謎生物を拾ったんだが   作:異形に性癖を破壊されし男

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2話目だよ。
正直今回の話は自分がしたかったからしてる。

もうお気に入りが付いている事に驚いてます。
感謝です。


自問自答の末に…

 

あれからしばらく経ったが一向に声が止む気配がない。コッソリと出る案も考えたが、もし見つかった時のリスクが大きいため止めた。とりあえずそれはソファーにおいてある。相変わらず動き回ることはなく、こちらを見たり、家の中を見回しているだけだった。流石にこのまま放置は良心が痛む。

 

見たところ外傷などはないが砂や汚れが付いている。このまま暴れそうにもないしお風呂に入れてあげた方が良いだろう。早速それを風呂場へと連れていき適温のシャワーを水圧弱めで掛けた。もしかしたら猫のように水を嫌うかもしれないと思ったが、結局大人しいままだった。暴れないならと石鹸を泡立てて優しく洗う。上半身の人間らしい部分は人肌と同じような手触りだったが、下半身の軟体動物のような部分はツルンとした質感で、左手の虫のような部分は人肌より少し固い。

 

石鹸を洗い流し、タオルで優しくそれの体をふく。ふき終わってそれをまたソファーの上へと戻す。ソファーもしっかりと綺麗にしてある。体を洗いつつ確認したが、やはりそれに外傷はなかった。つまりそれが弱っている原因は栄養失調などの可能性が高い。食事を与えるべきだろうが、それは何を食べるのだろうか?それの構造的に人か虫が食べれそうなもので良さそうだが…。とりあえずキッチンに置いてあったバナナを適当な大きさにカットして皿に盛り付けそれの手元に置く。それは皿に目をやると一呼吸置いてからゆっくりと動きだし、バナナを食べ始めた。

 

てっきり口を付けて食べるのかと思っていたが、それは左手で皿を押さえ、口から長い舌を出してカットしたバナナを一つずつ口に運んでいる。それは爬虫類的特徴も持っていたようだ。虫のようなぎこちない動きではあったが、なんだかそれが不意に可愛く思えてしまった。食事を終えたそれがこちらを向いていることを確認し、頭をゆっくりと撫でる。今まで触ってもなにも反応しなかったので問題ないだろうが一応やっておいて損はない。それを撫でてやると特に何の反応を示すこともなく、こちらを見つめていた。まあ、いやがられないだけ上々の結果と言えるだろう。

 

ふと窓の外を見ると、太陽は沈み外は暗くなっていた。もうこの時間では外に出ることはできないためそれを寝かせられる寝床を用意した方が良いだろう。だが流石に私のベッドで一緒に寝るというのは私が安心できない。かといって快適な場所を求めて動き回られるのも困るので、それを一度ソファーからどかしてソファーにタオルケットを敷いてそれを置き、使ってない毛布をそれにかけてやる。とりあえずこれぐらいの寝床でもある程度は満足できるだろう。

 

それが恐らく眠ったことを確認してリビングの電気を消す。それから私は自室へ行き安物のサングラスをかける。部屋にある鏡の前に椅子を持ってきて足を組んで座る。そして、鏡の中の自分へと問いかける。

 

「さて、自問自答だ。」

 

そう言って鏡の中の自分を見据えた。

 

「あの謎生物の面倒をみる気は私にはあるか。」

 

「NOだ。残念だが私にそんな気はないし、何よりそんな勇気もない。」

 

では、と別の問いかけをする。

 

「もしやあれは神の依代などという可能性は?だとすればこのまま面倒を見るべきではないか」

 

「NOだ。神ぃ?誰だそいつは。知らん。」

 

生憎私は宗教に関心のない無神論者だ。荒唐無稽な質問をしたなと思いつつならばと続ける。

 

「これは私だけで解決できる問題ではないかもしれない。誰かに相談するべきでは……NOだ。」

 

あんなの誰かに相談してみろ。直ぐに『気持ち悪い』、『化け物』だのと言われるに違いない。そんなのはごめんだ。

 

困ったな。あの謎生物の面倒を見る理由がない。別に面倒を見るのに理由はいらないのだが。

 

あの謎生物を見ると前世で飼っていた犬を思い出した。確かあいつも弱っている所を私が家に連れていって面倒を見たのだ。と言っても数週間後に親に保健所へ連れて行かれたが。あの時の事がトラウマでそれ以降何かを飼うことはなかった。今のこの状況、このトラウマの克服に丁度良いのではないだろうか。私は鏡の中の自分へとこれなら、と言った。

 

「あの衰弱した可哀想な謎生物を利用して自分のトラウマの克服するのはどうか。」

 

答えは簡単だ。一呼吸置いてから私はその答えを出した。

 

「Yes だ。」

 

 




自問自答がやりたかった、それだけだ。
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