英雄たちのヴィクトリーロード〜ドラゴンvsタイガーvsフェニックス〜 作:梟帥
「なっなんだって!?」
「サッカー部を創らせるだって!?
何を考えているんだっ!!」
「だからですよ? 変に反対させるよりかはね?」
放課後前、校長室では校長と教頭と高森の三人がいた。
「わかっているのか! 彼が入学式で何をしたのかをっ!」
「わかってるも何も語り草ですよ? 僕思いっきり笑いましたよ、あんな大馬鹿は滅多にいないよ?」
入学式、
そりゃあそうさ? サッカー部のことがタブーになっているこの学校では、みんな彼を忌子のように見られていた。
「変に作らせてはいけないって反対するより、敢えて作らせてやれば良いんですよ?」
「いやしかし……! それでは……」
「そうこうしている間に、仲間が増えたら本末転倒で後手になりますよ?」
「だからと言って……」
「「だからと言って」トラブルが起きたら水の泡ですよ?
ああいうタイプは「大番狂せ」するタイプですよ? その大番狂せが起きたら、先生たちはどうします? 保身に走るか責任取るかでその後の問題が違ってきますよ?」
「…………」
「ここは、サッカー部創設の活動を認めた上で
「……何?」
「サッカー部創設の為には
あとは彼に‘サッカー部を創って良いよ’って伝えると同時に……」
「サッカー部創設を認めるって、それ信じていいのか?」
「おいおい? お前何考えているんだ?」
「だよね〜? まあその反応と発言は普通そう取るもんね?」
(まあ、ここまでの掴みは良しってところかな? 立花君って案外
しかし生徒会の高森の発言に、立花は疑っていた。
「それで? サッカー部創設の活動を認めるなんて、どういう風の吹き回しなんだ?」
「どういうことも何も、君がもし暴走して拉致紛いな事をしたらいけないから創って良いよって話になってね? それだけを伝えにきただけ」
「ふうん……?」
「そんでもって、そんな君にこれをどうぞっ!」
高森は封筒を出し、立花に渡した。
「これは?」
「サッカー部創設の許可証。
内容は大事なことが書かれているから、絶対目を通してね?」
「……わかった」
「手続きの方は僕の方からするから、君たちは普段通りに生活していて良いよ! それでは〜」
高森はそう言って立花たちと別れた……。
「あの人……見たところ、知り合いですか?」
「知り合いも何も……入学式でスキャンダルのネタとしてな?」
「スキャンダル……入学式の?」
「ああ、アイツに目をつけられてからずっとな?」
「ずっとっていうも何も……俺なんかアンタのせいで話題になってるからな?」
「追いかけ回していたから?」
「……そうだが? (ピキピキ)」
「……先輩、この際だから集団下校しましょう」
「あ゛っ?」
「立花のストーキング能力は下手なストーカーよりタチ悪いですからね?」
「…………ちっ」
笹波の案で、桜咲は観念したかのように受け入れて立花と一緒に帰路に歩いた……。
しかし、そんな彼らを
「ったくよう、テメェのせいで高森に目ぇつけられちまったじゃねえか」
「先輩〜そりゃ前からでしょ? 俺の場合は最近なんだからな?」
「うるせぇ!」
「先輩も立花さんも学校からしたら問題児ですからね?
目をつけられるのは当然ですからね?」
田舎道で何気なく話し、普遍的な空気の中……。
「……ん?」
「あ?」
「??」
帰路の脇道から南雲原の生徒たちがが飛び出たっ!!
「海坊主っ!! 海坊主が出たっ!! この通りにいるはずだっ!! 探せっ!!! 探してシャッターチャンスを撮るんだあぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
そう叫び、リーダー格の生徒は怒涛の強声をあげてバラバラに散った!!
「なんだ……? アイツら……?」
「新聞部はわかるけど……なんで‘海洋生物部’まで?」
「海坊主……?」
その時、雲明の脳裏に‘海坊主の像’を思い出す。
(校門の百目階段の横にあるあの像……?)
「……俺以外にぶっ飛んだ人っていたんだな?」
「お前と比べるな、お前の場合は天井が無い」
「あっそうだった!」
「それ、褒め言葉になっていない……」
その時、雲明が立花にツッコミを入れて振り返ると、その後ろに‘謎のフワフワしたもの’がいた。
「あ? どうし……」
「どした……の?」
立花と桜咲は謎のフワフワを見た……。
『ボ?』
「…………」
「…………」
「…………」
三人は直立不動のまま驚いていた。
そしてそばにいた住民たちも驚いていた……。
「雲明……こいつ……‘アレ’だよな?」
「うん……‘アレ’ですね……」
「あれって……‘アレ’か?」
「ああ……こいつは……!」
「ちげぇだろうがっ!!」by桜咲丈二
立花の
「全然違うだろうがっ! なんで今の流れで‘海小僧’が出るんだっ!? てかなんでペット!?」
「いや、だってこんな可愛い小僧が首だけ飛ばしてっから愛嬌あるからと思ったんだが……!」
「首だけ飛ばしてる時点で怖いですよ? というかよくそんなボケワードが出せますね?」
「ええ? 違うの? じゃあ波小僧か?」
「それも違うだろうが! てか波小僧が空飛ぶなんて聞いてねえし聞かされてねえし!」
「ええっ!? じゃっじゃあ……! なっなんで……なんでここに‘磯撫’の子供がここにいるんだ!?」
「妖怪じゃねえか!! てかその名前「NARUTO」とか「ゲゲゲの鬼太郎」あたりに出てたじゃねえか!!」
『あの〜漫才しているところすみませんけど、いいですか?』
「あぁっ!?」
「なに?」
(あ、普通にコミュニケーションは取れるんだ……?)
謎のフワフワは三人に語りかけた。
『僕は‘ウミボー’! 海坊主の名前からウミボーって呼んで欲しいボ!』
「海坊主?」
「海坊主……にしちゃあ……なんて言うか……」
「なんなんだ? こいつ?」
『実は‘ご主人様’のお使いで、君たちを探って欲しいって言われて海からはるばるやってきたんだボ』
「海……から?」
「はぁ……」
「……へぇ‘海から’来たの?」
『え? そっそうだボ……?』
「それならどうして
『ウミっ!? そっそれは……』
笹波が詰め寄ってる最中……。
「っ!?」
『ウミっ!!?』
「げっ!? なんだっ!?」
「おいおいおいおいっ!! さっきの奴らじゃねぇか!!?」
南雲原の新聞部と海洋生物部が血眼になって海坊主に目掛けて近づいてきたっ!!
「そこのお三方あぁぁぁぁっ!! 海坊主を取り押さえてくれえぇぇぇぇっ!!」
「大スクープっ! 大スクープっ!! 今海坊主と話してたよねっ!!? 取材協力お願いしまあぁぁぁぁぁぁぁすっ!!!」
どどっと怒涛に迫り、すし詰めになる展開5秒前……その隙を突いて立花は笹波を人に触れない様にわずかな隙間から入ってその場から共に脱出した!
そして桜咲もそれに続いて脱出した!
『ウミっ!!? 見つかっちゃったっ!!
ここは一時退散! 海に逃げ帰るボーっ!!』
その騒ぎのどさくさに海坊主のウミボーは逃げ去った!
田舎道の騒ぎから逃げ切った三人、公園のような場所で休憩していた……。
逃げる為に住宅街も猛ダッシュしていた為、立花と桜咲は息が上がっていた……。
「はぁ……はぁ……ここまで走ってりゃあもう大丈夫かな?」
「なんなんだ、アイツら……。いくら海坊主一匹の為にあそこまでなるんだ?」
「仕方ないですよ……。以前学校で海坊主のことが話題になっていましたからね?
スクープの為ならなんでもする感じでしたからね?」
「そういうものなのか……?」
「そうですね……。
ここまで逃げ切ったんだからもう大丈夫だから……」
「ああ、そうだな……」
逃げ切ったことで、一同は安堵していた……。
「……ところでよ? 先輩の家、高級場の方じゃなかった?
なんで来てる……って、あの場面だから我武者羅か?」
「当たり前だろうが、あんなん相手したらめんどくせぇじゃねえか?」
「言えてますね、でもおかげで逃げ切れたんですからいいじゃないですか?」
「……だな?」
「…………」
「…………」
「…………」
「……帰ったら飯にするか」
「なら、近くにうどん屋がある。
そこで飯にするか?」
「先輩? 良いんですか?」
「構いやしねぇよ? どうせ部活帰りのやつだっているんだからな?」
なんだかんだ言いながらも、一行は繁華街に歩いていた……。
(……あの時の海坊主。
山の方から来た……あの方角は‘南雲原学園’から来たということになる。
ということは、あの海坊主は……。
いや、考えても憶測になるからよそう……)
笹波が考えているその時……。
「よお〜桜咲!」
「あっ?」
三人の前にはこの間のチンピラたちが現れた。
「あれ? あんたら俺のシュートでストライクされた奴らじゃねえか?」
「うるせぇっ!!」
「昨日の件、忘れたとは言わせねえぞっ!!」
「ああ……そのことかよ、今日はそんな気分じゃない。
どっか行ってくれ」
「そんなつれないこと言わずにさあ……」
「…………」
「こういう輩は大抵、話を通用する奴らじゃない。
どうする? ここはひとまず逃げるか?」
「逃げるってもねえ……こういうのは……」
「桜咲先輩、立花さん……。
この際ですから、逃げるよりもぶちのめしましょう」
「お?」
「なに?」
「ただし、普通のケンカじゃなく
「身体能力で出し抜くだと?」
「なるほど、それなら案外
「はあ? お前の得意分野??」
「まあ、口で言うより目を見て身体で知るが一番だな!
現に雲明、あんた
「よくて趣味と
「OK、なら……いいよね?」
「ええ、手加減はいりませんよ!!」
「おいおい、俺を差し置いて話進めんじゃねえよ! ボス! 立花!!」
立花龍樹はストレッチを済ませ、桜咲は突進した!
「中坊共が調子に乗るんじゃねえ!!
昨日の借りを返してやるぜっ!!」
「相手は社会のゴミです。
ぶちのめしてまとめて掃除しましょう」
「結構言うじゃないの?」
そう言い、二人は前線に立ちチンピラとの戦闘(という名の非暴力)を始めた!
しかし、その光景を影から見られていることを知る由もなく……。
時は遡り、笹波と立花達と会って学校で一通りの仕事を終えた高森は手続きの支度をしていた……。
その時……。
「高森っ!!」
「おや? これはこれは
「高森! 君は彼にサッカー部の創建を許可したというのは本当かっ!!
僕や会長達の許しを通さないでっ!!」
「あれ? 存じてなかったのですか? おかしいな……行き違いでもありましたか?」
「シラを切るなっ! お前は彼らどころか、我々にまで嘘をついたんだぞっ!!」
「そうかな? 仮に生徒会の皆さんに話をしても足蹴にされてしまうからね?
でも一つ‘嘘’を加えないといけませんから、敢えて泳がせて……」
「だからと言って! 教師達が仮に認めたとしても、現に我々生徒会を蔑ろにするようなことをっ!!」
「その辺にしなさい、四川堂君」
「っ!」
「おや? これは千乃会長様、まだおいでになられていましたので?」
「あなたの事だから、何か企んでいると睨んでいましてね?
立花君にサッカー部の創建……もとい‘再建’を許すなんて、誰が言いまして?」
「いえ? 誰も言ってませんよ?」
「……!!」
「
「……高森、まさかまたしても我々にっ!!」
「……だって言ったじゃないですか?
「貴様……っ!!」
「それで? 彼はまだしも……貴方は
「あの二人……?」
「あの二人……? はて? どこの誰でしたっけ?」
「揶揄うのも程々にしなさい?
「……ああ、彼らね? ……で? それがなんですか?」
「
「何……?」
「昨日……? はて? 何かありましたかな?」
「ふふ……その気になれば貴方の嘘をバラしてもいいのよ?」
「…………まいったね、知っているんなら話は早いね?」
「……高森、お前また何か……!!」
「……一つ、聞いても良いかしら?」
「何でしょう?」
「貴方、彼らに封筒を渡したようね? サッカー部を建てて良いって話。
その話に
「いえいえ、嘘はありませんよ? ただ……」
時は
「……くそっ! なんてガキ共だっ!!」
「覚えてやがれっ!!」
「次にあった時が、お前達のファイナルだっ!!!」
チンピラ達はそう言って一目散に逃げ去った……。
「いっちゃいましたね。
「おいおい? アレくらいで良いだろ?」
「そうだぜ? っても、あんな大人にはなりたくないな?」
「それ先輩が言います?」
「そうですよ、この前がなりかけていましたからね?」
「はぁ!? テメェら言いやがって……!」
「…………ん?」
「……どうしました?」
「あ?」
「いや……気のせいかどうか……なんか誰かに
「はあ?」
「僕らを?」
「……まあいいか? そろそろ帰らねえとじい様が心配しちまうな?
お前らも早めに帰ろうや、親ならまだしも学校になに言われるかたまったもんじゃねえからな?」
「そうですね、先輩はいいですよね?
豪邸暮らしで親は非行知らずですからね?」
二人はそう言って帰路に戻って家に帰った……。
「あいつ……ハッキリと言いやがって……!」
桜咲も帰路に戻り、家に帰った……。
その様子を見た
「注意人物」
「立花龍樹」「笹波雲明」「桜咲丈二」
笹波氏は後方に立ち、二人を指揮して三名のチンピラを往なす。
立花龍樹は「カポエイラ」と「ルチャ」をもちいて翻弄。
桜咲丈二は仕掛けてきた攻撃を躱して往して繰り返す。
三人が疲弊しきり、疲労困憊のところに笹波がトドメを刺すかのように言葉の弾丸を彼らの心臓と脳天を命中するかのような鋭さで精神面に肉体面両方にトドメを刺す。
以降、立花・桜咲両名の身体能力の高さと笹波の
彼らの動向に更なる警戒が要するものとする。
(なるほどね? やっぱり彼らは才能がある……。
その才能をサッカーに注げば
勿体無いねえ……?
……さて、どんな大番狂せが来るか楽しみだね?)
高森はそう思い、闇夜の虚空を見つめていた……。
(南雲原にサッカー部……か。
できるかな? 立花龍樹……)
サッカー部創設