謎生物を拾ったんだが 作:異形に性癖を破壊されし男
良かったら見てください。
今日はトリニティ総合学園中等部の始業式の日だ。春休みが終わり、私も今日から三年生になる。新たな生活も楽しそうだが、受験という存在が厄介にも思う。
おっと、自己紹介を忘れていた。
私は『鬼頭カナデ』、転生者である。痛いと思われるかもしれないが、自身の前世を今でも鮮明に覚えているから多分転生者だ。
前世は後数ヵ月で魔法使いになる社畜だった。私が死んだ日も上司に怒鳴られ、終電過ぎまで残業をして、帰り道に飲酒運転の車に跳ねられて、死んだ。最期に痛みはなかった。勿論痛いのは嫌だけど、自分の死が間近にあることを認識させられるのは少し辛かった。ただ、とても寒くて、眠くなって、来世はもっと明るい人生を送りたいとか想いながら意識を落とした。
次起きたらこの世界にいた。最初は走馬灯か夢みたいなものだと思っていたけれど、自分にこんな記憶はなかったし、何となく現実だと認識できたから。その後下腹部に違和感を感じた私は恐る恐る自分のムスコを確認するとそこにムスコは無く、そこで初めて自分が女として転生、俗に言う『TS転生』をしたことに気付いた。
この世界について最初に思ったことは、『世紀末かよ』である。何故かと言えばこの世界、銃だの手榴弾などが当たり前の世界なのだ。かといって毎日バッタバッタと死人が出るわけではない。私含めてこの世界の住民には一部を除いて『ヘイロー』という物が頭頂部に浮かんでいる。これは身体の耐久性や身体能力を強化する力があるらしく、このヘイローのお陰で発射された弾丸や起爆した手榴弾が当たってもアザができたり、少し擦りむく程度で済むのだ。それにヘイローは人によって形が全然違うため個人を認識するのに自分は役立てている。
因みにこれは小学校で習った。私は『TS転生』だけでなく、若返ってしまったらしかった。しかもこれがすごく、転生した身体の年齢は『7歳』だったのだ。30近くなってからもう一度小学校からやり直しというのはなかなか粋なものだと思っていたが、世界が違えば常識も違う。知らないことばかりで、小学校からやり直しで良かったと思った。
最初は扱うことができなかった銃も今ではまるで箸のように使うことができる。まあ、色々とありつつもこうして中学三年生になったというわけだ。しかもこの『トリニティ総合学園』はいわゆるお嬢様学校であり、財閥のご子息だとか、社長令嬢みたいな子達もいる。しっかりとした治安維持部隊も存在するため、平和な学園生活を送ることができている。しかし少し裏を覗けば、黒、黒、黒。いじめに陰口に汚い取引だのなんだのと、とんでもない腹黒さを抱えた学校ではある。
まあ、普通の学生である私には関係ないことだ。余計なことに首を突っ込んで標的にされたくない。
因みにこの世界、『学園都市キヴォトス』の住民は色々な特徴を持つ。獣人やロボットが店をやってるし、普通に二足歩行で歩いて、話してる。それから私にはないが学園に通ってる生徒の中には翼や角や動物の耳が生えている子もいる。特に翼が生えている生徒は背中というより腰の括れらへんで生えているのですごくエッチだ。
そんなこんなで始業式も終わり、新しくなった自分のクラスへと行く。自分の席へと着きホームルームが始まるのを待つ。
ガタリと隣の席から音がした。隣の席のやつが来たのだろう。新しい学年だ、仲良くした方が良い。そう思い、隣の席のやつに目をやるとその選択は間違いだったと気付いた。
「何よ。」
私は何事も無かったように戻し前を向いた。隣の席にいたのは『杏山カズサ』。『キャスパリーグ』という名前で不良をやってるやつだ。前にカツアゲされて返り討ちにしたっきり会わなかったが、まさかここで会うことになるとは…。新学期初日から今後が心配だ。
キャスパリーグはこちらに絡むこと無く席に座ったようだ。そのままホームルームが始まった。
ホームルームが終わり、下校時間になった。私はさっさと荷物をまとめて教室を出る。キャスパリーグは既に向こうの廊下へと行っていた。流石は不良だ。私も帰るかと校門へ向かおうとすると後ろから元気な声で呼び止められた。
「こんにちは!カナデさん!」
「お前か…。」
元気な声の主は『宇沢レイサ』だ。『正義の象徴』だのなんだのを自称しているらしい。少し怪しいがこいつが正義感に溢れているのは本当だ。
「すみません、カナデさん。杏山カズサを見てませんか?」
「ああ、あっちに行ってたぞ。」
「ありがとうございます!」
私にお礼を言うと、すぐさま私が示した方向へと走っていった。あんなに元気なのにそこらへんはしっかり丁寧なのだ。まあ、今はキャスパリーグにご執心みたいだ。
元気似た走っていく宇沢を見送った後、私も帰路に着く。正直明日からの生活が心配だ。キャスパリーグ関連で面倒なことに巻きこまれないと良いが。
そんなことを考えながら歩いていると自分の寮が見えた。言い忘れていたが、トリニティ総合学園は全寮制であるため皆が寮に住んでいる。前世含めて初めて寮に住んだが、結構居心地は良い。特にここの寮は防音とかしっかりしてるし。階段を上って自分の部屋に向かうと、家の目の前で形容しがたい何かが這いずっていた。
それは頭から胸部は人間のものに近いが、下は軟体動物のような見た目であり腕は左手は虫のような形で右手は触手のような形であった。そして頭頂部にはヘイローが浮かんでいる。丸や三角や四角が混ざったような良くわからない形をしている。声をかけるとこちらに顔を向けてきた。顔も普通の人間のものではない。口は裂け、右目は白い部分が黒く、赤い瞳がこちらを見つめていた。だがそれはこちらを見つめるだけでなにもしてこない。見た目の割に友好的なのかもしれない。
私が近づいてもそれはなにもしてこない。試しに触ってみると、少し身動ぎをした。ただ、弱っているのか体を震わせている。可哀想に思うが、生憎私はこんな謎な生物を家に入れる気はない。家の前から移動させて、この事は忘れるとしよう。
そう考えてそれを持ち上げると、階段の方から話し声が聞こえた。マズい、このままでは私が手にもつそれが見つかってしまう。私はそれを抱えたまま家の中に入った。
咄嗟の事で家の中に入れてしまった。廊下からはまだ話し声が聞こえる。どうやら立ち話をしているらしい。それは私を見上げて見つめている。
どうしたものかと私は頭を悩ませた。
とりあえずオリ主は喰われる予定。