロード〜ドラゴンvsタイガーvsフェニックス〜 作:梟帥
南雲原学園、中高一貫校で九州屈指の進学校……。
校舎は比較的新しく、清潔で好印象……その上生徒の風紀も悪くない。
(学校の雰囲気は
学業だけでなく、スポーツにも力を入れている。
特に近年は野球部の活躍が目覚ましい……甲子園に近いとされている。
まさに文武両道、非の打ち所のない理想的な学校……。
「うるせえぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
「っ!?」
その時、向こうから走ってきた不良を追いかけ回している人物が現れた!!
(あの人は……あの時の!?)
「サクラちゃーん!! そんなに恥ずかしがんなよ!!
「黙れ変態野郎っ!! 何度も何度も追いかけ回しやがってっ!!!」
「何言ってんのよっ!!
「だああああっ!! 来るな寄るな近づくなド変態野郎──────っ!!!」
不良は雄叫びをあげながら走って去った、しかしその人は執念の勢いで追いかけた……。
「おい見たか?」
「立花のやつ、また桜咲を追いかけ回しているのか?」
「……!」
時代錯誤の不良で、SNSでクズと叩かれていることで有名だ。
でも、そんな彼が
でも、そんなことはどうでもいい…………どんな学校にも1つや2つ、問題というのはある。
けど、それでもここは僕にとっていい学校なんだ……。
なぜならここには……
そう思っていた……。
校舎全体を一回りし終えた僕は、教室に向かった……。
「笹波君は、ご両親の都合で数日遅れての入学になります」
「「
「…………! 雲明と運命的な出会いってわけだな。
こんな「うんめぇ」話はねえぞ!」
…………。そんな空気が流れた。
「あはは……。笹波君、じゃああの席へ」
笹波は席に座った、その隣の少年は手を伸ばした。
「俺は
「…………。さっきの……全然面白くなかった」
「お? ……おう……」
それから、遅れた入学から普段の学校生活が始まった……。
いつもの授業と学校風景……。
それが僕自身にとっていつもの日常だった。
「…………」
今日の学校で
その噂を聞いた時、心の底から驚きと嫌悪感が生まれた。
(どうして……! どうしてサッカーが……!)
僕はその噂を聞いてから、心の底から嫌悪感が溢れていた……!
あの人がなぜサッカー部を創ろうとしているのか、僕にはわからない……。
「よっ! 暗いよ、お前」
「…………」
「一緒にゲーセンでも寄ってくか?」
「禁止されてるだろ?」
「じゃあ、どこ行きたい?
お前この町に来たばっかだろ?
俺が案内してやるよ!」
「…………。町の
多分、君よりもね?」
「ほえ?」
「それに、この周辺に僕が行きたいところはない」
「……データって……。
……へへっ! キターッ! 攻略しがいのある陰キャ……!」
木曽路は雲明の前に回り込んだ、その時!
「ん!?」
「えっ……?」
すると、付近の建物の上から立花龍樹が現れて飛び降りて着地した!!
「どわあっ!?」
「うわあっ!?」
「おっと! 悪いな、驚いたか?」
「驚くに決まってるっしょ!!
どこから現れたんだ!?」
「何処って……彼処から彼処まで此処」
タツキは指を指して話した……。
「あそこから此処って……もしかして学校から此処に来るまで
「そゆこと、まあ久しぶりだったからちょっと心配していた」
「心配って……!?」
「それよりもだ、サクラちゃん見なかった?」
「サクラちゃん……? サクラちゃんって……あの?」
「そ、この辺りにいないってことは……」
「…………」
立花龍樹……! この人が……この人がサッカー部を創ろうとしている……!
「……大方、いつもの所かな?」
「えっと……まだ追いかけてるんすか?」
「当たり前田のクラッカー! そんじゃあなっ!!」
タツキはそう言って走って去った……。
「……相変わらず
あんなんで‘‘サッカー部を創ります’’って言ってアレじゃあ寄りつかないよな? ……なあ、雲明? ……雲明??」
木曽路は辺りを見回すと雲明の姿が無かった……。
(なんでだよ……! なんでサッカー部を……!!)
帰路の途中、雲明は心底怒りが湧いていた。
立花龍樹の超人的な身体能力は群を抜いている。
あれだけの実力を持っているなら、他のところでサッカー部に入れば世界を取れる……。
サッカーに限らず、他のスポーツ界の頂点に立っても良いレベル……。
それなのに……なのに……!!
(なんで南雲原にサッカー部を創ろうとするんだ……!)
そんな感情が溢れて、帰路の途中……。
(……?)
裏路地には「桜咲丈二」がいた……。
そこには男三人のチンピラがいた……。
大方の予想は付く、喧嘩だろうな?
(まったく……どこにいても迷惑なヤツ……)
触らぬ神に祟りなし、君子危うし近寄らずという言葉がある。
放っておいて歩いたそのときだった……。
突然、一人の男が吹き飛んだ。
(っ!?)
「な……なんつー
(蹴り……!?)
「今日はよう……すこぶる機嫌が悪くてなぁ……!
……さぁ……! とっとと続きをやろうぜ!!」
「ちっ! 調子に乗りやがってっ!!」
……っ!
桜坂の背後に立っていた男性は空き瓶を持って殴りかかった!!
(あぶないっ!!)
そのとき……!
その瞬間の光景は後ろ回し蹴りをした桜咲の姿があった……!
男性が持っていた空き瓶をものともせずに蹴り砕いたその姿に、雲明は目を奪われていた……!
(あの動き……あのモーション……!!)
僕の頭の中にはサッカーフィールドが浮かび上がり、そこには桜咲丈二が立っていた……!!
(なんだ……あれ……!! あの蹴り……!
踏み込みの速さに強靭な軸足……その動きから成るバネ……!
あれは……!!!)
そういうことだったのか……! アイツがなんで追いかけ回していたのか……!!
だからサッカー部の創設に
(あれは……!!)
……ダメだ! (何を言っているんだ?)ダメだっ!! (何がダメなの??)ダメだ!!! (なんでダメなの???)
「ぐあぁっ!!」
桜咲は最後の一人となった男を蹴り飛ばした!!
「どうした? もう終わりか?」
「…………っ!!」
「まだまだ……こんなんじゃあ足りねえんだよ……!」
「ヒィっ!!」
「とことんやろうぜ……? 誰も見てみぬふりができないような…………」
桜咲は渾身の力を込めたかかと落としを仕掛けた!!
「うっうわあぁぁぁぁぁっ!!!」
その時、背後から笹波雲明が制止に入った!!
「っ!?」
止めなきゃ……そんな思いだった。
ただそれだけだった……ジャンプ漫画のヒロアカの
「おまっ……! 誰だてめぇっ!?」
「はは……っ! お友達かあ? 桜咲!」
「くっ……離せっ!!」
「ダメです、先輩!!
暴力はっ! いろんなものを失うよ!」
「っ!?」
桜咲は雲明を振り解いた!
「失うものなんかねえよ!!」
「あります!」
「あっ!?」
なんなんだ……こいつ……!?
「おいおち、優等生ちゃんよお?
こいつはなあ、誰彼構わずケンカをふっかけるどうしようもねえ暴力馬鹿の
「そうそう、こりゃ言わば害虫駆除よ!」
「そうだぜ? 俺たちゃ街のために頑張ってんのよ!」
「!?」
「おーこわ」
「そろそろ帰んな、ガキぃ」
「……帰らない……!」
「あぁ?」
「桜咲先輩はクズじゃない! クズにさせないっ!!」
「……!」
なんなんだ……? こいつ……なんで……?!
「……へっ! 今のうちだっ!! オメェらっ!!」
チンピラたちは束になって桜咲を取り押さえたっ!
「……っ! しまっ!? クソっ! テメェらっ!!」
「っ!?」
「ヒッヒッヒっ……! どぉした? ボーッとして……?
寝ぼけてんのかぁ?」
「テメェっ……!!」
チンピラのリーダーは鉄パイプを拾った……!
「年貢の納め時だな? 蹴りの桜咲さんよぉ……!
テメェが顔がデカくなったから若干目ざわりになっててよう……?」
「……っ!!」
クソっ!! こんな所でこんな奴に!!
ダメ……ダメだ……っ!!!
チンピラのリーダーは鉄パイプを振りかぶったっ!! …………その時っ!
「ぐばぁっ!?」
突然、サッカーボールがチンピラのリーダーの頭に直撃したっ!!
「っ!?」
「!!」
「なっ!?」
「だっ誰だぁ!?」
路地裏の入り口から一人の少年が現れた。
「悪い悪い、すいませんけどよ? ここに俺の蹴ったボール…………ありゃりゃ?」
そこには見事にボールに当たって倒れていたチンピラのリーダーの姿に、笹波の足元にその蹴ったであろうのサッカーボールがあった。
「あちゃあ〜! こりゃあ見事にやられちゃった? ごめんね?」
「ぐっ……! なんだテメェ!!」
「お前っ!?」
「あなたは!?」
「よお、桜咲? ……あとそれと、この間の?
……まあ多勢に無勢だな? 手伝おうか?」
そこに現れたのは「立花龍樹」だった。
「テメェ……!」
「……! アニキっ! あいつ桜咲の!?」
「おっ? 俺のこと知ってんのか?
まあ
「何時誰がテメェと仲間になったっ!!」
「そう腐るなっ! おーい、そっちにボールないか?」
「……!」
笹波の足元にはサッカーボールがあった。
「スローの要領はできるな?」
「……っ!」
笹波はサッカーボールを拾い、上に投げた。
「テメェっ!」
「お前一人で何がっ!!」
そう言ったその瞬間、立花はオーバーヘッドの体勢になっていた。
「ひとつ」
そう言って、立花はチンピラ集団に狙いを定めてシュートを打った!
「ぐぎゃあっ!?」
「ぐへぇ!?」
「ぐはぁっ!?」
シュートしたボールの衝撃波は凄まじく、ボーリングのピンの様に吹き飛んで倒れた!
「どうする? やるか逃げるか自由だぜ?」
「ぐっ……!! 覚えてやがれっ!!」
チンピラのリーダーは仲間と共に尻尾巻いて逃げ去った。
「……はぁ、サクラちゃんよう? ケンカなんぞ足洗ってサッカー部創立付き合えよ」
「うるせえっ!! テメェは毎度毎度、何度も何度も俺の邪魔をすれば気が済むんだっ!!!」
「ん? オメェがサッカー部創立付き合いますって言うまでは」
「言わねえっ!!!」
「ちぇ〜素直になれよ〜」
「素直に言ってんだが!?」
「お前はこういう所よりサッカーの方で世界取れるって!
絶対取れるっ!! 確証しよう!! この立花龍樹と共に世界征服しようっ!!」
「だぁかぁらぁ!! 何度も何度も断ってるって言ってんだろうがっ!! ていうかなんで世界征服が出てくるんだよ!?」
「………………」
桜咲と立花が漫才の感覚で話している光景に、笹波は……。
(どうしてなんだよ……!)
なんでなんだよ……。
(なんだって南雲原……?)
なんでサッカーなんだよ……!
(どうしてサッカー部を創るの……!!)
「この勢いで宇宙の果てまでっ!!」
「なんで勢いで宇宙が出るんだよ!?」
「っ!?」
「あ?」
笹波雲明の突然の怒声にふたりは呆気を取られて驚いていた。
「あなたのそれだけの実力なら、南雲原じゃなくても全国……いや世界だって取れる……!
なのに、なんで南雲原にサッカー部を創ろうとするんですか!!」
「なんでって……‘俺’が創るんだから別にあんたは関係……」
「貴方が創っても、僕は反対だっ!!」
「……!」
「おいおい……何熱くなってんだ?」
「貴方に……貴方たちにはわからない……わかるわけが無い……!!
サッカーを……サッカーが……」
「……は?」
「できないって……それってどういう」
「……ゔっ!」
突然、笹波は胸を抑えて倒れた!
「おっおいっ!?」
「ちょちょちょ!? どした!? 大丈夫!? 大丈夫っ!!? しっかりしろっ!!!」
やっちゃった……! 先生から気をつける様に言われたのに……!!
その後、笹波雲明は意識を失った……!!
次回
笹波の本音