英雄たちのヴィクトリーロード〜ドラゴンvsタイガーvsフェニックス〜 作:梟帥
誰か教えてやれよ?
お前を誰も
あいつ、サッカーで上手いやつのご機嫌取りをしていたんだぜ?
笹波・立花たちサッカーグループと柳生たち野球部との決闘は学校全体の話題となっていた……。
無論、誰もがこの事態が起きるなんて思いも予想もしなかった……いやできなかった……。
決闘の内容は校庭のグラウンドを巡るもの、サッカーチームと野球部との対決……それらの行方を皆々賭けとも言えた話題となって盛り上がっていた……。
「はてさて、この話と勝負の行方は如何にっ!? てか?
まあ、それは当日の楽しみさ? 場の支度を整えないとね?」
「あら? 随分と楽しそうですね? 高森君?」
「おや、会長様? お珍しいですね?」
生徒会室では、千乃と高森の二人がいた……。
「それで? 彼らの動向は?」
「一々報告しないとダメなの? 僕の部下達とSNSの監視員達がいるのに?」
「あなたの言葉の裏を取る為に必要なことよ?」
「ちぇっ……って言っても、彼らの元にはすぐには集まらないよ?
校風や校内世論が大きいのと、桜咲当人の悪評悪名という枷があるからね?
立花君自身はともかく、ケンカの引き金を引いた笹波雲明……どれだけ彼ら自身のサッカーへの愛情熱が強くても、風当たりがあるからね?」
「ふうん? 自然消滅でもするとでも言いたげね?」
「さあな? でも油断はできませんよ? よく言いますよね?
「火の用心
マッチ一本
火事の元
咥え鴉のポイ捨て
ボヤ騒ぎ」ってね?」
「…………。要するに‘事の火種’は
「ご想像にお任せします、まあ生徒会からしたら手を打たないとって感じですかね?」
「そうね……それならあなたならどうします?
あなたのことだからもう手を打っているのではなくて?」
「手を打っているなんて……もうしてますよ? 一手二手より
(まあ、どうせ
所と時が変わって、笹波と立花達は学校の木漏れ日の広い場所にいた……。
「さて……木曽路、俺たちはあんたを試したい。
仲間になるからには、サッカーの基礎を成っているかを試させて貰うぜ?」
「オッケー! こう見えて自信ありますよっ!」
「OK、じゃあいくぜ!」
立花と桜咲と木曽路はサッカーゲームを始めた。
ゲームの内容はトラップとドリブルとブロックのテクニックを競うものだった。
(……なるほど)
笹波雲明は彼らのプレイスタイルを注目視をしていた。
一人一人の身体の動きを自身の脳内にいめーじをしつつ、それぞれの見合った
(思った通り……。
まず、桜咲先輩は生まれながらというべきか?
以前出会った時の動きは、やっぱりサッカーのセンスが優れていた。
後は日々の運動とケンカが培って足腰とバネの強さが成長している……。
ポジションは「FW/DF」だね……。
次に木曽路……。
サッカーを齧っていたと言っていたけど、なるほど……?
動きは粗いけど、その分
ポジションは「MF/DF」……。
そして、立花……。
彼はアメリカハーフだから身体的に桜咲先輩と柳生先輩と良い勝負になれる。
そして、彼は「リベロ」としてのセンスが特化している。
ポジションは「DF/FW」だね……)
注目視して超速長考した雲明。
ゲームを終えて、木曽路と桜咲は息が上がっていた……。
「はあ……はあ……久しぶりだからか、キツいな……」
「いやあ……ほんとだよ、それに引き換え立花はスゲェな……?」
「スゲェも何も、骨身の染み具合ってやつか? ……まあ、部員集めのために鍛えているからな?」
「なるほどな……まあ、あんた自身のセンスには脱帽したってことだ」
「まあ、それもだけど……木曽路、いいか?」
「はい?」
「あんた、サッカー齧ってたって言ってたよな? その割には出来が良いというかなんというか……何者?」
「え? 俺が何者ってか?」
「木曽路はサッカーをやっていた……それは本当なんです。
昔「つなぎのソジ」との異名を持っていたんですよ」
「へえ……ええっ!?」
「なんだと!?」
「ええっ!? なんで知ってんの!?」
「この所の
どんなやつなんだろうって調べさせてもらったよ?」
「調べたって……あんた別の意味で‘それ’できるんだ……」
笹波は木曽路のことを話した。
両親は転勤族故に各地を転々として日々を過ごして来た、それ故に友達が作りにくい環境下に過ごして来た……。
しかし、ことサッカーにおいてはキャプテンや司令塔枠の中心選手達の繋ぎを徹底しており、その存在感を示していた……。
「存在感……俺が……?」
(……流石、としか言いようがないな? そこまで細部調べられたら相手問わずに引くな……?)
「……雲明、やっぱお前怖いわ……」
「だったら、最初から言えよ……」
「てか、そんな縁の下なら好都合じゃねえか」
「へへ……」
「でもまあ、お二方のブランク解消には良いかもな?」
「……だな? 良い練習相手には良いかもな?」
「ふふ……先輩が俺からボールを取れればの話ですがね……」
「なあに?」
「はいはいそこまで。
まあ、これでチームの役割は決まったな?」
「ええ、あとは……」
「‘拠点’……‘部室’だな?」
「ああ、そうだな……」
「部室って……あっ! そういえば、高森先輩から封筒が届いていたんだよね?」
「まあな、内容は見たには見たんだが……」
「……?」
「口で話すより、実際見せた方が良いな?
部室の方は目星を付けているから、雲明? その辺頼めれるか?」
「ええ、それについては香澄崎先生と話をして来ます」
「香澄崎先生……? ……って! もしかして!?」
「おいおい? 何考えているんだ? 「旧体育倉庫」だろ?」
「……え?」
「悪いな、実はよ……」
実は立花は前々から‘旧体育倉庫’に目を付けており、誰も使われておらず物置状態であるために目を付けていた……。
しかし、生徒会は相手にされずじまいで手がつけられなかったのである……。
「はあ……そっかその頃からあんた躍起になっていたんだったな?」
「そうだよ……」
「まあ、こうして当てができたんだからそれで良いだろうよ?」
「うん。明日鍵は僕が調達します。
あとはそれからで……」
「OK、その辺頼むぜ?」
「だな?」
「そうだね」
そうして、一行はそれぞれの確認を終えて帰路に行こうとしたその時……。
場所は変わって校門前……。
「ちょっとまって」
「ん?」
「あ?」
「なに?」
「これからサッカーをやるなら、2人のブランク解消にむけて特訓をする必要がある。
でも……」
「……肝心の特訓施設はない、俺自身も気になっていた事の一つだね?」
「おいおい? 二人して何話してるんだ?」
「立花君、君は普段サッカーの練習……もといトレーニングはどうやってるの?」
「どうやってるって……やるも何も
「そう、学校から家までの行き来は歩き……。
それだけでも運動になれる。……けど」
雲明は後ろの階段の方に向けた。
「この階段は違う……!」
「階段?」
「階段って……この階段のことか?」
「そう……南雲原学園の名所の一つ「百目階段」。
南雲原学園を通う以上、この階段はみんなが通っている……。
そうしているうちに足腰が強くなっている」
「ええっと……何を言っているんすか?」
「つまり、この階段は学校の生徒達……まあ俺たち自身の体力作りを促しているんだよ。
この学校の有名な話だぞ?」
「へえ……そうなんだ……」
「……雲明? おまえ……
「……そうです、でも僕自身は心臓のこともあるからできませんが……。
そこで3人に試して欲しいんです」
「「「はぁっ!?」」」
雲明はスマホを出し、ストップウォッチモードを展開した。
「この百目階段を特訓場として使えるか、試してみましょう。
1人ずつやってみてください」
「ええっ!?」
「おいおいマジかっ!? この階段何メートルあると思ってんだ!?」
「マジかあ……普通に歩いているから、気にしてなかったけど……いざ特訓となると……!?」
「普通の階段運動とは比較になりませんね?
でも、ここを越えないと一生つまづきますよ?」
「……OK。やってみる!」
「……わかった。やってやる!」
「ちょちょ……!? ……ああっ! なるようになれだっ!!」
そうして、3人は百目階段の登り下りを繰り返し歩いた。
始めてからカウントタイムが付くまで、雲明は3人を注視した……。
(階段運動は下半身の筋肉を鍛え、心肺の機能を強く仕上げる運動……。
歩きと走りをすることで効能が違うが、僕自身にとってはゆっくりと歩くだけで運動になれる。
けれど、百目階段の場合は学校までの距離を考えると
しかし運動部の人たちにとってはこの階段で世話になっている人がたくさんいることで有名だ。
現に陸上・球技等において、口を揃えてそう言われている。
健康習慣を心がけている人たちにとってはこの運動は重宝される。
……オマケにダイエットにもなれるから、女子のほとんどが
まあ、心臓破りの坂と百目階段を歩き続けたら自然とそうなる……本当に良い学校だ、南雲原学園は……!)
「はあ……はあ……!」
「ひい……ひい……!」
百目階段の運動によって、息も絶え絶えな二人。
対し立花は息をあげて汗流すも、疲労のひの字も無く平然としていた。
「なんだなんだ? 流石に堪えたか?」
「堪えるも何も……立花……お前……!」
「最初からスパートがかかりすぎなんだよ……!」
「いやいや、これでもペース感覚でやってるぞ?
実を言うと
「うげぇっ!? それで平気なのか!?」
「いや、こいつの場合は生まれた時の身体とその作りが違うんだ……。
ハーフだからって、いい気になるなよ?」
「ハーフっていうかハイブリットっていうか……まあ日々の運動ってやつ?」
「マジかあ……てか、羨ましいなあ……」
「そうか? 生まれてそのあとは苦労したけどね?」
「そうかよ……」
「……でも、雲明スゲェよな?
心臓が患っているっていうのに、よくこんな坂道と階段を通ってるんだよな……?」
「医者から言われているんだ、この道は僕自身のような人でも運動になれるからって」
「なるほど、まあ確かに学校までの行き帰りは上りと下りだから……。
雲明にとっては良い運動にはなれるってわけか?」
「そうです」
「まあ、それで成果と効果が出てるならそれで良いじゃねえか?
別段サッカーできずとも、トレーナー兼コーチとして俺たちのコンディションを見てもらおうぜ」
「それもそうか!」
「まあ、今回の言い出しっぺだから……結果成功したから良いんじゃないか?
夏場になっても林のカーテンがあるからな!」
(そうだ……それが僕の役目なんだ……。
僕自身、プレイができずとも3人のサッカーを導くんだ……)
「まあ、冬場は滑るから除外だから安心しなっ!」
「いや、顔がマジ気味なのが笑えないんだけど……」
雲明はスマホのメモアプリに「百目階段の運動は可能」と打ち込んだ……。
「さて、今日はこの階段で特訓として使えるかどうかの確認ができたから項目に入れるとして……。
南雲原では
「へっ!? 俺とっ!?」
「げっ!?」
「なっ!? 他でもこんなことやんのか……!?」
「当然です。
現に立花さんは意外にも
笹波の提案に3人は驚き、それによって気を引き締めた……。
ところが、そんな光景と会話を
‘ウミ? ’
次回
海坊主を捕まえろ。